会社名 | 三井金属鉱業株式会社 |
業種 | 非鉄金属 |
従業員数 | 連12285名 単2379名 |
従業員平均年齢 | 42.36歳 |
従業員平均勤続年数 | 13.79年 |
平均年収 | 7473494円 |
1株当たりの純資産 | 4872.3円 |
1株当たりの純利益 | 454.71円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 140円 |
配当性向 | 64% |
株価収益率(PER) | 10.35倍 |
自己資本利益率(ROE) | 9.8% |
営業活動によるCF | 753億円 |
投資活動によるCF | ▲349億円 |
財務活動によるCF | ▲365億円 |
研究開発費※1 | 55000000円 |
設備投資額※1 | 17億円 |
販売費および一般管理費※1 | 637.03億円 |
株主資本比率※2 | 37.6% |
有利子負債残高(連結)※3 | 1930.23億円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、「創造と前進を旨とし、価値ある商品によって社会に貢献し、社業の永続的発展成長を期す」を経営理念とし、「マテリアルの知恵を活かす」というコーポレートスローガンの下、「社会の持続的な成長」と「中長期的な企業価値の向上」に努めることを経営の基本方針としております。 (2) 対処すべき課題当社グループでは、パーパスを基軸とした全社ビジョン(2030年のありたい姿)である「マテリアルの知恵で“未来”に貢献する、事業創発カンパニー。」を実現するため、2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「22中計」に取り組んでおります。この「22中計」の2年目となる2023年度は厳しい経営環境の中、損益・財務指標が原計画値を下回ることとなりましたが、2030年のありたい姿である全社ビジョン実現に向けた戦略は変更せず、各部門において「社会的価値の向上」と「経済的価値の向上」を両立した統合思考経営を実践することで、持続的な企業価値向上の仕組みを構築し、重点施策に取り組んでまいりました。 「社会的価値の向上」については、環境影響、社会関係資本、人的資本、ビジネスモデル・イノベーション、リーダーシップ・ガバナンスの5つの観点で各事業の機会・リスクを評価し、事業の持続可能性を経営判断に活かしました。「経済的価値の向上」については、両利きの経営(注)1を加速しております。「知の深化」では既存事業におけるポートフォリオの動的管理を進め、2023年度の見直しではセラミックス事業と日本イットリウム株式会社を「価値の強化」から「価値の拡大」へ、ダイカスト事業を「価値の強化」から「価値の再構築」へと変更しました。「価値の拡大」・「価値の強化」においては、社内外シナジーの追求、成長戦略を加速するためのM&Aの活用などを行うと共に、「価値の再構築」では社外ベストオーナーの探索も進めております。「知の探索」では、研究開発と市場共創の機能を持つ事業創造本部への積極的な経営資源投入を行い、全固体電池向け固体電解質「A-SOLiDR」や次世代半導体パッケージデバイス用「HRDPR」などへの増強投資を実施しました。また、資本効率を意識した経営として、全社のROIC(投下資本利益率)の向上を図るべく、事業別WACC(加重平均資本コスト)の算出及びそれを上回る適切な事業別ROIC目標(ROICスプレッド)の設定について検討を進めました。 2024年度は、「22中計」の最終年度として、また、次期中期経営計画へ繋ぐ準備期間として、引き続き以下の重点施策を実行してまいります。機能材料部門では、価値ある高機能製品の提供により、お客様のニーズを満たし、社会の課題解決に貢献するため、コア技術の深化やマーケティング力の向上、環境貢献製品の創出に注力し、既存の事業分野の深掘りと新たな事業機会の探索を進めてまいります。金属部門では、循環型社会の形成により高まっているリサイクルニーズに応えるべく、当社グループが保有する多様なプロセスを活かした高度なリサイクル製錬ネットワークの追求、さらに脱炭素社会の実現に向けてCO2排出量を削減すべく、一部実施している排出係数が小さい電力会社・電力契約への切替に加え、CO2低減製品・SDGsに貢献する製品の提供等による新たな価格政策、再生可能エネルギー・CO2フリー電力購入等を両輪として新たに検討し、対応してまいります。モビリティ部門では、CASE(注2)、MaaS(注3)、カーボンニュートラルといった自動車産業の大きな変化・進化を新たなニーズとして常に正面から捉え、お客様に必要とされる価値を提供し、モビリティ社会の実現に貢献してまいります。売上高に占める新製品の比率を高め、技製販の全てにおける深化(商権維持)と新規開拓(新しい製品・事業創出)の推進、短期・中期・長期それぞれのサイクルに合わせた事業シナジーの追求に取り組んでまいります。事業創造本部では、新たな事業を「持続的」に創造できるようになるために、「事業機会の探索力強化」、「研究開発力の強化」、「基盤の強化」という3つの戦略を掲げ、研究開発と市場共創を軸にした価値創造を図り、事業化推進テーマについては環境の変化に応じてタイムリーに投資と人員の投入を行ってまいります。本社部門では、監督機能及び業務執行機能の強化並びに経営の透明性の向上等、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでおりますが、2024年6月27日開催の第99期定時株主総会の決議により、「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」に移行しております。今後、経営に関する意思決定のさらなる迅速化を図るとともに、取締役会における審議事項を重点化して経営方針・経営戦略の策定などの議論をより充実させ、取締役会の経営に対する監督機能の強化を図ってまいります。「社会的価値の向上」をさらに加速させるための取り組みといたしましては、2030年度CO2排出量をグローバルで38%削減(2013年度比)、2050年度カーボンニュートラル(Net排出ゼロ)を目標として、カーボンニュートラルロードマップ、LCA(ライフサイクルアセスメント)(注4)、インターナルカーボンプライシング(注5)制度を導入・活用しCO2排出量削減の取り組みを進めております。さらに昨年、経済産業省が推進するGX(注6)リーグ(注7)へ参画、トランジション戦略(注8)を策定し、公表しました。4つのアプローチ(省エネルギー/省資源、エネルギー・燃料転換、電力低炭素化、オフセット/イノベーション)によりカーボンニュートラル社会実現に貢献してまいります。また、さらなる資本効率を意識した経営を実践するために、事業別WACC(加重平均資本コスト)と事業別ROIC目標(ROICスプレッド)を設定したうえで、企業価値向上への意識付けやROICの社内浸透を進め、各所社でROIC向上に必要な指標の設定と対応(ROICツリー等)を進めるとともに、業務執行取締役・常務執行役員の業績指標への効率性の指標(ROIC等)の導入を行なってまいります。 厳しい経営環境ではありますが、以上の取り組みを実行することにより、統合思考経営への変革を遂げ、ステークホルダーの皆様と共に地球を笑顔にすることを目指してまいります。 (注)1 両利きの経営:「既存事業の効率化と絶え間ない改善(知の深化)」と「新規事業に向けた実験と行動(知の探索)」を両立させていく考え方。2 CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略で、自動車の次世代技術やサービスの新たな潮流を表す造語。3 MaaS:ICTを活用して交通をクラウド化し、マイカー以外の全ての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとして捉え、シームレスに繋ぐ「移動」の概念。4 LCA(ライフサイクルアセスメント):製品やサービスのライフサイクル(原料の採取、社内製造・加工過程、さらにその製品の使用、消費、廃棄プロセス)を通じた環境への影響を定量的に評価する手法。5 インターナルカーボンプライシング:自社基準で二酸化炭素(CO2)に価格を設定してその排出量を費用換算し設備、開発投資判断の参考とするもの。6 GX(グリーントランスフォーメーション):気候変動の主な要因となっている温室効果ガスの排出量を削減しようという世界の流れを経済成長の機会ととらえ、排出削減と産業競争力向上の両立を目指す取り組みのこと。7 GXリーグ:カーボンニュートラルへの移行に向けた挑戦を果敢に行い、国際ビジネスで勝てる企業群が、GXを牽引する枠組み。8 トランジション戦略:CO2排出量削減を着実に進めるための取り組みやガバナンス等に関する長期的な戦略。 〔目標とする経営指標〕このような状況の下、創業150年を迎える22中計最終年度である2024年度(2025年3月期)の業績予想は、入手可能な外部の情報等を踏まえ、次のとおりであります。 2024年度連結業績予想値(A)目標値(B)増減(A)-(B)売上高(億円)6,4007,250△850経常利益(億円)350600△250フリーキャッシュ・フロー(億円)100370△270ROE(自己資本当期純利益率)(%)7.714.0△6.3自己資本比率(%)44.350.0△5.7Net D/Eレシオ(倍)0.570.420.15 Net D/Eレシオ:有利子負債から現金及び預金を差し引いて、それを自己資本で割ったもの。 主な前提諸元 予想値(A)目標値(B)増減(A)-(B)亜鉛LME価格($/t)2,7003,000△300為替(円/US$)14512025 上記の業績予想につきましては、2024年5月21日現在において入手可能な情報に基づき算出したものであり、今後様々な要因により実際の業績が記載の予想数値と異なる場合があります。中期経営計画「22中計」の進捗状況につきましては、当社ホームページのIR・投資家情報に、2024年5月21日付で掲載されております「22中計進捗説明会資料」をご参照下さい。https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=7ZpslJ12dQ0%3d&tabid=100&mid=826&TabModule819=0 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。(1) 経営成績の状況当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の解除により経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要の回復の動きが見られるなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国経済は個人消費の回復や雇用環境の改善を背景に堅調に推移しているものの、中国経済は不動産市場や個人消費の低迷により成長鈍化の動きが見られる中、ウクライナ情勢の長期化や米中関係及び中東における地政学的リスクの高まり、インフレ抑制のための世界的な金融引き締めや急激な為替相場の変動等、国内外の景気の下振れが懸念されております。 当社グループを取り巻く環境としては、亜鉛及びロジウムの相場は下落基調で推移し、前連結会計年度に比べ平均価格は下落しました。また、為替相場は前連結会計年度に比べ円安が進行しました。機能材料部門では、半導体市場におけるサプライチェーンの在庫調整が一巡したことから、銅箔及び電子材料用金属粉の販売量は増加しました。モビリティ部門では、半導体不足の緩和により自動車市場が回復していることから、排ガス浄化触媒や自動車用サイドドアラッチの販売量は増加しました。 当社グループは、パーパスを基軸とした全社ビジョン(2030年のありたい姿)である「マテリアルの知恵で“未来”に貢献する、事業創発カンパニー。」を実現するため、2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「22中計」に取り組んでおります。「22中計」の2年目となる2023年度も全社ビジョン実現に向けた戦略を実行するとともに、引き続き各部門において「経済的価値の向上」と「社会的価値の向上」を両立した統合思考経営を実践することで、持続的な企業価値向上の仕組みを構築し、成長し続けるための重点施策に取り組んでおります。機能材料部門では、事業機会拡大による成長加速とその仕組みづくりの一環として、先端材料分野でのシナジー創出を目的とし、当社の連結子会社でありレアアースの総合メーカーである日本イットリウム株式会社を完全子会社としました。また、スマートフォン並びにデータセンター及び車載向けメモリー基板用途等の採用拡大により、需要の伸長が見込まれる半導体パッケージ基板用キャリア付極薄銅箔の生産体制を増強しております。金属部門では、リサイクルネットワークの確立に向け、有価金属の回収やリサイクル原料の処理の強化に取り組んでおります。モビリティ部門では、ICTを活用した生産性向上、開発力の強化及び新規製品拡販に取り組むと同時に各事業のシナジー効果創出・最大化に向けて取り組んでおります。事業創造本部では、次世代の蓄電池として期待されている全固体電池向け固体電解質の量産試験用設備の生産能力を増強しました。 この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、52億円(0.8%)減少の6,466億円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ、機能材料部門やモビリティ部門の主要製品の販売量の増加、円安の進行や非鉄金属相場の変動に伴う在庫要因の好転に加え、退職給付債務の算定に用いる割引率を変更した影響等により退職給付費用が減少したこと等から、191億円(153.0%)増加の316億円となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ、営業利益が191億円増加したこと、及び持分法による投資利益が24億円減少したものの、受取配当金が61億円増加したこと等により、246億円(123.8%)増加の445億円となりました。特別損益においては、投資有価証券売却益12億円、貸倒引当金繰入額25億円、固定資産除却損22億円等を計上しました。加えて、税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、174億円(205.3%)増加の259億円となりました。 当連結会計年度のセグメント別の概況機能材料セグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高1,1251,24011510.3経常利益(セグメント利益)1071645753.4 〔銅箔〕キャリア付極薄銅箔は、在庫調整が一巡したことにより、半導体パッケージ基板向けの需要が回復したことから販売量は増加しました。プリント配線板用電解銅箔は、AIサーバー用途を中心とした通信インフラ向け多層基板の需要が堅調であったことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 〔機能粉〕高純度酸化タンタルは、スマートフォン向けの需要が低調であったことから販売量は減少しました。一方で、電子材料用金属粉は、在庫調整が一巡したことにより、積層セラミックコンデンサ向けの需要が回復し、中国向けの需要が堅調であったことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 〔電池材料〕リチウムイオン電池用のマンガン酸リチウムは、海外向けの需要が低調であったことから販売量は減少したものの、水素吸蔵合金は、半導体等の部材不足の緩和に伴い自動車メーカーの生産が回復したことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 〔スパッタリングターゲット〕主力のディスプレイ用スパッタリングターゲットは、フラットパネルディスプレイ市場の低迷により、パネルメーカーの稼働率が低調であったことから販売量は減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。 以上の結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、銅箔の販売量が増加したこと等から、115億円(10.3%)増加の1,240億円となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ、銅箔の販売量が増加したことや円安が進行したことに加え、インジウム価格の変動に伴う在庫要因が好転したこと等により、57億円(53.4%)増加の164億円となりました。 金属セグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高2,5642,468△95△3.7経常利益(セグメント利益)901606976.9 〔亜鉛〕国内の亜鉛メッキ鋼板向け需要は、自動車メーカーの生産が回復したものの、国内需要全体としては伸び悩んだことから販売量は減少しました。加えて、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は下落基調で推移し国内平均価格は下落したことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。 〔鉛〕国内の鉛蓄電池向け需要は、自動車メーカーの生産が回復したことから販売量は増加しました。加えて、鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は前連結会計年度並みで推移したものの、国内平均価格は円安の影響により上昇したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 〔金・銀〕金・銀ともに国内価格は上昇したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 以上の結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、円安が進行したものの、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)平均価格が下落したこと等から、95億円(3.7%)減少の2,468億円となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ、エネルギーコストの上昇や持分法による投資利益の減少等による減益要因があったものの、円安の進行や非鉄金属相場の変動に伴う在庫要因の好転に加え、日韓共同製錬株式会社からの受取配当金が増加したこと等により、69億円(76.9%)増加の160億円となりました。 モビリティセグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高2,1642,183180.9経常利益(セグメント利益)3211280252.6 〔排ガス浄化触媒〕二輪車向け排ガス浄化触媒は、インド向け需要が堅調であったことから販売量は増加しました。四輪車向け排ガス浄化触媒は、自動車メーカーの生産が回復したことに加え、新規受注車種の量産が本格化したことから販売量は増加しました。一方、主要原料であるロジウム等の価格が下落したことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。 〔自動車用ドアロック〕主要製品であるサイドドアラッチは、自動車メーカー各社の生産回復により国内の販売量は増加となりました。中国では日系自動車メーカーが減産したことから販売量が減少したものの、欧米における需要が堅調であったことから海外の販売量も増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 以上の結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、主要製品の販売量が増加したことから、18億円(0.9%)増加の2,183億円となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ、主要製品の販売量が増加したことに加え、為替差損益が好転したこと等により、80億円(252.6%)増加の112億円となりました。 その他の事業セグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高1,2811,133△147△11.5経常利益(セグメント利益)73124331.0 〔各種産業プラントエンジニアリング〕国内の金属加工関連分野及び海底送水管分野で大型工事案件を受注したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。 一方、国内の子会社による非鉄金属製品の輸出額が減少したこと等から、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、147億円(11.5%)減少の1,133億円となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ、各種産業プラントエンジニアリングの受注が堅調であったことに加え、エネルギーコスト等の上昇を販売価格に転嫁したこと等により、24億円(331.0%)増加の31億円となりました。 主要な品目等の生産実績の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。セグメント品目単位第1第2第3第4累計四半期四半期四半期四半期機能材料銅箔生産量千t344417金属亜鉛生産量千t44595458216鉛生産量千t1517191870モビリティ自動車部品生産金額億円199213219202835 * 亜鉛:共同製錬については当社シェア分 (2) 財政状態の状況資産合計は、前連結会計年度末に比べ87億円増加の6,406億円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ158億円減少の3,546億円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ246億円増加の2,860億円となりました。 以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.4ポイント上昇の43.5%となりました。なお、財政状態の詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析 ①財政状態の状況」に記載しております。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ323億円収入増加の753億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ32億円支出増加の349億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ218億円支出増加の365億円の支出となりました。 以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ56億円増加の324億円となりました。なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績及び受注状況当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」において、各セグメントに関連付けて記載しております。 (2) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)機能材料124,08610.3金属246,803△3.7モビリティ218,3520.9その他の事業113,385△11.5調整額△55,929-合計646,697△0.8 (注) セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。 (2) 経営成績の分析① 売上高当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて52億円(0.8%)減少の6,466億円となりました。なお、各セグメント及び主要製品別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② 営業利益機能材料セグメントの営業利益は、銅箔の販売量が増加したことや円安が進行したことに加え、インジウム価格の変動に伴う在庫要因が好転したこと等により、前連結会計年度に比べて55億円(55.8%)増加の154億円となりました。金属セグメントの営業利益は、エネルギーコストの上昇等による減益要因があったものの、円安の進行や非鉄金属相場の変動に伴う在庫要因の好転等により、前連結会計年度に比べて22億円(53.4%)増加の63億円となりました。モビリティセグメントの営業利益は、主要製品の販売量が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて67億円(199.4%)増加の102億円となりました。その他の事業セグメントの営業損益は、各種産業プラントエンジニアリングの受注が堅調であったことに加え、エネルギーコスト等の上昇を販売価格に転嫁したこと等により、前連結会計年度に比べて24億円増加の14億円の利益となりました。この結果、セグメントの調整額を加味した営業利益は、前連結会計年度に比べて191億円(153.0%)増加の316億円となりました。 ③ 経常利益営業利益が191億円増加したこと、及び持分法による投資利益が24億円減少したものの、受取配当金が61億円増加したこと等により、前連結会計年度に比べて246億円(123.8%)増加の445億円となりました。なお、各セグメント別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析① 財政状態の状況資産合計は、棚卸資産110億円等の減少があったものの、受取手形、売掛金及び契約資産69億円、現金及び預金56億円、投資有価証券45億円等の増加により、前連結会計年度末に比べ87億円増加の6,406億円となりました。負債合計は、繰延税金負債49億円、未払法人税等22億円等の増加があったものの、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパー残高185億円、支払手形及び買掛金58億円等の減少があったことから、前連結会計年度末に比べ158億円減少の3,546億円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益259億円、為替換算調整勘定92億円、その他有価証券評価差額金28億円等の増加に加え、剰余金の配当120億円等の減少があり、前連結会計年度末に比べ246億円増加の2,860億円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.4ポイント上昇の43.5%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益385億円、減価償却費343億円、棚卸資産の減少159億円等の収入に対し、仕入債務の減少112億円、法人税等の支払額98億円等の支出を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ323億円収入増加の753億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出290億円等により、前連結会計年度に比べ32億円支出増加の349億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少206億円及び配当金の支払額120億円等から、前連結会計年度に比べ218億円支出増加の365億円の支出となりました。以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ56億円増加の324億円となりました。 ③ 財政状態及びキャッシュ・フロー指標のトレンド回次第95期第96期第97期第98期第99期決算年月2020年3月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月自己資本比率(%)30.733.437.640.143.5時価ベースの自己資本比率(%)19.236.930.029.142.0キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)6.59.03.75.12.7インタレスト・カバレッジ・レシオ20.516.332.521.829.9 (注)自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)/総資産時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社は、安定した経営を行う上で急激な市況変動や為替・非鉄金属相場の変動等に備えるため、一定の手元流動性を確保しております。一方、事業創造、機能材料を中心とした積極的な投資に加え、経済的価値とともに社会的価値の向上を目指す投資を計画しており、これらの投資等のための所要資金は、主に自己資金を充当することとしておりますが、金融情勢や金利水準などを考慮しながら、資金需要に応じた調達に努めております。手元流動性確保の手段としましては、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)発行枠500億円を設定しているほか、250億円を限度とした長期コミットメントライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。なお、キャッシュ・マネジメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 |
※本記事は「三井金属鉱業株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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