会社名 | 三井不動産株式会社 |
業種 | 不動産業 |
従業員数 | 連25593名 単2049名 |
従業員平均年齢 | 40.3歳 |
従業員平均勤続年数 | 10.6年 |
平均年収 | 12892000円 |
1株当たりの純資産 | 1109.89円 |
1株当たりの純利益 | 80.19円 |
決算時期 | 3月 |
配当金 | 84円 |
配当性向 | 39.9% |
株価収益率(PER) | 20.5倍 |
自己資本利益率(ROE) | 7.5% |
営業活動によるCF | 2416億円 |
投資活動によるCF | ▲2869億円 |
財務活動によるCF | 599億円 |
研究開発費※1 | 10.15億円 |
設備投資額※1 | 13.56億円 |
販売費および一般管理費※1 | 2534.33億円 |
株主資本比率※2 | 28.6% |
有利子負債残高(連結)※3 | 30728.62億円 |
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経営理念である「GROUP DNA」および「GROUP MISSION」、経営理念に基づき当社グループが重点的に取り組む課題である「GROUP MATERIALITY」を定め、これらのもと、企業としての成長と社会的な価値の創出に積極的に取り組んでおります。 また、2024年4月にはグループ長期経営方針である「& INNOVATION 2030」を策定し、2030年度前後における当社グループの「ありたい姿」を「産業デベロッパーとして、社会の付加価値の創出に貢献」することと位置づけ、それを実現する事業戦略として、「三本の道」を通じた成長の実現と、財務戦略として、「成長・効率・還元」を三位一体で捉えた経営の推進に取り組んでおります。 (2)経営環境、会社の長期経営方針及び対処すべき課題 ①グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」の策定 当社グループはこれまで、時代時代の社会課題を、価値創造を通じて解決してまいりました。2018年には長期経営方針「VISION 2025」を策定し、「持続可能な社会実現に向けた街づくり」、「不動産業のイノベーション」、「グローバルカンパニーへの進化」に取り組み、当社グループの業容はグローバル規模で拡大し、「VISION 2025」で目指した姿へ進化を遂げたと考えております。 一方で、世界では今、大きなパラダイム転換が生じています。バブル以降の「失われた30年」にピリオドを打つべく、日経平均株価の最高値更新、マイナス金利解除、賃上げ実施など、日本経済も新たなステージに移行しつつあるといえます。このような新たな時代の価値創造を進めていくうえでは、自らを変革し、進化させていく必要があると考え、私たちは自らの存在意義を見つめ直し「経営理念」を再定義いたしました。 そして、その理念に基づき、グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」を策定しました。この経営方針は、当社グループの2030年度前後の「ありたい姿」を妄想(DREAM)し、戦略を構想(VISION)することで、その実現(REALITY)を目指すものです。 ②グループ長期経営方針の骨格 当社グループは、2030年度前後における当社グループの「ありたい姿」を「産業デベロッパーとして、社会の付加価値の創出に貢献」することと位置付けています。 当社グループの価値創造においては、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪としており、社会的価値を創出することが、経済的価値の創出につながり、その創出した経済的価値により、更に大きな社会的価値の創出につなげてまいります。 そして、それを実現する事業戦略として、「三本の道」を通じた成長の実現と、財務戦略として、「成長・効率・還元」を三位一体で捉えた経営の推進に取り組んでまいります。 (グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」の骨格) ③事業戦略事業戦略として、1.「コア事業の更なる成長」、2.不動産領域における「新たなアセットクラスへの展開」、3.不動産領域を超えた「新事業領域の探索、事業機会獲得」の、「三本の道」を設定いたしました。コア事業およびその周辺領域での成長を進め、既存の不動産領域にとどまらず、新事業領域でのビジネス機会の獲得を目指すという両利きの経営を実践してまいります。 (事業戦略「三本の道」の全体像)(注)グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」の詳細については、下記をご参照ください。 URL: https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/pdf/innovation2030.pdf ④財務戦略 企業価値を最大化していくために、財務戦略においては、「成長・効率・還元」を三位一体で捉え、それらを安定・継続的に維持向上させてまいります。具体的な取り組み方針については以下のとおりです。 (「成長・効率・還元」の維持向上のための取り組み) (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」において、2026年度および2030年度前後の定量目標を以下のとおり定めております。 |
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況の概要は、以下のとおりであります。 ①財政状態および経営成績の状況a.財政状態◆資産 当期末の総資産は、9兆4,895億円となり、前期末比で6,481億円増加しました。 主な増減としては、販売用不動産(仕掛販売用不動産、開発用土地、前渡金を含む)が2,116億円増加、新規投資等により有形・無形固定資産が1,123億円増加し、また、投資有価証券が時価評価等により2,113億円増加しました。 なお、当期の設備投資額は2,466億円、減価償却費は1,337億円でした。◆負債 当期末の有利子負債(短期借入金、ノンリコース短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内償還予定の社債、ノンリコース1年内償還予定の社債、社債、ノンリコース社債、長期借入金、ノンリコース長期借入金の合計額)は、4兆4,304億円となり、前期末比で3,818億円増加しました。 なお、資金調達の流動性補完を目的として、コミットメントラインを複数の金融機関との間で設定しており、未使用のコミットメントラインが4,000億円あります。 また、当期末の流動比率(流動資産/流動負債)は、前期末の183%から上昇し211%となりました。◆純資産 当期末の純資産合計は、3兆2,346億円となり、前期末比で2,034億円の増加となりました。これは、利益剰余金が1,592億円、その他有価証券評価差額金が531億円増加したこと等によります。 当期末の自己資本比率は32.8%と前期末の32.8%から大きな変動はなく、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)は1.42倍と前期末の1.40倍から上昇しました。なお、1株当たり純資産額は、1,109.89円(前期末は1,035.79円)となりました。 また、当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額を算定しております。 b.経営成績 当社グループの連結業績につきましては、売上高は2兆3,832億円(前期比1,141億円増、5.0%増)、営業利益3,396億円(前期比342億円増、11.2%増)、経常利益2,678億円(前期比25億円増、1.0%増)となりました。これに特別利益として投資有価証券売却益541億円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,246億円(前期比276億円増、14.0%増)となりました。 報告セグメント別の業績は、次のとおりです。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」に記載のとおりであります。 各セグメントの売上高は、外部顧客に対する売上高を記載しており、特に記載のない場合、単位は百万円となっております。◆ 賃貸 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減売上高815,002755,23859,763営業利益167,805149,79518,009 前期に竣工した「50 Hudson Yards(米国・オフィス)」の収益・利益の拡大に加え、既存商業施設の売上伸長や、「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真」の新規開業効果等により、セグメント全体では、597億円の増収、180億円の増益となりました。なお、当期末における当社の首都圏オフィス空室率(単体)は2.2%(第3四半期末の3.1%から0.9pt改善)となりました。 <売上高の内訳> 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減オフィス446,087426,92819,159商業施設286,553261,39425,159その他82,36066,91615,444合計815,002755,23859,763 ・貸付面積の状況(単位:千㎡) 当期(2024.3.31)前期(2023.3.31)増減オフィス 所有2,0601,960100 転貸1,5451,49154商業施設 所有2,0101,873137 転貸66765116 ・期末空室率推移(%) 2024/32023/32022/32021/32020/32019/32018/32017/3オフィス・商業施設(連結)3.84.33.02.92.31.82.43.1首都圏オフィス(単体)2.23.83.23.11.91.72.23.4地方オフィス(単体)3.22.83.73.51.31.82.32.3 <当期における主要な新規・通期稼働物件>・新規稼働物件(当期稼働物件)ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真大阪府門真市2023年4月開業商業施設ららぽーと台中台湾台中市2023年5月開業商業施設ららテラスTOKYO-BAY千葉県船橋市2023年11月開業商業施設ららテラスHARUMI FLAG東京都中央区2024年3月開業商業施設 ・通期稼働物件(前期稼働物件)LaLaport BUKIT BINTANG CITY CENTREマレーシアクアラルンプール2022年1月開業商業施設三井アウトレットパーク 台南台湾台南市2022年2月開業商業施設ららぽーと福岡福岡県福岡市2022年4月開業商業施設50 Hudson Yards米国ニューヨーク市2022年6月竣工オフィス東京ミッドタウン八重洲東京都中央区2022年8月竣工オフィス・ホテル・商業施設ららぽーと堺大阪府堺市2022年11月開業商業施設 <単体の賃貸事業内訳>・全体 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)売上高702,491650,667粗利益121,90494,703粗利益率(%)17.414.6 ・オフィス・商業施設 オフィス商業施設 首都圏地方合計首都圏地方合計売上高314,06723,999338,066168,10293,395261,498貸付面積(千㎡)2,5472832,8301,4508892,339棟数(棟)9423117702898空室率(%)2.23.22.31.62.92.1 ◆ 分譲 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減売上高627,611641,672△14,060営業利益131,969145,868△13,898 国内住宅分譲は、「パークコート神宮北参道 ザ タワー」「パークタワー勝どきミッド」等の引渡しの進捗等により増収増益となりました。投資家向け・海外住宅分譲等は、前期の物件売却の反動や、米国物件における、利上げに伴うキャップレートの上昇等による評価損の発生等により減収減益となりました。セグメント全体では、140億円の減収、138億円の減益となりました。なお、国内の新築マンション分譲の次期計上予定戸数3,650戸に対する契約達成率は84.4%となりました。 <売上高・営業利益の内訳> 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減国内住宅分譲 売上高314,400270,53043,870 営業利益49,78839,36810,419投資家向け・海外住宅分譲等 売上高313,210371,142△57,931 営業利益82,181106,499△24,317売上高合計627,611641,672△14,060営業利益合計131,969145,868△13,898 <国内住宅分譲内訳>・売上高等の内訳 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減マンション280,561(3,280戸)235,638(3,196戸)44,922(84戸) 首都圏253,923(2,665戸)196,655(2,324戸)57,267(341戸) その他26,638(615戸)38,983(872戸)△12,344(△257戸)戸建33,839(420戸)34,892(420戸)△1,052(0戸) 首都圏33,839(420戸)34,787(418戸)△948(2戸) その他-(0戸)104(2戸)△104(△2戸)売上高合計314,400(3,700戸)270,530(3,616戸)43,870(84戸) ・契約状況 マンション戸建合計期首契約済み(戸) (A)4,2561184,374期中契約(戸) (B)3,4493613,810計上戸数(戸) (C)3,2804203,700期末契約済み(戸) (A)+(B)-(C)4,425594,484完成在庫(戸)242246新規発売(戸)3,4233823,805(注)契約済み戸数、新規発売戸数には、次期以降に計上が予定されている戸数も含まれております。 ・期末完成在庫推移(戸) 2024/32023/32022/32021/32020/32019/32018/32017/3マンション245582150128141108321戸建22071758304069合計465589167186171148390 ・当期における主要な計上物件(国内住宅分譲)パークコート神宮北参道 ザ タワー東京都渋谷区マンションパークタワー勝どきミッド東京都中央区マンションHARUMI FLAG東京都中央区マンション幕張ベイパーク ミッドスクエアタワー千葉県千葉市マンションパークホームズ三軒茶屋一丁目東京都世田谷区マンションファインコート新百合ヶ丘グランレガシー神奈川県川崎市戸建 ・当期における主要な計上物件(投資家向け分譲・海外住宅分譲)Innovation Square Phase Ⅱ米国ボストン市オフィスAlta Revolution米国サマービル市賃貸住宅大崎ブライトタワー東京都品川区オフィス豊洲ベイサイドクロスタワー東京都江東区オフィスMFLP東名綾瀬神奈川県綾瀬市物流施設パークアクシス赤坂山王東京都港区賃貸住宅パークアクシス大塚サウスレジデンス東京都豊島区賃貸住宅 ◆ マネジメント 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減売上高462,857445,92416,932営業利益66,28963,3832,905 プロパティマネジメントは、リパーク(貸し駐車場)における前年同期比での稼働向上等により増収増益となりました。仲介・アセットマネジメント等は、プロジェクトマネジメントフィーの増加等により増収増益となりました。セグメント全体では、169億円の増収、29億円の増益となりました。 <売上高・営業利益の内訳> 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減プロパティマネジメント 売上高(※1)347,025334,97312,051 営業利益38,55437,5471,007仲介・アセットマネジメント等 売上高115,831110,9504,880 営業利益27,73525,8361,898売上高合計462,857445,92416,932営業利益合計66,28963,3832,905 ※1 当期末のリパーク(貸し駐車場)管理台数の状況 リパーク管理台数:247,046台(前期末:250,515台) ・三井不動産リアルティの仲介事業の状況(仲介・アセットマネジメント等に含む) 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減 取扱高件数取扱高件数取扱高件数仲介1,934,599(38,680件)1,918,415(39,106件)16,184(△426件) ・三井不動産レジデンシャルの販売受託事業の状況(仲介・アセットマネジメント等に含む) 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減 取扱高件数取扱高件数取扱高件数販売受託67,951(870件)57,180(702件)10,771(168件) ◆ 施設営業 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減売上高194,512144,57749,935営業利益26,333△3,69030,023 ホテル・リゾートのADRが大幅に上昇したことや、東京ドームにおける稼働日数・来場者数の増加等により、セグメント全体では、499億円の増収、300億円の増益となりました。 <売上高の内訳> 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減ホテル・リゾート140,57795,19745,380スポーツ・エンターテインメント53,93449,3794,554合計194,512144,57749,935 ・ホテル稼働率 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減宿泊主体型ホテル83%82%1pt <当期における主要な新規・通期稼働物件>・新規稼働物件(当期稼動物件)ブルガリ ホテル 東京東京都中央区2023年4月開業ホテル三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア神奈川県横浜市2023年5月開業ホテル ・通期稼働物件(前期稼働物件)三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド千葉県柏市2022年7月開業ホテル ◆ その他 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減売上高283,306281,6901,616営業利益2,185△9043,090 <売上高の内訳> 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減新築請負・リフォーム等245,948246,236△287その他37,35735,4531,903合計283,306281,6901,616 ・受注工事高内訳 当期(2023.4.1~2024.3.31)前期(2022.4.1~2023.3.31)増減新築請負131,792137,806△6,014 ②キャッシュ・フローの状況 当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比で469億円増加し、1,792億円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りです。 ◆営業活動によるキャッシュ・フロー 当期は、営業活動により2,416億円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益3,340億円や減価償却費1,337億円等によるものです。一方で、法人税等の支払額又は還付額901億円等による減少がありました。 ◆投資活動によるキャッシュ・フロー 当期は、投資活動により2,869億円の減少となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出2,208億円、投資有価証券の取得による支出1,318億円等によるものです。一方で、投資有価証券の売却による収入773億円、預り敷金保証金の受入による収入465億円等による増加がありました。 ◆財務活動によるキャッシュ・フロー 当期は、財務活動により599億円の増加となりました。これは、借入金の調達等によるものです。 ③生産、受注および販売の状況 生産、受注および販売の状況については、「①財政状態および経営成績の状況」における報告セグメント別の業績に関連付けて示しています。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等 当社グループの連結業績につきましては、売上高は2兆3,832億円(前期比1,141億円増、5.0%増)、営業利益3,396億円(前期比342億円増、11.2%増)、経常利益2,678億円(前期比25億円増、1.0%増)となりました。これに特別利益として投資有価証券売却益541億円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,246億円(前期比276億円増、14.0%増)となりました。また、当連結会計年度末の総資産は9兆4,895億円となり、有利子負債残高は4兆4,304億円となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度のわが国経済は、コロナ禍の収束に伴い社会経済活動の正常化が進み、雇用情勢・企業収益の改善等が相まって景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、ウクライナ情勢に加え、中東情勢の緊迫化等の地政学的リスクや、先行き不透明な中国経済の影響等による世界経済の下振れリスクが引き続き懸念されています。 また、世界的なインフレの進行、欧米における金融政策引き締めの長期化、日本銀行によるマイナス金利政策等の見直しの影響については、今後注視していく必要があります。 このような事業環境のもと、当社グループにおきましては、オフィス賃貸事業については、ミクストユースによる「行きたくなる街」にある「行きたくなるオフィス」の提案や、様々なソフトサービスの提供を行うことにより、優勝劣敗構造が進むオフィスマーケットにおいても、テナント企業から高い評価を受け、堅調に推移しました。 商業施設賃貸事業については、「ららぽーと×三井アウトレットパーク」の2業態複合型商業施設として新たに開業させた「三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真」(大阪府門真市)が好調なスタートを切るとともに、各施設においてスポーツ・エンターテインメントの力を活用し、来館価値の向上に努めたことで、多くのお客様にご来館いただき、当社施設全体の売上は1年を通して堅調に推移しました。 住宅分譲事業については、「暮らし方」「働き方」の多様化に伴う顧客ニーズの変化を的確に捉え、「パークタワー勝どきミッド」(東京都中央区)等を売上に計上するとともに、「三田ガーデンヒルズ」(東京都港区)をはじめとした販売物件において好調に契約が進捗しました。 物流施設賃貸事業については、引き続きEC事業拡大等による物流施設への需要の高まりを的確に捉え、事業規模を着実に拡大しました。 ホテル施設運営事業については、コロナ禍の収束に伴い回復したインバウンド需要を取り込み、上質な滞在体験の提供を通じた滞在価値の最大化を図ることで、多くのホテルで過去最高の業績を達成しました。また、「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」(神奈川県横浜市)、「ブルガリ ホテル 東京」(東京都中央区)を新たに開業させました。 これらの様々な施策を通じて、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて、期中に公表した連結業績予想を上回る結果となりました。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、2018年5月にグループ長期経営方針「VISION 2025」を策定し、2025年度前後に向けて、連結営業利益は3,500億円程度、うち海外事業利益(※)は30%程度、ROAは5%程度を達成することを目標指標としておりました。 ※海外事業利益=海外営業利益+海外持分法換算営業利益(海外所在持分法適用会社について、各社の営業利益または営業利益相当額(当期純利益から税負担分を考慮して簡便的に算出した利益)に当社持分割合を乗じて算出した金額と海外所在持分法適用会社に係る関係会社株式売却益(不動産分譲を目的とした事業に係るものに限る)の合計額) 当連結会計年度において、コロナ禍の収束に伴い社会経済活動の正常化が進み、営業利益は3,396億円、うち海外事業利益は16.6%、ROAは3.9%となりました。 当社グループの連結業績につきましては、売上高は2兆3,832億円となり、通期業績予想2兆3,000億円に比べて832億円上回り(3.6%増)、営業利益は3,396億円となり、通期業績予想3,350億円に比べて46億円上回り(1.4%増)、経常利益は2,678億円となり、通期業績予想2,650億円に比べて28億円上回り(1.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,246億円となり、通期業績予想2,200億円に比べて46億円上回り(2.1%増)ました。 報告セグメントごとの連結業績に関する通期業績予想比については次のとおりです。 賃貸セグメントにおいては、営業利益は1,678億円となり、通期業績予想1,670億円よりも8億円の増益となりました。 分譲セグメントにおいては、国内住宅分譲および投資家向け・海外住宅分譲等の営業利益はともに概ね想定通りとなりました。セグメント全体では営業利益は1,319億円となり、通期業績予想1,310億円よりも9億円の増益となりました。 マネジメントセグメントにおいては、営業利益は662億円となり、通期業績予想650億円よりも12億円の増益となりました。 施設営業セグメントにおいては、主にホテル・リゾート事業の営業状況が想定を上回り、営業利益は263億円となり、通期業績予想240億円よりも23億円の増益となりました。 その他セグメントにおいては、営業利益は21億円となり、通期業績予想20億円と比して概ね想定通りとなりました。 <連結セグメント別業績(通期予想比)> 当期(2023.4.1~2024.3.31)2024年3月期通期業績予想(2023.4.1~2024.3.31)増減 売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益賃貸815,002167,805780,000167,00035,002805分譲627,611131,969600,000131,00027,611969マネジメント462,85766,289450,00065,00012,8571,289施設営業194,51226,333180,00024,00014,5122,333その他283,3062,185290,0002,000△6,693185消去又は全社-△54,892-△54,000-△892合計2,383,289339,6902,300,000335,00083,2894,690 (注)2024年2月9日公表時の通期業績予想となります。 当連結会計年度の当社グループの経営資源の配分・投入につきましては、有形・無形固定資産について、設備投資2,466億円、減価償却費1,337億円となり、販売用不動産について、新規投資6,146億円、原価回収4,174億円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの主要な資金需要は、国内のビル賃貸事業や商業施設賃貸事業等における新規投資や、販売用不動産の取得、および海外事業の拡大に伴う開発資金等であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債およびコマーシャル・ペーパーの発行による資金調達等にて対応していくこととしております。また、手元の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入することにより、資金効率の向上を図っております。 当連結会計年度においては、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」、「ららぽーと高雄」への投資等、投資活動によりキャッシュ・フローが2,869億円減少しましたが、営業活動によるキャッシュ・フロー2,416億円と財務活動によるキャッシュ・フロー599億円で充当し、現金及び現金同等物の期末残高が1,792億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要/②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 翌連結会計年度においては、新規・既存物件への投資等が計画されておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、借入金の調達等の財務活動によるキャッシュ・フローで対応していく予定です。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 |
※本記事は「三井不動産株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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