東京建物株式会社の基本情報

会社名東京建物株式会社
業種不動産業
従業員数連4925名 単830名
従業員平均年齢41歳
従業員平均勤続年数11年
平均年収11108000円
1株当たりの純資産2567.66円
1株当たりの純利益(連結)315.5円
決算時期12月
配当金95円
配当性向34.4%
株価収益率(PER)8.3倍
自己資本利益率(ROE)(連結)12.8%
営業活動によるCF188億円
投資活動によるCF▲1420億円
財務活動によるCF1056億円
研究開発費※1-円
設備投資額※111.34億円
販売費および一般管理費※11276.13億円
株主資本比率※222.3%
有利子負債残高(連結)※311905.19億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等① グループ長期ビジョン 当社グループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、2030年を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を策定しております。長期ビジョンでは、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立していくことで、2030年に連結事業利益1,200億円を達成するとともに、SDGs達成への貢献を果たすことを掲げております。 〈当社グループ長期ビジョン〉※1 長期ビジョンの目標時期について、2025年度から2027年度までの中期経営計画策定時(2025年1月)より「2030年頃」から「2030年」へ変更※2 固定資産の機動的売却や海外事業における投資スキームの多様化への対応のため、本中期経営計画期間より事業利益の定義を変更変更前 事業利益=営業利益+持分法投資損益変更後 事業利益=営業利益+持分法投資損益等+固定資産売却損益(持分法投資損益等には、海外事業における受取配当金、受取利息及び投資ビークルへの出資持分の売却損益を含む)※3 今後の事業利益の構成変化の見通しを踏まえ、本中期経営計画期間より記載内容を変更 ②グループ中期経営計画 長期ビジョン公表以降、新型コロナウイルス感染症による人々の行動変容、地政学リスクの高まり、異次元の金融緩和政策からの転換、インフレ等による建築費の急激な高騰など、当社グループがおかれている事業環境の不確実性は一層高まっており、変化のスピードも加速しております。このような認識のもと、当社グループは、長期ビジョンの実現に向けたマイルストーンとして、2025年に2025年度から2027年度までの3年間を対象とするグループ中期経営計画を策定いたしました。 a. 基本方針「強靭かつしなやかな事業ポートフォリオの構築により、成長加速・資本効率向上を実現する」ことを掲げ、「資産回転型事業の加速・拡大」、「安定収益基盤の強靭化」及び「規律あるバランスシートコントロール」に重点的に取り組むとともに、「成長を支える経営インフラの高度化」を推し進めてまいります。 b. 重点戦略本中期経営計画の基本方針に基づき6つの重点戦略を定めるとともに、“BASE(成長の礎)”をコンセプトとして各重点戦略に係る取り組み方針を策定・実行することにより、各事業をより一層強化してまいります。 c. 事業ポートフォリオ戦略事業ポートフォリオを「賃貸」「分譲・売却」「サービス」の3つに分類のうえ適切に管理していくとともに、分類ごとの特性を踏まえた取り組み方針に基づき各種取り組みを推進してまいります。 事業利益の構成については「賃貸:分譲・売却:サービス=30%:60%:10%」を維持しながら、成長投資のためのキャッシュ創出と資本効率の向上を図ってまいります。また、2030年の利益構成は、従来の想定から「賃貸」の割合を減少、「分譲・売却」の割合を増加する方向へ変更し、事業環境の変化に適応しながら、高水準の資本効率と利益成長の実現を目指してまいります。 ※ 2024年度の実績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通りであります。 d. キャッシュアロケーション本中期経営計画の3年間において、前中期経営計画対比で年平均2倍となる1兆1,400億円の回収と同1.8倍となる1兆2,800億円の投資による資産回転の加速によって、資本効率向上と持続的・安定的な利益成長の両立を目指してまいります。 ③ マテリアリティ  当社グループは、長期ビジョンの実現に向けて、事業を通じて実現する社会との共有価値を意識し、「社会価値創出」と「価値創造基盤」の観点から14のマテリアリティ(重要課題)を特定しております。事業を通じてマテリアリティの解決に取り組み、社会との共有価値の創出を実現することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 〈当社グループマテリアリティ〉 (2)目標とする経営指標 グループ中期経営計画(2025~2027年度)において、固定資産の機動的売却や海外事業における投資スキームの多様化への対応のため、連結営業利益に固定資産売却損益や持分法投資損益等を加えた「連結事業利益」を利益指標として採用しております。本中期経営計画における定量目標については、最終年度である2027年度の利益指標として「連結事業利益950億円」、本中期経営計画期間における資本効率指標として「ROE10%」を掲げております。 また併せて、2027年度における財務指針として「D/Eレシオ2.4倍程度」、「有利子負債/EBITDA倍率12倍程度」、さらに2027年度末時点における政策保有株式の純資産比率「10%以下」、固定資産及び政策保有株式をあわせた売却「1,300億円以上」を掲げており、財務健全性の維持と適切なバランスシートコントロールを図りながら資本効率の向上と利益目標の達成を目指してまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進み、各種政策効果等と相まって、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、不安定な国際情勢による世界経済の減速リスク、国内外の政策動向、金利や物価の上昇、為替の変動等が懸念され、先行き不透明な状況が続きました。 当不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、企業の人材確保や生産性向上の取り組み等を背景として好立地かつ高スペックなビルのオフィス需要が年後半にかけて高まり、都心部においては空室率の低下、賃料の上昇傾向が継続するなど、コロナ禍の影響からの回復基調が鮮明になりました。分譲住宅市場については、開発用地の取得難等に伴う供給戸数の減少が続くなか、金利の先高感等による購入マインド低下懸念等があったものの、世帯年収の増加による購買力の上昇等に支えられ、堅調に推移いたしました。不動産投資市場については、海外投資家からの投資需要は回復途上にあるものの、金利上昇局面にあっても金融機関の積極的な融資姿勢に変化はなく、国内投資家の旺盛な投資意欲を背景に、好調に推移いたしました。 このような事業環境のもと、当社グループは、長期ビジョンの実現に向けて、グループ中期経営計画に基づく重点戦略の推進に注力してまいりました。重点戦略の一つである「大規模再開発の推進」については、「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)において新築工事に着手し、「京橋三丁目東地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)において市街地再開発組合の設立が認可されるなど、着実に推進いたしました。また、「分譲マンション事業の更なる強化」については、日本初となる「フォーシーズンズホテル」と分譲マンション「Brillia Tower 堂島」が一体となった超高層複合タワー「ONE DOJIMA PROJECT」(大阪市北区)が竣工するなど、付加価値の高い開発等を通じ、良質な住まいを提供いたしました。「投資家向け物件売却の拡大」については、物流施設「T-LOGI」を始め、中規模オフィス「T-PLUS」や都市型商業施設「FUNDES」、賃貸マンション「Brillia ist」の各シリーズにおいて物件が順次竣工・稼働し、「T-LOGI一宮」(愛知県一宮市)、「T-PLUS日本橋小伝馬町」(東京都中央区)等を売却したほか、新たに地域密着型商業施設のブランド「minanoba」を立ち上げるなど、多様なアセットの開発に取り組みました。さらに、「海外事業の成長」については、従前からの東南アジア・中国での開発に加え、米国における賃貸用集合住宅開発事業への投資を継続的に実施するとともに、当社として初めてオーストラリアでの分譲住宅開発事業に参入するなど、先進国においても事業機会を拡大いたしました。 このほか、ラグジュアリーホテルである「ヒルトン京都」(京都市中京区)が開業したほか、当社グループが参画する複数のプロジェクトにおいて世界的ラグジュアリーホテルブランドの誘致に成功いたしました。また、「有明アーバンスポーツパーク整備運営事業」(東京都江東区)においては、複合型スポーツレジャー施設を通じてサステナブルなコミュニティづくりとスポーツウェルネスの実現に貢献する取り組みを展開したほか、都立公園初のPark-PFI事業「都立明治公園」(東京都新宿区)において新たに都市型スパ施設「TOTOPA 都立明治公園店」を開業させるなど、様々な事業を通じて、マテリアリティで掲げる「場の価値」と「体験価値」の創出に注力してまいりました。  当連結会計年度におきましては、住宅事業における分譲マンションの売上計上戸数が増加したとともに、ビル事業及び住宅事業における投資家向け物件売却が増加いたしました。この結果、営業収益は4,637億2千4百万円(前期3,759億4千6百万円、前期比23.3%増)、営業利益は796億7千万円(前期705億8百万円、前期比13.0%増)、事業利益は804億8千9百万円(前期744億2千8百万円、前期比8.1%増)、経常利益は717億2千2百万円(前期694億7千1百万円、前期比3.2%増)、また、投資有価証券の一部売却に伴う利益を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は658億8千2百万円(前期450億8千4百万円、前期比46.1%増)となりました。 (注)事業利益=営業利益+持分法投資損益  各セグメントの業績は以下の通りであります。 イ.ビル事業 大規模再開発プロジェクトについては、「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(A地区・B地区)」(東京都中央区)のA地区及び「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)において新築工事が着工し、竣工に向けて着実に事業が進捗いたしました。投資家向け売却用物件等については、物流施設「T-LOGI 福岡アイランドシティ」(福岡市東区)など4物件を竣工させたほか、中規模オフィスビル「T-PLUS」シリーズ、商業施設等、多様なアセットタイプの開発を積極的に推進いたしました。また、ラグジュアリーホテル「ヒルトン京都」(京都市中京区)が開業いたしました。 当連結会計年度におきましては、ビル賃貸が堅調に推移するとともに、不動産売上において、投資家向け物件売却として「T-LOGI 一宮」(愛知県一宮市)、「T-LOGI 綾瀬」(神奈川県綾瀬市)等を収益に計上した一方で、固定資産の取得により流通税等の費用が一時的に増加いたしました。この結果、営業収益は1,765億7千3百万円(前期1,552億5千6百万円、前期比13.7%増)、営業利益は413億9千9百万円(前期384億8千3百万円、前期比7.6%増)、事業利益は419億3千万円(前期401億5千3百万円、前期比4.4%増)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度数量等営業収益(百万円)数量等営業収益(百万円)ビル賃貸建物賃貸面積1,040,870㎡78,275建物賃貸面積1,038,497㎡81,421(うち転貸面積67,227㎡)(うち転貸面積66,704㎡)不動産売上8件38,64310件53,215管理受託等-38,337-41,936営業収益計-155,256-176,573営業利益-38,483-41,399事業利益-40,153-41,930 ロ.住宅事業 分譲マンションについては、都心部における大規模マンション建替事業の先行事例の一つである「Brillia Tower 浜離宮」(東京都港区)、「フォーシーズンズホテル」と一体の超高層複合タワーとして開発した分譲マンション「Brillia Tower 堂島」(大阪市北区)等を収益に計上するとともに、三越千葉店跡地の大規模免震タワーマンション「Brillia Tower 千葉」(千葉市中央区)等の販売を開始いたしました。また、投資家向け売却用物件については、賃貸マンション「Brillia ist」シリーズにおいて開発を積極的に推進し、「Brillia ist 大井町」(東京都品川区)、「Brillia ist 上野稲荷町」(東京都台東区)等を竣工させました。 当連結会計年度におきましては、住宅分譲において、上記の収益計上物件のほか「HARUMI FLAG」(東京都中央区)、「Brillia Tower 池袋 West」(東京都豊島区)等を収益に計上いたしました。また、不動産売上において、投資家向け物件売却として「グレイプス 浅草」(東京都台東区)、「THE CROSS SITE 登戸」(川崎市多摩区)等を収益に計上いたしました。この結果、営業収益は2,114億8千1百万円(前期1,341億4千万円、前期比57.7%増)、営業利益は381億5千万円(前期271億5千5百万円、前期比40.5%増)、事業利益は376億3千7百万円(前期271億4千9百万円、前期比38.6%増)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度数量等営業収益(百万円)数量等営業収益(百万円)住宅分譲 1,058戸84,029 1,711戸157,638不動産売上-20,664-24,444住宅賃貸建物賃貸面積117,973㎡5,948建物賃貸面積139,162㎡5,941マンション管理受託管理戸数99,083戸14,321管理戸数100,260戸14,574その他-9,176-8,881営業収益計-134,140-211,481営業利益-27,155-38,150事業利益-27,149-37,637 ハ.アセットサービス事業 東京建物不動産販売㈱が展開する仲介事業については、Brillia二次流通の仲介案件拡大及び法人のお客様との関係強化、投資家との取引拡大等により、更なる収益力の強化を図りました。また、同社によるアセットソリューション事業については、仲介事業との連携や既存の取引先への営業強化等により、販売用不動産の取得・売却が順調に進捗いたしました。日本パーキング㈱が展開する駐車場事業については、収益向上のため大型駐車場を中心とした新規施設の開発・受託に努めるとともに、顧客サービス向上に向けて駐車場システムの高機能化や駐車場品質の向上に取り組みました。 当連結会計年度におきましては、仲介及び駐車場運営が堅調に推移した一方で、アセットソリューションにおいて、投資家向け物件売却による不動産売上が減少いたしました。この結果、営業収益は547億4千2百万円(前期638億円、前期比14.2%減)、営業利益及び事業利益は115億3千7百万円(前期129億7百万円、前期比10.6%減)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度数量等営業収益(百万円)数量等営業収益(百万円)仲介1,097件5,4991,128件6,329アセットソリューション(注)-29,999-19,228賃貸管理等-4,567-4,521駐車場運営車室数82,542室23,734車室数86,792室24,663営業収益計-63,800-54,742営業利益-12,907-11,537事業利益-12,907-11,537(注)取得した不動産の付加価値を向上させて再販する買取再販業務を主に行っております。 ニ.その他事業 クオリティライフ事業については、東京建物リゾート㈱が展開する愛犬同伴型リゾートホテル「レジーナリゾート」及びゴルフ場において高い稼働率を維持するとともに、温浴施設「おふろの王様」において安定的な来館者数を確保し、売上は堅調に推移いたしました。また、サウナを中心に多様なリラクゼーション体験を提供する新しい形態の都市型スパ「TOTOPA 都立明治公園店」(東京都新宿区)を開業したほか、「ホテルレジーナ 河口湖」(山梨県南都留郡)及び「おふろの王様 志木店」(埼玉県志木市)においてリノベーション工事を実施するなど、将来の成長に向けた投資を実施いたしました。海外事業については、米国では賃貸用集合住宅開発事業「Vista Highlands プロジェクト」(コロラド州)、タイでは物流施設開発事業「メトロキャットプロジェクト」(サムットプラカーン県)、オーストラリアのニューサウスウェールズ州シドニーでは分譲住宅開発事業「Alex & Willow プロジェクト」に参画するなど、成長市場において積極的に事業展開いたしました。 当連結会計年度におきましては、クオリティライフ事業において、リゾート施設の稼働が堅調に推移した一方で、前連結会計年度に保育事業及び人材派遣事業の運営子会社の全株式を譲渡した影響等により、収益が減少いたしました。また、その他の海外事業において持分法による投資利益が減少いたしました。この結果、営業収益は209億2千6百万円(前期227億4千8百万円、前期比8.0%減)、営業利益は13億8千8百万円(前期22億4百万円、前期比37.0%減)、事業利益は21億9千万円(前期44億6千万円、前期比50.9%減)となりました。 区分前連結会計年度当連結会計年度営業収益(百万円)営業収益(百万円)クオリティライフ事業18,58215,286その他4,1665,640営業収益計22,74820,926営業利益2,2041,388事業利益4,4602,190 ② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は2兆812億2千6百万円となり、前連結会計年度末比で1,759億1千6百万円の増加となりました。これは、販売用不動産(仕掛販売用不動産、開発用不動産含む)及び有形固定資産の増加があったこと等によるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は1兆5,337億2百万円となり、前連結会計年度末比で1,364億2千8百万円の増加となりました。これは、有利子負債の増加があったこと等によるものであります。なお、有利子負債残高(リース債務除く。)は1兆2,123億4千5百万円となり、前連結会計年度末比で1,233億3千8百万円の増加となりました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は5,475億2千4百万円となり、前連結会計年度末比で394億8千8百万円の増加となりました。これは、利益剰余金の増加があったこと等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により188億9千4百万円増加、投資活動により1,420億8千9百万円減少、財務活動により1,056億3千6百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比で161億6千3百万円減少し、1,111億3千9百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、188億9千4百万円(前期比16億9千4百万円減少)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益による資金の増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,420億8千9百万円(前期比880億2千万円減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による資金の増加があった一方で、固定資産の取得による資金の減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,056億3千6百万円(前期比277億2千7百万円増加)となりました。これは主に、長期借入れによる資金の増加があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、当連結会計年度を最終年度とするグループ中期経営計画(2020~2024年度)において、資本効率・財務指針の指標としたROE8~10%、D/Eレシオ2.4倍程度、有利子負債/EBITDA倍率12倍程度を適切にコントロールしたうえで、利益目標として掲げた連結事業利益750億円の達成に向けて、計画に基づく重点戦略を推進してまいりました。 当連結会計年度の実績は以下の通りとなり、資本効率の向上と財務規律の堅持を両立したうえで、着実に重点戦略を推進した結果、目標を上回る利益成長を達成いたしました。 当初計画当連結会計年度実績利益目標連結事業利益     750億円連結事業利益     804億円資本効率ROE         8~10%ROE         12.8%財務指針D/Eレシオ       2.4倍程度D/Eレシオ         2.3倍有利子負債/EBITDA倍率 12倍程度有利子負債/EBITDA倍率  11.2倍 当社グループは、引き続き、2020年に策定したグループ長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」における「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立していくことで、2030年に連結事業利益1,200億円の達成とSDGs達成への貢献を果たすべく、2025年に2027年度までの3年間を対象としたグループ中期経営計画を策定いたしました。目標とする利益指標については、本中期経営計画に基づく海外事業における投資スキームの多様化や固定資産の機動的売却の対応のため、従来の連結事業利益に、海外事業における受取配当金、受取利息及び投資ビークルへの出資持分の売却損益並びに固定資産売却損益を加えることといたしました。最終年度である2027年度の連結事業利益の目標は950億円とし、また資本効率の指標としてROE10%(本中期経営計画期間)、財務指針としてD/Eレシオ2.4倍程度、有利子負債/EBITDA倍率12倍程度(いずれも2027年度)と設定しております。 ② 経営成績の分析 当連結会計年度における当社グループの連結業績については、住宅事業における分譲マンションの売上計上戸数が増加したとともに、ビル事業及び住宅事業における投資家向け物件売却が増加いたしました。この結果、営業収益は4,637億2千4百万円(前期3,759億4千6百万円、前期比23.3%増)、営業利益は796億7千万円(前期705億8百万円、前期比13.0%増)、事業利益は804億8千9百万円(前期744億2千8百万円、前期比8.1%増)、経常利益は717億2千2百万円(前期694億7千1百万円、前期比3.2%増)、また、投資有価証券の一部売却に伴う利益を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は658億8千2百万円(前期450億8千4百万円、前期比46.1%増)となりました。 各セグメントの業績概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載の通りであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要は主に不動産の取得・開発資金であり、これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行等により資金調達を行っております。また、当社及び主要な連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、資金の効率化を図っております。 なお、資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に、財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

※本記事は「東京建物株式会社」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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