会社名 | 東京建物株式会社 |
業種 | 不動産業 |
従業員数 | 連4661名 単807名 |
従業員平均年齢 | 41歳 |
従業員平均勤続年数 | 11年 |
平均年収 | 10235000円 |
1株当たりの純資産 | 2378.61円 |
1株当たりの純利益 | 215.82円 |
決算時期 | 12月 |
配当金 | 73円 |
配当性向 | 47.3% |
株価収益率(PER) | 9.8倍 |
自己資本利益率(ROE) | 9.6% |
営業活動によるCF | 205億円 |
投資活動によるCF | ▲540億円 |
財務活動によるCF | 779億円 |
研究開発費※1 | -円 |
設備投資額※1 | 8.84億円 |
販売費および一般管理費※1 | 386.08億円 |
株主資本比率※2 | 22.1% |
有利子負債残高(連結)※3 | 10769.77億円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針① グループ長期ビジョン及び中期経営計画 当社グループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、2030年頃を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」及び2020~2024年度を対象としたグループ中期経営計画を策定しております。長期ビジョンでは、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立していくことで、2030年頃に連結事業利益1,200億円を達成するとともに、SDGs達成への貢献を果たすことを掲げております。グループ中期経営計画(2020~2024年度)では、長期ビジョン実現に向けて、以下の「5つの重点戦略」と「ESG経営の高度化」を着実に推進することにより、後記「(2)目標とする経営指標」に示す経営指標に係る目標数値等の達成を目指すこととしております。 〈当社グループ長期ビジョン〉 イ.重点戦略① 「大規模再開発の推進」・環境負荷の低減、自然災害への対策強化、賑わい拠点の創出、豊かなコミュニティの形成及び多様なパートナーとの協働と先進的なテクノロジーの活用による新たな価値の創出等によって、社会課題解決に貢献するまちづくりを実現し、オフィスビルポートフォリオの価値向上を目指します。・東京駅前の旧本社ビルを含む再開発プロジェクトをはじめとする複数の大規模再開発プロジェクトを推進することで、安定的な賃貸利益の拡大を図ります。ロ.重点戦略② 「分譲マンション事業の更なる強化」・競争力の高いマンションの開発機会を継続的に獲得し、社会変化に対応した良質な住まいを提供することで、分譲マンション事業の更なる強化を図ります。・大規模な再開発や建替えプロジェクトを継続的に展開し、安定的な利益の確保を目指します。 ハ.重点戦略③ 「投資家向け物件売却の拡大」・不動産投資ニーズを捉えた多様なアセットの開発機会の積極的な獲得及び戦略的投資・売却の推進により、継続的な利益成長と資本効率の向上を目指します。・資本効率の観点から固定資産についても収益性・将来性等を考慮し、ポートフォリオを見直します。ニ.重点戦略④ 「仲介・ファンド・駐車場事業の強化」・不動産ストックの増加に着目した仲介事業並びに不動産の有効活用ニーズを捉えた駐車場事業を強化し、グループ関与アセットの拡大を目指します。・開発・保有物件を当社がスポンサーを務めるREIT等へ売却することで、グループAUMを拡大し、ファンド事業の成長を図ります。ホ.重点戦略⑤ 「海外事業の成長」・長期にわたり展開している中国での事業及び他のアジア諸国での開発を継続して推進します。・現地有力パートナーとの協業を通じて新規の事業機会を獲得することにより、利益の拡大を目指します。ヘ.「ESG経営の高度化」・サステナビリティ施策をグループ全社で横断的に推進するため、サステナビリティ委員会等を通じて、ESGに関する重要事項の審議や目標の設定、進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を行うことで、サステナビリティ施策を継続的に展開します。・ESG格付機関等による評価項目をベンチマークツールとして活用し、ESGインデックスへの組み入れを目指します。 ② マテリアリティ 当社グループは、長期ビジョンの達成に向けて、事業を通じて実現する「社会との共有価値」を意識し、バックキャスティングによって取り組むべき重要課題の見直しを行い、「社会価値創出」と「価値創造基盤」の観点から14のマテリアリティ(事業との関連性が高い重要課題)を特定しております。事業を通じてマテリアリティの解決に取り組み、社会との共有価値の創出を実現することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 〈当社グループマテリアリティ〉 (2)目標とする経営指標 当社グループは、グループ中期経営計画(2020~2024年度)において、連結営業利益に持分法投資損益を加えた「連結事業利益」を目標とする利益指標として採用し、最終年度である2024年度については「連結事業利益750億円」を目標として掲げております。 また併せて、2024年度における資本効率の指標として「ROE8~10%」、財務指針として「D/Eレシオ2.4倍程度」、「有利子負債/EBITDA倍率12倍程度」を掲げており、財務健全性の維持と資本効率の向上を図りながら利益目標の達成を目指すとともに、事業ポートフォリオ及び資産構成の最適化に取り組みます。 (3)経営環境及び対処すべき課題 今後のわが国経済は、経済社会活動の正常化が一層進み、個人消費の回復やインバウンド需要の拡大などにより、景気の回復基調が継続することが期待されるものの、物価高の影響、賃上げや金利の動向、世界経済の減速リスク等を引き続き注視する必要があり、先行きは不確実性の高い状況が続くものと思われます。 当不動産業界におきましては、建築費の高騰や金利上昇リスクに対し適切に対処するとともに、アフターコロナを迎え、対面での交流やリアルな体験を求める動きが広がるなか、人々を惹きつける、魅力ある「場の価値」と「体験価値」の創出に取り組むことが求められます。また、コロナ禍を契機に多様化した働き方・住まい方のニーズに応える商品・サービスを提供するとともに、サステナブルなまちづくりの実現に向けて、多角的な取り組みが引き続き必要とされるものと考えます。 このような状況のもと、当社グループは、グループ中期経営計画(2020?2024年度)の最終年度を迎え、同計画の着実な達成に向けて、重点戦略である「大規模再開発の推進」、「分譲マンション事業の更なる強化」、「投資家向け物件売却の拡大」、「仲介・ファンド・駐車場事業の強化」、「海外事業の成長」の推進と「ESG経営の高度化」に、総力を挙げて取り組んでまいります。 そのなかで、長期ビジョンの実現に向けて、当社グループのマテリアリティとして特定した「価値共創とイノベーション」、「ウェルビーイング」、「脱炭素・循環型社会の推進」等に関する取り組みを推進してまいります。具体的には、当社が複数の再開発事業を推進する八重洲・日本橋・京橋エリアにおいて、グローバルスタートアップ企業の集積やコミュニティ形成等を支援する施設を運営することで、スタートアップ企業の創出・成長に貢献するとともに、大手企業やベンチャーキャピタルとの交流を促進するなど、イノベーション・エコシステム(注)1の強化にも取り組んでまいります。このほか、同エリアでは、生産性向上や離職率低下等に寄与する「ウェルビーイングが向上するオフィス」を実現するために、デジタル技術を活用した実証実験を実施するなど、同エリアの「場の価値」と「体験価値」を高める多様な取り組みを今後も進めてまいります。さらに、脱炭素・循環型社会の実現に向けて、ZEHの開発を拡大するとともに、環境省主催の「令和5年度気候変動アクション環境大臣表彰」及び日本不動産学会主催の第29回業績賞「国土交通大臣賞」を受賞した「物流施設と自己託送制度(注)2を活用した持続可能なカーボンニュートラルの取り組み」を推進するなど、様々な取り組みを加速してまいります。なお、喫緊の課題である建築費の高騰については、コストコントロールや施工業者との連携の強化、高い価値訴求力のある魅力的な商品の開発に注力するとともに、引き続き厳選投資を徹底するなど、業績への影響の緩和に努めてまいります。 当社グループは、2030年頃を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」のもと、2024年度を最終年度とするグループ中期経営計画の着実な達成を図るとともに、引き続き、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することで、すべてのステークホルダーにとっての「いい会社」を目指してまいります。 (注)1.ベンチャー企業や大企業、投資家、研究機関など、産学官の様々なプレーヤーが集積・連携することで先端産業の育成や経済成長の好循環を生み出すビジネス環境を、自然環境の生態系になぞらえたもの。2.自社が持つ発電施設から生み出される電力を、一般送配電事業者が維持・運用する送配電ネットワークを介して、自社の別の場所にある施設等に送電すること。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、コロナ禍の収束に伴い経済社会活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善と各種政策効果等が相まって、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化、世界経済の下振れリスク、為替変動の影響等が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続きました。 当不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、空室率は比較的高い水準で推移したものの、オフィスへの出社回帰の動きが広がり、年度後半には一部エリアで空室率が低下に転じました。分譲住宅市場については、新築マンションの供給戸数の減少や分譲価格の上昇が続くなか、低金利の継続や共働き世帯の増加等を背景として、引き続き好調に推移しました。不動産投資市場については、海外投資家の投資需要が、海外における不動産市況悪化や国内の金利の先高観等の影響もあって減退したものの、国内の投資家は依然として投資意欲が旺盛だったことから、総じて堅調に推移しました。 このような事業環境のもと、当社グループは、2030年頃を見据えた長期ビジョンで掲げる“「社会課題の解決」と「企業としての成長」のより高い次元での両立”に向けて、2020~2024年度を対象期間とするグループ中期経営計画に基づき、5つの重点戦略を推進するとともに「ESG経営の高度化」に注力してまいりました。重点戦略の一つである「大規模再開発の推進」については、八重洲、京橋、渋谷の各エリアの再開発事業において重要な許認可手続等が着実に進捗いたしました。また、「分譲マンション事業の更なる強化」については、当社独自のノウハウと「Brillia」ブランドを活かし、東京23区内最大級の大型団地の一括建替事業「Brillia City 石神井公園 ATLAS」(東京都練馬区)など、社会と顧客ニーズの変化を的確に捉えた良質な住まいの提供に取り組むとともに、新たな再開発・建替案件等の多様な事業機会の創出に注力いたしました。 「ESG経営の高度化」については、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速するため、当社グループの温室効果ガス排出削減の中長期目標を、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑える水準に引き上げるとともに、人権尊重と環境保全等に配慮した調達をサプライチェーン全体で実現することを目的とする「サステナブル調達基準」について、サプライヤーによる理解・実践を促進するため、新たにガイドラインを策定、開示いたしました。当社グループは、自然との共生を目指した取り組みを継続的に進めており、竣工以来10年にわたり都心での自然環境の再生に取り組んできた「大手町の森」を擁する「大手町タワー」(東京都千代田区)は、環境省により、生物多様性の保全が図られている区域として「自然共生サイト」(注)に認定されました。また、当事業年度に一部開園した東京都初のPark-PFI事業「都立明治公園」(東京都新宿区)では、民間事業者の代表として、都民の皆様とともに時間をかけて育てる杜づくりをコンセプトとする樹林地など、豊かな自然環境とにぎわい機能が融合した、「東京」という都市の“レガシー”となる公園づくりを進めております。当社グループのESG経営に対する外部評価は年々高まっており、当事業年度はESG投資の主要指数である「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に選定され、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用する国内株式を対象とした全てのESG指数の構成銘柄となりました。 このほか、「事業ポートフォリオの最適化」の取り組みとして、保育施設関連事業と人材派遣事業をそれぞれ担う2つの子会社の全株式を譲渡するとともに、ファンド事業の強化のため、㈱東京リアルティ・インベストメント・マネジメントを完全子会社化するなど、長期ビジョンの実現とグループ中期経営計画の達成に向けて、様々な取り組みを推進してまいりました。(注)2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標(30by30目標)の達成に向けた主要施策として、2023年度から環境省が実施するもの 当連結会計年度におきましては、ビル賃貸及び駐車場事業が堅調に推移するとともに、ビル事業、住宅事業及びアセットサービス事業における投資家向け物件売却による売上が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は3,759億4千6百万円(前期3,499億4千万円、前期比7.4%増)、営業利益は705億8百万円(前期644億7千8百万円、前期比9.4%増)となりました。また、海外事業において持分法による投資利益が増加したこと等により、事業利益は744億2千8百万円(前期663億4百万円、前期比12.3%増)、経常利益は694億7千1百万円(前期635億3千1百万円、前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は450億8千4百万円(前期430億6千2百万円、前期比4.7%増)となりました。 なお、当社グループは営業利益に持分法による投資損益を加えた「事業利益」を利益指標として設定しております。 各セグメントの業績は以下の通りであります。 イ.ビル事業 大規模再開発プロジェクトについては、「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(A地区・B地区)」(東京都中央区)においてA地区の権利変換計画が認可され、「渋谷二丁目西地区第一種市街地再開発事業」(東京都渋谷区)においては市街地再開発組合の設立が認可されるなど、重要な許認可手続等が着実に進捗いたしました。また、投資家向け売却用物件については、物流施設「T-LOGI 一宮」(愛知県一宮市)など4物件を竣工させたほか、中規模オフィスビル「T-PLUS」シリーズ、ホテル、商業施設等、多様なアセットの開発を積極的に推進いたしました。 当連結会計年度におきましては、投資家向け物件売却として「T-LOGI習志野Ⅱ」(千葉県習志野市)、「T-LOGI本庄児玉」(埼玉県児玉郡)等を収益に計上した一方、ビル賃貸における費用が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は1,552億5千6百万円(前期1,451億5千5百万円、前期比7.0%増)、営業利益は384億8千3百万円(前期409億1千万円、前期比5.9%減)、事業利益は401億5千3百万円(前期412億4百万円、前期比2.5%減)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度数量等営業収益(百万円)数量等営業収益(百万円)ビル賃貸建物賃貸面積947,514㎡76,735建物賃貸面積1,040,870㎡78,275(うち転貸面積81,095㎡)(うち転貸面積67,227㎡)不動産売上2件29,8128件38,643管理受託等-38,607-38,337営業収益計-145,155-155,256営業利益-40,910-38,483事業利益-41,204-40,153 ロ.住宅事業 分譲マンションについては、住宅・商業・工場・病院等を配した多彩な都市機能を維持・更新する街づくりである市街地再開発事業「SHIROKANE The SKY」(東京都港区)や東京23区最大級の大型団地の一括建替事業「Brillia City 石神井公園 ATLAS」(東京都練馬区)を収益に計上するとともに、関西初のマンション敷地売却制度活用事例である「みのおサンプラザ1号館敷地売却事業」(大阪府箕面市)など、多様な事業手法で新たなプロジェクトの開発を推進いたしました。また、投資家向け売却用物件については、賃貸マンション「Brillia ist」の開発を積極的に推進し、「Brillia ist 蔵前 Residence」(東京都台東区)など2物件を竣工させました。 当連結会計年度におきましては、分譲マンションとして上記の収益計上物件のほか「Brillia 練馬春日町」(東京都練馬区)等を、投資家向け物件売却として「Blan Canvas 六甲道」(神戸市灘区)等を収益に計上いたしました。この結果、営業収益は1,341億4千万円(前期1,313億9千万円、前期比2.1%増)、営業利益は271億5千5百万円(前期233億4百万円、前期比16.5%増)、事業利益は271億4千9百万円(前期233億4百万円、前期比16.5%増)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度数量等営業収益(百万円)数量等営業収益(百万円)住宅分譲 1,435戸85,958 1,058戸84,029不動産売上-17,500-20,664住宅賃貸建物賃貸面積125,085㎡5,309建物賃貸面積117,973㎡5,948マンション管理受託管理戸数98,006戸13,743管理戸数99,083戸14,321その他-8,879-9,176営業収益計-131,390-134,140営業利益-23,304-27,155事業利益-23,304-27,149 ハ.アセットサービス事業 東京建物不動産販売㈱が展開する仲介事業については、法人のお客様との関係強化や投資家との取引拡大等により、更なる収益力の向上を図りました。また、同社によるアセットソリューション事業については、仲介事業との連携や既存の取引先への営業強化等により、販売用不動産の取得・売却が順調に進捗したほか、新たな取り組みとして、不動産小口化商品の組成・販売を行いました。日本パーキング㈱が展開する駐車場事業については、更なる収益向上のため新規施設の獲得に努めるとともに、顧客サービス向上に向けて駐車場システムの高機能化等に取り組みました。 当連結会計年度におきましては、駐車場事業において既存施設の稼働率の回復及び新規開業による車室数の増加が進むとともに、アセットソリューション事業において投資家向け物件売却による売上が前年度比で大幅に増加いたしました。この結果、営業収益は638億円(前期502億4千万円、前期比27.0%増)、営業利益及び事業利益は129億7百万円(前期73億9千9百万円、前期比74.4%増)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度数量等営業収益(百万円)数量等営業収益(百万円)仲介1,086件4,6261,097件5,499アセットソリューション(注)-19,084-29,999賃貸管理等-4,554-4,567駐車場運営車室数80,057室21,975車室数82,542室23,734営業収益計-50,240-63,800営業利益-7,399-12,907事業利益-7,399-12,907(注)取得した不動産の付加価値を向上させて再販する買取再販業務を主に行っております。 ニ.その他事業 クオリティライフ事業については、東京建物リゾート㈱が展開する愛犬同伴型リゾートホテル「レジーナリゾート」及びゴルフ場において、引き続き、通年で高い稼働率を維持するとともに、コロナ禍による影響が長期化していた温浴施設においても、来館者数、売上ともに回復いたしました。また、事業ポートフォリオの最適化に向けた取り組みとして、保育施設関連事業と人材派遣事業をそれぞれ担う2つの子会社の全株式を譲渡いたしました。海外事業については、タイにおいて中規模オフィスビルの開発事業「スクンヴィット25プロジェクト」(バンコク都)に参画し、米国のワシントンD.C.近郊においては賃貸住宅の開発事業「ハーンドンプロジェクト」(バージニア州)に参画いたしました。 当連結会計年度におきましては、クオリティライフ事業において2つの子会社の全株式を譲渡した影響等により収益が前年度比で減少した一方、海外事業において持分法による投資利益が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は227億4千8百万円(前期231億5千4百万円、前期比1.8%減)、営業利益は22億4百万円(前期25億1千8百万円、前期比12.5%減)、事業利益は44億6千万円(前期40億5千万円、前期比10.1%増)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度営業収益(百万円)営業収益(百万円)クオリティライフ事業18,54118,582その他4,6124,166営業収益計23,15422,748営業利益2,5182,204事業利益4,0504,460 ② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は1兆9,053億9百万円となり、前連結会計年度末比で1,851億7千5百万円の増加となりました。これは、販売用不動産(仕掛販売用、開発用不動産含む)、現金及び預金、有形固定資産及び投資有価証券の増加があったこと等によるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は1兆3,972億7千4百万円となり、前連結会計年度末比で1,339億7千7百万円の増加となりました。これは、有利子負債の増加があったこと等によるものであります。なお、有利子負債残高(リース債務除く。)は1兆890億6百万円となり、前連結会計年度末比で992億7百万円の増加となりました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は5,080億3千5百万円となり、前連結会計年度末比で511億9千7百万円の増加となりました。これは、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加があったこと等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により205億8千8百万円増加、投資活動により540億6千9百万円減少、財務活動により779億8百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比で448億6千4百万円増加し、1,273億3百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、205億8千8百万円(前期比239億2千1百万円増加)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益及び減価償却費による資金の増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、540億6千9百万円(前期比328億6千4百万円減少)となりました。これは主に、固定資産の取得及び貸付けによる資金の減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、779億8百万円(前期比594億8千7百万円増加)となりました。これは主に、長期借入れによる資金の増加があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、2020年度に策定したグループ中期経営計画(2020~2024年度)において、最終年度である2024年度の利益目標として、連結事業利益750億円を掲げております。また、D/Eレシオ2.4倍程度、有利子負債/EBITDA倍率12倍程度を目標達成に向けた財務指針として設定しております。 なお、当連結会計年度における達成状況は次の通りであります。 2023年12月期 実績連結事業利益744億円D/Eレシオ2.2倍有利子負債/EBITDA倍率10.9倍 ② 経営成績の分析 当連結会計年度における当社グループの連結業績については、ビル賃貸及び駐車場事業が堅調に推移するとともに、ビル事業、住宅事業及びアセットサービス事業における投資家向け物件売却による売上が前年度比で増加いたしました。この結果、営業収益は3,759億4千6百万円(前期3,499億4千万円、前期比7.4%増)、営業利益は705億8百万円(前期644億7千8百万円、前期比9.4%増)となりました。また、海外事業において持分法による投資利益が増加したこと等により、事業利益は744億2千8百万円(前期663億4百万円、前期比12.3%増)、経常利益は694億7千1百万円(前期635億3千1百万円、前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は450億8千4百万円(前期430億6千2百万円、前期比4.7%増)となりました。 各セグメントの業績概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載の通りであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要は主に不動産の取得・開発資金であり、これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行等により資金調達を行っております。また、当社及び主要な連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、資金の効率化を図っております。 なお、資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に、財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。 |
※本記事は「東京建物株式会社」の令和5年12期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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