三菱地所株式会社の基本情報

会社名三菱地所株式会社
業種不動産業
従業員数連11412名 単1242名
従業員平均年齢40歳
従業員平均勤続年数13年
平均年収13478300円
1株当たりの純資産2057.47円
1株当たりの純利益(連結)151.04円
決算時期3月
配当金43円
配当性向26.4%
株価収益率(PER)16.1倍
自己資本利益率(ROE)(連結)7.6%
営業活動によるCF3241億円
投資活動によるCF▲3615億円
財務活動によるCF128億円
研究開発費※1-円
設備投資額※14438.01億円
販売費および一般管理費※14276.14億円
株主資本比率※219.5%
有利子負債残高(連結)※331275.48億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「まちづくりを通じて社会に貢献する」という基本使命のもと、「人を、想う力。街を、想う力。」というブランドスローガンを掲げ、企業グループとしての成長と、様々なステークホルダーとの共生とを高度にバランスさせながら、「真の企業価値の向上」を目指しています。 (2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題当不動産業界を取り巻く国内経済環境は、経済活動の正常化が一層進み、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな景気回復が続くことが期待されるものの、物価高の影響による個人消費の動向、金利の動向、海外経済の下振れリスク等、先行きは不透明な状況にあります。オフィス賃貸市場においては、企業の人材確保、リアルなオフィスへの出社回帰の流れも受け回復傾向にありますが、引き続き企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化を注視していく必要があります。分譲マンション市場では、立地条件等による需要の二極化や顧客ニーズの多様化が進むなか、資材価格や労務費の上昇等に伴う工事費の高騰や、金利動向が販売に与える影響等も注視していく必要があります。不動産投資市場においては、日銀の金融緩和政策見直しによる金利上昇傾向を警戒する見方はあるものの、グローバルで見た日本の不動産投資の優位性を評価する投資家も見られるなど、総じて過熱した環境が継続すると思われますが、想定以上の金利上昇や地政学的な緊張の急激な高まりといったリスクにも留意しながら、今後の動向について慎重に見極めていく必要があります。商業施設やホテル市場においては、国内需要・インバウンド需要ともに回復してきておりますが、今後の物価高や為替動向等の経済情勢による影響を注視していく必要があります。当社グループといたしましては、2020年代の環境激変をチャンスに変えて持続的な価値を提供する企業グループに変革を続けていくために、2020年1月に、2030年までを見据えた「長期経営計画2030」を策定しました。長期経営計画を通じて、「幅広いお客様により深く価値を届けるための事業機会の最大化」と「上場企業に求められる高効率で市況変化に強いポートフォリオへの変革」を目指し、丸の内を中心とする国内の大型開発パイプラインの着実な推進を図るとともに、海外事業においては、欧米豪を中心とした先進国への注力を進めていきます。あわせて、ノンアセットビジネスの拡大とサービス・コンテンツ領域への進出を通じ、新たな全社における利益成長の柱にするとともに、全社資産効率の改善に向けたドライバーとすることを目指していきます。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。○各機能グループ及び事業グループとコーポレートの戦略・コマーシャル不動産事業開発中プロジェクトの順次稼働による賃貸利益並びに回転型事業を中心とした販売利益の伸長を実現するとともに、新規タイプアセット並びにオペレーショナルアセットへの取り組みを進めます。・丸の内事業丸の内NEXTステージ戦略に基づいてアセットマネジメントを徹底し、賃貸利益をはじめとする収益力の向上を目指します。また、丸の内エリアのユニークポイントである「唯一無二の利便性と集積」に加え、「エリア全体のプラットフォーム化」による、丸の内“まちまるごとワークプレイス”構想を推進し、丸の内エリアの更なる価値向上を目指してまいります。・住宅事業国内分譲事業を着実に推進する一方で、ストックビジネス領域において多様化するニーズにも対応し、管理・仲介・リフォームなどのフィービジネスにも注力します。・海外事業米国、欧州、アジアエリアにおける開発・バリューアド投資機会の拡充と、新興国におけるパートナーとの事業推進を展開します。・投資マネジメント事業日・米・欧・アジアにプラットフォームを広げ、クロスボーダーな投資ニーズの拡大を背景とした持続的な拡大を図ります。・設計監理事業大規模設計監理業務の継続受注を進めるほか、コンストラクションマネジメント等のコンサルティング業務及びリノベーション業務等の成長分野と海外事業を強化し、あわせて三菱地所グループ技術支援を推進します。・不動産サービス事業幅広いサービスメニューと全国に広がる支店網、三菱地所グループの総合力を活用し、法人仲介・不動産コンサルティングのトップ企業を目指します。 ・営業機能グループ全体の営業窓口として、顧客企業とのリレーション強化並びに顧客ニーズに対応した企業提案や中長期的な開発案件、事業連携等の事業機会創出を図ります。・新事業創出機能全社横断的な新事業創出機能並びにIT施策を担い、ベンチャービジネスへの出資やグループ内における新事業創出により既存業務の拡大や新たな事業領域の探索を進めるほか、デジタル技術を活用した顧客価値を向上させるサービスの提供やデータ利活用の高度化を通じて、ビジネスモデル革新とDX推進を図ります。・コーポレートわが国におけるESGの先進企業としての地位を確立し、ステークホルダーとの共生と長期的な企業価値向上を目指します。 計数目標は次のとおりです。当社グループとしては、丸の内エリアの優位性や各事業領域における当社グループの強み・ノウハウを発揮することで着実な利益の拡大を図ります。 <経営指標/長期経営計画2030ベース(2020年1月公表)> 2024年度実績長計目標(2020年1月公表)2025年度業績予想 ROA(事業利益/総資産)4.0%5.0%4.1%計数目標(参考)事業利益 *13,096億円3,500~4,000億円3,253億円ROE7.6%10.0%8%程度 EPS151.04円200円160.16円(注)*1. 事業利益=営業利益+持分法投資損益
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の業績は、営業収益が1,579,812百万円で前連結会計年度に比べ75,124百万円の増収(+5.0%)、営業利益は309,232百万円で30,605百万円の増益(+11.0%)、経常利益は262,960百万円で21,802百万円の増益(+9.0%)となりました。特別損益につきましては、前連結会計年度において固定資産売却益10,381百万円、投資有価証券売却益30,280百万円、負ののれん償却益4,850百万円の計45,513百万円を特別利益に、エクイティ出資評価損12,138百万円を特別損失に計上したのに対して、当連結会計年度においては、固定資産売却益10,663百万円、投資有価証券売却益50,869百万円、負ののれん償却益4,850百万円、退職給付信託返還益13,934百万円の計80,318百万円を特別利益に、固定資産除却関連損9,165百万円、関係会社株式評価損4,031百万円、減損損失13,121百万円の計26,318百万円を特別損失に計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は316,960百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ20,923百万円増益(+12.4%)の189,356百万円となりました。 当連結会計年度の業績及び各セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より当社の組織を一部改正したことに伴い、セグメント区分についても変更いたしました。・「丸の内事業グループ」を新設の上、大手町・丸の内・有楽町地区に係る機能を担う組織を移設し、従来の「コマーシャル不動産事業グループ」を「コマーシャル不動産事業グループ」並びに「丸の内事業グループ」に分割いたしました。これにより、従来「コマーシャル不動産事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「設計監理・不動産サービス事業」としていた報告セグメントを、「コマーシャル不動産事業」、「丸の内事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「設計監理・不動産サービス事業」へ変更いたしました。 (単位:百万円)区分前連結会計年度当連結会計年度増減営業収益1,504,6871,579,81275,124営業利益278,627309,23230,605経常利益241,158262,96021,802親会社株主に帰属する当期純利益168,432189,35620,923 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度営業収益営業利益又は営業損失(△)営業収益営業利益又は営業損失(△)コマーシャル不動産事業499,138114,730538,832124,660丸の内事業381,02797,082394,59696,173住宅事業398,82738,888421,90248,026海外事業173,77051,448160,18645,823投資マネジメント事業30,962△1,61940,96911,950設計監理・不動産サービス事業73,2659,02182,18810,700その他の事業11,009△1,57711,666△2,128調整額△63,313△29,346△70,530△25,974合  計1,504,687278,6271,579,812309,232(注)前連結会計年度の業績については、当連結会計年度より変更したセグメント区分に組替えております。 (a)コマーシャル不動産事業・当連結会計年度において、オフィスビルは、堅調なリーシング等により増収となりました。・商業施設及びアウトレットモールは、店舗売上の増加等により、ホテルは、稼働率の上昇等により増収となりました。・その他、オフィスビル等の保有する物件の売却により、不動産販売が増収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は39,694百万円増収の538,832百万円となり、営業利益は9,929百万円増益の124,660百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度貸付面積営業収益貸付面積営業収益不動産賃貸東京オフィス(丸の内以外) (所有)522,170㎡ 138,907 (所有)508,608㎡ 144,068 (転貸)837,857㎡ (転貸)862,590㎡ オフィス(東京以外) (所有)563,932㎡ 62,671 (所有)596,926㎡ 65,732 (転貸)337,612㎡ (転貸)415,287㎡ アウトレットモール (店舗)362,621㎡ 57,367 (店舗)361,459㎡ 60,901その他-37,533-42,950不動産販売-135,419-151,158その他(注2)-67,238-74,019合  計-499,138-538,832(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。2. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、ホテル事業収入等が含まれております。3. 前連結会計年度の業績については、当連結会計年度より変更したセグメント区分に組替えております。 (b)丸の内事業・当連結会計年度において、オフィスビルは、再開発に向けたビルの閉館等により減収があった一方で、好調なリーシングによる空室率の改善や既存ビルでの賃料増額改定等により増収となりました。なお、当社の丸の内オフィスの2025年3月末の空室率は1.73%となっております。・この結果、当セグメントの営業収益は13,568百万円増収の394,596百万円となり、営業利益は908百万円減益の96,173百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度貸付面積営業収益貸付面積営業収益不動産賃貸丸の内オフィス (所有)1,277,460㎡ 255,416 (所有)1,252,573㎡ 256,999 (転貸)405,934㎡ (転貸)408,963㎡ その他-11,707-11,792その他(注2)-113,903-125,804合  計-381,027-394,596(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。2. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、レンタルオフィス事業収入等が含まれております。3. 前連結会計年度の業績については、当連結会計年度より変更したセグメント区分に組替えております。 (c)住宅事業・国内分譲マンション事業の主な売上計上物件「ザ・パークハウス グラン 三番町26」           (東京都千代田区)「ザ・パークハウス 大森タワー」             (東京都大田区)「ザ・パークハウス 等々力」               (東京都世田谷区)「ザ・パークハウス ひばりが丘」             (東京都西東京市)「ザ・パークハウス 大濠翠景」              (福岡県福岡市)・当連結会計年度において、国内分譲マンション事業では、売上計上戸数が減少したものの、一戸当たりの販売単価は増加したことにより増収となり、その他の事業では、賃貸マンションや収益用不動産の売却等により増収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は23,075百万円増収の421,902百万円となり、営業利益は9,137百万円増益の48,026百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度販売数量等営業収益販売数量等営業収益マンション 売上計上戸数2,271戸 155,929 売上計上戸数1,787戸 156,651住宅管理業務受託 受託件数349,446件 60,053 受託件数353,024件 62,589注文住宅 - 37,328 - 36,178その他 - 145,515 - 166,483合  計 - 398,827 - 421,902(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。2. 他社との共同事業物件の売上計上戸数及び金額は当社持分によっております。 (d)海外事業・当連結会計年度においては、アジアは複合開発事業収入の増加等により増収となりましたが、米国及び英国は前連結会計年度の物件売却の反動等により減収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は13,583百万円減収の160,186百万円となり、営業利益は5,624百万円減益の45,823百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度貸付面積等営業収益貸付面積等営業収益不動産開発・賃貸米国 貸付面積451,967㎡ 124,498 貸付面積422,772㎡ 109,795 管理受託面積97,527㎡ 管理受託面積97,527㎡ 欧州 貸付面積103,564㎡ 35,836 貸付面積84,397㎡ 9,892アジア 貸付面積7,201㎡ 11,924 貸付面積7,535㎡ 36,657 売上計上戸数1,265戸 売上計上戸数1,242戸 その他 - 1,511 - 3,841合  計 - 173,770 - 160,186(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。 (e)投資マネジメント事業・当連結会計年度においては、営業収益は10,006百万円増収の40,969百万円となり、前連結会計年度の減収要因である一過性のインセンティブフィー剥落等の反動により、営業利益は13,570百万円増益の11,950百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要営  業  収  益前連結会計年度当連結会計年度投資マネジメント30,96240,969合  計30,96240,969(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。 (f)設計監理・不動産サービス事業・㈱三菱地所設計において、2023年9月に着工した「Torch Tower(TOKYO TORCH 東京駅前常盤橋プロジェクトB棟)」等の設計監理業務等の収益を計上しました。・当連結会計年度においては、設計監理収益は売上件数が増加したこと等により増収となり、不動産仲介・駐車場運営管理は、不動産仲介取扱件数及び駐車場運営管理台数の増加等により増収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は8,922百万円増収の82,188百万円となり、営業利益は1,679百万円増益の10,700百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度売上件数等営業収益売上件数等営業収益設計監理 受注件数1,305件 25,705 受注件数1,419件 26,362 売上件数1,357件 売上件数1,519件 不動産仲介 取扱件数1,403件 15,126 取扱件数1,475件 17,005駐車場運営管理 管理台数62,254台 11,922 管理台数63,383台 13,197その他 - 20,510 - 25,624合  計 - 73,265 - 82,188(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、長期借入れ等による収入、有形固定資産の取得等による支出により、前連結会計年度末に比べ19,083百万円減少し、256,881百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、324,116百万円の資金の増加(前連結会計年度比+16,867百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益316,960百万円に非資金損益項目である減価償却費101,253百万円等を調整した資金の増加に、棚卸資産の減少、法人税等の支払又は還付等による資金の増減を加えたものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、361,505百万円の資金の減少(前連結会計年度比+511百万円)となりました。これは有形固定資産の取得等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、12,871百万円の資金の増加(前連結会計年度比△87,562百万円)となりました。これは長期借入れ等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。2025年3月期の業績は営業利益が3,092億円で、直近の対外公表予想値に比べて92億円の増益(+3.1%)となりました。2024年度はオフィス賃貸事業では賃料増額改定等に伴い賃貸利益が増加したことに加え、販売利益を実現させたほか、分譲住宅の着実な販売進捗や、アウトレットモール等の商業施設の需要のさらなる増加等により、当初計画の水準と同程度の利益を実現できました。2020年度よりスタートした「長期経営計画2030」では国内アセット事業・海外アセット事業・ノンアセット事業で、それぞれ500億円程度の成長を目指しております。2024年度においては「(仮称)丸の内3-1プロジェクト(国際ビル・帝劇ビル建替計画)」解体着工、「(仮称)天神 1-7 計画」新築工事着工、「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」開業、「Two Sudirman Jakarta」本体工事着工等、長期経営計画の戦略に合致する将来の収益機会の獲得を実現しております。さらに、回転型投資の展開を通じた売却益の獲得及びフィービジネスの拡大を図るべく、当社グループで運営するファンドやREITへの売却を推進し、バリューチェーンを強化しています。これらの成果を着実に利益として結実させ、長期経営計画で掲げた計数目標の達成を目指します。セグメントごとの経営成績に関しては次のとおりです。コマーシャル不動産事業においては、インバウンドの増加等に伴い、商業施設・ホテルを中心に回復傾向が続いていることに加え、オフィス賃貸利益の増加により、営業利益は1,247億円となりました。なお、直近の予想値からは3億円の減益となりました。丸の内事業においては、オフィスの空室率改善、賃料増額改定等により、営業利益は962億円となりました。なお、直近の予想値からは12億円の増益となりました。住宅事業においては、好調な分譲マンション市況により収益は増加、あわせて賃貸マンション等のキャピタルゲインが大幅増加となったことから、営業利益は480億円となりました。なお、直近の予想値からは10億円の増益となりました。海外事業においては、物件売却後倒し等により営業利益は458億円となりました。なお、直近の予想値からは58億円の増益となりました。投資マネジメント事業においては、2023年度に発生していたインセンティブフィー(ノンキャッシュ)調整の影響等が小さくなり、営業利益は120億円となりました。なお、直近の予想値からは11億円の減益となりました。設計監理・不動産サービス事業においては、流通事業の増益により、営業利益は107億円となりました。なお、直近の予想値からは7億円の増益となりました。その他のセグメントについても、概ね計画通りに利益を計上することができました。 ≪セグメント別営業利益≫ (単位:百万円) 2024年度直近予想値 *1決算値増減コマーシャル不動産事業125,000124,660△340丸の内事業95,00096,1731,173住宅事業47,00048,0261,026海外事業40,00045,8235,823投資マネジメント事業13,00011,950△1,050設計監理・不動産サービス事業10,00010,700700その他の事業△2,000△2,128△128調整額△28,000△25,9742,026合  計300,000309,2329,232(注)*1. 2025年2月7日公表時の通期業績予想となります。 当社グループは、中期的な視点から強みを活かした投資により得られる利益の拡大を通じた企業価値の向上を図るため、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持も重要な経営目標としており、成長に向けた事業投資を行う際は、高格付けの維持を前提とした最適な資本構成を図っています。当社グループの財源については、ビル賃貸事業が主力事業であることから、引き続き長期・固定資金を主体に調達しております。今後も期間中の金利状況や、調達済有利子負債の償還期間等とのバランスも考慮しながら、調達手段に柔軟性を持たせつつ運営を行って参る所存であります。事業等のリスクに対しては、当社グループでは「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、すべての事業活動を対象にリスクマネジメント体制を整備、運用しています。当社グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議により任命されたリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレート部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。さらに、重要な投資案件の意思決定に当たっては「経営会議」の審議前に「投資委員会」で審議を行い、リスク内容及びリスク管理方法等をチェックしています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。 (3) 資本の財源及び資金の流動性1)財務戦略の基本的な考え方当社グループは、業界最上位の格付に裏打ちされた強固な財務基盤は、重要な経営資源の一つであると位置づけ、財務健全性の維持と高格付を活かした適時最適な調達の実現を財務戦略の基本方針としております。2020年4月から開始した「長期経営計画2030」においても、ROAの向上を通じたROEの向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範囲で適切にコントロールすることを基本方針としており、不動産市況に応じた、成長投資・資産売却・株主還元・資金調達の最適な組み合わせによる企業価値向上を実現して参ります。長期経営計画の5年目となる2024年度は、ネット有利子負債/EBITDA倍率についてはハイブリッドファイナンス考慮前で7.2倍(考慮後で6.9倍)にて着地いたしました。世界経済の先行きは依然として不透明な状況が継続することが想定されますが、10年間という長期にわたる経営計画においては、事業環境が変動する可能性を織り込んでいるため、環境の変化を見極めつつ、柔軟な資本政策を組み合わせながら、事業機会獲得の機会を的確に捉え、2030年の目標実現に向け、着実に各種施策を推進して参ります。 2)経営資源の配分と資金需要の主な内容当社グループは、事業により獲得した営業キャッシュ・フローと資金調達余力に応じたキャッシュインを、株主還元、事業投資・回収(ネット投資額=投資決定済案件への投資-物件売却による回収)、不動産市況に応じて柔軟に行う戦略的アロケーションの3点に配分します。戦略的アロケーションは、株主価値向上に資する案件への厳選投資、追加の株主還元、負債抑制等のうち、その時々の状況に応じて柔軟に判断して参ります。今後の主な資金需要としては「長期経営計画2030」に基づき、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーションを推進して参ります。また、2026年3月期の投資回収予算においては、約13,000億円の投資と約7,000億円の回収を見込んでおります。 3)資金調達手段当社グループは、事業展開に伴う資金需要を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。内部資金については、主要グループ会社では原則として金融機関など外部からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメント・システムの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。外部資金については、財務健全性の維持が可能な範囲において金融機関からの借入や社債発行等を活用しており、資金需要・金融市況・調達コスト・償還バランスなどを総合的に勘案した上で、適切なファイナンスを実施しているほか、近年ではグリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローン等のサステナビリティファイナンスにも取り組んでおります。なお、当社グループは長期の開発期間を伴う事業が中心であるため、いずれの調達手段であっても10年以上の長期資金を中心とした資金調達を行うとともに、負債の年度別償還額の集中を避けることでリファイナンスリスクの低減を図っています。主要な取引先金融機関とは、良好な取引関係を維持構築することで、円滑な資金調達を可能としております。また、国内金融機関においてコミットメントライン枠やスポット借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。 社債発行については、国内外4社の格付機関から取得している信用格付(※1)をもとに、近年は公募劣後特約付社債(ハイブリッド社債)に加え、国内の公募債市場で最長かつ初となる50年債の発行を行う等、投資家需要や起債環境を見極めたうえで最適な起債に努めており、今後も資金調達手段の多様化を図って参ります。なお、当社は公募劣後特約付社債を含む、全ての社債を無担保で発行していること、金融機関からの借入金についても財務制限条項は付されていないことから、安定した資金調達が可能と考えております。 ※1 本報告書提出時点において、格付投資情報センターの格付はAA(安定的)、日本格付研究所の格付はAAプラス(安定的)、スタンダード&プアーズの格付はAプラス(ネガティブ)、ムーディーズの格付はA2(安定的)となっております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

※本記事は「三菱地所株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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