三菱ケミカルグループ株式会社の基本情報

会社名三菱ケミカルグループ株式会社
業種化学
従業員数連66358名 単501名
従業員平均年齢46.2歳
従業員平均勤続年数18.4年
平均年収9732210円
1株当たりの純資産431.67円
1株当たりの純利益132.74円
決算時期3月
配当金32円
配当性向24.1%
株価収益率(PER)6.9倍
自己資本利益率(ROE)34.9%
営業活動によるCF4651億円
投資活動によるCF▲2460億円
財務活動によるCF▲2417億円
研究開発費※133億円
設備投資額※11262.57億円
販売費および一般管理費※19323.45億円
株主資本比率※230.8%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 経営方針当社は、経営方針「Forging the future 未来を拓く」のもとで築いた強固な経営基盤を活かし、企業価値向上に向けた改革を加速して、KAITEKIの実現をリードするグリーン・スペシャリティの化学会社に「変身」することをめざしています。カーボンニュートラルの達成やサーキュラーエコノミーの深化といった社会課題解決への貢献を果たし、持続的な企業価値の向上を実現するため、2035年を見据えた新たなビジョンの策定を進めており、今秋に公表する予定です。2024年度の業績予想及び2025年度の財務目標については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。 (2) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ②経営環境と今後の見通し」に記載のとおりです。 (3) 対処すべき課題 当社グループは、2021年より現経営方針「Forging the future 未来を拓く」の下、収益性と財務健全性の改善に焦点を当て、抜本的なコスト削減に加えて、価格マネジメント、運転資金や設備投資の管理を進めた結果、当期のコア営業利益は2,081億円となり、財務体質もネットD/Eレシオは1.16に改善する等、一定の成果を上げています。一方で、これらの成果は、堅調な産業ガス及びヘルスケアセグメントの貢献に負うところが大きく、スペシャリティマテリアルズ、MMA及びベーシックマテリアルズセグメントを中心にさらなる事業体質の改善が必要です。 また、地政学リスクの高まり、気候変動の進行、生成AI(人工知能)技術の発展等により、経済社会システムが大きく変容する中、私たちが携わる化学産業にとっては、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといった社会的な要請に応えていくことが一層大きな課題となっています。 私たち三菱ケミカルグループのPurposeは、革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードしていくことです。当社は、カーボンニュートラルの達成やサーキュラーエコノミーの深化といった社会課題解決への貢献を果たし、持続的な企業価値の向上を実現するため、2035年を見据えた新たなビジョンの策定を進めています。 また、最適な資源配分を見極め、ポートフォリオの変革を進めるとともに、以下に掲げる諸課題に取り組んでいます。 ‐不採算事業からの撤退 ‐低炭素コンビナートをめざした国内石化事業の再編 ‐スペシャリティマテリアルズ事業の成長:当社の優位性の高い分野への投資‐米国におけるMMA新プラント建設の検討:独自の製造プロセス(アルファ法)を用いたコスト競争力の強化と温室効果ガス削減の実現‐医薬品事業の合理化とパイプライン拡充:米国市場に向けた成長戦略と2029年度まで延長された筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬ラジカヴァの排他販売期間の終了に備えた施策の検討及び実行  当社グループは、企業の持続的成長の基盤として、安全管理・コンプライアンスの徹底、内部統制システムの確立を通じたグループガバナンスの強化に取り組むとともに、これらの諸課題にグループの総力を挙げて対処し、企業価値・株主価値の向上を図ってまいります。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものです。また、当社グループは第1四半期連結会計期間よりIAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用しております。これに伴い、遡及処理の内容を反映させた数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。会計方針変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎」に記載しております。 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績ⅰ 業績全般当社グループの当連結会計年度における事業環境は、経済活動の正常化に伴い緩やかな持ち直しが続く一方で、物価上昇、欧米を中心とした金融引き締め、中国景気の減速、中東地域をめぐる情勢等の影響により、回復基調に一部足踏みが見られるなど、先行き不透明な状況が続いております。このような状況下、売上収益は、4兆3,872億円(前連結会計年度比2,473億円減)となりました。利益面では、コア営業利益は2,081億円(同1,175億円減)、営業利益は2,618億円(同791億円増)、税引前利益は2,405億円(同725億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,196億円(同232億円増)となりました。 (金額単位:億円) 前連結会計年度自 2022年4月1日至 2023年3月31日当連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日増減額増減率(%)売上収益46,34543,872△2,473△5.3コア営業利益 (注2)3,2562,081△1,175△36.1営業利益1,8272,61879143.3税引前利益1,6802,40572543.2当期利益1,3551,78442931.6 親会社の所有者に帰属する当期利益9641,19623224.0ナフサ (円/KL) (注3)76,60069,100△7,500 為替 (円/$)  (注3)136.0145.39.3 (注)1 当社グループは、IFRS(国際会計基準)に基づいて、連結財務諸表を作成しております。2 コア営業利益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。3 それぞれ、2022年4月~2023年3月、2023年4月~2024年3月の概算平均値です。 ⅱ 各セグメントの業績各セグメントにおける売上収益及びコア営業利益の状況は、以下のとおりです。なお、当社グループは第1四半期連結会計期間より報告セグメントを変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に記載のとおりです。(金額単位:億円)セグメント前連結会計年度当連結会計年度増減額売上収益コア営業利益売上収益コア営業利益売上収益コア営業利益スペシャリティマテリアルズ12,33751511,72953△608△462産業ガス11,7791,21012,4691,630690420ヘルスケア5,3541,4424,372563△982△879MMA3,052△402,8168△23648ベーシックマテリアルズ11,21812110,086△193△1,132△314その他2,6051522,400144△205△8調整額-△144-△124-20合計46,3453,25643,8722,081△2,473△1,175 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 <コア営業利益 増減要因>(金額単位:億円) 前連結会計年度 当連結会計年度 増減 売買差数量差コスト削減その他(注)全社 3,256 2,081 △1,175 343 △1,486 1,006 △1,038 スペシャリティマテリアルズ 515 53 △462243△574160 △291 産業ガス 1,210 1,630 420 249 △40 308 △97 ヘルスケア 1,442 563 △879 △13△876 336 △326 MMA △40 8 48△526168△29 ベーシックマテリアルズ 121 △193 △314△82△6239△209 その他・調整額 8 20 12 △2 595 △86 (注) その他には、在庫評価益の前連結会計年度(195億円)と当連結会計年度(65億円)の差額△130億円、持分法投資損益の前連結会計年度(119億円)と当連結会計年度(76億円)の差額△43億円が含まれております。 為替影響 132 173 0- △41 内、換算差126 セグメント前連結会計年度から当連結会計年度への主なコア営業利益の増減要因スペシャリティマテリアルズ売買差:販売価格の維持・向上による各種製品の売買差改善等により増益。数量差:総じて需要が減退したことによる減販等により減益。その他:新製造ライン稼働等に伴う固定費の増加や、持分法投資利益の減少等により減益。産業ガス売買差:価格マネジメント等により増益。コスト削減:DX活用、プラント操業最適化などの生産性向上活動により増益。その他:インフレによる費用の増加により減益。ヘルスケア数量差:国内医療用医薬品の重点品・新製品や海外医療用医薬品の販売数量が伸長したこと等により増益。コスト削減:メディカゴ社の事業撤退に伴う研究開発費等の減少等により増益。その他:一部の国内医療用医薬品の終売及び新製品の上市に伴う販売費の増加等により減益。MMA売買差:MMAモノマー等の市況の下落に伴う売買差悪化により減益。数量差:定期修理の影響が縮小したことにより増益。コスト削減:英国のキャッセル工場閉鎖に伴う費用の減少等により増益。ベーシックマテリアルズ売買差:コークス市況の下落等による売買差悪化。数量差:需要減退及びトラブルに伴う各製品の減産・減販により減益。その他:原料価格の下落に伴う在庫評価益の縮小等により減益。 セグメント別の業績の概要の詳細は、以下のとおりです。 イ スペシャリティマテリアルズセグメント(ポリマーズ&コンパウンズ、フィルムズ&モールディングマテリアルズ、アドバンストソリューションズ)当セグメントの売上収益は1兆1,729億円(前連結会計年度比608億円減)となり、コア営業利益53億円(同462億円減)となりました。ポリマーズ&コンパウンズサブセグメントにおいては、販売価格の是正に加え、為替影響があったものの、バリア包材や塗料・インキ・接着剤用途等の需要が減退したこと等による販売数量の減少により、売上収益は減少しました。 フィルムズ&モールディングマテリアルズサブセグメントにおいては、販売価格の是正に加え、為替影響があったものの、炭素繊維や高機能エンジニアリングプラスチックを始め、食品包装用フィルムやポリエステルフィルム等、総じて需要が減退したこと等による販売数量の減少により、売上収益は減少しました。 アドバンストソリューションズサブセグメントにおいては、為替影響があったものの、半導体関連事業を中心に販売数量が減少したことにより、売上収益は減少しました。 当セグメントのコア営業利益は、販売価格の維持・向上により売買差が改善したものの、総じて需要が減退したことによる減販等により、大幅に減少しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施または発生した主な事項は、以下のとおりです。・電解液事業の拡大に向け、Neogen Chemical Limited(本社:インド・マハラシュトラ州)と、インドにおけるリチウムイオン二次電池(LIB)用電解液の製造技術ライセンス供与に関する契約を2023年4月に締結しました。また、フッ素ケミカルメーカーのKoura社(本社:アメリカ・マサチューセッツ州)と、北米におけるLIB用電解液のサプライチェーン強化などに向けた協業検討を実施する覚書を2023年4月に締結しました。・負極材事業の拡大に向け、LIB用正極材メーカーの韓国L&F Co., Ltd.(本社:大韓民国・テグ市)と、米国FTA締結国におけるLIB用負極材のサプライチェーン強化などに向けた協業検討を実施する覚書を締結しました。・炭素繊維事業の強化に向け、炭素繊維強化プラスチック製の自動車部材メーカーである持分法適用会社のシーピーシー社(本社:イタリア・モデナ市)の全株式を取得することを2023年10月に決定し、2024年1月に完了しました。このたびの全株式取得により、垂直統合したサプライチェーンの強化・拡大を図り、当事業の長期的な成長を加速していきます。・高品質な食品の世界的な需要拡大に応えるため、乳化剤「シュガーエステル」について、2024年3月に稼働した九州事業所の製造設備(生産能力:2,000t/年)に加え、新ライン(生産能力:1,100t/年)を増設することを同年3月に決定しました。新ラインの稼働は、2026年3月を予定しています。 ロ 産業ガスセグメント(産業ガス)当セグメントの売上収益は1兆2,469億円(前連結会計年度比690億円増)となり、コア営業利益は1,630億円(同420億円増)となりました。国内外の需要は軟調であったものの、各地域で推進する価格マネジメントや為替影響等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、売上収益の増加に加え、コスト削減の影響等により増加しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施または発生した主な事項は、以下のとおりです。・Terranova nv(本社:ベルギー)とLuminus(本社:ベルギー)とともに、グリーン水素を製造する合弁会社Terranova Hydrogen NV(本社:ベルギー・ゼルザーテ)を設立し、グリーン水素製造プラントを建設し、運営します。製造開始は2025年初頭を予定しています。 ・1PointFive社(本社:アメリカ)と、同社がテキサス州に建設するDAC(Direct Air Capture)プラント向け酸素供給契約を締結しました。2025年半ばの操業開始を予定しています。・大陽日酸系統科技股?有限公司(本社:台湾・新竹県)に2023年11月に新工場を建設し、エレクトロニクス向け機器事業拡大に向け製作能力を約2倍に増強しました。 ハ ヘルスケアセグメント(ヘルスケア)当セグメントの売上収益は4,372億円(前連結会計年度比982億円減)となり、コア営業利益は563億円(同879億円減)となりました。重点品・新製品や米国で発売した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「RADICAVAR ORS」の販売が順調に推移したものの、国内医療用医薬品の薬価改定の影響等に加え、前期は第4四半期連結会計期間において多発性硬化症治療剤「ジレニアR」のロイヤリティに係る仲裁判断の結果を受けた1,259億円の収益認識があり、売上収益は減少しました。コア営業利益は、メディカゴ社の事業撤退に伴う研究開発費等の減少があったものの、「ジレニアR」の収益認識の影響が大きく、減少しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施または発生した主な事項は、以下のとおりです。・エダラボン経口懸濁剤(開発コード:MT-1186)について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症として、2023年5月にスイス(製品名:「RADICAVAR Oral Suspension」)で承認を取得しました。同剤は、米国・カナダ・日本で既に承認されています。・SGLT2阻害剤「カナグルR錠 100mg」(一般名:カナグリフロジン水和物)について、口腔内崩壊錠(OD錠)の剤形追加承認を日本において2024年3月に取得しました。 ニ MMAセグメント(MMA)当セグメントの売上収益は2,816億円(前連結会計年度比236億円減)となり、コア営業利益は8億円(同48億円増)となりました。MMAモノマー等の市況の下落により、売上収益は減少しました。コア営業利益は、英国のキャッセル工場閉鎖に伴う費用の減少に加えて、定期修理の影響が縮小したこと等により、増加しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施または発生した主な事項は、以下のとおりです。・MMA及びアクリロニトリル事業の供給体制を最適化し、競争力を強化するため、広島事業所で生産しているACH法MMAモノマー(生産能力:107,000t/年)、アクリロニトリル(生産能力:90,000t/年)及びアクリロニトリル誘導品について、生産終了することを2024年2月に決定しました。同年7月より対象製品の生産を停止する予定です。 ホ ベーシックマテリアルズセグメント(石化、炭素)売上収益は前連結会計年度に比べ1,132億円減少し1兆86億円となり、コア営業利益は同314億円減少し193億円の損失となりました。石化サブセグメントにおいては、為替影響があったものの、需要が減退したこと等による販売数量の減少に加え、原料価格の下落等に伴い販売価格が下落したことにより、売上収益は減少しました。炭素サブセグメントにおいては、原料価格の下落及び需要の低迷に伴いコークスの販売価格が下落したことにより、売上収益は減少しました。当セグメントのコア営業利益は、ポリオレフィン等において原料と製品の価格差が拡大したものの、コークス市況の下落等による売買差の悪化に加え、原料価格の下落に伴い在庫評価益が縮小したことや総じて需要の減退等に伴い販売数量が減少したことにより、大幅に減少しました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施または発生した主な事項は、以下のとおりです。・LIBや半導体の需要拡大に対応するため、岡山事業所においてγ-ブチロラクトンの生産能力を、現在の18,000t/年から20,000t/年に増強することを決定しました。2024年7月の稼働を予定しています。・ポートフォリオ改革の一環として、当社グループが保有する高純度テレフタル酸(PTA)事業を行う三菱ケミカルインドネシア社の株式を、PT Lintas Citra Pratamaに譲渡することを2023年12月に決定しました。これに伴い、当社グループの三菱ケミカルインドネシア社の株式保有比率は20%となる予定です。今後段階的に売却し、三菱ケミカルインドネシア社は将来的にPT Lintas Citra Pratamaの100%子会社となる予定です。・ビスフェノールAの供給体制を最適化し、事業の競争力を強化するため、黒崎工場における生産を2024年3月末に終了しました(生産能力:120,000t/年)。 ヘ その他その他部門の売上収益は2,400億円(前連結会計年度比205億円減)となり、コア営業利益は144億円(同8億円減)となりました。 当連結会計年度に当セグメントにおいて当社グループが実施または発生した主な事項は、以下のとおりです。・ポートフォリオ改革の一環として、当社グループが保有するクオリカプス㈱の全株式を、Roquette Freres SA(本社:フランス・レストロン)へ譲渡することで同社と合意し、2023年7月28日付で株式譲渡契約を締結し、同年10月に譲渡を完了しました。 ト グループ全般当社グループは、2021年度から2025年度までの経営方針「Forging the future 未来を拓く」に基づき、「One Company, One Team」の考えによるフラットな組織体制への移行を進めています。これに伴い、2023年10月に、当社と三菱ケミカル㈱のシンガポールにおけるそれぞれの子会社を当事者とするグループ内組織再編を行い、分散している管理機能を再編し集約、最適化することにより、経営効率の向上を図ることといたしました。 なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。また、主な販売先別の販売実績及び総販売額実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 ② キャッシュ・フロー(金額単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度営業活動によるキャッシュ・フロー3,5524,651投資活動によるキャッシュ・フロー△2,476△2,461フリー・キャッシュ・フロー1,0762,191財務活動によるキャッシュ・フロー△608△2,417為替換算差等46204現金及び現金同等物の期末残高2,9722,949 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益や減価償却費等に加え、棚卸資産の削減等による運転資本の減少等により、4,651億円の収入(前連結会計年度比1,100億円の収入の増加)となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入等があったものの、有形固定資産及び無形資産の取得2,745億円等により、2,461億円の支出(同15億円の支出の減少)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、2,191億円の収入(同1,115億円の収入の増加)となりました。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済による支出1,666億円や配当金の支払い579億円等により、2,417億円の支出(同1,809億円の支出の増加)となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比べて23億円減少し、2,949億円となりました。 ③ 財政状態(金額単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度資産57,74361,045負債37,85938,290 (内、有利子負債)23,75823,382資本19,88422,755親会社所有者帰属持分比率(%)27.128.9ネットD/Eレシオ (注)1.331.16 (注) ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債(*1)/親会社の所有者に帰属する持分(*1)ネット有利子負債=有利子負債-(現金及び現金同等物+手元資金運用額(*2))(*2)手元資金運用額は、当社グループが余剰資金の運用目的で保有する現金同等物以外の譲渡性預金・有価証券等です。 当連結会計年度末の資産合計は、シーピーシー社(C.P.C. S.r.l.)の完全子会社化や、円安の進行に伴う在外連結子会社の資産の円貨換算額の増加等により、前連結会計年度末に比べ3,302億円増加し、6兆1,045億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、社債及び借入金の減少等がありましたが、円安の進行に伴う在外連結子会社の負債の円貨換算額の増加等により、前連結会計年度末に比べ431億円増加し、3兆8,290億円となりました。なお、当連結会計年度末のリース負債を含む有利子負債は、前連結会計年度末に比べ376億円減少し、2兆3,382億円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、配当による減少がありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上や、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,871億円増加し、2兆2,755億円となりました。 これらの結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べて1.8ポイント増加し、28.9%となりました。なお、ネットD/Eレシオは、前連結会計年度末と比べて0.17減少し、1.16となりました。 (2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針「Forging the future 未来を拓く」(以下「経営方針」といいます。)で設定した財務目標に対する達成・進捗状況については、以下のとおりです。 売上収益・コア営業利益・EBITDA推移 注1)ジレニア仲裁判断の結果(1,259億円の収益認識)を控除して算定したFY22(当連結会計年度)の実績は売上収益 45,086億円、コア営業利益 1,997億円、コア営業利益率 4.4%です。注2)石化事業100%保有ケース 注1)ジレニア仲裁判断の結果を控除して算定したFY22の実績はEBITDA 4,574億円、EBITDAマージン 10.1%です。注2)石化事業100%保有ケース 収益性・安定性指標推移注1)EPSは継続事業に係る1株当り利益を表示しています。注2)ジレニア仲裁判断の結果を控除して算定したFY22の実績は、EPS 4.9円、ROIC 3.6%、ROE 0.5%です。注3)石化事業100%保有ケース 各種指標の算定式指標算定式EBITDAコア営業利益-コア営業利益に含まれる持分法による投資損益+減価償却費及び償却費ROE親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均)ROICNOPAT(*3)/投下資本(期首・期末平均)(*4) (*3) NOPAT=(コア営業利益-コア営業利益に含まれる持分法による投資損益)×(1-税率)+コア営業利益に含まれる持分法による投資損益+受取配当金 (*4) 投下資本=資本合計+有利子負債 当連結会計年度は、半導体関連市場や広く産業材等において需要が低調に推移したなか、スペシャリティマテリアルズ及びベーシックマテリアルズの販売数量が前期比で大きく減少した一方で、産業ガス及びヘルスケアの北米におけるラジカヴァの販売等が好調を維持し、コア営業利益は前連結会計年度のジレニア影響(注)を除き4%の増益となりました。価格マネジメントやコスト削減活動を精力的に進め、前連結会計年度に比べて売買差改善及びコスト削減効果(1,006億円)を積み上げたことが、コア営業利益の増加につながりました。 (注)ヘルスケアセグメントにおいて多発性硬化症治療剤ジレニアのロイヤリティにかかる仲裁判断の結果を受け、前連結会計年度の第4四半期に一括で収益認識した影響(1,259億円) ② 経営環境と今後の見通し当社グループを取り巻く事業環境は、緩やかな回復基調の継続が期待される一方で、金融資本市場の変動、中国景気の減速、地政学的な緊張などの下振れリスクに十分留意する必要があります。このような状況下、当社グループにおいては、スペシャリティマテリアルズで総じて需要が回復することに加えて、MMA、ベーシックマテリアルズの石化製品やコークス等においても需要回復と市況の改善を見込んでおります。また産業ガスやヘルスケアについては好調継続を見込みます。以上を踏まえ、翌連結会計年度の連結業績につきましては、売上収益は4兆6,230億円、コア営業利益は2,500億円、営業利益は2,100億円、税引前利益は1,710億円、当期利益は1,160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は520億円となる見込みです。 上記の見通しにおける主要指標の想定値は以下のとおりです。(金額単位:億円) 2024年3月期(実績)2025年3月期(予想)設備投資額2,8393,510減価償却費      2,7542,730研究開発費1,2161,290為替(円/US$)    (注)145.3150.0ナフサ価格(円/KL) (注)69,10075,000 (注)それぞれ、2023年4月~2024年3月、2024年4月~2025年3月の平均 (3) 資本の財源及び資金の流動性① 財務方針及び企業価値の向上当社グループは経営方針「Forging the future 未来を拓く」のもとで築いた強固な経営基盤を活かし、企業価値向上に向けた改革を加速して、KAITEKIの実現をリードするグリーン・スペシャリティの化学会社に「変身」することをめざします。今秋の事業説明会において、そのための新たな成長戦略、財務目標等を公表する予定です。 当社グループでは資本コストを意識した経営に取り組んでおり、経営指標の策定や投資判断に活用しております。企業価値向上のため、株主資本コストを上回るROEを経営指標として設定するとともに、ROICを注力事業の選別基準の一つとし、市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしてポートフォリオ運営を進めてまいります。 ② 資金調達及び資金配分方針当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金に加え借入金、社債等による調達を実施しているほか、複数の金融機関とのコミットメント・ラインの設定に加え複数の金融機関との間のアンコミットメントベースの当座借越契約、コマーシャル・ペーパー発行枠及び国内社債発行登録枠等の確保により資金調達手段の多様化を図り、十分な流動性の確保を行っております。資金配分の方針につきましては、今秋の事業説明会において、新たな成長戦略、財務目標とともに公表する予定です。 (4) 重要な会計上の見積り連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。 当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりです。 ① 非金融資産の減損 ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額当社グループは、連結財政状態計算書に、有形固定資産2,043,330百万円、のれん832,899百万円、無形資産481,028百万円(うち、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産68,793百万円)を計上しております。なお、当連結会計年度において減損損失を33,530百万円計上し、連結損益計算書の「その他の営業費用」に含めております。その主な内訳は、三菱ケミカルインドネシア社の高純度テレフタル酸の製造設備です。減損損失の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 16.減損損失」をご参照ください。ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報(ⅰ)算出方法当社グループは有形固定資産、のれん及び無形資産について、減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、その資産の使用価値や処分費用控除後の公正価値の算定を行っております。使用価値の算定にあたっては、貨幣の時間価値及びその資産に特有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を計算しております。なお、将来キャッシュ・フローの見積りにあたって利用する事業計画は原則として5年を限度とし、事業計画の予測の期間を超えた後の将来キャッシュ・フローは個別の事情に応じた5年を超える期間の長期平均成長率をもとに算定しております。(ⅱ)主要な仮定使用価値の算定における主要な仮定は以下のとおりです。(技術に係る無形資産(仕掛研究開発費、開発段階にある導入契約により取得した権利))規制当局の販売承認の取得の可能性、上市後の売上収益の予測及び割引率(有形固定資産、上記を除く無形資産、のれん)原則として5年を限度とする事業計画における将来キャッシュ・フローの見積り、割引率及び5年を超える期間の長期成長率。将来キャッシュ・フローの見積額は主として、売上収益の予測及び市場の成長率に影響を受けます。(ⅲ)翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば回収可能価額の算定結果が異なる可能性があります。 ② 繰延税金資産の回収可能性ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額繰延税金資産(純額) 97,395百万円ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報(ⅰ)算出方法当社グループでは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックス・プランニングを考慮し、繰延税金資産を計上しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 (6) 法人所得税」をご参照ください。(ⅱ)主要な仮定将来課税所得の基礎となる将来の事業計画における主要な仮定は売上収益の予測です。(ⅲ)翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び将来減算一時差異と繰越欠損金の解消が予測される期間における将来課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えております。将来課税所得の予測及び主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば繰延税金資産の回収可能性の評価の算定結果が異なる可能性があります。 ③ 確定給付制度債務の測定 ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額退職給付に係る負債 104,828百万円ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度債務は年金数理計算により算定しており、その前提条件には割引率等の見積りが含まれております。主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば確定給付制度債務の評価額の算定結果が異なる可能性があります。確定給付制度債務に係る詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.退職給付」をご参照ください。 ④ 金融商品の公正価値ⅰ 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額公正価値ヒエラルキーがレベル3の株式及び出資金(売却目的で保有する資産を除く) 103,106百万円 なお、上記の金額は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含めております。ⅱ 連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報当社グループにおいて活発な市場における公表価格が入手できない非上場株式及び出資金の公正価値は、合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法又はその他の適切な評価技法を用いて算定しております。選択された価値評価技法と主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば公正価値の評価額の算定結果が異なる可能性があります。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 36.金融商品 (8) 金融商品の公正価値」をご参照ください。

※本記事は「三菱ケミカルグループ株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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