会社名 | 株式会社安川電機 |
業種 | 電気機器 |
従業員数 | 連13010名 単3189名 |
従業員平均年齢 | 42.1歳 |
従業員平均勤続年数 | 18.6年 |
平均年収 | 8723488円 |
1株当たりの純資産 | 872.99円 |
1株当たりの純利益 | 55.14円 |
決算時期 | 年2 |
配当金 | 64円 |
配当性向 | 95.8% |
株価収益率(PER) | 61.39倍 |
自己資本利益率(ROE) | 6.1% |
営業活動によるCF | 209億円 |
投資活動によるCF | ▲206億円 |
財務活動によるCF | 10億円 |
研究開発費※1 | 14.7億円 |
設備投資額※1 | 291.15億円 |
販売費および一般管理費※1 | 1682.09億円 |
株主資本比率※2 | 55.7% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、創業以来「事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献すること」を使命とし、この使命達成のため「品質重視の考えに立ち、常に世界に誇る技術を開発、向上させる」「経営効率の向上に努め、企業の存続と発展に必要な利益を確保する」「市場志向の精神に従い、そのニーズにこたえるとともに、需要家への奉仕に徹する」の3項目を掲げ、その実現に努めることを経営理念といたしております。また、グループ経営理念の実践に加え、環境問題や格差拡大など深刻化する社会問題への対応と社会全体の持続性への配慮を当社グループの経営方針として明確化するため、「サステナビリティ方針」を策定しております。このサステナビリティ方針では、「1. 最先端のメカトロニクス技術によるイノベーション創出で、お客さまをはじめ社会への価値創造に貢献」「2. 世界中のステークホルダーとの対話と連携を通じ、公正かつ透明性の高い信頼ある経営の実現」「3. 世界共通の目標であるSDGsの達成を目指し、グローバルでの社会的課題の解決」の3つを方針として掲げています。このような方針のもと、社会および顧客ニーズに高い次元でこたえる製品・サービスの提供や、従業員にとって働きがいのある会社づくりに取り組んでいます。これらにより、継続的な利益の創出を実現し、ステークホルダーのみなさまへの一層の還元を図るとともに、社会課題の解決を通じた持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、長期経営計画「2025年ビジョン」(2016年度~2025年度)においてメカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域と定め、経営目標については営業利益を最も重要な経営指標とし、「質」の向上にこだわることで経営体質の強化を目指しています。この「2025年ビジョン」の期間における最後の中期経営計画「Realize 25」(2023年度~2025年度)を2023年度より始動いたしました。「Realize 25」では、安川グループ経営理念を基本にソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」(※1)を中心とした事業活動を強化し、「2025年ビジョン」の達成を目指すとともに、お客さまの経営課題の解決とサステナブルな社会の実現に寄与してまいります。なお、「2025年ビジョン」および「Realize 25」の詳細は、以下のURLからご覧いただくことができます。 2025年ビジョン:https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/Vision2025_Revision.pdfRealize 25 :https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/05/realize25.pdf (※1)i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス):当社が1969年に提唱した「メカトロニクス(メカニズムとエレクトロニクスを融合した造語)」に3つの“i”(integrated:統合的、intelligent:知能的、innovative:革新的)を重ね合わせ、お客さまの経営課題の解決に寄与するソリューションコンセプト。 (3) 中期経営計画「Realize 25」の概要① 財務目標当社グループは「2025年ビジョン」において、営業利益を最も重要な経営指標に据え、過去最高となる1,000億円の営業利益を目指しております。「Realize 25」においては、i3-Mechatronicsの展開とロボティクスの進化により新たな価値を創出し、収益および生産性を高めることで、「2025年ビジョン」の達成を目指します。[参考]2022年度実績為替レート 134.12円/米ドル、139.84円/ユーロ、19.68円/元、0.103円/ウォン2025年度想定為替レート 130.00円/米ドル、140.00円/ユーロ、19.00円/元、0.100円/ウォン ② 基本方針方針1 i3-Mechatronicsソリューションによる価値創出 「i3-Mechatronics」のコンセプトを軸に、お客さまが求める「コト」、すなわち「改善や進化」へのソリューションの価値を最大化することで、お客さまへの貢献性を高めます。この「お客さまへのソリューション」を実現するために、技術・生産・販売・品質機能の強化を図ってまいります。(a) お客さまの価値創出につながる技術開発力の強化安川テクノロジーセンタで業界をリードする製品・技術を創出し、お客さまの価値向上を実現します。(b) i3-Mechatronicsによる自社の「ものづくり」進化i3-Mechatronicsソリューションを自社の生産現場で実践し、生産性向上・生産管理高度化を追求することで、当社製品の競争力向上を図ります。(c) お客さまのサプライチェーンへの戦略的なアプローチの強化エンドユーザや装置メーカ等のお客さまと連携強化を図り、最適なソリューションを提供するとともにビジネスの領域拡大を目指します。(d) 製品ライフサイクルにおける製品・サービス品質の革新YDX(※2)を通じて蓄積される膨大なデータを活用して「お客さまの設備を止めない」サービスをグローバルで展開します。 (※2)YDX:YASKAWA Digital Transformationの略。第1フェーズである「YDX-I」では、経営資源の可視化・一元化とその最適配置を目指した活動を実施。「YDX-Ⅱ」では、製品・サービス視点でのお客さまへの価値創出を実施。 方針2 世界一/世界初の自動化コンポーネントを軸としたグローバル成長市場攻略 自動化コンポーネントを中心としたグローバルでの市場別戦略を展開し、最適な生産体制を構築することで、成長市場の需要を確実に捉えます。(a) グローバル最適生産体制の構築とレジリエントなサプライチェーン構築拡大する需要に対して生産能力・生産性の向上を図るとともに、環境変化やリスクに強いグローバル生産体制を構築します。 方針3 メカトロニクス応用領域の事業拡大によるサステナブルな社会の実現に貢献(a) Energy Savingグリーンプロダクツの拡販によりお客さまの省エネ性向上と環境負荷軽減を実現します。(b) Clean Power新製品を軸に事業を本格拡大させ、世界トップクラスの創エネを実現します。(c) Food & Agriコア技術を結集し、食の安全と安定供給を実現します。(d) Biomedical Scienceゲノム解析や再生医療分野における自動化等を通じて、すべての人が人間らしく、より豊かに、輝ける未来を実現します。 方針4 YDXとサステナビリティ経営の深化による経営基盤の強化(a) PLM(Product Lifecycle Management)の再構築をベースとしたYDXチェーンによる新たな価値提供YDXの第2フェーズとなる「YDX-Ⅱ」ではPLM再構築によるお客さまへの価値を創出します。(b) マテリアリティへの取り組み強化を軸としたサステナビリティ経営の推進サステナビリティ課題に対するマテリアリティを設定し、ステークホルダーのみなさまの期待に応えるサステナブルな経営を実践します。 ③ 中期経営計画「Realize 25」の遂行状況財務実績 2023年度実績売上収益: 5,756億円営業利益: 662億円営業利益率:11.5%ROE: 13.6%ROIC: 11.8%配当性向: 33.0% 2023年度の主な取り組み中期経営計画「Realize 25」の達成に向けた2023年度の主な取り組みは以下のとおりです。 方針1 i3-Mechatronicsソリューションによる価値創出(a) お客さまの価値創出につながる技術開発力の強化未自動化領域の開拓を狙った新型自律ロボット「MOTOMAN NEXTシリーズ」と生産現場のセルを統合制御しi3-Mechatronicsを実現するYRMコントローラ「YRM1010」の販売を開始しました。(b) i3-Mechatronicsによる自社の「ものづくり」進化内製化拡大を実現する国内ロボット機械加工工場の建設を完了しました。(c) お客さまのサプライチェーンへの戦略的なアプローチの強化i3-Mechatronicsを実現するキープロダクトによるお客さまへのアプローチを強化し、各業界のトップメーカーとの協業を通じた実績を拡大しました。(d) 製品ライフサイクルにおける製品・サービス品質の革新市場サービスデータの一元化・構造化を行い、製品品質状況・市場稼働状況の集約管理を開始しました。 方針2 世界一/世界初の自動化コンポーネントを軸としたグローバル成長市場攻略(a) グローバル最適生産体制の構築とレジリエントなサプライチェーン構築グローバルにおける主要部品の内製化や事業部共通の重点部品の一括調達により、生産/調達体制および需要地生産体制の強化を推進しました。 方針3 メカトロニクス応用領域の事業拡大によるサステナブルな社会の実現に貢献(a) Energy Saving安川インバータGA700シリーズの大容量帯の販売を開始し、大型の一般産業用機械や設備への適用を可能としました。 (b) Clean Power脱炭素社会実現に向けて新型の太陽光発電用パワーコンディショナ「Enewell-SOL P3A」の市場投入を行い、国内における自家消費市場での取り組みを強化しました。(c) Food & Agri米国でいちごの植物工場を展開しているOishii Farm Corporationとの資本業務提携により植物工場の自動化を推進しました。また、JA全農と協業開発を進める「きゅうりの葉かき作業の自動化」は本格的な導入フェーズに移行しました。(d) Biomedical Science再生医療分野におけるロボットを活用した自動化プラットフォームの構築に向け、外部パートナーとの共同研究を進めました。 方針4 YDXとサステナビリティ経営の深化による経営基盤の強化(a) PLM(Product Lifecycle Management)の再構築をベースとしたYDXチェーンによる新たな価値提供PLM再構築のベースとなる安川データレイクの基盤整備を進めました。(b) マテリアリティへの取り組み強化を軸としたサステナビリティ経営の推進「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (4) 経営環境および優先的に対処すべき課題 2024年度の当社グループを取り巻く経営環境は、半導体・電子部品市場の投資再開が見込まれる等、製造業における自動化・省力化に関する設備投資が回復する見込みです。 2024年度は中期経営計画「Realize 25」そして長期経営計画「2025年ビジョン」の確実な達成に向けて、DX(Digital Transformation)をベースにソリューションコンセプトである「i3-Mechatronics」をもう一段進化させるとともに、市場の変化を捉えた戦略をグローバルに展開し、更なる収益性の向上に努めてまいります。 2024年度の重点実施項目は以下のとおりです。 ① お客さまの“コト”を実現するi3-Mechatronicsの進化 徹底したお客さまの“コト”(改善・進化)の理解に基づくソリューション提案、そして、それを実現する“モノ”(製品・技術)の提供を拡大させるとともに、自社の生産現場におけるi3-Mechatronicsの実践による自動化領域の拡大とモノづくりの高度化を進めていきます。また、グローバルでの協創によるi3-Mechatronicsの進化を目指し、i3-Mechatronicsプロジェクトで実証したソリューションの水平展開や、YRMコントローラを基軸としたグローバル展開を実行していきます。 ② グローバル成長市場の動向を捉えた戦略展開によるビジネス拡大 グローバルにおける主要なお客さまとの連携強化を通じ、半導体市場の投資の再開を確実に捕捉します。また、国内中核販社および拡販パートナーの役割連携による国内半導体市場でのプレゼンスを向上させるとともに、拡大が期待されるBEV(二次電池式電気自動車)領域のモノづくりやサプライチェーンの変化に追随した自動化ソリューションの提供を目指してまいります。 製品面では、2023年度に市場投入した「MOTOMAN NEXT」の拡販を加速させるとともに、サーボ・インバータ市場におけるお客さまの“コト”の理解に基づく製品戦略を再強化していきます。 ③ メカトロニクス応用領域の事業拡大に向けたパートナー戦略の推進 カーボンニュートラルに向けて拡大する創エネ・省エネ需要をしっかりと捉え、新型の太陽光発電用パワーコンディショナ「Enewell-SOL P3A」を拡販していきます。また、メカトロニクス応用領域におけるアライアンスとして、“食”や“農業”、そして“バイオメディカル”における自動化領域でパートナーとの協業を進めていきます。 ④ 「YDX-Ⅱ」プロジェクト推進強化によるサステナビリティ経営の実践 生・販・技・サービスのデータ連携によるPLM再構築、そして、その基盤となる安川データレイクの構築等、全社一丸となって「YDX-Ⅱ」プロジェクトを推進していきます。 また、「One YASKAWA」の確立に向けた安川グループ経営理念の理解深化を継続し、安川グローバルにおいて、集約したデータに基づくサステナビリティ経営の実践を通じ、企業価値の更なる向上を目指してまいります。 各セグメントにおける具体策は以下のとおりです。 〔モーションコントロール〕 ACサーボモータ・コントローラ事業においては、半導体市場等の立ち上がりを確実に捕捉するため、販売活動を強化します。また、i3-Mechatronicsを実現させる「YRMコントローラ」やACサーボ「Σ-X」(シグマ・テン)シリーズなどを軸としてグローバルに展開し、収益のさらなる拡大を図ります。生産については、i3-Mechatronicsを実践した変種変量に追従できる自動化ラインを進化させて生産性向上を図ります。 インバータ事業においては、ターゲット市場におけるお客さまの“コト”の徹底した理解に基づく販売活動の強化を図るとともに、グローバルでの需要地生産や部品内製化等により生産力の強化を進めていきます。太陽光発電市場においては、パワーコンディショナ「Enewell-SOL P3A」を中心に国内の自家消費市場の攻略を強化して売上拡大を図ります。 〔ロボット〕 i3-Mechatronicsソリューションの実践・展開による提供価値を進化させるとともに、市場の変化に追従した事業展開を加速してまいります。 また、2023年度に市場投入した「MOTOMAN NEXT」の拡販パートナーとの連携活動の強化を通じてプレゼンスの向上を図るとともに、多様化する市場ニーズを捕捉します。加えて、半導体やEVなどの注力市場においては、市場の立ち上がりを確実に捉え、事業拡大を進めていきます。 生産については、国内外の生産拠点の自動化・省人化を拡充し、需要変動に強い効率的な生産体制を構築します。 〔システムエンジニアリング〕 鉄鋼プラントシステム・社会システム分野では、AI・IoT技術によりカーボンニュートラル需要に対応した付加価値の高いサービスの提供に努めます。クレーン分野では、アジアを中心とする港湾クレーン等の成長市場への追従を図ります。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 2023年度~2025年度中期経営計画「Realize 25」に関する認識および分析・検討内容経営指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中期経営計画「Realize 25」の概要」に記載しております。 (2) 経営者による経営成績(P/L)の分析① 概況当期における当社グループの経営環境は、製造業全般における生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が底堅く推移した一方、半導体・電子部品向けの需要は軟調に推移しました。このような環境において当社グループの業績は、サプライチェーンの混乱により遅れていた生産が正常化し、受注残の消化が進んだことで、前期比で増収となりました。利益面については、高騰した原材料費などの価格転嫁やシステムエンジニアリングにおける事業構造改革の進展などがプラスに寄与しましたが、昨年度に一時的に発生した退職年金制度の変更や遊休不動産の売却などに伴うその他の収益がなくなった影響などにより減益となりました。 この結果、当期の経営成績は以下のとおりです。 2023年2月期2024年2月期前期比売上収益5,559億55百万円5,756億58百万円+3.5%営業利益683億 1百万円662億25百万円△3.0%親会社の所有者に帰属する当期利益517億83百万円506億87百万円△2.1%米ドル平均レート134.12円143.22円+9.1円ユーロ平均レート139.84円155.06円+15.22円中国人民元平均レート19.68円20.02円+0.34円韓国ウォン平均レート0.103円0.109円+0.006円 なお、当期における当社グループの地域別の経営環境は以下のとおりです。日 本:半導体・電子部品市場における在庫調整の継続や自動車市場の投資低迷などにより、需要は総じて軟調に推移しました。米 国:オイル・ガス関連の設備投資や一般産業分野における自動化投資は継続したものの、半導体市場が低調に推移するなど、需要は伸び悩みました。欧 州:EVなどの成長市場における設備投資は継続したものの、景気後退の影響を受け製造業全般の需要は減速しました。中 国:太陽光発電用パネル製造装置などの一部市場において期初に堅調な需要が見られましたが、期の後半における市場全体の回復が総じて鈍く、製造業全般の需要は伸び悩みました。中国除くアジア:アセアン各国やインドにおいてはインフラ関連や一般産業分野などで、韓国ではEVなど自動車市場において、設備投資が堅調に推移しました。 ② セグメント別の状況当社グループでは、事業内容を4つのセグメントに分けています。当期の各セグメントの経営成績は以下のとおりです。モーションコントロール売上収益 2,600億35百万円 (前期比 +3.1% )営業損益 381億98百万円 (前期比 +5.5% )モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されています。売上収益は半導体・電子部品向けが伸び悩んだものの、生産の正常化により販売が伸長し前期比で増収となりました。利益面については、高騰した原材料費の価格転嫁による採算性の改善や新製品への切替効果などにより増益となりました。〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 半導体・電子部品向けの需要低迷や在庫調整の長期化の影響を受け、売上収益は減少しました。〔インバータ事業〕 生産の正常化によりグローバルで売上が拡大したことに加え、米国のオイル・ガス関連およびアセアン各国やインドにおけるインフラ関連の需要が堅調に推移し、売上収益は大幅に伸長しました。ロボット売上収益 2,346億80百万円 (前期比 +4.8% )営業損益 251億49百万円 (前期比 △3.7% )一般産業分野において、中国では投資が低迷した一方、欧米を中心に人件費高騰・労働力不足を背景とした生産の高度化・自動化の投資が底堅く推移しました。また、韓国でのEVを中心とした自動車市場における塗装関連の大口案件の売上も寄与し、売上収益は前期比で増加しました。利益面については、高騰した資材の価格転嫁の取組みがプラスに寄与したものの、間接費の増加により減益となりました。システムエンジニアリング売上収益 554億55百万円 (前期比 +8.5% )営業損益 56億37百万円 (前期比 +119.0% )太陽光発電用パワーコンディショナや海外の港湾クレーン関連の販売が堅調に推移し、売上収益は前期比で増加しました。利益面については、売上増加による利益増加に加え、大型風力発電関連の子会社の株式売却を行うなど、事業構造改革を進めた結果、大幅な増益となりました。その他売上収益 254億86百万円 (前期比 △11.8% )営業損益 4億16百万円 (前期比 △76.7% )その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されています。売上収益・営業利益ともに前期比で減少しました。 (3) 経営者による財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析① 資本の財源および資金の流動性にかかる情報(a) 資産、負債および資本(B/S)構造に関する基本的な考え方(ア) 流動資産(手元現預金)キャッシュがグローバルで分散し余剰にならないようにコントロールしながら、手元現預金は月商1ヵ月程度の水準を維持する方針です。(イ) 非流動資産将来の利益源になる投資を積極的に行う方針です。(ウ) 資本構成親会社所有者帰属持分比率50%以上を安定的な経営が実現できる水準とみております。今後は将来の設備投資のための内部留保が増えてきますが、現金・資本が過剰になることがないよう、一定のネットD/Eレシオを目安に置きながら効率性を重視する方針です。 (b) キャッシュアロケーションに関する基本的な考え方当社は、営業活動により生み出したキャッシュを①投資、②株主還元、③従業員配分の3方向に効果的に投入することで、持続的な成長を実現することを基本方針としております。(ア) 投資中期経営計画「Realize 25」では、2023年度~2025年度の累計で1,500億円の投資計画を立てております。キャッシュを有効活用し、工場や事業所の再編、内製化や自動化および需要地生産の拡大など、効率化・付加価値向上のための先行投資を厚くしていく方針です。(イ) 株主還元当期利益に対し30%+αの配当性向を想定した経営を実践しております。キャッシュが想定以上に創出された場合は、追加の還元策も検討します。(ウ) 従業員配分中期経営計画の目標達成度合いに応じた中長期報酬制度を2022年度より従業員に拡大しております。従業員には、生産性の高い仕事のやり方により付加価値向上・利益率改善に取り組むインセンティブとなっております。また、従業員持株会への加入を促す制度としており、企業価値向上がインセンティブとなり従業員の経営参画意識を高める効果も期待しております。 ② 資産、負債および資本(B/S)の状況(a) 資産 7,023億35百万円(前期末比 492億2百万円増加)棚卸資産等の増加により、流動資産が前期末に比べ251億99百万円増加しました。また、有形固定資産やその他の金融資産等の増加により、非流動資産が前期末に比べ240億2百万円増加しました。 (b) 負債 2,943億16百万円(前期末比 37億40百万円減少)その他の流動負債等が増加したものの、短期借入金等の減少により、流動負債が前期末に比べ256億64百万円減少しました。一方、長期借入金等の増加により、非流動負債が前期末に比べ219億23百万円増加しました。 (c) 資本 4,080億18百万円(前期末比 529億42百万円増加)利益剰余金やその他の資本の構成要素等が増加しました。 ③ キャッシュ・フロー(C/F)の状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は402億79百万円(前期末比 19億95百万円減少)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 (a) 営業活動によるキャッシュ・フロー棚卸資産の増加等があったものの、税引前当期利益や減価償却費の計上等により、546億19百万円の収入(前期比 568億28百万円の収入増)となりました。 (b) 投資活動によるキャッシュ・フロー有形固定資産及び無形資産の取得による支出等により、293億46百万円の支出(前期比 96億51百万円の支出増)となりました。 (c) 財務活動によるキャッシュ・フロー長期借入れによる収入があったものの、借入金の返済および配当金の支払い等により、294億16百万円の支出(前期比 366億14百万円の支出増)となりました。 ※営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは252億72百万円の収入となりました。 (4) 生産、受注および販売の実績当社グループの生産・販売品目は広範囲にわたりかつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため、生産および受注の実績については、「(2) 経営者による経営成績(P/L)の分析」におけるセグメントの経営成績に関連づけて記載しております。また、販売の実績については、「(2) 経営者による経営成績(P/L)の分析」におけるセグメントの経営成績に関連づけて、連結の数字を示しております。 (5) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針の要約 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。 |
※本記事は「株式会社安川電機」の令和6年年2期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
コメント