株式会社髙島屋の基本情報

会社名株式会社髙島屋
業種小売業
従業員数連6733名 単3826名
従業員平均年齢49.1歳
従業員平均勤続年数25.4年
平均年収7385000円
1株当たりの純資産2878.82円
1株当たりの純利益200.47円
決算時期2月
配当金37円
配当性向23.3%
株価収益率(PER)11.2倍
自己資本利益率(ROE)7.3%
営業活動によるCF595億円
投資活動によるCF▲385億円
財務活動によるCF▲206億円
研究開発費※1-円
設備投資額※11.55億円
販売費および一般管理費※12326.18億円
株主資本比率※228.9%
有利子負債残高(連結)※33458.12億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】髙島屋グループ(以下、当社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、2031年の創業200年を超えてグループが目指す姿を「こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム」と定めました。その実現に向けた「あるべきグループ像」を、従業員からも意見を募ったうえで、「髙島屋グループ グランドデザイン」として策定いたしました。共通の価値観として社内に浸透を図り、あるべき姿の具現化に向けた具体的な課題解決へとつなげてまいります。 2031年に向けた最初の3年間である2024~26年度について、最終年度に連結営業利益575億円の達成を目標とする「中期経営計画(3カ年)」を作成しました。その実現に向けて、百貨店事業では「短期的な需要の回復期」から「持続可能な成長期」への転換が必要であり、店別の中期計画へ落とし込み、店舗ごとの「まちづくり」を通じた魅力化を推進してまいります。その他事業においても「業界での強みを活かした事業ポートフォリオの明確化」と「外部収益拡大」をテーマとした各社別の中期計画を策定しており、成長戦略として確実に実行してまいります。  投資に関しては、百貨店各店は特選ゾーンなどの品揃え強化・特徴化につながるものや、施設の環境改善などエンゲージメントの向上につながるものに必要な投資を行ってまいります。グループ各社については、主に東神開発㈱でベトナムでの複合開発や、国内の非商業事業拡大・新拠点開発等の成長事業への投資を積極的に推進し、グループ計で3カ年累計で約2,080億円の投資を見込んでおります。 2023年度、当社は中期経営計画(2021~2023年度)の最終年度にあたり、コロナ禍からの回復段階から持続的成長と飛躍に向けた経営の土台作りのための極めて重要な一年と位置づけ、「百貨店の営業力強化」「人的資本経営の推進」「グループ会社の業界競争力獲得」「グループESG戦略の深化」に取り組んでまいりました。 これらの取り組みや、個人消費の緩やかな回復、インバウンド需要の拡大などの消費環境のもと、2023年度の連結業績は増収増益となり、当年度を最終年度とする中期経営計画の目標値も大きく上回りました。経常利益をはじめとし、各利益ともに最高益を更新しております。 次年度は、当社の成長が外部環境による追い風を受けた一時的なものに留まるか、持続的な成長軌道に乗れるかの分かれ目の年です。前述の「グランドデザイン」や新たな中期経営計画(2024~2026年度)の初年度として、一つ一つの課題を着実に解決しつつ持続的成長を果たしていくために、以下3つの経営課題に取り組んでまいります。 なお、ESGを価値提供の基盤とすることは変わりありません。事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、当社を含めた全てのステークホルダーがメリットや利益を分かち合える仕組みを作り上げることで、持続可能なビジネスを推進してまいります。[経営目標]「グループの『持続的成長』実現策の着実な実行」   ~グランドデザイン実現に向けた確かな進化~ [主要な経営課題]① ESG経営の推進② 人材の確保・育成・活躍推進③ まちづくりの推進 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等2026年度(中期経営計画の最終年度)の連結経営目標は以下の通りです。〇営業利益            575億円 ( 2023年度比     + 116億円)〇自己資本比率           42.1% (    同     + 6.4% )〇ROE              8.0% (    同     + 0.7% )○ROIC(投下資本利益率)    6.2% (    同     + 0.7% ) また2024年度の連結経営目標は以下の通りです。〇総額営業収益       9,980億円 ( 2023年度比     + 458億円)○総額営業収益販売管理費比率  24.5% (    同     + 0.1% )〇営業利益            500億円 (    同    + 41億円)〇自己資本比率           38.1% (    同     + 2.4% )〇ROE(当期純利益/自己資本)  7.3% (    同     + 0.0% )〇EBITDA総資産比率      5.8% (    同     + 0.2% )〇純有利子負債EBITDA倍率   1.5倍 (    同     △ 0.2倍 )○ROIC(投下資本利益率)    5.9% (    同     + 0.4% ) (3)経営環境及び対処すべき課題日本経済は、本年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利を引き上げるなど、長らく続いたデフレから、物価と賃金が上昇する好循環への転換が進みつつあります。当社では、この機を捉えて、将来を見据えた成長投資を着実に実行し、円安や株高、インバウンドなどの外部環境の変化に左右されない本質的な営業力の強化、強靭な経営基盤の構築に向けて取り組みを進めてまいります。当社では、2031年に創業200周年を迎えます。更にその先も、社会に必要とされ存在意義を発揮し続け、持続的成長を果たしていくために当社がどうあるべきかについて、一年以上にわたりグループ全体で議論を重ねてまいりました。その中で、当社が目指す姿を「お客様・従業員・株主・地域社会など、全てのステークホルダーの『こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム 』」と定めました。お客様にとっては当社ならではの商品やサービスの提供を通じて感動体験が得られる場、従業員にとっては労働条件・環境の改善により意欲と能力を高め、働きたいと思える場など、ステークホルダーそれぞれの生活を豊かにするために欠かすことのできない存在としてあり続けることです。その実現に向け新たな中期経営計画(2024~2026年度)を策定し、初年度は外部環境の変化に左右されない『持続的成長』実現策を着実に実行していく重要な一年と位置づけています。経営課題としては、「ESG経営の推進」、「人材の確保・育成・活躍推進」、「まちづくりの推進」を設定いたしました。また、当社が成長し続けるためには、有形・無形の経営資源の将来価値を見極めた上で、より成長を見込める事業分野への資源再配分を迅速に行っていくことが必要です。そのため、経営資源の効果性を見極める基準として、投下資本に対する利益率を表す「ROIC」をグループ共通で採用し、事業別に資本コストを上回るROICを設定、マネジメントしていくことで、経営の効率性を高めてまいります。 □ESG経営の推進 価値提供の基盤となるESG経営におきましては、事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献していくことは、社会の一員である企業としての責務であり、全てのステークホルダーがメリットや利益を共に分かち合える仕組みを作りあげなければ、持続可能なビジネスを行うことはできません。当社ESG経営の象徴的な取り組みである「TSUNAGU ACTION」におきましては、更なる認知度向上や、社会課題解決と事業成長の両立に向けて全社レベルで強化してまいります。美しい地球と豊かな自然を守り、未来をつなぐ「地球環境」、日本・地域の伝統や文化を受け継ぎ、発展させる「地域社会」、すべての人の自由と平等、笑顔を守り、寄り添う「すべての人に」、という3つのテーマを設定し、企画数を拡充すると共に、通年で展開いたします。更に数値目標を設定し、PDCAサイクルで運営していくことにより、企業価値向上や利益に直結する取り組みにしてまいります。具体的に「地域社会」のテーマでは、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」の復興支援を目的に文化の紹介や特産品の販売などの企画を検討しております。ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)&インクルージョン(包摂性)の観点からは、コンプライアンスを前提にSDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、全ての人々の人権や価値観を尊重し、人種、年齢、性的指向・性自認、障がいの有無等に関係なく全員が活躍できる仕組みづくりに主体的に取り組んでまいります。また、消費者に身近な企業として、あらゆるお客様が楽しく時間を過ごし、お買物をしていただけるような施設環境や商品・サービスの整備・開発にも積極的に取り組んでまいります。さらに、地球環境保全の観点からは、大規模な商業施設運営をはじめとする当社の事業活動が環境に与える影響が大きいことから、再生可能エネルギーの導入拡大など、循環型社会の実現に貢献してまいります。なお、ESG経営のガバナンス・戦略・リスク管理とリスクに対する取り組み・指標と目標については、「2「サステナビリティに関する考え方及び取組」 (1)当社のESG経営」に記載しています。 □人材の確保・育成・活躍推進当社は、経営理念に「いつも、人から。」を掲げ、これまでも「人」を大切にする経営を実行してまいりました。人材不足が深刻な社会課題となりつつある中、当社の持続的成長に向けては、人材の確保・育成・活躍推進など、人的資本経営の考え方に基づく人材への積極的な投資を行っていくことも最優先の課題です。当社は、百貨店を核とした商業施設展開を主要事業とするビジネスモデルであり、営業力強化に向けては「百貨店の販売力を支える人材の確保・育成」が不可欠です。その実現に向け、店頭・営業現場において、お客様の潜在的なニーズまで読み取り、提案を行うことができる「販売のプロ」の育成を進めてまいります。また、多様なグループ会社を有する当社では、人とノウハウの持続可能性や競争力の確保に向けて「各業務における専門性強化」が重要です。マーケティングや仕入を担う人材、また、金融事業の専門人材やデジタル人材など各業務におけるスペシャリスト育成に向けた取り組みを推進してまいります。さらに、翌年のグループ商業施設の正月営業について、1月1日の元日に加え、新たに1月2日も原則休業日とする方針といたしました。当社のブランド価値を高めるために、従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持ちながら長く働くことができる環境整備を進めることも重要です。当社が目指す将来の姿を共有し、前向きな職場風土を醸成することでエンゲージメント向上につなげてまいります。 □まちづくりの推進 当社は、グループ総合戦略として「まちづくり」を掲げ、当社が目指す姿を実現していくための事業戦略の根幹の考え方には「グループの全員が主役のまちづくりを通じた価値提供」を据えております。まちづくりは二つの考え方から成り立っております。一つ目は、「街のアンカーとしての役割発揮」、具体的には、人々が集うエリアを大きな「まち」としてとらえ、当社が中心的存在となって、地域社会や行政と連携して賑わいを創出し、まちの魅力を高めることです。二つ目は、「館の魅力最大化」、具体的には、館そのものを「まち」ととらえ、そのまちの魅力を最大化させるため、商業開発や金融、飲食、ECなど、グループ各事業のノウハウを結集し、お客様満足を追求した当社ならではの商業施設づくりを推進することです。つまり、当社が考えるまちづくりは不動産開発だけを意味するものではありません。グループで提供するあらゆる商品・サービス・空間が全て「まちづくり」の一環ということです。これら二つの考えに基づき「まちづくり」を具現化していくためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくことが必要不可欠です。今後、人口減少に伴う国内マーケットの縮小や人手不足は避けられない状況の中、デジタル技術は加速度的に進化しており、企業の業務運営や人々の生活に大きな影響を与えています。そこで本年から社長をトップとする全社横断のDX推進プロジェクトを立ち上げ、デジタル技術を活用した業務変革に取り組んでまいります。既存の業務の流れを分析し、最適化したうえで、業務をデジタル化して生産性の向上を図り、これにより生み出した経営資源を営業力強化に振り向けていきます。また、営業や販売へのデジタル技術の活用方法についても検討を行い、お客様の新しい買物体験や利便性の向上につなげていくことで「まちづくり」を更に推進してまいります。 事業のセグメント別取り組みは、次のとおりであります。なお、当社は、新たな中期経営計画の初年度(2024年度)より、事業ポートフォリオの最適化、事業別の投資効率、収益性などを明確にするROIC経営を更に推進するために、報告セグメントを変更いたします。具体的には、「百貨店業」に含まれておりました国内、海外百貨店を「国内百貨店業」、「海外百貨店業」に分割いたします。また、「商業開発業」に含まれておりました国内、海外商業開発を同じく「国内商業開発業」、「海外商業開発業」に分割いたします。加えて、「百貨店業」に含まれておりましたレストランや喫茶・カフェなどを出店、運営している株式会社アール・ティー・コーポレーションを「飲食業」として「その他の事業」に移行いたします。 <国内百貨店業>国内百貨店業におきましては、これからもあらゆるお客様を対象として、多様なニーズに応える上質な商品やサービスの拡充、知的欲求に応える文化発信を推進することで、実店舗の強みを生かしたワンストップでの買物体験を提供いたします。具体的には、消費動向の変化を踏まえた新規ブランドの導入、百貨店ならではのアイテム平場や自主編集売場の再構築、新たなイベント開発など、成長に向けた投資は積極的に実施することで、店舗の魅力向上、売上高の増大につなげてまいります。ECにおきましては、引き続きお客様のニーズに沿った展開ブランドの拡充やサイト、アプリの特徴化、利便性を高める取り組みを推進していきます。また、実店舗を持つ強みを生かし、店頭とECの相互送客により顧客接点を創出、新たなお客様の獲得、収益力の向上につなげてまいります。さらに、正価品の売上高増大など商品利益率の改善に向けた取り組みや店舗運営体制の更なる効率化などコスト削減に向けた取り組みも同時に進め、利益拡大を図ってまいります。 <海外百貨店業>海外百貨店業におきましては、各国の景気、消費動向を踏まえながら、適切に経営資源を投下し、地域ごとのお客様のニーズに応えてまいります。シンガポール髙島屋では、ファッション関連商品や食料品などの品揃えを強化し、国内顧客やツーリストの更なる取り込みを図ってまいります。上海高島屋では、景気低迷による消費減速リスクが顕在化する中、市場変化に対応した収益基盤の確立に継続して取り組んでまいります。また、ホーチミン髙島屋では、商品カテゴリー・ブランドの再編や催、イベントの強化により店舗の集客力を高めると共に、売上高の増大につなげていきます。また、ベトナムを有望な市場と位置づけ、更なる営業機会の拡大を図ってまいります。サイアム髙島屋では日本ブランドの品揃え強化を図り、収益力の向上につなげてまいります。 <国内商業開発業>国内商業開発業におきましては、東神開発株式会社が段階的に改装を実施している「柏髙島屋ステーションモール」が、ニーズの高いテナントやコミュニティ機能を取り入れてリニューアルオープンいたします。引き続き、地域に根ざした魅力的なSCを実現することでリアル施設ならではの体験価値の向上と新たなお客様層の開拓を進めてまいります。 <海外商業開発業>海外商業開発業におきましては、シンガポールでの実績やベトナム・ホーチミンでの成功を足掛かりに、ハノイでの開発を段階的に進めております。住宅・オフィス・商業の複合開発事業など、ベトナムでは将来的に大きなリターンを見込んでいます。今後もベトナム開発には集中的に投資を行い、シンガポールに次ぐ第2の収益の柱として、持続的な成長につなげてまいります。 <金融業>金融業におきましては、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社の収益の柱であるカード事業で既存のカードに合わせて、新たに発行したビジネスカードの新規会員の獲得強化と利用促進を図ってまいります。ライフパートナー事業におきましては、顧客接点の拡大を通じ、収益力向上を目指してまいります。また、M&Aやアライアンスも視野に入れ、事業拡大や新しい領域の開拓を進めてまいります。本年3月には不動産投資やアセットマネジメントを展開する株式会社Fantaと新たに提携いたしました。今後は両社でヘルスケア施設を対象とした投資法人創設を目指して協業し、収益拡大を図ると共に、高齢化時代における社会課題解決にも貢献してまいります。 <建装業>建装業の髙島屋スペースクリエイツ株式会社におきましては、専門人材の育成、補強により、更なる先行提案営業の強化を図り、ラグジュアリーブランドやホテルの受注増につなげてまいります。また、課題を残した原価管理など経営マネジメント体制を強化し、安定的な収益基盤の構築に努めてまいります。 <その他の事業>飲食業の株式会社アール・ティー・コーポレーションにおきましては、今秋、セントラルキッチンの新拠点が始動いたします。既存拠点と併せて活用することで製造加工・調達物流の効率化を図ると共に、独自性のある商品開発を推進してまいります。また、「鼎泰豐」や日本国内での店舗運営の独占契約を有する「リナストアズ」など、日本マーケットで支持されるための品質・サービスの改善を図ることで、取り扱いブランドの魅力向上につなげてまいります。通信販売業のクロスメディア事業におきましては、品揃え強化、編集力向上を図り、カタログ紙面の魅力を高め、既存のお客様の満足を高めると共に、店舗と連携したお客様づくりを推進し、収益基盤の拡大につなげてまいります。また、広告宣伝業の株式会社エー・ティ・エーにおきましては、デジタル領域の専門性強化、人材派遣業の株式会社センチュリーアンドカンパニーにおきましては、百貨店で培ったクオリティの高い業務運営力を生かした受注拡大など、グループ各社におきましては、成長に向けた取り組みを進めてまいります。 (4)資本政策の基本的な方針<基本的な考え方>当社は、将来の事業リスクへの備えおよび持続的な成長投資に向けた資金調達のため、自己資本拡充と有利子負債の縮減により財務健全性を高めていきます。主要な経営指標(KPI)として、ROIC(投下資本利益率)、EBITDA、自己資本比率、DOE(株主資本配当率)、TSR(株主総利回り)を設定しております。ROICにつきましては、資本コストを意識した経営の実現に向け、事業別にWACC(加重平均資本コスト)を想定し、それを上回るROIC目標を設定のうえ、事業ごとに投資に対するリターンを意識した経営を実践します。2023年度末時点のWACCは、4.6%であり、持続的に5%を上回る水準の達成を目指します。EBITDAについては、財務安定性の観点から、純有利子負債EBITDA倍率、現金創出力の観点から、総資産対EBITDA比率を設定しております。各経営指標については、決算説明会資料(※)で開示しております。※ https://www.takashimaya.co.jp/corp/ir/tanshin/ <キャッシュアロケーションの想定>当社では、営業活動によるキャッシュ・フロー(営業CF)に占める、持続的成長に向けた設備投資への配分が約80%から90%と想定されます。その内訳は、商業開発を中心にした国内外成長投資に約70%、店舗の安全安心投資、ESG・人的資本投資に約30%です。また、財務健全性の観点については、2027年度導入が予定されているリース会計を見越した有利子負債圧縮に向けた支出が営業CFの3%から5%想定されます。株主還元へは、営業CFの7%から10%を想定します。 <株主還元>配当は、純資産増加をベースとした累進配当に加え、EBITDA又は営業CF比率を考慮します。業績が好調に推移するなど、フリーキャッシュ・フローが想定以上に改善した場合は、投資額の増加、さらなる有利子負債圧縮、追加の株主還元から総合的に判断します。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の概要当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。  ①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態                              (単位:百万円) 当連結会計年度前連結会計年度前年増減高前年比総資産1,270,4751,178,20192,2747.8%負債791,673741,71849,9546.7%純資産478,802436,48242,3199.7%自己資本比率35.7%35.1%-0.6% b.経営成績                              (単位:百万円) 当連結会計年度前連結会計年度前年増減高前年比営業収益466,134443,44322,6915.1%営業利益45,93732,51913,41741.3%経常利益49,19934,52014,67842.5%親会社株主に帰属する当期純利益31,62027,8383,78113.6% (事業のセグメント別業績)                       (単位:百万円) 当連結会計年度前連結会計年度前年増減高前年比連結営業収益466,134443,44322,6915.1%百貨店業338,521321,22017,3015.4%商業開発業51,94847,5124,4359.3%金融業17,43717,2052311.3%建装業27,94522,6915,25423.2%その他30,28134,812△4,531△13.0%連結営業利益又は連結営業損失(△)45,93732,51913,41741.3%百貨店業29,65018,41011,23961.1%商業開発業12,0429,2662,77530.0%金融業4,6094,513952.1%建装業△73116△747-その他1,4911,418725.1%  ②キャッシュ・フロー                           (単位:百万円) 当連結会計年度前連結会計年度前年増減高前年比営業活動キャッシュ・フロー59,53636,49723,03963.1%投資活動キャッシュ・フロー△38,501△10,707△27,794-財務活動キャッシュ・フロー△20,600△32,42811,828-現金及び現金同等物92,89888,6314,2674.8%  ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年比(%)建装業27,11121.9合計27,11121.9  (注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。  2 金額は、販売価格によっております。  3 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年比(%)受注残高(百万円)前年比(%)建装業33,72615.521,77343.6合計33,72615.521,77343.6  (注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。  2 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年比(%)百貨店業338,5215.4商業開発業51,9489.3金融業17,4371.3建装業27,94523.2その他30,281△13.0合計466,1345.1  (注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。  2 販売高には、「その他の営業収入」を含めて表示しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当社が当連結会計年度末現在において判断したものであります。  ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等の状況に関する認識当連結会計年度における我が国の社会経済は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の位置づけが「5類感染症」に移行し、正常化が一段と進みました。消費環境におきましては、昨年は物価上昇に賃金の伸びが追い付かない実質賃金のマイナスが続く中でも個人消費が緩やかに回復し、円安を背景にインバウンド需要にも拡大の動きがみられました。一方、今後コロナ禍の自粛反動消費が一巡する状況におきまして、生活防衛意識の更なる高まりによる個人消費の減速リスクも懸念されます。また、高水準で推移する株価や円安基調の為替など、消費に影響を与える外部環境の動向は引き続き、注視が必要な状況にあります。こうした中、当社におきましては、中期経営計画(2021-2023年度)の最終年度である当年度を、コロナ禍からの回復段階から、更に持続的な成長と飛躍に向けた経営の土台づくりを果たすための極めて重要な一年と位置づけ、グループ総合戦略「まちづくり」の下、経営課題である「百貨店の営業力強化」、「人的資本経営の推進」、「グループ会社の業界競争力獲得」、「グループESG戦略の深化」に取り組み、グループ全体で髙島屋ブランドの価値に磨きを掛けてまいりました。特に価値提供の基盤となるESG経営におきましては、当社が生活・文化・地域社会を支えるインフラの役割を発揮し、お客様やお取引先、地域社会と共に、こころ豊かな生活を実現していくための取り組みを推進してまいりました。象徴的な取り組みとして、エコ&エシカルをテーマにした商品やサービスの提供を通じて、サステナブルなライフスタイルを提案していく営業活動「TSUNAGU ACTION」を強化いたしました。不要となった衣料品を回収・再生・販売する循環型ビジネス「Depart de Loop(デパートデループ)」の取り組みでは、前年度に回収したデニムを再生した商品の販売を実現すると共に、回収の対象を新たに化粧品やその容器にも広げてまいりました。脱炭素化推進に向けては、再生可能エネルギー由来の電力を事業者から直接調達する契約を新たに締結し、昨年4月から横浜店で消費する電力の一部として供給を受け始めました。社会課題に向けた取り組みにおきましては、お取引先を含む従業員の就労環境の改善、働く場としての魅力向上による人材確保の観点から、グループ商業施設の休業日を拡大いたしました。また、「物流の2024年問題」(※1)への対応として、深夜の検品を見直し、開店前であった納品時間を開店後に切り替えることで、ドライバーの負担軽減につなげる取り組みを業界で先行して実施いたしました。 b.財政状態当連結会計年度末の総資産は、1,270,475百万円と前連結会計年度末に比べ92,274百万円増加しました。これは、海外子会社におけるリース契約更新及び円安による為替換算影響等による使用権資産の増加46,849百万円、株価上昇や関連会社株式追加取得、持分法適用関連会社の業績伸長に伴う投資有価証券の増加22,796百万円、売上増加に伴う受取手形、売掛金及び契約資産の増加13,503百万円が主な要因です。負債については、791,673百万円と前連結会計年度末に比べ49,954百万円の増加となりました。これは、有利子負債の減少4,631百万円があったものの、海外子会社におけるリース契約更新及び円安による為替換算影響等によるリース債務の増加46,636百万円があったことが主な要因です。純資産については、478,802百万円と前連結会計年度末に比べ42,319百万円増加しました。これは、親会社株式に帰属する当期純利益による増加31,620百万円及び株式配当の支払いによる減少4,889百万円等による利益剰余金の増加26,738百万円、円安に伴う為替換算調整勘定の増加5,238百万円、金利上昇による割引率の変更に伴う退職給付に係る調整累計額の増加5,196百万円、株価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加3,578百万円が主な要因です。以上の結果、自己資本比率は35.7%(前年比0.6ポイント増)となり、1株当たり純資産額は2,878円82銭(前年比258円39銭増)となりました。c.経営成績当連結会計年度の連結業績につきましては、連結営業収益は466,134百万円(前年比5.1%増)、連結営業利益は45,937百万円(前年比41.3%増)、連結経常利益は49,199百万円(前年比42.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は31,620百万円(前年比13.6%増)となりました。ROE(自己資本利益率)は7.3%、EBITDA(※2)総資産比率は5.6%、純有利子負債EBITDA倍率は1.7倍、自己資本比率は35.7%、総額営業収益販売管理費比率は24.4%となりました。また、当事業年度の単体業績につきましては、売上高は287,325百万円(前年比1.1%増)、営業利益は19,580百万円(前年比90.3%増)、経常利益は32,152百万円(前年比102.1%増)となり、当期純利益は25,031百万円(前年比46.9%増)となりました。 事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。  <百貨店業>百貨店業での営業収益は338,521百万円(前年比5.4%増)、営業利益は29,650百万円(前年比61.1%増)となりました。 国内百貨店におきましては、社会経済活動の正常化に伴い入店客数が増加、インバウンドを除く国内顧客売上高は、婦人服、紳士服、化粧品などファッション関連商品を中心に堅調に推移いたしました。インバウンド売上高もラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が好調であり、円安による客単価の上昇も売上高を押し上げました。また、「大北海道展」などの物産展や、人気テレビ番組と連動した新規催のほか、シーズンに合わせた関連イベントは、年間を通し多くのお客様にご来場いただきました。また、当社のアーカイヴス活動の拠点である髙島屋史料館(大阪)や、新しい生活文化の発信拠点である髙島屋史料館TOKYO、民藝展をはじめとする特徴・文化催などを通じ、歴史や文化の発信に努めてまいりました。さらに、店頭の魅力向上を目指した取り組みとして、お取引先とのコラボレーション業態であるライフスタイルショップを主要店舗にオープンし、新たなお客様の獲得にもつながっております。アフターコロナの消費動向変化を踏まえ、お客様ニーズに即応する話題性と品質を両立する品揃え、高鮮度な催事やプロモーションの企画開発など、営業力強化に向けた取り組みは着実に進捗いたしました。各店の店頭における商品利益率におきましても下げ止まり、持ち直しております。利益率が高いファッション関連商品の売上高が伸長したことに加え、各カテゴリーにおきまして、同じく利益率が高い正価品などの売上高増大に向けた取り組み効果も全体を押し上げております。また、前年度から主要店舗でスタートしたコスト構造改革におきまして、当年度は全店レベルに拡大するなどコスト削減を推進いたしました。品揃え魅力拡大による売上高増大、商品利益率改善、コスト削減に向けた一連の取り組みは成果を得ており、安定的に利益を創出できる経営体質への転換が進んでおります。ECにおきましては、化粧品の品揃え拡充や、各店で行っていた出荷作業の共通倉庫一元化による配送リードタイムの短縮など、オンラインストアの魅力向上に取り組んでまいりましたが、店頭への来店客数増加の影響により、売上高の目標には至りませんでした。一方、新たな取り組みとして、世界最大級のメタバース(※3)イベントである「バーチャルマーケット」に独立ブースを初出展いたしました。若い世代のお客様を中心に多数のお客様がブースにご来場され、髙島屋オンラインストアの認知度向上に寄与いたしました。レストランや喫茶・カフェなどを出店、運営している株式会社アール・ティー・コーポレーションにおきましては、昨年6月、横浜店に洋食、和食、中華を取り揃える「レストラン ローズ」をリニューアルオープンし、地域のお客様の多様なニーズに応えてまいりました。また、昨年11月に国内28店舗目となる台湾台北市の点心料理店「鼎泰豐」を東京自由が丘にオープンいたしました。こだわりの食材を使ったメニューと様々なニーズに対応する個室や屋外テラス席などマーケットに合わせた店づくりを行ったことで多くのお客様から支持を得ております。海外百貨店におきましては、開店30周年を迎えたシンガポール髙島屋では、国内顧客の堅調な推移やツーリストの回復もあり、売上高、営業利益とも大きく伸長、全体をけん引いたしました。また、ホーチミン髙島屋では、ベトナム初となる日本ブランドの導入など新たな取り組みを推進したことで増収増益となり、着実に成長しております。さらに、サイアム髙島屋では、ツーリストを含む入店客数の増加に伴い売上高が伸長し、赤字幅が縮小しております。一方、上海高島屋では、前年度のコロナ影響による休業(67日間)反動もあり大きく増収となりましたが、コスト増も同じく大きく、減益となりました。引き続き、各国の景気、消費動向を注視しながら、海外事業の成長につなげてまいります。  <商業開発業>商業開発業での営業収益は51,948百万円(前年比9.3%増)、営業利益は12,042百万円(前年比30.0%増)となり、国内、海外事業いずれも増収増益となりました。 東神開発株式会社の国内事業におきましては、商業施設の売上高増大や賃料収入の回復もあり、堅調に推移いたしました。昨年10月には京都店の隣接地に専門店ゾーン「T8」が新たにオープンし「京都髙島屋S.C.」を開業いたしました。地下1階から7階までの各フロアが、現代アートや日本が世界に誇るサブカルチャー、エンターテインメント、フードなど特徴的な8つの異なる空間で成り立っております。開業後、国内外の多数のお客様にご来店いただき、若い世代のお客様、広域からのお客様が増加するなど、百貨店とのシナジー効果発揮につながっております。百貨店と専門店、更に金融や飲食など優良なコンテンツをグループ内に有する当社が、それらを柔軟に組み合わせ展開する商業施設は、当社独自のビジネスモデルです。これにより、様々な地域の特性や将来のマーケット変化に迅速に対応し、持続的な成長を実現してまいります。さらに、昨年11月には「立川髙島屋S.C.」がリニューアルオープンいたしました。デイリー性の強いテナントや体験型のコンテンツを導入するなど、地域のニーズに応じた商品、サービスの提供に努めております。また、昨年3月に千葉県流山市と「地域活性化に関する包括連携協定」を締結いたしました。街づくり、子育て、災害対応などで連携を強化し、行政と一体となって地域活性化に取り組んでおります。「流山おおたかの森S・C」では、昨年5月につくばエクスプレス高架下の空間を活用した商業施設をリニューアルオープン、昨年6月には近隣住民の交流の場・機会を提供する新たな地域コミュニティ拠点を発足いたしました。新たな事業では、東京都足立区六町駅前の区有地活用におきまして、当社初となるPPP(※4)事業へ参画いたします。つくばエクスプレス六町駅前の区有地におきまして、複合商業施設と駐輪場の整備及び運営を行う本事業を機に、今後も行政と連携した事業拡大を検討してまいります。海外事業におきましては、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.が賃料収入が回復したことにより堅調に推移いたしました。また、ベトナムでは、教育施設を対象とした賃貸事業や住宅・オフィス・商業の複合開発事業など、現地での事業基盤の拡大を着実に進めております。  <金融業>金融業での営業収益は17,437百万円(前年比1.3%増)、営業利益は4,609百万円(前年比2.1%増)となりました。 髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社におきましては、収益の柱であるカード事業の取扱高伸長やライフパートナー事業における顧客基盤の拡大による効果もあり、増収増益となりました。カード事業におきましては、百貨店・専門店への入店客数が増加する中、新規会員の獲得強化を継続して進めると共に、外部加盟店を含め利用促進を図ったことにより取扱高が伸長いたしました。さらに、昨年8月からビジネスオーナー・個人事業主を対象とするビジネスカード「タカシマヤカード《ビジネスプラチナ》アメリカン・エキスプレスR」の発行を開始しました。順調に会員を獲得しており、百貨店とのシナジー発揮による顧客満足度の向上につながっております。ライフパートナー事業におきましては、本年からスタートした新しいNISA制度(※5)や人生100年時代のライフプランなどをテーマとしたセミナーを開催いたしました。また、NISAと保険を組み合わせて相談ができるコーナーを設置するなど、相談数・申込数が着実に増加しております。さらに、ソーシャルレンディング事業におきましては、昨年10月に貸付型クラウドファンディング(※6)に関する豊富な実績とノウハウを有する株式会社バンカーズと業務提携し、本年1月に第1号、2月に第2号ファンドを組成いたしました。本提携を機に新たに「髙島屋ファンディング」として取扱いの幅を広げ、金融事業の収益及び、グループとしての顧客接点拡大を図ってまいります。「髙島屋ネオバンク」の「スゴ積み」(※7)におきましては、昨年7月より積立の満期を迎えられたお客様の決済利用が始まりました。若い世代のお客様、男性のお客様が多く、平均積立額も高いといった特性に合わせたアプローチを推進し、会員数の拡大、継続率アップ及び、決済の利用促進につなげてまいりました。  <建装業>建装業での営業収益は27,945百万円(前年比23.2%増)、営業損失は731百万円(前年同期は営業利益16百万円)となりました。 髙島屋スペースクリエイツ株式会社におきましては、ホテルなどの大型物件やラグジュアリーブランドを中心とした商業施設の受注が増加し、増収となりましたが、大型物件における一過性の原価増大の影響もあり、赤字となりました。  <その他の事業>その他の事業全体での営業収益は30,281百万円(前年比13.0%減)、営業利益は1,491百万円(前年比5.1%増)となりました。 百貨店の店頭売上高回復の影響により、通信販売業のクロスメディア事業におきましては、減収となった一方、卸売業のタカシマヤ トランスコスモス インターナショナルコマースPTE.LTD.におきましては、増益となったことから、その他の事業全体におきましては、減収増益となりました。 ※1:物流の2024年問題2018年6月改正の「働き方改革関連法」に基づき、自動車の運転業務の時間外労働について、2024年4月より、年960時間(休日労働含まず)の上限規制が適用される。併せて、トラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」(貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の対象)により、拘束時間等が強化されることに伴う諸問題。 ※2:EBITDA会社の純粋な現金創出力を評価する指標。当社では、連結営業利益に連結減価償却費(海外グループ会社における、IFRS16号適用によるリース資産に対する減価償却費を除く)を加算したもの。 ※3:メタバース多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できる、通信ネットワーク上に作成された仮想空間のこと。 ※4:PPP(Public Private Partnership)公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、民間の創意工夫等を活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図るもの。 ※5:新しいNISA制度通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかる。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる制度。2024年1月からは「家計の安定的な資産形成」を更に推し進めることを目的に非課税保有期間の無期限化、口座開設期間の恒久化、年間投資枠の拡大などを図った新制度に移行。 ※6:貸付型クラウドファンディング「資金調達をしたい企業」と「お金を貸して利回りを得たい投資家」を結びつけるサービス。少額から投資ができるミドルリスク・ミドルリターンの金融商品として、投資家からの注目が集まっている。 ※7:スゴ積み「髙島屋のスゴイ積立」のことで、髙島屋ネオバンクアプリに搭載された機能の一つ。毎月一定額を12ヵ月積み立てると1ヵ月分のボーナスをプラスした「お買物残高」がアプリにチャージされ、髙島屋のお買物にお使いいただけるサービスのこと。 d.キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、59,536百万円の収入となり、前年同期が36,497百万円の収入であったことに比べ23,039百万円の収入の増加となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が5,645百万円増加したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、38,501百万円の支出となり、前年同期が10,707百万円の支出であったことに比べ27,794百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が11,344百万円減少したこと、関係会社株式の取得による支出が11,235百万円増加したことなどによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、20,600百万円の支出となり、前年同期が32,428百万円の支出であったことに比べ11,828百万円の支出の減少となりました。主な要因は、自己株式の取得による支出が16,693百万円減少したことなどによるものです。これらに換算差額を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,267百万円増加し、92,898百万円となりました。  ②資本の財源及び資金の流動性資本の財源及び資金の流動性に関し、当社は運転資金及び設備資金等の必要資金につきましては、内部資金、売掛債権流動化資金、又は外部調達(借入もしくは社債)により資金調達することとしております。このうち外部調達に関しましては、主として長期・安定した資金にて実施しております。また、当社は国内金融機関から相対取引による十分な借入枠を有しており、TMS(トレジャリー・マネジメント・サービス:グループ会社間で一元的に資金を管理する仕組み)により国内グループ会社間の資金融通を行うことで資金効率を高め、海外グループ会社は十分な手許資金を保有することで事業運営上の流動性を確保しております。なお、当連結会計年度末の有利子負債(リース債務は含まない)の残高は208,951百万円であります。  ③重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表等」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表等」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。  ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 指標2023年度経営上の目標増 減総額営業収益9,521億円9,980億円458億円総額営業収益販売管理費比率24.4%24.5%0.1%営業利益459億円500億円41億円自己資本比率35.7%38.1%2.4%ROE(自己資本当期純利益率)7.3%7.3%0.0%EBITDA総資産比率5.6%5.8%0.2%純有利子負債EBITDA倍率1.7倍1.5倍△0.2倍ROIC(投下資本利益率)5.5%5.9%0.4% 当社では、「総額営業収益」、「総額営業収益販売管理費比率」、「営業利益」、「自己資本比率」、「ROE(自己資本当期純利益率)」、「EBITDA総資産比率」、「純有利子負債EBITDA倍率」、「ROIC(投下資本利益率)」を経営成績の客観的な分析指標として採用しております。達成状況を判断するため、当連結会計年度実績との比較をしておりますが、目標値設定過程に関しては、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(2)「経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」及び(3)「経営環境及び対処すべき課題」をご覧ください。

※本記事は「株式会社髙島屋」の令和6年2月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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