味の素株式会社の基本情報

会社名味の素株式会社
業種食料品
従業員数連34860名 単3627名
従業員平均年齢44.3歳
従業員平均勤続年数19.4年
平均年収10367410円
1株当たりの純資産362.64円
1株当たりの純利益(連結)69.77円
決算時期3月
配当金80円
配当性向44.7%
株価収益率(PER)33.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)8.5%
営業活動によるCF2098億円
投資活動によるCF▲773億円
財務活動によるCF▲1376億円
研究開発費※12.58億円
設備投資額※1927.66億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※231.9%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <「中期ASV経営 2030ロードマップ」3年目を迎えて> 2030年のありたい姿とその実現への道筋をバックキャスト(*1)して示した「中期ASV経営 2030ロードマップ」を発表(2023年2月)して3年目に入りました。従来型の3ヵ年中期経営計画を廃止し、長期視点のありたい姿から「経営が示す挑戦的目標」(ASV指標(*2))を掲げ、その達成に向け、組織の枠を超えて新たな価値創造や事業モデル変革を追求し続ける挑戦をグループ一丸となって継続しています。  *1 未来を起点に現在を振り返り、今何をすべきか考える未来起点の発想法。 *2 味の素グループが事業を通じて得た財務パフォーマンスを示す経済価値指標と、提供・共創したい価値に基づく社会価値指標から成る、更なる成長やチャレンジを後押しする指標。 <Our Philosophy の実行力を磨く> 味の素グループの志(パーパス)「アミノサイエンスRで、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」の実現に向けて、ASVと味の素グループの行動指針である「味の素グループWay(AGW)」に基づき、全社戦略から事業・機能戦略に磨きこみをかけています。執行役からスタートした味の素グループの志の自分ごと化を深めるプログラム、「マイパーパスワークショップ」も、グループ全社への展開を進めています。一人ひとりの志と味の素グループの志の重なりを見つけ、自分ごと化した具体的目標へと落とし込み、共感して挑戦し合うことで、エンゲージメント(*3)をさらに向上させ、Our Philosophyの実行力を高めていきたいと考えています。中期ASV経営 2030ロードマップも3年目に入り、構想力・実行力の強化がより求められる段階であり、価値創造の源泉である無形資産「人財・技術・顧客・組織」、それらを支える企業文化をさらに進化させてまいります。  *3 従業員が会社や仕事に対しての愛着や貢献の意志をより深めること。 <アミノサイエンスRで、人・社会・地球のWell-beingに貢献する> 味の素グループは、「アミノサイエンスRで、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」ことを目指す上で、2030年までに「環境負荷を50%削減」と「10億人の健康寿命を延伸」の2つのアウトカムを両立して実現することが必要と考えています。 <味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)> 多様な関係者の皆様とも対話を重ね、社外有識者を中心としたサステナビリティ諮問会議からの答申を基に設定した価値創造のフレームワーク(考え方)に基づいて、味の素グループがマルチステークホルダーから期待されていること、社会に対して提供していく価値の視点から、現在の味の素グループが取り組む「重要テーマ」を6項目に整理しています。 <ASV経営進化のシナリオ> 2025年2月からの中村新体制のもと、当社は、ASV経営のより一層の進化を目指します。味の素グループの志(パーパス)と、行動指針「味の素グループWay(AGW)」を踏まえ、「高速開発システム」(*4)によるスピードアップ×スケールアップを基軸に、既存事業からのフォーキャスト(*5)とありたい姿からのバックキャストの双方から、事業モデル変革による新事業を創出し、オーガニック成長を確実に推進することにより、事業ポートフォリオを進化させます。また、新陳代謝を支える企業文化のもと、経営マネジメントサイクルの進化と無形資産の強化を図り、ASV経営をさらに進めてまいります。 *4 「人」「モノ」「金」「情報」に加え「時間」を経営資源と考え、スピード、イノベーション、無形資産の強化により長期的な価値を創造し、顧客、従業員、社会といったあらゆるステークホルダーに利益をもたらす考え方 *5 現在の延長線上で未来を予測する発想法。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要 当社グループは、IFRS会計基準の適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。  また、当中間連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初測定額の重要な見直しを反映しております。  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容「グローバル財務戦略の深化」と「資本コスト低減」による株式価値最大化を目指して 1.更なるキャッシュ・フロー創出に向けた施策の実行2.グローバル標準の財務規律指標への変更とレバレッジ活用による適切なキャッシュ・アロケーション3.ROIC向上と加重平均資本コスト(WACC)の最適化による株式価値向上の実現  EPS3倍達成のため、中長期視点での、親会社の所有者に帰属する当期利益を二桁の率で増加させることが必要です。2024年度は、当社がよりフォーカスすべき領域を定め、より収益性を向上させるため、味の素アルテア社(以下「アルテア社」)を売却致しました。同じく、既存事業における稼ぐ力を示すEBITDAマージン改善のため、様々なEBITDAマージン改善の施策を行っています。 ①更なるキャッシュ・フロー創出に向けた施策の実行 当社は、成長するキャッシュ・フローを戦略的に活用し、財務基盤の強化と資本効率の向上を図っています。グローバルでの財務戦略の一例として、国内外各地域・国の財務責任者が毎月集う「Global Group CFO Discussion Forum」を開催し、各国・地域でのキャッシュ創出などの好事例を共有、戦略的な意思決定に活かしています。事業ポートフォリオを常に進化させ、グループ全体での資源最適配分を図っているほか、売掛債権の流動化プログラム推進による早期資金化、取引先と連携したサプライヤー・ファイナンスの導入、在庫圧縮に向けたSCMの高度化など運転資本の効率化にも積極的に取り組んでいます。 これらの多面的な取り組みにより、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮による資金サイクルの効率化や事業毎の更なるキャッシュ・フロー創出を目指し、成長投資と株主還元のための原資を安定的に創出してまいります。 <グループ会社財務責任者と議論する際のマテリアルの一例> ②グローバル標準の財務規律指標への変更とレバレッジ活用による適切なキャッシュ・アロケーション 当社は、財務健全性の維持と資本効率の最大化の両立を目指し、従来のネットD/Eレシオ(40%~60%)から、格付機関や投資家からも活用されるネット有利子負債/EBITDA倍率(<2.0倍)へと財務規律指標を変更しました。これにより、EBITDAを踏まえたキャッシュ創出力に対する適正な負債水準のモニタリングによる調整が可能となり、EPS3倍達成に向けた柔軟かつ機動的な資本政策を実現します。 併せて、当社のキャッシュ・アロケーション方針はWACCを超えるリターンを目指し①オーガニック成長投資、②M&A等、③自己株式取得や配当等の株主還元を基本方針としています。格付け水準を意識したレバレッジの適切な活用を通じ、資本コストの抑制を図りながら、事業成長とROIC向上に資する投資を実行し、今後も資本効率を重視した資金配分を継続することで、長期視点での株式価値の最大化を目指してまいります。 <キャッシュ・アロケーションの考え方> ③ROIC向上と加重平均資本コスト(WACC)の最適化による株式価値向上の実現 株式価値向上のドライバーとして加重平均資本コスト(WACC)の低減を重要な財務課題と捉え、経営全体で資本コストを意識した意思決定を徹底しています。WACCを踏まえた投資判断や資本構成の最適化の必要性を踏まえ、株主資本コストと負債コストのバランスを見直してまいりました。 具体的には、明瞭・投資家フレンドリーな開示、新システム導入によるローリングフォーキャストの進化、財務構造に応じたレバレッジ活用、個人投資家の保有増によるWACCの低減を目指すことや、定期的な自社の企業価値評価および味の素グループの企業価値算定の実施による現状把握など、多面的な施策を講じています。 また、事業投資やM&AにおいてはWACCを超えるリターンを見込める案件への集中投資を徹底しています。これによりROICとWACCスプレッド拡大を図り、中長期的な株式価値の増大を実現してまいります。今後も、定量・定性の両面からWACC改善に資する財務戦略を継続的に進化させていきます。 <WACC低減に向けた各種施策>  味の素グループの企業価値算定式の重要な要素であるWACCは、2024年度に約6%から約7%に上昇しました。リスク・フリー・レートの上昇が主な要因ですが、WACC低減のために、引き続き様々な施策に取り組んでいます。そのひとつがローリングフォーキャスト進化による事業利益の業績予想精度の向上で、今後は、中長期的なボトムラインマネジメントの向上をはかってまいります。 (2) 生産、受注及び販売の実績 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため生産、受注及び販売の実績は、「(4) 当連結会計年度の経営成績の分析」における各セグメント業績に関連付けて示しております。 (3) 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要な見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び同「5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。 (4) 当連結会計年度の経営成績の分析 当連結会計年度の売上高は、換算為替の影響を含め、調味料・食品セグメント、冷凍食品セグメント及びヘルスケア等セグメント、いずれも増収となり、前期を913億円上回る1兆5,305億円(前期比106.3%)となりました。 事業利益は、調味料・食品セグメント及びヘルスケア等セグメントの増収効果等により、前期を116億円上回る1,593億円(前期比107.9%)となりました。 営業利益は、当期にアルテア社におけるのれん及び固定資産の減損損失の計上があったこと等により、前期を327億円下回る1,139億円(前期比77.7%)となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減益等により、前期を168億円下回る702億円(前期比80.7%)となりました。 当連結会計年度のセグメント別の概況 セグメントごとの業績は、次のとおりです。 対前期実績売上高(億円)事業利益(億円)第147期前期増減前期比第147期前期増減前期比調味料・食品8,960490105.8%1,13924102.2%冷凍食品2,89375102.7%80△1584.0%ヘルスケア等3,283338111.5%31774130.4%その他1679105.9%5433252.3%合計15,305913106.3%1,593116107.9%(注)各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。 ① 調味料・食品セグメント 調味料・食品セグメントの売上高は、販売増や換算為替の影響等により、前期を490億円上回る8,960億円(前期比105.8%)となりました。事業利益は、増収効果等により、前期を24億円上回る1,139億円(前期比102.2%)となりました。 <主要な変動要因>・調味料は、全体で増収。日本は、主に単価上昇効果により増収。海外は、販売増や為替影響により増収。・栄養・加工食品は、全体で増収。日本は、主に単価上昇効果により増収。海外は、為替影響や販売増により増収。・ソリューション&イングリディエンツは、為替影響や販売増により増収。<主要な変動要因>・調味料は、全体で増益。日本は増収効果あるも、戦略的費用の増加等により減益。海外は、増収効果等により増益。・栄養・加工食品は、全体で増益。日本は原材料コストの増加等により大幅減益。海外は、増収効果等により増益。・ソリューション&イングリディエンツは、増収効果あるも、業務用製品の減益等により、全体で減益。 ② 冷凍食品セグメント 冷凍食品セグメントの売上高は、換算為替の影響等により、前期を75億円上回る2,893億円(前期比102.7%)となりました。事業利益は、増収効果等があったものの、原材料コスト増等により、前期を15億円下回る80億円(前期比84.0%)となりました。 <主要な変動要因>・冷凍食品は、全体で増収。日本は、業務用製品が販売増も、全体で前年並み。海外は、構造改革の影響あるも、為替により増収。<主要な変動要因>・冷凍食品は、全体で大幅減益。日本は、原材料コスト増の影響等により大幅減益。海外は、増収効果等により増益。 ③ ヘルスケア等セグメント ヘルスケア等セグメントの売上高は、電子材料やバイオファーマサービス&イングリディエンツの販売増の影響等により、前期を338億円上回る3,283億円(前期比111.5%)となりました。事業利益は、電子材料の増収効果等により、前期を74億円上回る317億円(前期比130.4%)となりました。 <主要な変動要因>・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、バイオファーマサービス(CDMO)、医薬用・食品用アミノ酸の販売増に加え、為替影響により、全体で増収。・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、電子材料の販売好調により大幅増収。・その他は、全体で増収。<主要な変動要因>・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、医薬用・食品用アミノ酸は増益も、バイオファーマサービス(CDMO)がForge社連結化影響で減益となり、全体で大幅減益。・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、大幅増収に伴い大幅増益。・その他は、戦略的費用の投入等により全体で減益。 ④ その他 その他の事業の売上高は、前期を9億円上回る167億円(前期比105.9%)となり、事業利益は、前期を33億円上回る54億円(前期比252.3%)となりました。 当連結会計年度の連結損益計算書の段階ごとの概況① 売上高 売上高は前期を913億円上回る1兆5,305億円(前期比106.3%)となりました。地域別に見ますと、日本では、前期を154億円上回る5,255億円(前期比103.0%)となりました。海外では、前期を758億円上回る1兆50億円(前期比108.2%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ4,418億円(前期比110.6%)、4,150億円(前期比109.5%)及び1,481億円(前期比98.2%)となりました。売上高海外比率は65.7%(前期は64.6%)となりました。なお、売上高は販売元の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。 ② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益 売上原価は、売上高の増加に伴い、前期から520億円増加し、9,797億円(前期比105.6%)となりました。売上原価の売上高に対する比率は、0.4ポイント改善し、64.0%となりました。販売費は、主として従業員給付費用の増加や為替影響等により、前期から103億円増加し、2,119億円(前期比105.1%)となりました。研究開発費は、前期から21億円増加し、309億円(前期比107.5%)となりました。一般管理費は、Forge社の取得に伴う従業員給付費用や減価償却費の増加等により、前期から167億円増加し、1,548億円(前期比112.1%)となりました。持分法による損益は、63億円の利益(前期は47億円の利益)となりました。 ③ 事業利益 事業利益は、前期を116億円上回る1,593億円(前期比107.9%)となりました。地域別に見ますと、日本では601億円(前期比98.7%)、海外では991億円(前期比114.3%)となりました。海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ757億円(前期比110.9%)、145億円(前期比135.0%)及び88億円(前期比115.7%)となりました。事業利益海外比率は62.3%(前期は58.7%)となりました。なお、事業利益は販売元の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。 セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記7.セグメント情報」をご参照ください。 ④ その他の営業収益(費用) その他の営業収益は、前期に当期を大幅に上回る固定資産の売却益の計上等があったことにより、前期から155億円減少し、49億円(前期比24.1%)となりました。その他の営業費用は、アルテア社におけるのれん及び固定資産の減損損失の計上等があったことにより、前期から287億円増加し、502億円(前期比234.0%)となりました。 ⑤ 営業利益 営業利益は、前期を327億円下回る1,139億円(前期比77.7%)となりました。 ⑥ 金融収益(費用) 金融収益は、前期から10億円増加し、87億円(前期比113.1%)となりました。金融費用は、前期から20億円増加し、144億円(前期比116.2%)となりました。 ⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を168億円下回る702億円(前期比80.7%)となり、1株当たり当期利益は69円77銭(前期は83円72銭)となりました。 なお、2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っており、1株当たり当期利益は、当該株式分割後の株数にて算定しております。 (5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆7,683億円に対して472億円減少し、1兆7,211億円となりました。円高の進行に伴う換算為替による減少に加え、のれんの減少があったこと等によるものです。 負債合計は、前連結会計年度末の8,839億円に対して239億円増加し、9,078億円となりました。これは主に仕入債務及びその他の債務の増加や、有利子負債の増加によるものです。有利子負債残高は、長期借入金の増加及び社債の発行により前連結会計年度末に対して43億円増加し、4,960億円となりました。 資本合計は、前連結会計年度末の8,844億円に対して711億円減少し、8,132億円となりました。当期利益による増加の一方で、自己株式の取得や配当金の支払による減少があったこと等によるものです。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、7,468億円となり、親会社所有者帰属持分比率は43.4%となりました。 セグメントごとの概況は、次のとおりです。① 調味料・食品セグメント 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の6,469億円に対して68億円増加し、6,537億円となりました。② 冷凍食品セグメント 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の2,099億円に対して34億円減少し、2,065億円となりました。③ ヘルスケア等セグメント 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の4,633億円に対して108億円減少し、4,524億円となりました。 (6) キャッシュ・フローの分析当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況 (億円) 2024年3月期2025年3月期差額営業活動によるキャッシュ・フロー1,6802,098418投資活動によるキャッシュ・フロー△1,324△773550財務活動によるキャッシュ・フロー△67△1,376△1,309現金及び現金同等物に係る換算差額98△15△114現金及び現金同等物の増減額387△67△455現金及び現金同等物の期末残高1,7151,647△67  営業活動によるキャッシュ・フローは、2,098億円の収入(前期は1,680億円の収入)となりました。税引前当期利益が1,083億円であり、減価償却費及び償却費864億円、仕入債務及びその他の債務の増加115億円があったものの、棚卸資産の増加95億円があったこと等によるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、773億円の支出(前期は1,324億円の支出)となりました。金融資産の売却による収入208億円があったものの、有形固定資産の取得による支出881億円があったこと等によるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、1,376億円の支出(前期は67億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出906億円、配当金の支払額391億円があったこと等によるものです。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,647億円となりました。 (7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途① 資金の流動性について 当連結会計年度は短期流動性に関し、コミットメントライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段によって十分な手元流動性を確保しております。 また、十分な手元流動性比率の維持に加え、主要取引銀行と締結しているコミットメントラインにより資金の安全性を確保しており、当連結会計年度末のコミットメントラインの未使用額は円貨で1,700億円、外貨で100百万米ドルです。さらに、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備しております。② 資金の調達 当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、事業資金及びForge Biologics Holdings, LLCの全持分取得に係る短期借入金の長期化に関し、金融機関からの借入、国内普通社債、コマーシャル・ペーパー発行等による資金調達活動を行いました。③ 資金の使途 当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金及びForge Biologics Holdings, LLCの全持分取得に係る短期借入金の長期化であります。 (8) 経営上の目標の達成状況について 経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

※本記事は「味の素株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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