株式会社ニッスイの基本情報

会社名株式会社ニッスイ
業種水産・農林業
従業員数連10104名 単1504名
従業員平均年齢43.1歳
従業員平均勤続年数16.39年
平均年収7660106円
1株当たりの純資産801.7円
1株当たりの純利益76.67円
決算時期3月
配当金24円
配当性向54.5%
株価収益率(PER)12.52倍
自己資本利益率(ROE)10.24%
営業活動によるCF544億円
投資活動によるCF▲377億円
財務活動によるCF▲123億円
研究開発費※143.56億円
設備投資額※188.25億円
販売費および一般管理費※1959.8億円
株主資本比率※234.6%
有利子負債残高(連結)※32122.59億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】<ミッションと長期ビジョン>企業を取り巻く環境はさまざま変化しておりますが、中でも「気候変動への対応と海洋環境の保全」「資源の持続可能な調達」「健康課題の解決」「多様な人財が活躍できる社会の実現」は、当社が特に取り組むべき重要な社会課題と認識しております。このような課題に対応するべく、当社はミッション(存在意義)をあらためて定義した上で、長期ビジョン「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー」として「2030年のありたい姿」を明確にしました。 当社がこれまで110余年かけて培った資源アクセス力、研究開発力、生産技術、品質保証力、世界各国に張り巡らせたグローバルリンクス・ローカルリンクスで構成される*バリューチェーンの強みと特長を活かし、「心と体を豊かにする新しい食」、「社会課題を解決する新しい食」を提供してまいります。*「バリューチェーンの強みと特長」の詳細は「統合報告書2023」P.23~32をご覧ください。https://www.nissui.co.jp/ir/download/integrated_report/2023_integrated_report_a3all.pdf <長期ビジョン「2030年のありたい姿」>人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー 「Good Foods 2030」 長期ビジョン「Good Foods 2030」の達成に向け、マルチステークホルダーへ配慮しながら持続可能な社会への価値を創造する“サステナビリティ経営”を推進するとともに、ROIC活用により成長分野へ経営資源を集中する“事業ポートフォリオマネジメント”を強化し、企業価値向上に努めます。 海外マーケットでの伸長、養殖事業・ファインケミカル事業の成長と差別化を加速し、2030年には、海外所在地売上高比率を50%、売上高1兆円、営業利益500億円を稼げる企業を目指します。 <中期経営計画と6つの基本戦略> 2030年の長期ビジョンを実現するため、当社は2022年度~2024年度までの3ヶ年を対象とする中期経営計画「Good Foods Recipe1」を策定し、以下6つの基本戦略で取り組んでいます。 <中期経営計画における投資と財務戦略>成長と財務安全性の両立を図り、株主還元は配当性向30%以上を目指します。 (基本戦略の進捗状況)6つの基本戦略2022年度~2024年度の取り組み1.サステナビリティ経営への進化気候変動によるリスクと機会への対応として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに加入しました。また、気候変動に係るリスク及び機会を特定し、シナリオ分析を通じて事業インパクトと財務影響を評価した上で、TCFD提言で推奨される「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの開示項目に沿って情報を開示しています。また、生物多様性の保全は重要な経営課題であると認識し、2023年9月にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラムに加盟しました。2023年12月にはTNFD Adopterに登録し、事業活動における自然への依存と影響、リスクと機会、それらへの対応策をTNFDの枠組みに沿って整理した「ニッスイグループTNFDレポート2023」を発行しました。水産資源の持続的な利用については、取り扱い水産物の資源状態調査を通じて実態の把握に努めるとともに、ステークホルダーと協働して課題の解決に取り組んでいます。2023年度に第3回水産資源調査を実施しており、調査結果と今後の取り組みについては2024年度上期中に開示予定です。2.グローバル展開加速 2024年度までに海外所在地売上高比率を38%程度に高める目標を掲げ取り組んでいます。水産事業では、ニュージーランドにおいて水産資源アクセスの更なる強化を進め、欧州では鮮魚調達・加工機能を強化し水産ビジネスの拡大を図っています。食品事業では、欧州企業の買収により不足していた生産能力を増強し、販売をスペイン・イタリアに拡大しています。また、北米では主力の白身魚フライ・えびフライに加え、健康訴求商品を導入するなどカテゴリーの拡大による成長を図っており、生産能力増強のため新工場の建設も進めています。ファイン事業では、EPA医薬原料の欧州への出荷に向け必要な承認申請を行いました。3.新規事業・事業境界領域の開拓 お客様の多様なニーズにお応えする新しい“食”として、水産素材の機能性研究成果を活かした「速筋タンパク」や減塩をキーとした健康領域商品の拡大を進めています。また、2023年7月にコンビニベンダー事業である当社子会社の日本クッカリーと三菱商事株式会社の子会社のグルメデリカを経営統合し、NC・GDホールディングス株式会社を設立、2024年7月には3社を合併し株式会社日本デリカサービスとして事業を開始予定です。三菱商事株式会社・株式会社ローソン・当社の3社でノウハウの共有や生産体制の最適化、商品開発体制の強化を図るとともに、チルド事業と冷凍食品事業の特性を活かした新しいカテゴリー(冷凍弁当・フローズンチルド商品)など、個食・簡便、健康ニーズに合った商品の開発・製造を進め、事業拡大・収益性の改善にもつなげてまいります。4.生産性の革新IT、IoTを活用したAI尾数カウンタの養殖事業会社への展開、電子版魚病カルテの導入で養殖現場の最適化を進めています。今後は環境データ・飼育データ等の解析により、最適な飼育条件モデルの構築、効率的な養殖魚の育成に活用していきます。また、食品工場における技術継承として、アイトラッキング技術を用いたベテラン職員の「経験と勘」を可視化、データ解析を行い、業務の効率化・技術継承・品質向上に活用する取り組みを進めています。同じく食品工場を対象に、数理最適化(数理計画)手法による配員計画支援ツールの独自開発を行ない複数の工場へ導入展開中です。5.財務戦略 効率性と成長性を軸に事業をROICで評価し、取締役会における事業ポートフォリオ審議を実施しています。各事業のROIC改善に向け、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の月次管理を継続するとともに、ROICやCCCへの理解を深める説明会の実施、定例会議における各事業やグループ各社の取り組み内容の共有などの活動を通じ、グループ内への浸透と定着を図りアイテム・カテゴリー数、生産拠点、各種オペレーションの最適化などを通じたアセットライトを実行していきます。 政策保有株式につきましては、毎年個別銘柄ごとに保有の妥当性を判断しながら売却を進めており、2022年度に10銘柄、2023年度は6銘柄の売却を進めました。創出したキャッシュを成長分野の投資に向けてまいります。 配当は中計目標として配当性向30%以上を掲げており、2023年度は、年間配当金1株24円、配当性向31.3%と目標に到達しました。6.ガバナンス強化 取締役会においては、企業戦略等の大きな方向性を示し、重要な意思決定機能を残しつつも、監督機能をより重視しています。また、2016年度より毎年取締役会の実効性評価を実施しており、全役員を対象にアンケートを実施し、アンケート結果から見える課題を抽出、全役員で当該課題克服に向けたディスカッションを行い、取締役会の機能向上を図っています。 取締役の報酬については、2023年度より中長期的な業績の向上と企業価値向上への意識を高めるため、業績に連動する変動報酬(業績連動報酬及び株式報酬)の比率を全体の半分程度まで高める変更を実施しました。 <設備投資計画の進捗状況>資源アクセスの強化や海外事業などの成長分野に積極的に投資します。 <マテリアリティ>ニッスイグループでは、2016年度に特定したマテリアリティ(重要課題)に基づきサステナビリティ経営への進化に取り組んできましたが、外部環境の複雑化に対応すべく、2023年度においてマテリアリティの見直しを行いました。見直しにあたっては、マテリアリティの位置づけを「ニッスイグループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上(ミッション・ビジョンの実現)に向けて優先的に取り組むべき経営上の重要課題」としています。2024年度は、長期ビジョン「Good Foods 2030」の達成に向けて、マテリアリティをベースに次期中期経営計画における戦略の策定やKPIの設定を進めます。また、見直したマテリアリティについては、それぞれ対応する推進組織を設置し、執行役員以上が責任者を務め経営視点で取り組むことで、持続可能な社会に向けて価値を創造するサステナビリティ経営を推進していきます。 マテリアリティの特定プロセス注:マテリアリティおよびマテリアリティ特定プロセスの詳細については、サステナビリティサイトをご参照ください。https://nissui.disclosure.site/ja/themes/85
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化に起因するインフレなどにより景気の先行きに不安感があるなか、新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことや全国旅行支援などにより、人流やインバウンド需要の回復が進み経済環境に改善傾向が見られました。 世界経済(連結対象期間1-12月)につきましては、欧米とも高インフレや政策金利の引き上げが続くなか、米国は雇用環境の改善や個人消費の増加が続き景気は堅調に推移しました。一方、欧州では金融引き締めなどにより需要が減速しドイツを中心に景気が低調に推移しました。 当社および当社グループにつきましては、食品事業が国内外とも値上げ効果や原料価格の低下があり大幅な増益となりました。一方で、水産事業は国内漁業が堅調に推移したものの、国内外で主力の鮭鱒・すりみなどの市況下落の影響を受け減益となりました。 このような状況下、当連結会計年度の営業成績は、売上高は8,313億75百万円(前期比631億94百万円増)、営業利益は296億63百万円(前期比51億75百万円増)、経常利益は319億63百万円(前期比41億87百万円増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の売却等もあり238億50百万円(前期比26億17百万円増)となり、営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となりました。なお、前期には連結子会社の日水製薬株式会社(現・島津ダイアグノスティクス株式会社)の売却益を計上しています。 配当金につきましては、期末配当金を1株当たり14円と致しました。これにより実施済みの中間配当金1株当たり10円とあわせ、年間配当金は1株当たり24円(前期18円)となりました。 (単位:百万円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益2024年3月期831,37529,66331,96323,8502023年3月期768,18124,48827,77621,233前期増減63,1945,1754,1872,617前期比108.2%121.1%115.1%112.3% セグメント別の経営成績は次のとおりであります。(単位:百万円) 売上高前期増減前期比営業利益又は営業損失前期増減前期比水産事業336,8928,557102.6%10,697△7,88157.6%食品事業443,29761,249116.0%27,29115,864238.8%ファイン事業15,696△9,41962.5%△171△1,897-%物流事業15,213△27498.2%1,536△5796.4%その他20,2753,082117.9%78222103.0%全社経費---%△10,473△875109.1%合計831,37563,194108.2%29,6635,175121.1% ① 水産事業水産事業につきましては、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでおります。<当連結会計年度の概況>水産事業では売上高は3,368億92百万円(前期比85億57百万円増)となり、営業利益は106億97百万円(前期比78億81百万円減)となりました。 漁撈事業:前期比で増収、増益<日本>・いわし、さばなどの漁獲が堅調に推移し増収・増益となりました。 養殖事業:前期比で増収、減益<日本>・銀鮭は養殖オペレーションの改善により斃死・成長遅れもなく水揚げ数量が増加し、養殖まぐろは販売価格が堅調に推移しました。養殖ぶりは昨年、市場への供給が少ないなかで完全養殖ぶりの強みを活かし好調でしたが、本年は供給が例年並みに戻ったことから価格が弱含みとなり反動減となりました。この結果、国内全体では増収・減益となりました。<南米>・生育環境改良による生残率の改善やトラウトの販売数量増加もあり増収となりましたが、年央から販売価格が前年を下回りはじめ、期末における在池魚評価(注1)の影響が大きく減益となりました。 加工・商事事業:前期比で増収、減益<日本>・外食・産業給食向け商品の値上げ効果に加え、えび・魚油・ミールなどの販売が好調に推移し増収となりましたが、鮭鱒・すりみ・輸入冷凍まぐろなど水産市況が調整局面に入ったことから、不採算在庫の早期処分等を進めました。第4四半期は増益となったものの通期では減益となりました。<北米>・北米加工は、すけそうだらの漁獲枠増加により生産数量が増加した反面、人件費などのコストアップに加え、供給増によるすりみ・フィレ価格の大幅下落により減益となりました。<欧州>・水産市況が調整局面に入り荷動きも低下したことに加え、すけそうだらなどの在庫評価減があり減益となりました。 ② 食品事業食品事業につきましては、加工事業およびチルド事業を営んでおります。<当連結会計年度の概況>食品事業では売上高は4,432億97百万円(前期比612億49百万円増)となり、営業利益は272億91百万円(前期比158億64百万円増)となりました。 加工事業:前期比で増収、増益<日本>・家庭用・業務用とも値上げや単品別収支管理を進めたことにより収益構造が改善し増収・増益となりました。業務用は人流回復の効果もあり外食・量販店惣菜向け冷凍食品の販売が数量・金額とも堅調に推移しましたが、家庭用は値上げに加えコンビニエンスストア・外食の回復影響などもあり、増収となったものの販売数量は減少しました。<北米>・家庭用・業務用ともに値上げ効果が継続していることに加え、家庭用はインフレ影響で市場が低迷するなかでシェアを拡大、業務用は原料価格低下もあり増収・増益となりました。<欧州>・英国の改善に加え、スペイン・イタリアなどへ販売エリア拡大を進めました。ドイツでは販売数量の減少が見られましたが、値上げ効果に加え原料価格が低下し始めたこともあり増収・増益となりました。 チルド事業:前期比で増収、増益・人流回復でコンビニエンスストア向けおにぎり・サラダの販売が増加するなどベンダー事業が好調に推移しました。また、2023年7月から同業のベンダー事業を営む株式会社グルメデリカが連結子会社として加わったことも寄与し増収・増益となりました。 ③ ファイン事業ファイン事業につきましては、医薬原料、機能性原料(注2)および機能性食品(注3)などの生産・販売を行っております。<当連結会計年度の概況>ファイン事業では売上高は156億96百万円(前期比94億19百万円減)となり、営業損失は1億71百万円(前期比18億97百万円減)となりました。 ・医薬原料の米国向け輸出の中断、巣ごもり需要が一巡したことによる通信販売の反動減に加え、2022年9月まで日水製薬株式会社(現・島津ダイアグノスティクス株式会社)が連結子会社であったこともあり、減収・減益が大きくなりました。 ④ 物流事業物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでおります。<当連結会計年度の概況>物流事業では売上高は152億13百万円(前期比2億74百万円減)となり、営業利益は15億36百万円(前期比57百万円減)となりました。・人件費などのコストアップに対して作業の効率化・保管料の値上げを進めたことにより収益性は改善したものの、通関事業において取扱い数量が減少したことに加え、日水物流株式会社南港物流センター開業(2024年1月)のための費用が発生したこともあり減収・減益となりました。 (注1) 国際財務報告基準(IFRS)に基づき、海面養殖魚(在池魚)について出荷想定価格による評価を実施。(注2) サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。(注3) 主に通信販売している機能性表示食品「ごま豆乳仕立てのみんなのみかたDHA」、特定保健用食品「イマークS」などの健康食品。  生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)水産事業170,97113.7食品事業362,20011.4ファイン事業15,7229.3合計548,89312.1 (注) 1.金額は、販売価格によります。  ② 受注実績 受注生産は行っておりません。  ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)水産事業336,8922.6食品事業443,29716.0ファイン事業15,696△37.5物流事業15,213△1.8その他20,27517.9合計831,3758.2 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社SCI68,7008.997,01511.7 (2)財政状態(単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期増減 流動資産304,349325,16720,817 (うち 棚卸資産)175,884184,0748,190 固定資産244,664281,21736,553資産合計549,013606,38457,370 流動負債198,771212,81614,044 固定負債129,606136,2636,657負債合計328,377349,08020,702純資産合計220,635257,30436,668 資産合計は前連結会計年度末に比べて573億70百万円増の6,063億84百万円(10.4%増)となりました。流動資産は208億17百万円増の3,251億67百万円(6.8%増)となりました。売上増加などにより受取手形及び売掛金が126億1百万円増加したこと、棚卸資産が81億90百万円増加したことが主な要因です。固定資産は365億53百万円増の2,812億17百万円(14.9%増)となりました。新規連結化などにより有形固定資産が172億90百万円増加しました。 負債合計は前連結会計年度末に比べて207億2百万円増の3,490億80百万円(6.3%増)となりました。流動負債は140億44百万円増の2,128億16百万円(7.1%増)となりました。支払手形及び買掛金が64億84百万円増加したことが主な要因です。固定負債は66億57百万円増の1,362億63百万円(5.1%増)となりました。長期借入金が48億15百万円増加したことが主な要因です。 純資産合計は前連結会計年度末に比べて366億68百万円増の2,573億4百万円(16.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を238億50百万円計上したこと、剰余金の配当を62億31百万円行ったこと、円安の影響により為替換算調整勘定が104億19百万円増加したこと、新規連結化などにより非支配株主持分が43億18百万円増加したことなどによります。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報  ① キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期増減営業活動によるキャッシュ・フロー3,39654,48651,089投資活動によるキャッシュ・フロー△22,571△37,722△15,150財務活動によるキャッシュ・フロー17,413△12,393△29,806現金及び現金同等物期末残高14,24519,5335,288 営業活動によるキャッシュ・フローは、544億86百万円の収入(前期比510億89百万円の収入増)となりました。税金等調整前当期純利益および減価償却費の合計が570億82百万円となり、運転資本の減少による資金の増加が35億40百万円となった一方で、法人税等の支払額が47億93百万円あったことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、377億22百万円の支出(前期比151億50百万円の支出増)となりました。国内における生産設備への投資等に伴う有形固定資産の取得による支出が252億22百万円あったことが主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは、123億93百万円の支出(前期は174億13百万円の収入)となりました。短期借入金が84億41百万円減少したことや配当金の支払額が62億22百万円あったことが主な要因です。   ② 資金調達方針当社は、事業活動を円滑に行うため、コストを抑えた安定資金の調達を目指し、直接金融を含めた多様な手段の中から最適な資金調達方法を選択しています。間接金融については、スワップ等を利用した長期固定資金と変動の短期資金のバランスを概ね1:1を基本に、経済情勢等に応じ長期固定資金の比率を上げるなど、機動的に対応することで金利変動リスクを低減し安定資金を確保しています。調達通貨は円・米ドル・ユーロを基本に各国の事業規模に応じた調達とすることで為替リスクを軽減しています。また、複数の金融機関とコミットメントラインを設定しており、経済環境の急激な変化による資金調達難等の流動性リスクに備えております。資金の効率性の側面では、国内はキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を活用、海外は各国の税制等を考慮のうえ、海外グループ間の資金融通等を本社で一元管理しています。なお、北米は日本同様、統括会社でCMSを導入し北米における資金を管理しています。   ③ 調達方法四半期ごとにグループの資金需要を予想し市場環境を考慮したうえで、最適な資金調達方法を策定、取締役会で審議しています。長期資金については、毎期の償還額にも配慮しつつ、長期間に亘り構築してきた幅広くかつ良好な関係にある複数の金融機関から借入を行っています。また、相対借入に加え、市場性の高いシンジケート・ローンや健康経営・環境対応などESG関連の格付けを活用した調達も行っています。短期資金については、借入枠を締結し資金需要に応じて機動的に調達しています。今後もコストを抑えた安定資金を調達するため調達方法の多様化を図ってまいります。 (4) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産等の減損、繰延税金資産の回収可能性などの資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、特にIFRSを適用している在外子会社で保有する生物資産の評価(在池魚評価)については、生物資産を販売費用等の追加コスト控除後の公正価値で測定し、取得原価との差額の変動額を純損益として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生残率等を見積もる必要があることから、市場動向や養殖成績などによって公正価値評価額が大きく変動する可能性があります。海外及び国内養殖会社の仕掛魚の評価、国内養殖会社の固定資産の減損に関する見積りや前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (5) 今後の方針について今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

※本記事は「株式会社ニッスイ」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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