会社名 | 住友化学株式会社 |
業種 | 化学 |
従業員数 | 連32161名 単6706名 |
従業員平均年齢 | 41.6歳 |
従業員平均勤続年数 | 15.7年 |
平均年収 | 8424481円 |
1株当たりの純資産 | 226.42円 |
1株当たりの純利益 | 5.32円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 9円 |
配当性向 | 169.1% |
株価収益率(PER) | 63.65倍 |
自己資本利益率(ROE) | 2.3% |
営業活動によるCF | ▲513億円 |
投資活動によるCF | ▲1122億円 |
財務活動によるCF | 492億円 |
研究開発費※1 | 332億円 |
設備投資額※1 | 209.13億円 |
販売費および一般管理費※1 | 1907.19億円 |
株主資本比率※2 | 18.1% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1) 住友化学の目指す姿当社は、別子銅山の煙害という環境問題の克服と農産物の増産をともに図ることから誕生した起源を持ちます。創業以来100年以上にわたり、絶えざる技術革新と事業の変革を遂げながら、事業を通じて人々の豊かな生活を支えてまいりました。住友には「自利利他公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)という言葉がありますが、当社はその事業精神を体現し、経済価値と社会価値を一体的に創出し続けることを目指しております。 (2) 現状認識当社は2000年代以降、石化事業の抜本的競争力強化、ライフサイエンス事業のクリティカルマスの確保、ICTを中心とした新規事業の育成という3つのコア戦略を進め、中長期的な収益力強化に取り組んできました。その結果、グローバルでの事業展開の進展や、健康・農業、情報電子等の非石化事業の拡大によるスペシャリティ化の進展という点において、一定の成果を示しました。一方で、技術のコモディティ化の加速や中国等での大型プラントの新増設等の外的要因に加え、5事業部門がそれぞれの成長を目指すことで経営資源が分散されたこと、また、医薬品での目利き・開発力が不足したこと等の内的要因も重なり、特にラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)をはじめとした石化事業や住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ」という。)の業績が低迷しました。その結果、2023年度は創業以来最大となる3,118億円の最終赤字を計上するなど、既存の5事業部門をエンジンとした成長モデルは限界を迎えていると認識しております。 (3) 短期集中業績改善策こうした足元の状況を踏まえ、2024年度業績でのV字回復の確実性を高めるとともに、並行して進めている抜本的構造改革に向けた財務体質強化のため、昨年11月から短期集中業績改善策に取り組んでおります。この改善策では、事業再構築、在庫削減、投資厳選、資産売却及び余資活用の項目で、2024年度末までに約5,000億円のキャッシュ創出を目標としておりましたが、当初の想定を上回る進捗であることから、さらに1,000億円積み増し、目標を約6,000億円に上方修正しております。事業再構築では、中国のディスプレイ用ケミカル事業や米国のポストハーベスト事業の譲渡等、ベストオーナー視点でノンコア事業の売却を次々と進めております。在庫の削減については、2023年度末において目標の半分にあたる750億円を削減し、投資の厳選については、2022年度からの3年間累計で1,500億円の削減を見込みます。政策保有株式の売却についても、当初計画を既に上回るなど順調に進捗しています。全体としては、現時点で約4,000億円のキャッシュ創出が確実な状況であります。 (4) 2024年度の業績の見通しについて2024年度業績については、コア営業利益は1,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は200億円の黒字と、V字回復を見込んでいます。コア営業利益は、前年度比2,490億円の大幅な改善となりますが、その半分以上を占める住友ファーマでは、経費削減や治験費用の絞り込み、人員削減等により約1,100億円のコスト削減効果に加え、基幹3製品の最大限の拡販等により、総額で1,340億円の改善を見込みます。住友ファーマ以外では、農薬や半導体材料等の先行投資の効果や、これまでの事業再構築、減損効果を含め、既に実施済みの案件により660億円の改善を見込みます。その他、石化市況の回復等の外部環境改善により190億円、今後の短期集中業績改善策の寄与で300億円改善する見込みです。 (5) 抜本的構造改革2024年度のV字回復後の持続的成長の実現のためには、当社が抱える構造的な経営課題に対して抜本解決策を講じる必要があります。当社は、「抜本的構造改革」と題し、既存事業の立て直しを図る「再興戦略」、そして新たな長期成長モデルの確立や新規成長ドライバーの育成を図る「成長戦略」に取り組んでおります。 抜本的構造改革(再興戦略)住友ファーマについては、徹底した販管費及び研究開発費の合理化により、身の丈に合ったコスト構造に絞り込み、止血することが最優先の取り組みです。加えて、当社として、企業再生の外部専門家等の起用や、複数の経営人材の派遣等によるガバナンス強化、同社に対する債務保証等、従来より踏み込んだ対応を実施します。また、基幹3製品の拡販やがん領域2品目の開発加速、再生・細胞医薬の新会社設立及びグループでの一体運営等により、業績を回復軌道に戻すとともに、持続可能な成長モデルの構築に向け、あらゆる選択肢を追求していきます。ペトロ・ラービグ社については、当社とサウジアラビアン オイル カンパニー(以下「サウジ・アラムコ社」という。)で「共同タスクフォース」を結成し、収益力強化を含む、緊急度の高い課題解決に向け、短期集中で取り組むことを両社で合意しました。国内のエッセンシャルケミカルズ事業については、エチレンプラントの合理化やポリオレフィンにおける企業連携等、生き残りをかけた事業再編に取り組みます。 抜本的構造改革(成長戦略)抜本的構造改革(成長戦略)の方針として、長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定め、社会が直面する課題に対し、当社の革新的な製品や技術によるソリューションを提供していく決意を示しました。その実現に向けて、本年10月に、現在の5つの事業部門を4つに再編し、それぞれの事業領域において、食糧、ICT、ヘルスケア、環境という4つの社会課題に取り組むこととしました。当社は、これまで培ってきた様々なトップランナーの技術・製品群により、社会にソリューションを提供していますが、今後も、GX・DX・BXを切り口とした重要アセットを活用し、次々とイノベーティブなソリューションを生み出すことで、グローバルに存在感のある企業であり続けることを目指します。 成長戦略における各事業領域の戦略新たな4つの各事業領域において、経営戦略上の位置付けを明確にし、メリハリのあるポートフォリオ戦略を展開します。農業・ICT関連の「アグロ&ライフソリューション」「ICTソリューション」は、当社の中核となる成長ドライバーと定め、経営資源を重点的に投下することで、2030年にはそれぞれコア営業利益1,000億円を目標とします。一方、新たな成長領域である先端医療事業やCDMO事業を手掛ける「アドバンストメディカルソリューション」、従来の石油化学から環境負荷低減技術を軸とした価値創造に舵を切る「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」は、2035年に両者合わせて1,000億円のコア営業利益を目指します。 今後に向けてまずは最大の経営課題である2024年度業績のV字回復を達成し、同時に、住友ファーマの徹底的なスリム化及びペトロ・ラービグ社の位置付け見直し等の抜本的構造改革を進めることで、成長軌道へと回帰します。その後は、財務体質を強化するとともに、農業関連・ICT関連へ経営資源を集中し、2030年を目途に新たな成長モデルを構築します。以降は、環境負荷低減技術の社会実装、再生・細胞医薬事業の本格展開等の施策により、さらなる成長の実現を目指します。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り、判断及び仮定を行っておりますが、実際の結果は、見積り及び仮定に関する不確実性があるために、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループの財政状態または経営成績等に重要な影響を及ぼす会計上の見積り、判断及び仮定は、以下のとおりであります。 ・非金融資産の減損有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方を回収可能価額として測定しております。当該処分コスト控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、のれん及び無形資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・共同支配企業に対する投融資の評価当社は、当社の持分法適用会社であるペトロ・ラービグ社に対する投資について、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施しております。回収可能価額は公正価値で算定しており、公正価値は市場価格を用いております。回収可能価額は将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、持分法で会計処理されている投資の金額に重要な影響を生じさせる可能性を有しております。ペトロ・ラービグ社に対する貸付金及び長期未収利息について、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPLの金融資産)に分類し、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分するとともに、割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しております。公正価値の算定にあたっては、重要な観察不能インプットとして将来キャッシュ・フローの総額及び割引率を使用しております。将来キャッシュ・フローの見積りには、主要製品の将来における販売価格・マージン及びペトロ・ラービグ社の全社的な操業度等の仮定を置いております。これらの仮定や割引率は、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があります。 ・繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて決定した将来の各事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・引当金の測定引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローの期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローは、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・金融商品の公正価値特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いております。当該観察不能インプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 (2) 経営成績当連結会計年度の世界経済は、欧米における金融政策引き締めの継続や中国における景気低迷の長期化等の影響を受け、緩やかな減速傾向となりましたが、石油化学や半導体分野においては製品市況の低迷や需要の本格回復の遅れ等により厳しい市場環境となりました。また、国内経済についても、物価上昇による消費下押し等を背景に景気回復は足踏み状態となりました。 このような状況に加え、医薬品におけるラツーダ(非定型抗精神病薬)の米国での独占販売期間終了等の影響もあり、当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ4,484億円減少し、2兆4,469億円となりました。損益面では、コア営業損益は1,490億円の損失、営業損益は当期に多額の減損損失や事業構造改善費用を計上したことにより4,888億円の損失、親会社の所有者に帰属する当期損益は、3,118億円の損失となりました。各段階損益ではそれぞれ前連結会計年度を大幅に下回る結果となっております。 (売上収益)売上収益は、医薬品においてラツーダの独占販売期間終了により販売が減少しました。エッセンシャルケミカルズにおいては原料価格の下落に伴い市況が低水準で推移し、さらに石油化学品の需要減少等により出荷も減少しました。健康・農業関連事業においては南米での農薬のジェネリック品の高騰売価が落ち着いたことに加え、流通在庫の増加の影響により出荷が減少しました。また、メチオニン(飼料添加物)の市況も下落しました。この結果、売上収益は、前連結会計年度の2兆8,953億円に比べ4,484億円減少し、2兆4,469億円となりました。 (コア営業損益/営業損益)コア営業損益は、すべてのセグメントで悪化しました。医薬品においてラツーダの独占販売期間終了に伴い販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が上回りました。また、エッセンシャルケミカルズにおいてペトロ・ラービグ社の業績が悪化したことに加え、健康・農業関連事業においても売上総利益の減少の影響が残りました。この結果、コア営業損益は、前連結会計年度の928億円に比べ2,418億円減少し、1,490億円の損失となりました。 コア営業損益の算出にあたり営業損益から控除した、非経常的な要因により発生した損益は、当連結会計年度において多額の減損損失や事業構造改善費用を計上したことから、前連結会計年度の1,237億円の損失に比べ2,160億円悪化し、3,398億円の損失となりました。以上の結果、営業損益は、前連結会計年度の310億円の損失に比べ4,578億円悪化し、4,888億円の損失となりました。 (金融収益及び金融費用/税引前損益)金融収益及び金融費用は、為替相場が円安で推移し為替差益を計上したことにより、260億円の利益となりましたが、前連結会計年度の312億円の利益に比べ52億円減少しました。この結果、税引前損益は、前連結会計年度の2億円に比べ4,630億円悪化し、4,628億円の損失となりました。 (法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する当期損益及び非支配持分に帰属する当期損益)法人所得税費用は27億円となり、税引前損益から法人所得税費用を控除した当期損益は、4,654億円の損失となりました。非支配持分に帰属する当期損益は、主として住友ファーマ等の連結子会社の非支配持分に帰属する損益からなり、前連結会計年度の539億円の損失に比べ998億円悪化し、1,536億円の損失となりました。以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損益は、前連結会計年度の70億円に比べ3,188億円悪化し、3,118億円の損失となりました。 当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。なお、セグメント損益は、持分法による投資損益を含む営業損益から非経常的な要因により発生した損益を控除した経常的な収益力を表す損益概念であるコア営業損益で表示しております。 (エッセンシャルケミカルズ)合成樹脂やメタアクリル、各種工業薬品等は原料価格の下落により、市況が低水準で推移しました。また、世界的な景気減退に伴う石油化学品の需要減少や合繊原料の事業撤退等により、出荷が減少しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、789億円減少し7,740億円となりました。コア営業損益は市況の下落や出荷数量の減少に加え、ペトロ・ラービグ社の業績が悪化したことにより、前連結会計年度に比べ、565億円悪化し907億円の損失となりました。また、生産規模は、約4,990億円となりました。(販売価格ベース) (エネルギー・機能材料)アルミニウムの市況や正極材料の原料貴金属の市況が低水準で推移しました。また、自動車関連用途を中心に出荷は低調となりました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、422億円減少し3,003億円となり、コア営業損益は前連結会計年度に比べ、74億円減少し78億円の利益となりました。また、生産規模は、約1,940億円となりました。(販売価格ベース) (情報電子化学)半導体プロセス材料である高純度ケミカルやフォトレジストのいずれも、インフレ懸念に伴う消費マインドの悪化等により出荷が減少しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、171億円減少し4,142億円となり、コア営業損益は前連結会計年度に比べ、36億円減少し440億円の利益となりました。また、生産規模は、約3,460億円となりました。(販売価格ベース) (健康・農業関連事業)農薬は南米におけるジェネリック品の高騰売価が落ち着いたことや流通在庫の増加の影響により出荷が減少したため、販売が減少しました。また、メチオニンの市況は前連結会計年度に比べ下落しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、524億円減少し5,460億円となりました。コア営業損益は農薬において南米等で需要が弱含む中、在庫の削減に努めたほか、メチオニンの交易条件の悪化等により、前連結会計年度に比べ、264億円減少し309億円の利益となりました。また、生産規模は、約2,880億円となりました。(販売価格ベース) (医薬品)北米ではオルゴビクス(進行性前立腺がん治療剤)、マイフェンブリー(子宮筋腫・子宮内膜症治療剤)、ジェムテサ(過活動膀胱治療剤)等の売上は増加しましたが、ラツーダの米国での独占販売期間が終了した影響が大きく、減収となりました。また、日本国内の連結子会社2社の全株式を譲渡したことに伴い、減収となりました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、2,421億円減少し3,427億円となりました。コア営業損益は、ラツーダの独占販売期間終了及び北米グループ会社の再編等に伴い、販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べ、1,492億円悪化し1,330億円の損失となりました。また、生産規模は、約3,110億円となりました。(販売価格ベース) (その他)上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等を行っております。これらの売上収益は前連結会計年度に比べ、156億円減少し698億円となり、コア営業損益は前連結会計年度に比べ23億円減少し81億円の利益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績及び受注状況当社グループ(当社及び連結子会社)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産製品の規模は小さいため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産の状況については、セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。② 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)エッセンシャルケミカルズ773,979△9.3エネルギー・機能材料300,264△12.3情報電子化学414,150△4.0健康・農業関連事業545,965△8.8医薬品342,736△41.4その他69,799△18.3合計2,446,893△15.5 (注) 1 上記販売実績は、外部顧客への売上収益を示しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (3) 財政状態当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ2,307億円減少し3兆9,348億円となりました。現金及び現金同等物が減少したほか、減損により、のれん及び無形資産や有形固定資産が減少しました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ941億円増加し、2兆7,705億円となりました。有利子負債は、前連結会計年度末に比べ1,021億円増加し、1兆5,635億円となりました。資本合計(非支配持分を含む)は、円安により在外子会社に係る邦貨換算差額が増加しましたが、多額の当期損失を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ3,248億円減少し、1兆1,644億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて3.6ポイント減少し、24.5%となりました。 (4) キャッシュ・フロー当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、減損損失等の非資金損益項目の増加や運転資金の減少等の影響はあったものの、税引前損益が大きく減少したことにより、前連結会計年度に比べ1,629億円減少し、513億円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に貸付金の回収による収入があったこと等により、前連結会計年度の194億円の支出に比べ928億円支出が増加し、1,122億円の支出となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の922億円の収入に対して、当連結会計年度は1,636億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加等により492億円の収入となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、売却目的で保有する資産への振替額も加味すると、前連結会計年度末に比べ884億円減少し、2,174億円となりました。 当社グループの資金需要及び資本の財源並びに資金の流動性は、次のとおりであります。当社グループの資金需要には、通常の営業活動に必要となる運転資金や既存設備の定期修理のための資金に加え、中期経営計画(2022-2024年度)の基本方針の一つである「事業ポートフォリオの高度化(事業の強化と変革)」を推進するための投資に必要となる資金があります。成長への目配りもしながら案件を徹底的に厳選するとともに、資産売却やCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)短縮等により財務体質の改善に努めてまいります。また、当社グループは株主還元についても、経営上の最重要課題の一つと考えております。各期の業績、配当性向並びに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案の上、安定的な配当を継続することを基本とし、中長期的に配当性向30%程度を安定して達成することを目指しております。 当社グループの財務活動の方針は、低利かつ中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を確保することです。D/Eレシオ(有利子負債/純資産)については、フレキシブルな資金調達が可能な現在の当社格付を維持することを考慮し、中長期的に0.7倍程度を目安としております。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行借入、資本市場における社債及びコマーシャル・ペーパー(当連結会計年度末の当社発行枠2,500億円)の発行等により、必要資金を調達しております。 当社グループは、当連結会計年度より導入したキャッシュマネジメントシステム及びグループファイナンス等により手元資金の最大活用を図っており、現金及び現金同等物の保有額は事業遂行上必要な水準に維持することを目指しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,174億円であり、流動比率(流動資産/流動負債)は116.1%であります。また、大手邦銀のシンジケート団による1,300億円のコミットメント・ライン及び大手外銀のシンジケート団による215億円のマルチカレンシー(円・米ドル・ユーロ建)によるコミットメント・ラインを有しており、事業等のリスクの顕在化等による突発的な資金需要に備え、手元流動性を確保しております。 (5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 |
※本記事は「住友化学株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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