株式会社セブン&アイ・ホールディングスの基本情報

会社名株式会社セブン&アイ・ホールディングス
業種小売業
従業員数連62012名 単1097名
従業員平均年齢44.6歳
従業員平均勤続年数16.8年
平均年収8320143円
1株当たりの純資産1553.17円
1株当たりの純利益(連結)66.62円
決算時期2月
配当金40円
配当性向94.9%
株価収益率(PER)32.2倍
自己資本利益率(ROE)(連結)4.5%
営業活動によるCF8764億円
投資活動によるCF▲7323億円
財務活動によるCF▲3926億円
研究開発費※1-円
設備投資額※177.56億円
販売費および一般管理費※130659.29億円
株主資本比率※249.9%
有利子負債残高(連結)※321946.01億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものになります。(1)経営の基本方針当社は、2005年9月1日に設立された純粋持株会社です。創業時より重んじる「信頼と誠実」の社是を不変の礎として、「変化への対応と基本の徹底」を基本方針に掲げ、お客様ニーズ、マーケット、そして急速な社会の変化に迅速に対応し、業務改革、事業構造の改革を不断に進め、イノベーションの推進と新たな体験価値の提供に努めてまいります。また、「食」の強みを軸とし、コンビニエンスストア事業を中心としたグローバルネットワーク、情報力を活かし、お客様の様々な生活シーンのニーズに応える世界トップクラスのグローバルリテーラーを目指してまいります。加えて、当社は、ガバナンスの強化とグローバルビジネスの拡大により企業価値・株主価値の最大化に努めるとともに、上場会社としてステークホルダーとのエンゲージメントを強化してまいります。合わせて、サステナビリティの取り組みを経営の根幹に据えて、2019年に環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を策定し、CO?排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つのテーマで、2050年をゴールとする目標を設定し、その達成に向けて環境課題や外部不経済の解決に向けた行動を推進しています。 (2)目標とする経営指標当社は、持続的に企業価値・株主価値を向上させるため、資本コストを上回るリターン(利益)を拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針として財務目標を設定しております。 (中期経営計画2021-2025 主な連結財務指標) 2025年度中期経営計画目標2025年度見込みEBITDA1.1兆円以上9,630億円ROE11.5%以上6.9%ROIC(除く金融)8.0%以上5.3%Debt/EBITDA倍率1.8~2.5倍2.3倍EPS成長率(CAGR)18%以上8.5%※ROIC(除く金融)は、{純利益+支払利息×(1-実効税率)}/{自己資本+有利子負債(ともに期首期末平均)}にて算出。※EPS成長率(CAGR)は、2020年度に対してのCAGR(年平均成長率)にて試算。※2025年度見込みは、2025年3月6日に公表した「株主価値最大化に向けた経営体制及び資本構造・事業の変革施策について」の通り、事業ポートフォリオの変革を当年度半ばに完了した場合の見込み値です。 (3)中長期的な経営ビジョン当社は、2022年度に実施したグループ戦略の再評価を踏まえて、2030年に目指すグループ像を「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、「食」を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」といたしました。 (4)経営環境及び経営課題当社を取り巻く環境は、大きく変化しており、またその変化のスピードも加速しております。現下、日本国内においては、高齢化・単身世帯及び共働き世帯の増加等の社会構造の変化の加速により、ご自宅の近くでの生鮮食品・惣菜等の購買ニーズがさらに高まっており、また、昨今の為替変動と燃料費及び原材料費の高止まりによる物価の高騰、インバウンド消費の急速な拡大等により、お客様の行動様式・価値観が変化し食品に対するニーズも一層多様化しております。一方、最低賃金や社会保険料負担の上昇により、雇用環境は引き続き厳しい状況が続くことも想定されます。米国においては、新鮮で健康的な美味しい食品ニーズを満たすことのできるコンビニエンスストアへの期待が高まっており、世界全体においても、各地域の特性に合わせた安全・安心で高い品質の日常の「食」を提供する領域には大きなチャンスがあり、これを可能とするための事業インフラの構築が重要な状況になってきております。加えて、国内外を問わず、気候変動、海洋汚染、フードロス、持続可能な調達等、社会課題が深刻化しており、企業も社会を構成する一員として、その解決に対してこれまで以上に真剣に向き合う時代を迎えております。当社は、食品の品揃え・調達力・サプライヤーネットワーク・イノベーティブな商品開発力・プライベートブランド(セブンプレミアム)といったグループの競争力を支える「食」の強みを有しておりますが、上記のような今後のマクロトレンド・マーケットトレンドの予測の観点からも、この「食」の強みが国内外コンビニエンスストア事業の成長を支える競争力の源泉としてますます重要になってくるものと考えられます。 戦略委員会による提言と当社の中長期的な企業価値・株主価値の最大化を実現するためのアクションプラン 当社は、2023年3月9日に「グループ戦略再評価の結果」を公表し、当社の中長期的な企業価値・株主価値の最大化を目的に独立社外取締役のみで構成される戦略委員会を設立いたしました、2024年4月10日には戦略委員会から当社取締役会に対して、戦略委員会における討議の内容を纏めた提言が提出されたことを受け、当社取締役会において真摯に検討した結果、当社の今後の具体的なアクションプランについて以下のとおり決定、公表いたしました。 〈成長加速に向けた具体的アクションプラン〉・成長余地の大きな北米コンビニエンスストア市場における成長加速と収益性・資本効率の改善・グローバルコンビニエンスストア事業におけるより意欲的な事業計画の策定・投資の実行・グローバル成長の礎となるIT/DX戦略とコスト競争力を高めるIT/DXガバナンス構築・首都圏スーパーストア事業*1の変革完遂と成長に向けたモニタリングと実行支援・グループにおける小売×金融のシナジー最大化*1.首都圏スーパーストア事業:(株)イトーヨーカ堂、(株)シェルガーデン 当社はアクションプランを確実に実行するとともに、取締役会におけるモニタリングを通じて、企業価値・株主価値の最大化を実現するためのあらゆる選択肢を真摯に検討してまいりました。その結果、2025年3月6日に当社が今後コンビニエンスストア事業にさらに注力し、株主の皆様にとっての価値を最大化し還元するために、経営体制、資本構造及び事業の変革にむけた以下の一連の施策を公表いたしました。 〈株主価値最大化に向けた経営体制及び資本構造・事業の変革施策〉・変革を加速させるべく、2025年5月の株主総会後、スティーブン・ヘイズ・デイカス氏を代表取締役社長兼CEOに任命予定・北米のセブン-イレブン事業を担う7-Eleven, Inc.について、2026年下半期までのIPOを目指す・SST事業グループを8,147億円(53.7億ドル)*2,3でBain Capital Private Equity, L.P.及びそのグループ会社に譲渡する最終契約を締結・7-Eleven, Inc.のIPO及びSST事業グループ*4の非連結化によって回収される資本について、2030年度までに総額2兆円(約132 億ドル)*2を自己株式取得の形で株主に還元。通常の事業運営から創出される利益の株主への還元に関しても、累進配当を行う方針・株主価値最大化のために、引き続きあらゆる選択肢を追求。特別委員会による検討状況についても状況を報告*2.U.S.$1=151.46 円*3. 金額は、本件取引最終契約において合意した企業価値の金額に、本吸収分割効力発生見込み時点における予想純現預金等の項目の調整を行い試算した現時点での現金対価額見込みであり、最終的な対価額は本件取引最終契約に定める価格調整等を経て決定*4. 食品スーパーマーケット事業及び専門店・その他事業 当社はこれらの施策の実行により、国内外コンビニエンスストア事業へのフォーカスを強め、成長を加速させてまいります。国内コンビニエンスストア事業においては、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンのコアコンピタンスである商品力、エリア出店戦略、単品管理、加盟店とのコミュニケーションを軸に社会構造とお客様ニーズの変化に対応してまいります。当社は物価上昇に伴う、消費の二極化進行を重要な課題ととらえ、「品質と価格の両立」という基本方針のもと、高品質かつ幅広い価格帯に対応した商品開発と品揃えを強化してまいります。さらに、デリバリー需要とインバウンド消費の拡大も顕著なお客様ニーズであると認識しており、デリバリーサービス「7NOW」ならびにインバウンド消費対応のサービス向上に取り組んでおります。今後も、商品・サービスへの積極的な投資を通じて、お客様への提供価値を高めるとともに、リテールメディアや特定領域に特化したコンセプトストア等の新規事業にも挑戦してまいります。また、海外コンビニエンスストア事業においては、北米で継続する物価・金利の上昇と雇用環境の悪化をうけ、中低所得者層を中心に節約志向が一層強まっていると認識しており、7-Eleven, Inc.は、変化するお客様ニーズに対応した商品・サービスによる事業成長と資本効率性の改善を図ってまいります。パートナー企業とのバリューチェーン構築を通じたフレッシュフード、専用飲料、クイックサービスレストランを含むオリジナル商品の強化に加え、ロイヤリティプログラムや7NOWデリバリー等のデジタル投資を拡大し、お客様の利便性向上に取り組んでまいります。物価上昇及び所得の二極化という局面においては、コスト優位性の確保が必須であり、コストリーダーシップの取り組みも継続推進してまいります。加えて、高いお客様評価と投資効率を実現する新たな店舗モデルの構築ならびに店舗ネットワークの拡大と強化に努めてまいります。さらに、7-Eleven International LLCでは、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での展開を目指すという方針の下、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推進しております。既存展開国については、戦略的な投融資を通じて、各市場の特性に合わせた「食のコンビニ」への転換を進めることで、より収益性の高いビジネスモデルへ進化を図ってまいります。 戦略を支える確かな経営基盤 ① 持続可能な社会の実現に向けて当社では、これまでも社会課題解決と企業価値向上の両立を経営の基本におき、積極的に取り組んでまいりました。当社の事業領域と特に親和性の高い社会課題を「7つの重点課題(マテリアリティ)」と特定し、SDGs(国連「持続可能な開発目標」)の17の目標と関連づけながら、課題解決に向けて取り組みを進めております。これらにより、本業を通じての社会課題及び重点課題を起点とした新たなビジネスモデルの創出に取り組んでおります。 「7つの重点課題(マテリアリティ)」・お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する・安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する・地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する・多様な人々が活躍できる社会を実現する・グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する・お客様との対話と協働を通じてエシカルな社会を実現する・パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する 2019年5月に公表した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の達成に向け、CO?排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つのテーマで、お客様・地域社会・お取引先様等のステークホルダーとも連携しながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおります。また、ネイチャーポジティブの実現に向け「セブン&アイグループ自然資本に関する方針」を策定し、自然資本・生物多様性への対応を進めると同時に、グローバル展開の強化に合わせ、7-Eleven, Inc.や7-Eleven International LLCとの連携強化も図っております。さらに、企業活動のグローバル化が進み、企業の人権への取り組みに対して、社会からの関心が高まっております。当社では企業行動指針をベースに人権を守る活動を行っており、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関の宣言、国連グローバル・コンパクトの10原則、及び「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをもとに、「セブン&アイグループ人権方針」を定めております。これからも従業員やサプライチェーン、地域社会に対する働きかけを行うなど、人権尊重の取り組みを一層強化してまいります。 ② コーポレートガバナンスの更なる強化当社では、これまでも、コーポレートガバナンスについて、すべてのステークホルダーの皆様との対話に基づき、常にその改善と拡充に努めてまいりました。2030年の目指すグループ像としてグローバルリテールグループを目指すにあたり、これにふさわしいガバナンス体制を構築すべく、取締役会の多様性をさらに向上させるとともに、2022年度より独立社外取締役を増員し、過半数とする体制に変更いたしました。また2023年度には、ガバナンス体制の強化・安定化を図るために、各コーポレート機能に最高責任者(CxO)、を任命し、各事業セグメント・事業領域には統括責任者を任命いたしました。さらに、2024年度には取締役会における経営戦略に関する議論や業務執行への監督の実効性をより担保するべく、取締役会議長とCEOの役職を分離いたしました。今後も、グローバルマーケットにおける持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現すべく、適切な意思決定を行うとともに実効性の高い監督を実施し、取締役会としての役割・責務を適切に果たし、コーポレートガバナンスの更なる強化を図ってまいります。なお、当社の独立社外取締役のみで構成される特別委員会は企業価値及び株主価値最大化のためのあらゆる選択肢を追求し、引き続き真摯に検討を進めております。 ③ 経営戦略と連動した人財政策当社の成長力の源泉は人財です。とりわけ、グローバル戦略の推進や社会価値と企業価値の両立を追求するうえで、経営戦略と人財戦略は不可分であると考えております。当社では経営戦略の推進と一体となった人財戦略に取り組み、専門的な知見や技能を有する人財を社外から求めるだけでなく、社内でも積極的に育成してまいります。人財育成にあたっては、「人財とともに成長する企業」という考え方に立ち、積極的に社員に成長機会を提供することで、自ら学び続け、常にスキルアップを図り続ける人財の育成を図り、社員と会社の相互成長を目指してまいります。また、働き方改革や生産性の向上を図ることで、誰もが働きやすい職場づくりを推進してまいります。働く人々の多様性や違いを認め合う環境づくりや柔軟な働き方を支援する体制を整え、多様な人財が活躍できる組織・企業文化の育成に注力してまいります。さらに当社では各事業会社社長のもと「エンゲージメント向上委員会」を設置し、従業員エンゲージメント向上に向けた行動計画の策定とモニタリングを実施しております。従業員のエンゲージメントや貢献意欲が高まることが組織の活性化につながり、企業の競争力強化につながると考え、今後も活動を推進してまいります。 中長期的な企業価値向上による持続的成長に向け、今後とも当社では、当社の強みを一層拡大し、すべてのステークホルダーの皆様の声を真摯に受け止めながら、さらなる価値提供と適正な利益還元を進めてまいります。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の概要① 経営成績当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境が改善する中、個人消費は一部に足踏みが残るものの持ち直しの動きが見られました。賃金上昇や定年延長などにより若年層、高齢者層の所得が増加する一方、子育て世代を中心に生活防衛意識が高まるなど、消費の二極化が顕在化しております。北米経済は、引き続きインフレ、高金利環境に加え雇用環境が悪化しているものの、経済全体では高所得者層の消費により底堅さを維持しました。一方で、消費の二極化が進み、中低所得者層の消費に対する慎重な姿勢がより一層強まりました。このような環境の中、当社グループは「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」を目指し、アップデートした中期経営計画(2023年3月9日公表)における各事業戦略及びグループ戦略を推進してまいりました。これらの結果、当連結会計年度における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。なお、2025年3月6日に「株主価値最大化に向けた経営体制及び資本構造・事業の変革施策について」を公表いたしました。これは、当社が今後コンビニエンスストア事業に更に注力し、株主の皆様にとっての価値を最大化するために、経営体制、資本構造及び事業の変革に向けた一連の施策です。また、これまでに発表し現在進行中の事業変革施策についても継続して進めてまいります。(連結業績) (単位:百万円) 2024年2月期2025年2月期 前年同期比 前年同期比営業収益11,471,75397.1%11,972,762104.4%営業利益534,248105.5%420,99178.8%経常利益507,086106.6%374,58673.9%親会社株主に帰属する当期純利益224,62379.9%173,06877.0% (中期経営計画2021-2025 主な連結財務指標)(単位:百万円) 2024年2月期2025年2月期 前年同期比 前年同期比EBITDA1,054,951106.0%995,52394.4%営業キャッシュ・フロー(除く金融)778,39893.5%783,254100.6%フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)391,69482.6%435,015111.1%ROE(%)6.24.5ROIC(除く金融)(%)4.13.5Debt/EBITDA倍率(倍)2.62.71株当たり当期純利益(EPS)(円)84.8880.0%66.6278.5% 為替レート(損益計算書)U.S.$1=140.67円U.S.$1=151.69円1元=19.82円1元=21.04円為替レート(貸借対照表)U.S.$1=141.83円U.S.$1=158.18円1元=19.93円1元=21.67円(注)1 営業キャッシュ・フロー(除く金融)は、金融事業を除くNOPATをベースとした管理会計数値。2 フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)は、金融事業を除く管理会計ベース数値。なお、M&Aは戦略投資として投資キャッシュ・フローからは除外して算出。3 ROIC(除く金融)は、{純利益+支払利息×(1-実効税率)}/{自己資本+有利子負債(ともに期首期末平均)}にて算出。4 当社は2024年3月1日付で普通株式1株を3株に株式分割しております。2024年2月期の「1株当たり当期純利益」及び前年同期比は2023年2月期の期首より当該株式分割が行われたと仮定して算定した数値です。 なお、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄、7-Eleven, Inc.及び7-Eleven Stores Pty Ltdにおける加盟店売上を含めた「グループ売上」は、18,442,884百万円(前年同期比103.7%)となりました。また、当連結会計年度における為替レート変動に伴い、グループ売上は8,104億円、営業収益は6,691億円、営業利益は155億円増加しております。 当連結会計年度における事業部門別の営業概況は以下のとおりです。 (セグメント別営業収益) (単位:百万円) 2024年2月期2025年2月期 前年同期比 前年同期比国内コンビニエンスストア事業921,706103.5%904,15298.1%海外コンビニエンスストア事業8,516,93996.3%9,170,782107.7%スーパーストア事業1,477,384101.9%1,432,12696.9%金融関連事業207,479106.8%212,127102.2%その他の事業411,30584.2%320,91478.0%計11,534,81497.2%12,040,102104.4%調整額(消去及び全社)△63,060-△67,339-合 計11,471,75397.1%11,972,762104.4% (セグメント別営業利益) (単位:百万円) 2024年2月期2025年2月期 前年同期比 前年同期比国内コンビニエンスストア事業250,544108.0%233,55493.2%海外コンビニエンスストア事業301,628104.1%216,24871.7%スーパーストア事業13,588109.6%10,41576.7%金融関連事業38,172102.8%32,01583.9%その他の事業2,688103.6%5,779215.0%計606,622105.7%498,01482.1%調整額(消去及び全社)△72,373-△77,023-合 計534,248105.5%420,99178.8% (a)国内コンビニエンスストア事業国内コンビニエンスストア事業における営業収益は904,152百万円(前年同期比98.1%)、営業利益は233,554百万円(同93.2%)となりました。株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、人口減少、少子高齢化の進行及び、物価上昇等の消費の二極化等の外部環境変化がある中で、お客様の消費行動変化へ対応すべく、基本商品の磨きこみをベースに、「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客様への新たな買い物体験の提供」、「品質と価格を両立した価値の提供」等、客層の拡大と来店頻度の向上に向けた取り組みを実施してまいりました。また、デリバリーサービス「7NOW」については全国展開に向けた体制構築等の取り組み強化に加え、「7NOWアプリ」の認知度向上等の施策に取り組んでまいりました。加えて、多様なニーズに対応するため、2024年2月29日にオープンした新しいコンセプトの店舗「SIP*ストア」において、お客様の潜在的なニーズの特定と、対応に関する様々な検証を実施してまいりました。この取り組みで得られた知見を2025年1月から、埼玉県内の約20店舗で今後の拡大を見据えたテストを開始し、ご好評をいただいております。これらの検証結果を踏まえ、展開を拡大する事で収益性の改善を目指してまいります。当連結会計年度は、「品質と価格を両立した価値の提供」による来店頻度向上施策と新規客層拡大施策が奏功したことにより、既存店売上、客数は前年を上回り、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は5,369,756百万円(同100.5%)となりました。一方、原材料の高騰等による商品荒利率の低下に加え、水道光熱費等のコスト上昇により、営業利益は233,797百万円(同93.1%)となりました。*株式会社セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)と株式会社イトーヨーカ堂(IY)のパートナーシップ(通称SIP) (b)海外コンビニエンスストア事業海外コンビニエンスストア事業における営業収益は9,170,782百万円(前年同期比107.7%)、営業利益は216,248百万円(同71.7%)となりました。北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレと高金利に加えて雇用環境の悪化に伴う労働所得の減少により消費の二極化が進み、中低所得者層を中心に食品や生活必需品への節約志向が一層強まる中で、継続的な事業の成長と資本効率の向上を目指し、「オリジナル商品の強化」、「デジタルとデリバリーの加速」、「効率性とコストリーダーシップの向上」、「店舗ネットワークの拡大と強化」という4つの施策を推進してまいりました。また、2024年4月16日付にて米国Sunoco LP社からのコンビニエンスストア事業及びガソリン小売事業の一部の取得を完了しました。当連結会計年度のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回り、営業利益(のれん償却前)は329,620百万円(同83.2%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、10,493,291百万円(同102.9%)となりました。なお、様々な外部環境の影響を受けつつも、4つの施策を進めることで、特にオリジナル商品が売上全体をけん引している効果により、売上改善の基調を確認しております。7-Eleven International LLCでは、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での展開を目指すという方針の下、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推進しております。既存展開国については、各市場の特性に合わせた「食のコンビニ」への転換を進めております。その一環として、2024年4月1日付で、オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有するConvenience Group Holdings Pty Ltd*(以下、「SEA」という。)の買収を完了し、フレッシュフードの商品開発強化と品揃えの拡大に取り組んでおります。*オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有する会社(c)スーパーストア事業スーパーストア事業における営業収益は1,432,126百万円(前年同期比96.9%)、営業利益は10,415百万円(同76.7%)となりました。株式会社イトーヨーカ堂は、収益性改善に向けた抜本的変革が概ね計画どおり進捗しており、2024年2月27日に稼働を開始したPeace Deli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチン等の戦略投資インフラを活用し、惣菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げる等、商品の品質向上、品揃え強化、店舗の運営効率改善に取り組んでおります。当連結会計年度は、自営売場面積の縮小等に伴い既存店売上は前年を下回りましたが、店舗閉鎖等の抜本的変革による販管費抑制により、3,020百万円の営業利益(前年同期は1,205百万円の営業損失)となりました。株式会社ヨークベニマルにおいては、「地域のお客様の日常の食卓をより楽しく豊かに便利にする」というコンセプトの実現に向けて既存店の活性化、デリカテッセン等の開発及び販売強化の取り組みを進めてまいりました。当連結会計年度は、販売促進施策等が奏功し、既存店売上は前年を上回りましたが、原材料価格の高騰などの影響により、営業利益は16,810百万円(前年同期比89.9%)となりました。(d)金融関連事業金融関連事業における営業収益は212,127百万円(前年同期比102.2%)、営業利益は32,015百万円(同83.9%)となりました。株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点の国内ATM設置台数は27,965台(前連結会計年度末差595台増)となりました。預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持したことなどにより、1日1台当たりのATM平均利用件数は107.9件(前年同期差3.3件増)となり、当連結会計年度のATM総利用件数は前年を上回りました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9,031億円となりました。(e)その他の事業その他の事業における営業収益は320,914百万円(前年同期比78.0%)、営業利益は5,779百万円(同215.0%)となりました。事業ポートフォリオの見直しによる事業会社の譲渡等の影響により減収となったものの、人流回復に伴い株式会社ロフトをはじめとする事業会社の業績が好調に推移したため増益となりました。 (f)調整額(消去及び全社)調整額(消去及び全社)における営業損失は77,023百万円(前年同期は72,373百万円の営業損失)となりました。業務効率化やセキュリティ強化等を目的としたグループ共通基盤システム構築に係る費用等を計上しております。② 財政状態の状況(a)資産、負債及び純資産の状況総資産は、為替レートの変動、海外コンビニエンスストア事業におけるSEAの取得等により前連結会計年度末に比べ793,993百万円増の11,386,111百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ211,883百万円減少いたしました。固定資産は、為替レートの変動と海外コンビニエンスストア事業におけるSEAの取得に伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加等により、1,006,276百万円増加いたしました。負債は、為替レートの変動とSEAの取得に伴うリース債務の増加等により前連結会計年度末に比べ477,172百万円増の7,168,665百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ316,821百万円増の4,217,445百万円となりました。(b)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ212,673百万円減少したことにより、1,349,820百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、876,458百万円の収入(前年同期比130.2%)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が269,351百万円、減価償却費が436,593百万円となりましたが、仕入債務の増減額が△73,035百万円となったこと等によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、732,363百万円の支出(前年同期比169.6%)となりました。これは、主に店舗の新規出店や改装などに伴う有形固定資産の取得による支出が430,866百万円、海外コンビニエンスストア事業におけるSEA取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が166,657百万円、事業取得による支出が109,675百万円となったこと等によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、392,648百万円の支出(前年同期比104.1%)となりました。これは、長期借入れによる収入が201,945百万円となったものの、長期借入金の返済による支出が146,693百万円、社債の償還による支出が341,302百万円、配当金の支払額が101,408百万円となったこと等によるものであります。 (2)生産、受注及び販売の実績①生産及び受注の実績該当事項はありません。 ②仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)国内コンビニエンスストア事業46,58684.0海外コンビニエンスストア事業7,110,698106.8スーパーストア事業985,55696.5金融関連事業22,993106.2その他の事業176,36583.7計8,342,201104.7(注)1 上記国内及び海外コンビニエンスストア事業の仕入高には、自営店仕入のみが含まれております。2 上記仕入実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績(営業収益のうちの売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)国内コンビニエンスストア事業63,25683.3海外コンビニエンスストア事業8,650,205107.6スーパーストア事業1,332,25096.8金融関連事業22,558104.8その他の事業274,05281.9計10,342,323105.0(注)1 上記国内及び海外コンビニエンスストア事業の売上高には、自営店売上のみが含まれております。2 上記販売実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。    3 主要な子会社の売上状況は、次のとおりであります。    (1)国内コンビニエンスストア事業株式会社セブン‐イレブン・ジャパン区分チェーン全店売上(百万円)前年同期比(%)構成比(%)加工食品1,460,763102.427.1ファスト・フード1,525,44697.428.3日配食品668,39399.712.4食品計3,654,60399.867.8非食品1,735,667102.132.2合計5,390,271100.5100.0(注) 上記金額は収益認識会計基準等を適用する前の数値であり、消費税等は含まれておりません。チェーン全店売上は、フランチャイズ・ストア(加盟店)とトレーニング・ストア(自営店)の売上の合計金額であります。     (2)海外コンビニエンスストア事業7-Eleven, Inc.区分チェーン全店売上(百万円)前年同期比(%)構成比(%)加工食品1,923,603107.018.3ファスト・フード551,086107.65.3日配食品162,592105.51.5食品計2,637,282107.125.1非食品1,476,574104.414.1商品計4,113,857106.139.2ガソリン6,379,433100.960.8合計10,493,291102.9100.0(注) チェーン全店売上は、フランチャイズ・ストア(加盟店)とトレーニング・ストア(自営店)の売上の合計金額であります。     (3)スーパーストア事業① 株式会社イトーヨーカ堂区分売上高(百万円)前年同期比(%)構成比(%)フード&ドラッグ526,78591.053.9専門店108,56283.511.1商品計635,34889.765.0テナント333,336101.134.1その他9,521305.61.0合計978,20693.9100.0(注)1 上記金額は収益認識会計基準等を適用する前の数値であり、消費税等は含まれておりません。2 当連結会計年度より報告区分を従来の「ライフスタイル」、「専門店」、「食品」、「テナント」及び「その他」から、「フード&ドラッグ」、「専門店」、「テナント」及び「その他」に区分変更しており、前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。3 株式会社イトーヨーカ堂は、2023年9月1日付で株式会社ヨーク(屋号ヨークマート及びヨークフーズ等)を吸収合併いたしましたが、上記金額にはヨークマート及びヨークフーズ等の数値は含まれておりません。なお、ヨークマート及びヨークフーズ等の数値は以下のとおりです。 (参考情報)ヨークマート及びヨークフーズ等区分売上高(百万円)前年同期比(%)商品計197,924103.4 ② 株式会社ヨークベニマル区分売上高(百万円)前年同期比(%)構成比(%)生鮮食品177,755102.334.8加工食品127,285104.724.9デイリー食品106,085102.220.8デリカテッセン62,553101.912.2食品計473,679102.892.7衣料9,96598.21.9住居17,99397.83.5商品計501,639102.598.1テナント9,487104.01.9合計511,126102.6100.0(注) 上記金額は収益認識会計基準等を適用する前の数値であり、消費税等は含まれておりません。 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績の分析(a)営業収益及び営業利益当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ501,008百万円増加の11,972,762百万円(前年同期比104.4%)、営業利益は、113,257百万円減少の420,991百万円(前年同期比78.8%)となりました。   前連結会計年度(自 2023年3月 1日 至 2024年2月29日)  当連結会計年度(自 2024年3月 1日 至 2025年2月28日)増減額営業収益(百万円) 国内コンビニエンスストア事業921,706904,152△17,554海外コンビニエンスストア事業8,516,9399,170,782653,842スーパーストア事業1,477,3841,432,126△45,258金融関連事業207,479212,1274,648その他の事業411,305320,914△90,390計11,534,81412,040,102505,287消去及び全社△63,060△67,339△4,278 合  計11,471,75311,972,762501,008営業利益(百万円) 国内コンビニエンスストア事業250,544233,554△16,990海外コンビニエンスストア事業301,628216,248△85,379スーパーストア事業13,58810,415△3,172金融関連事業38,17232,015△6,156その他の事業2,6885,7793,091計606,622498,014△108,607消去及び全社△72,373△77,023△4,649 合  計534,248420,991△113,257国内コンビニエンスストア事業における営業収益は904,152百万円(前年同期比98.1%)、営業利益は233,554百万円(同93.2%)となりました。株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、人口減少、少子高齢化の進行及び、物価上昇等の消費の二極化等の外部環境変化がある中で、お客様の消費行動変化へ対応すべく、基本商品の磨きこみをベースに、「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客様への新たな買い物体験の提供」、「品質と価格を両立した価値の提供」等、客層の拡大と来店頻度の向上に向けた取り組みを実施してまいりました。また、デリバリーサービス「7NOW」については全国展開に向けた体制構築等の取り組み強化に加え、「7NOWアプリ」の認知度向上等の施策に取り組んでまいりました。加えて、多様なニーズに対応するため、2024年2月29日にオープンした新しいコンセプトの店舗「SIP*ストア」において、お客様の潜在的なニーズの特定と、対応に関する様々な検証を実施してまいりました。この取り組みで得られた知見を2025年1月から、埼玉県内の約20店舗で今後の拡大を見据えたテストを開始し、ご好評をいただいております。これらの検証結果を踏まえ、展開を拡大する事で収益性の改善を目指してまいります。当連結会計年度は、「品質と価格を両立した価値の提供」による来店頻度向上施策と新規客層拡大施策が奏功したことにより、既存店売上、客数は前年を上回り、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は5,369,756百万円(同100.5%)となりました。一方、原材料の高騰等による商品荒利率の低下に加え、水道光熱費等のコスト上昇により、営業利益は233,797百万円(同93.1%)となりました。*株式会社セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)と株式会社イトーヨーカ堂(IY)のパートナーシップ(通称SIP)海外コンビニエンスストア事業における営業収益は9,170,782百万円(前年同期比107.7%)、営業利益は216,248百万円(同71.7%)となりました。北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレと高金利に加えて雇用環境の悪化に伴う労働所得の減少により消費の二極化が進み、中低所得者層を中心に食品や生活必需品への節約志向が一層強まる中で、継続的な事業の成長と資本効率の向上を目指し、「オリジナル商品の強化」、「デジタルとデリバリーの加速」、「効率性とコストリーダーシップの向上」、「店舗ネットワークの拡大と強化」という4つの施策を推進してまいりました。また、2024年4月16日付にて米国Sunoco LP社からのコンビニエンスストア事業及びガソリン小売事業の一部の取得を完了しました。当連結会計年度のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回り、営業利益(のれん償却前)は329,620百万円(同83.2%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、10,493,291百万円(同102.9%)となりました。なお、様々な外部環境の影響を受けつつも、4つの施策を進めることで、特にオリジナル商品が売上全体をけん引している効果により、売上改善の基調を確認しております。7-Eleven International LLCでは、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での展開を目指すという方針の下、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推進しております。既存展開国については、各市場の特性に合わせた「食のコンビニ」への転換を進めております。その一環として、2024年4月1日付で、オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有するConvenience Group Holdings Pty Ltd*(以下、「SEA」という。)の買収を完了し、フレッシュフードの商品開発強化と品揃えの拡大に取り組んでおります。*オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有する会社スーパーストア事業における営業収益は1,432,126百万円(前年同期比96.9%)、営業利益は10,415百万円(同76.7%)となりました。株式会社イトーヨーカ堂は、収益性改善に向けた抜本的変革が概ね計画どおり進捗しており、2024年2月27日に稼働を開始したPeace Deli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチン等の戦略投資インフラを活用し、惣菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げる等、商品の品質向上、品揃え強化、店舗の運営効率改善に取り組んでおります。当連結会計年度は、自営売場面積の縮小等に伴い既存店売上は前年を下回りましたが、店舗閉鎖等の抜本的変革による販管費抑制により、3,020百万円の営業利益(前年同期は1,205百万円の営業損失)となりました。株式会社ヨークベニマルにおいては、「地域のお客様の日常の食卓をより楽しく豊かに便利にする」というコンセプトの実現に向けて既存店の活性化、デリカテッセン等の開発及び販売強化の取り組みを進めてまいりました。当連結会計年度は、販売促進施策等が奏功し、既存店売上は前年を上回りましたが、原材料価格の高騰などの影響により、営業利益は16,810百万円(前年同期比89.9%)となりました。金融関連事業における営業収益は212,127百万円(前年同期比102.2%)、営業利益は32,015百万円(同83.9%)となりました。株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点の国内ATM設置台数は27,965台(前連結会計年度末差595台増)となりました。預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持したことなどにより、1日1台当たりのATM平均利用件数は107.9件(前年同期差3.3件増)となり、当連結会計年度のATM総利用件数は前年を上回りました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9,031億円となりました。 (b)営業外損益及び経常利益営業外損益は、前連結会計年度の27,162百万円の損失(純額)から46,404百万円の損失(純額)となりました。これは7-Eleven, Inc.による受取利息が減少した一方、支払利息が増加したこと等によるものであります。この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ132,499百万円減少の374,586百万円となりました。(c)特別損益及び税金等調整前当期純利益特別損益は、前連結会計年度の230,078百万円の損失(純額)から105,235百万円の損失(純額)となりました。これは7-Eleven, Inc.によるセール・リースバック契約に係る固定資産売却益を計上したこと等によるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ7,655百万円減少の269,351百万円となりました。(d)法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益法人税等は、前連結会計年度に比べ44,527百万円増加の86,331百万円となりました。また、税効果会計適用後の負担率は32.1%となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ51,555百万円減少の173,068百万円となりました。1株当たり当期純利益は、66.62円となり、前連結会計年度の84.88円に比べ18.26円減少しました。② 財政状態の分析(a)資産、負債及び純資産の状況 前連結会計年度(2024年2月29日)当連結会計年度(2025年2月28日)増減額総資産(百万円)10,592,11711,386,111793,993負 債(百万円)6,691,4927,168,665477,172純資産(百万円)3,900,6244,217,445316,821総資産は、前連結会計年度末に比べ793,993百万円増加して11,386,111百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が190,075百万円減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ211,883百万円減少し、2,823,782百万円となりました。有形固定資産は、主に為替レートの変動と海外コンビニエンスストア事業におけるSEAの取得に伴う増加等により618,798百万円の増加となりました。無形固定資産は、主に為替レートの変動とSEAの取得に伴う増加等により354,804百万円の増加となりました。また、投資その他の資産においては、株式会社セブン銀行が取得する地方債や社債が増加したこと等により32,674百万円増加しております。これらの結果、固定資産は前連結会計年度末に比べ1,006,276百万円増加し、8,561,745百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ477,172百万円増加し、7,168,665百万円となりました。流動負債は、短期借入金が87,614百万円、コールマネーが60,000百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ243,363百万円増加し、3,316,615百万円となりました。固定負債は、為替レートの変動とSEAの取得に伴うリース債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ233,809百万円増加し、3,852,050百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ316,821百万円増加し、4,217,445百万円となりました。利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による173,068百万円の増加、配当金の支払いによる101,469百万円の減少などにより、前連結会計年度に比べ71,595百万円増加しております。為替換算調整勘定は、主に7-Eleven, Inc.の財務諸表の換算などにより、293,002百万円増加しております。これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ136.23円増加し1,553.17円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の35.1%から35.4%となりました。 (b)キャッシュ・フローの状況   前連結会計年度(自 2023年3月 1日 至 2024年2月29日)  当連結会計年度(自 2024年3月 1日 至 2025年2月28日)増減額営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)673,015876,458203,443投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△431,809△732,363△300,553財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△377,065△392,648△15,582現金及び現金同等物の期末残高(百万円)1,562,4931,349,820△212,673現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、国内及び海外コンビニエンスストア事業を中心とした高い営業収益力によりキャッシュ・フローを創出したものの、国内及び海外コンビニエンスストア事業を中心とする店舗の新規出店及び改装などに伴う支出等があったことや借入金の返済及び社債の償還等により、前連結会計年度末に比べ212,673百万円減少し、1,349,820百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得た資金は、876,458百万円(前年同期比130.2%)となりました。前年同期に比べ203,443百万円増加した主な要因は、百貨店譲渡関連損失が129,618百万円減少した一方、売上債権の増減額が98,410百万円、銀行業におけるコールマネーの純増減が130,000百万円増加したこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動に使用した資金は、732,363百万円(前年同期比169.6%)となりました。前年同期に比べ300,553百万円増加した主な要因は、有形固定資産の売却による収入が105,687百万円増加した一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が165,880百万円、事業取得による支出が107,488百万円増加したこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動に使用した資金は、392,648百万円(前年同期比104.1%)となりました。前年同期に比べ15,582百万円増加した主な要因は、長期借入れによる収入が149,245百万円増加した一方、社債の発行による収入が220,000百万円減少したこと等によるものであります。③ 戦略的現状と見通し国内においては、継続した物価上昇による家計の節約志向の高まりが懸念されておりますが、賃上げや設備投資の拡大、インバウンド需要の増加などを背景に、緩やかな持ち直し基調が想定されます。北米においては、通商政策の不確実性の高まり等により、個人消費環境の厳しい状況が続くことが想定されます。このような経営環境を踏まえ、2025年3月6日に「株主価値最大化に向けた経営体制及び資本構造・事業の変革施策について」を公表いたしました。これまでに公表した事業変革施策は継続して進めてまいりますが、更に取り組みを昇華させるべく経営体制の変革、7-Eleven, Inc.のIPOの実現に向けた取り組みの推進、株主還元についての方針を示しました。基本姿勢である「常にお客様の立場に立って、新たな体験価値を提供することで、国内外の地域社会に貢献したい」に則り、このマネジメント施策を推進してまいります。これらを踏まえた2026年2月期の連結業績予想は以下のとおりとなります。 (連結業績予想)(単位:百万円) 2026年2月期 前年同期比営業収益10,722,00089.6%営業利益424,000100.7%経常利益386,000103.0%親会社株主に帰属する当期純利益255,000147.3%(注)1 前提となる為替レート:U.S.$1=148.00円、1元=21.00円2 株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄、7-Eleven, Inc.及び7-Eleven Stores Pty Ltdにおける加盟店売上を含めたグループ売上:17,338,000百万円 (中期経営計画2021-2025 主な連結財務指標) 2025年度中期経営計画目標2025年度見込みEBITDA1.1兆円以上9,630億円ROE11.5%以上6.9%ROIC(除く金融)8.0%以上5.3%Debt/EBITDA倍率1.8~2.5倍2.3倍EPS成長率(CAGR)18%以上8.5%(注)1 ROIC(除く金融)は、{純利益+支払利息×(1-実効税率)}/{自己資本+有利子負債(ともに期首期末平均)}にて算出。2 EPS成長率(CAGR)は、2020年度に対してのCAGR(年平均成長率)にて試算。3 2025年度見込みは、2025年3月6日に公表した「株主価値最大化に向けた経営体制及び資本構造・事業の変革施策について」の通り、事業ポートフォリオの変革を当年度半ばに完了した場合の見込み値です。 (セグメント別営業収益・営業利益予想) (単位:百万円) 2026年2月期営業収益営業利益 前年同期比 前年同期比国内コンビニエンスストア事業950,000105.1%244,700104.8%海外コンビニエンスストア事業8,848,00096.5%230,000106.4%スーパーストア事業687,00048.0%15,400147.9%金融関連事業119,00056.1%18,50057.8%その他の事業164,00051.1%1,90032.9%計10,768,00089.4%510,500102.5%調整額(消去及び全社)△46,000-△86,500-合計10,722,00089.6%424,000100.7% なお、2025年3月6日に「当社子会社における会社分割(吸収分割)による子会社の異動に関するお知らせ」で公表のとおり、株式会社ヨーク・ホールディングスの本社機能及び食品スーパーマーケット事業及び専門店・その他事業に帰属する当社の連結子会社22社及び持分法適用会社7社の計29社を吸収分割の方法で、Bain Capital Private Equity, L.P.及びそのグループ会社が設立する買収目的会社である株式会社BCJ-95の完全子会社である株式会社BCJ-96に承継させることを決定いたしました。これに伴い当社の2026年2月期の業績予想において、対象となる29社は上期の業績のみを反映しています。 (a)国内コンビニエンスストア事業株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、人口減少、少子高齢化の進行及び、消費の二極化等の外部経済環境変化に伴うお客様の購買行動変化に対応してまいります。「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客様への新たな買い物体験の提供」、「品質と価格を両立した価値の提供」の3つの施策の取り組みを更に強化すると同時に、「SIPストア」で確認された商品やサービスを他の店舗にも展開し、店舗集客力・収益力の向上を図ってまいります。また、デリバリーサービス「7NOW」など、常にお客様の立場に立った新たな体験価値を提供することで次の「便利」の扉を開き、加盟店や取引先も含めたバリューチェーン全体での持続的な成長の実現に取り組んでまいります。(b)海外コンビニエンスストア事業北米の7-Eleven, Inc.は、引き続き「オリジナル商品の強化」、「デジタルとデリバリーの加速」、「効率性とコストリーダーシップの向上」、「店舗ネットワークの拡大と強化」を主要優先事項として推進してまいります。 7-Eleven International LLCでは、引き続き既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推し進め、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での店舗出店を目指す方針の下、質とスピードを伴った成長の実現に取り組んでまいります。(c)スーパーストア事業株式会社イトーヨーカ堂においては、株式会社Peace Deliを軸とした商品・物流改善、グループ会社との連携強化、専門店ビジネスの確立、ONIGO株式会社との協業によるラストワンマイル強化など、事業モデルを確立し価値最大化に取り組んでまいります。(d)金融関連事業金融関連事業におきましては、引き続きATMプラットフォーム事業の拡大に加え、電子マネー及びクレジットカード事業等に注力するとともに、グループ金融戦略として、当社グループの共通IDである「7iD」を基軸とした独自の金融サービスを開発し、新たな価値の創造を進めてまいります。その一環として、2024年2月21日より、7iDとセブン銀行口座の紐づけを開始しました。この取り組みによって、銀行アプリと事業会社アプリの連携強化、金融サービス利用時のマイル特典付与等、さらなる連携・データ活用が期待されます。また、これらを通じ、小売業におけるお客様の来店頻度・購買単価向上と同時に購買データを活用した金融サービス提案・商品開発を図ってまいります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性資金需要当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店、店舗改装及びソフトウエア投資等の設備投資、M&A等によるものであります。なお、当連結会計年度中に実施した設備投資に必要な資金は、金融機関からの借入金及び自己資金により充当いたしました。 財務政策当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っております。長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。財務方針については、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターンを拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針としております。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,770,345百万円となっております。 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターン(利益)を拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針とし、以下の財務目標を設定しております。 (2025年度 主要連結財務数値目標) 2024年度 実績2025年度目標(2024年4月10日公表)EBITDA995,523百万円1.1兆円以上営業キャッシュ・フロー(除く金融)783,254百万円9,000億円以上フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)435,015百万円5,000億円以上ROE4.5%11.5%以上ROIC(除く金融)3.5%8.0%以上Debt/EBITDA倍率2.7倍1.8~2.5倍EPS成長率(CAGR)-18%以上※営業キャッシュ・フロー(除く金融)は、金融事業を除くNOPATをベースとした管理会計数値。 フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)は、金融事業を除く管理会計ベース数値。 なお、M&Aは戦略投資として投資キャッシュ・フローからは除外して算出。 ROIC(除く金融)は、{純利益+支払利息×(1-実効税率)}/{自己資本+有利子負債(ともに期首期末平均)}にて算出。 EPS成長率(CAGR)は、2020年度に対してのCAGR(年平均成長率)にて試算。 ⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

※本記事は「株式会社セブン&アイ・ホールディングス」の令和7年2月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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