日揮ホールディングス株式会社の基本情報

会社名日揮ホールディングス株式会社
業種建設業
従業員数連8865名 単249名
従業員平均年齢44.8歳
従業員平均勤続年数14.4年
平均年収10834442円
1株当たりの純資産1598.71円
1株当たりの純利益-32.48円
決算時期3月
配当金40円
配当性向56.3%
株価収益率(PER)13.42倍
自己資本利益率(ROE)-2%
営業活動によるCF110億円
投資活動によるCF▲202億円
財務活動によるCF▲88億円
研究開発費※127000000円
設備投資額※178.77億円
販売費および一般管理費※1296.59億円
株主資本比率※260.8%
有利子負債残高(連結)※3385.34億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 基本方針当社グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所として企業理念「JGC’s Purpose and Values」を制定しております。「JGC’s Purpose and Values」は日揮グループのパーパス(存在意義)及びValues(価値観)の2つの要素から構成され、日揮グループのパーパス(存在意義)として、「Enhancing planetary health」を掲げ、当社グループ共通のValuesとして、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。当社グループは、企業理念「JGC’s Purpose and Values」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、以て人と地球の健やかな未来づくりに貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略及び会社の対処すべき課題当社グループは、2021年度から2025年度の5ヶ年を長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の1stフェーズ、挑戦の5年間と位置づけ、中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025(BSP2025)」において、「EPC事業のさらなる深化」、「高機能材製造事業の拡大」、「将来の成長エンジンの確立」を重点戦略とし、戦略投資に積極的に取り組むことで収益の拡大、多様化を進めております。財務目標として、2025年度に売上高8,000億円、営業利益600億円、親会社株主に帰属する当期純利益450億円、自己資本利益率(ROE)10%を掲げております。 ご参考:BSP2025「3つの重点戦略」(1)EPC事業のさらなる深化① 大型EPCプロジェクトの競争力・収益力をさらに強化2025年度の海外の大型EPC(設計・調達・建設)プロジェクトの売上高目標を3,500億円に設定し、リスク管理・プロジェクト折衝力の強化を通じたプロジェクト粗利益率の向上と、JV組成戦略・デジタル技術・建設工法の最適化による受注競争力の向上を推し進め、大型EPCプロジェクトにおける当社グループの強みをさらに深化させていきます。② EPC事業の成長市場・分野への拡大大型EPCプロジェクトに加え、EPC事業を成長市場・成長分野に拡大し、ポートフォリオの多様化を推進していくことで、2025年度の成長市場・分野におけるEPC事業の売上高目標として3,000億円の達成を目指します。今後案件の増加するLNG受入基地、ガス火力発電、太陽光発電、バイオマス発電、医薬品、病院、ケミカル分野の強化による収益拡大と並行して、成長著しいアジア地域におけるリージョナル経営体制の強化並びに、国内市場への対応も見据えた人員増強を図ります。 (2)高機能材製造事業の拡大高機能材製造事業においては、事業規模を拡大し、2025年に売上高600億円の達成を目指します。その実現に向け、既存主力事業においてプロパーケミカル触媒、ハードディスク用研磨材、半導体製造装置関連素材等の製品ラインナップを増やし、収益の拡大に取り組みます。また、将来を見据えた戦略投資と次世代事業の開発にも取り組みます。戦略投資ではファインケミカル新製品開発や高熱伝導窒化ケイ素基板生産設備、次世代事業の開発ではカーボンリサイクル向け触媒、全固体電池用電解質、骨再生材料等が対象となります。 (3)将来の成長エンジンの確立「2040年ビジョン」で定めた5つのビジネス領域について、特に将来の成長エンジンとして期待する以下のビジネスの確立に取り組みます。2025年度は売上高500億円を計画し、10年後には売上高5,000億円規模のビジネスに育成していく方針です。 ・エネルギートランジション領域:カーボンマネジメント支援、洋上風力、スマートO&M、水素・燃料アンモニア、小型モジュール原子炉(SMR)・ヘルスケア・ライフサイエンス領域:スマートホスピタル、スマート工場、デジタルヘルスケア・高機能材領域:カーボンリサイクル・ケミカルリサイクル向け触媒、骨再生材料/OCP 等・資源循環領域:廃プラスチック、廃繊維リサイクル、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)製造・産業・都市インフラ領域:水処理、鉄道 BSP2025の計画3年目となる2023年度において、「EPC事業のさらなる深化」では、海外プラント市場の中長期的な拡大を見据えたプロジェクト遂行キャパシティ拡大の一環として、インドに設立したオペレーションセンターの人員拡大を進めたほか、国内EPC事業の拡大に向けて、国内EPC事業会社である日揮株式会社は、株式会社高田工業所と国内EPC事業を対象とした協業基本合意書を締結しました。今後増加が見込まれる国内の低・脱炭素分野や資源循環分野の案件を共同で遂行し、より多くの案件に対応していく方針です。加えて、「将来の成長エンジンの確立」における産業・都市インフラ領域の拡大にも関連する取組みとして、海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社が、半導体や蓄電池などの先端技術産業分野のリーディングコントラクターであるExyte社傘下のExyte Singapore Pte. Ltd.と、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイの4カ国における同分野のEPCプロジェクトの受注・遂行に関する協業契約を締結しました。同分野での営業活動からEPCプロジェクト見積・受注・遂行を共同で実施し事業拡大を目指していく方針です。また、遂行中の複数の海外EPCプロジェクトにおいて、データ統合管理システムを適用し、EPC役務をシームレスに遂行するデジタル技術を活用したプロジェクト遂行(EPC DX)を本格化させました。また、当連結会計年度において当社グループは、日揮グローバル株式会社がタイで遂行中の化学プラント及びサウジアラビアで遂行中の原油・ガス関連プラント建設プロジェクトなどにおいて採算悪化を招くこととなりました。これらプロジェクトにおける採算悪化を重く受け止め、新規プロジェクトの受注に際して、採算性に加えて設計業務に関して適正配員を重視した対応や事業管理体制の見直しや強化などに全力で取り組んでいく所存です。「高機能材製造事業の拡大」では、触媒・ファインケミカル分野において、同分野の事業会社である日揮触媒化成株式会社は、合成燃料用やケミカルリサイクル用の触媒、及び高速通信材料や半導体用機能性研磨粒子など新規ファインケミカル製品の今後の需要拡大に向けて、現在所有する事業所の隣接地に新たな事業用地を取得しました。また、ファインセラミックス分野においては、同分野の事業会社である日本ファインセラミックス株式会社は、顧客ニーズに応えるために、電気自動車向けパワー半導体の高熱伝導窒化ケイ素基板の増産に向けて、宮城県富谷市で新工場の建設を開始しました。加えて同社は、東北大学とともに骨再生材料のリン酸八カルシウム(OCP)の量産に世界で初めて成功し、幅広い医薬品・医療機器製造会社との協業を目指してサンプル出荷を開始しました。「将来の成長エンジンの確立」では、エネルギートランジション領域の水素・燃料アンモニア分野において、日揮グローバル株式会社が、住友商事株式会社の豪州現地法人向け水素製造プラント建設プロジェクトを受注したほか、ENEOS株式会社などがマレーシアで計画するMCH製造プラントの基本設計役務や、当社及び旭化成株式会社などが共同で推進する、マレーシアにおけるアルカリ水電解システムの建設を含む水素製造プラントの基本設計役務などを受注しました。また当社は、株式会社クボタなどとともに、大規模な水素製造事業への参入を視野に、輸入したアンモニアを熱分解して水素を得る「大規模外部加熱式アンモニア分解水素製造技術の研究開発」を開始しました。さらに、当社が石油資源開発株式会社などとともに進める日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討に、JFEスチール株式会社のほか、中国電力株式会社及び日本ガスライン株式会社が参画し、JFEスチール株式会社及び中国電力グループが保有する日本国内の製鉄所や発電所で排出されるCO2の分離・回収、及びマレーシアまでの液化CO2の海上輸送(瀬戸内エリアでの内航輸送を含む)と受入れ、貯留までのCCSバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどを含めた検討を開始しました。廃食用油を原料とした国産SAF製造・供給事業において、当社は、外食チェーン大手、金融機関や給食事業などに携わる様々な企業と廃食用油の供給及び利用に関する基本合意書を締結し原料の確保に取り組みました。コスモ石油堺製油所における大規模生産実証設備についても、2024年度下期から2025年度初頭の生産開始を目指して建設工事を進めております。さらに、将来の市場拡大が見込まれるバイオものづくりに対し、当社は株式会社バッカス・バイオイノベーションと共同で、微生物の開発・改良から培養槽のスケールアップ、生産プロセスの開発までをワンストップで手掛ける「統合型バイオファウンドリ」事業の構築に取り組むなど、ビジネスモデルの多角化にも取り組みました。 総合エンジニアリング事業プラントマーケット全般として、天然ガス(LNGを含む)に加えて、低・脱炭素分野等においても、顧客の設備投資計画は引き続き豊富にあるものの、金利上昇や建設費用等の増加により顧客の初期投資費用が増加傾向にあるため、一部の顧客において投資決定時期を先送りする動きが出ております。また中東情勢などの地政学的リスクの高まりや、2024年の政治イベントとして米国大統領選挙などが予定されており、その結果次第では世界経済、ひいては当社グループのビジネスにも大きな影響を及ぼす可能性があることから、その状況を注視しております。エネルギーソリューションズ分野では、トランジションエネルギーとしての天然ガス(LNGを含む)の需要は、引き続きアジアやアフリカを中心に拡大していく見通しです。これを背景に中・長期的なエネルギーの安定確保と低・脱炭素社会の実現を見据えたLNGなどの設備投資計画が、引き続き進展していく見通しです。サステナブルソリューションズ分野では、世界的な低・脱炭素化の潮流を受け、水素・燃料アンモニアやSAF、CCS、合成メタン(e-methane)などの低・脱炭素分野のプラント建設計画が本格的に動きだしており、政府による導入目標などのイニシアチブや補助金によるサポートも受けながら顧客の設備投資計画が実現していくことを期待しております。ファシリティソリューションズ分野においては、世界的なデジタル産業の拡大や生産拠点の多様化などに伴って、需要が高まる半導体や蓄電池の周辺産業、及びデータセンターなどの設備投資計画が北米やアジアなどで引き続き進展していく見通しでおります。国内分野においては、水素・燃料アンモニア、SAF、廃プラスチックガス化などを中心とする低・脱炭素分野や資源循環分野において、顧客の設備投資計画が実現していくことを期待しております。一方で、政府による補助金交付の遅れや建設費用等の増加によって、顧客の初期投資費用が増加傾向にあることから、一部の顧客において投資決定時期を先送りする動きが出ており、その動向を注視しております。また、ライフサイエンス分野でも顧客の設備投資が引き続き継続していく見通しであるほか、既存製油所・化学プラントの保全工事においては、2024年度はメジャー年に当たり、定期修繕工事の需要が増加する見通しです。 機能材製造事業触媒分野においては、FCC触媒の国内シェア拡大及び海外展開に加え、水素化処理触媒の協業先企業との体制維持と収益性向上、ケミカル触媒の新規案件獲得、拡大するカーボンリサイクルやケミカルリサイクル分野に対応する新規ケミカル触媒の製品化、再生可能エネルギー発電向け環境保全触媒の材料開発などを目指します。ファインケミカル分野においては、主力であるエレクトロニクスや半導体市場の事業環境悪化の影響が懸念されるものの、シリカゾルの新規研磨材の立上げ、機能性塗料材の拡販及び多用途展開、化粧品材のプラスチックビーズ代替拡大とオプト材の拡販、多用途展開に注力してまいります。 ファインセラミックス分野においても、半導体製造装置市場の事業環境が引き続き停滞する影響が懸念されるものの、新規顧客獲得や新分野参入のほか、高熱伝導窒化ケイ素基板のさらなる受注拡大に取り組んでまいります。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 当連結会計年度の概況当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による各国の経済活動の正常化や資源価格の落ち着き、個人消費の増加などによって世界経済は引き続き回復傾向にありました。世界経済の先行きも、中東情勢などの地政学的リスクの高まりはあるものの、インフレーション率の鈍化や金融緩和の動きが見え始めたことによって、底堅さを示しはじめました。このような状況のなか、当社グループの総合エンジニアリング事業の海外マーケットにおいて、エネルギーソリューションズ分野(石油精製、石油化学・化学、ガス処理、LNG等)では、エネルギー安全保障と低・脱炭素化の両立の観点から、環境負荷が比較的少ない天然ガス(液化天然ガス(LNG)を含む)の需要は引き続き高く、産油・産ガス諸国において新設のみならず既設プラントの増設・改造などの設備投資計画が進展しました。サステナブルソリューションズ分野(水素・燃料アンモニア、小型モジュール原子炉(SMR)、スペシャリティケミカル、ケミカルリサイクル、グリーンケミカル等)では、低・脱炭素化に向けた各国の政策や支援が後押しし、水素・燃料アンモニア、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage : CO2の回収・貯留)、合成メタン(e-methane)などの領域において、実現に向けた計画検討が前進するなどしました。ファシリティソリューションズ分野(半導体、蓄電池、データセンター、発電、受入基地、医薬、医療、水処理、鉄道等)では、デジタル社会の進展や米国の対中政策等に伴い需要が高まる半導体材料や、蓄電池部材、データセンターなど、デジタル産業を支えるインフラ施設や関連施設の設備投資計画が北米やアジアなどを中心に着実に進展しました。また、同事業の国内マーケットにおいて、ライフサイエンス分野の設備投資計画が堅調に進んだほか、グリーンイノベーション基金や長期脱炭素電源オークションなど日本政府の政策が追い風となり、SAFや水素、蓄電池といった低・脱炭素分野や資源循環分野における設備投資計画が進展しました。このように国内外で様々な設備投資計画が進展する一方で、金利上昇や建設費用等の増加により、顧客の初期投資費用が増加傾向にあったことなどから、一部の顧客において投資決定時期を2024年度以降に先送りする動きがありました。機能材製造事業においては、触媒・ファインケミカル分野では、触媒製品は世界経済の回復傾向を受けて顧客の製品需要は堅調に推移したものの、ファインケミカル製品は供給過剰に伴う顧客の在庫調整により、半導体やエレクトロニクス向け製品は厳しい事業環境となりました。ファインセラミックス分野では、半導体関連市場における景気停滞が続いたものの、電気自動車向けのパワー半導体関連製品は、自動車のEV化の加速により引き続き需要が拡大しました。また、総合エンジニアリング事業において、第3四半期連結会計期間に損失を計上したタイの化学プラント建設プロジェクトにおいて、設計及び調達業務の進捗状況から配管材料調達コスト及び遅延対応費用を追加で見込む必要が生じました。また、主要な海外プロジェクトの進捗状況に照らして今後の遂行計画及び実行予算について集中的な再検討を行い、最近の設計業務における配員状況や中東での資機材の需給逼迫による納期遅延といった当連結会計年度の採算悪化に影響を及ぼしている事業環境を考慮し、必要と判断されるリスク対応費用を追加的に見込むことといたしました。その結果、サウジアラビアにおける石油・ガス関連案件において損失引当を行ったほか、海外子会社において追加損失計上及び新たに1件の損失引当を行うこととなり、当社グループの当連結会計年度の業績等については、以下のとおりとなりました。経営成績 当連結会計年度(百万円)前年同期増減率(%)売上高832,59537.2営業損失(△)△18,995-経常利益358△99.3親会社株主に帰属する当期純損失(△)△7,830- 受注高地域当連結会計年度(百万円)割合(%)海外158,67944.7国内196,47155.3合計355,151100.0 当連結会計年度末の受注残高は、為替変動による修正及び契約金額の修正・変更等を加え、1兆2,534億円となりました。なお、当連結会計年度の連結財政状態の概況は以下のとおりであります。 (資産)当連結会計年度末における流動資産は6,035億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ640億69百万円の増加となりました。これは主に受取手形・営業債権及び契約資産等が589億73百万円増加したことによるものです。固定資産は1,887億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億円の増加となりました。これは主に有形固定資産が121億76百万円、無形固定資産が23億3百万円増加したことによるものです。この結果、総資産は7,922億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ791億69百万円の増加となりました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は3,507億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ785億30百万円の増加となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が573億3百万円増加したことによるものです。固定負債は536億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億34百万円の増加となりました。これは主に社債が100億円増加したことによるものです。この結果、負債合計は4,044億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ892億65百万円の増加となりました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は3,878億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ100億95百万円の減少となりました。これは主に配当などにより利益剰余金が91億42百万円減少したことによるものです。この結果、自己資本比率は48.7%(前連結会計年度末は55.7%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較し82億48百万円減少し、3,245億7百万円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益28億9百万円に加え、売上債権及び契約資産や仕入債務など運転資本の増減などにより、結果として110億90百万円の増加(前連結会計年度は1,107億69百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより202億1百万円の減少(前連結会計年度は114億71百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより88億94百万円の減少(前連結会計年度は612億88百万円の減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績ⅰ)生産実績セグメントの名称当連結会計年度(百万円)(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)総合エンジニアリング事業--機能材製造事業46,928107.5報告セグメント計46,928107.5その他の事業--合計46,928107.5 (注)金額は販売価格によっております。 ⅱ)受注実績セグメントの名称当連結会計年度(百万円)(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)総合エンジニアリング事業293,88735.7機能材製造事業53,589112.3報告セグメント計347,47739.9その他の事業7,674108.6合計355,15140.4 ⅲ)売上実績セグメントの名称当連結会計年度(百万円)(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)総合エンジニアリング事業773,106140.2機能材製造事業52,012108.9報告セグメント計825,119137.7その他の事業7,47599.5合計832,595137.2 (注)売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)サウスリファイナリーズ社93,60315.4169,06620.3LNGカナダ社171,41928.2127,37415.3 (参考)受注高、売上高及び受注残高(単位:百万円)区分前連結会計年度末受注残高当連結会計年度受注高 当連結会計年度 売上高 当連結会計年度末受注残高総合エンジニアリング事業1,563,459293,887773,1061,243,957 国内  エネルギートランジション関係   石油・ガス関係8,66321,31324,2095,766   LNG関係01212-   化学関係24,13619,51030,12613,496   クリーンエネルギー関係134,28427,42664,14697,469   その他3,3262,0034,703472 計170,41070,265123,199117,204  ヘルスケア・ライフサイエンス関係67,62277,35759,34885,414  産業・都市インフラ関係1389,0391,7767,401  その他15461269024 国内計238,326157,273185,015210,045 海外  エネルギートランジション関係   石油・ガス関係739,09845,929298,133570,862   LNG関係376,01847,085203,615270,722   化学関係183,93624,09761,513170,243   クリーンエネルギー関係2,06811,1133,6759,517   その他6,4697274,7542,897 計1,307,590128,953571,6921,024,243  ヘルスケア・ライフサイエンス関係17,2242,86713,3927,570  産業・都市インフラ関係3184,0562,5131,855  その他-737492242 海外計1,325,132136,614588,0911,033,912機能材製造事業7,03653,58952,0128,660その他の事業5977,6747,475835合計1,571,093355,151832,5951,253,452 (注)1.総合エンジニアリング事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額159,716百万円を含んでおります。2.機能材製造事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額46百万円を含んでおります。3.その他の事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額38百万円を含んでおります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ① 当連結会計年度の概況」に記載のとおり、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高8,325億95百万円(前期比37.2%増)、営業損失189億95百万円(前期は営業利益366億99百万円)、経常利益3億58百万円(前期比99.3%減)、親会社株主に帰属する当期純損失78億30百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益306億65百万円)となりました。売上高は、海外及び国内プロジェクトの順調な進捗によって前連結会計年度と比較して増収となったものの、営業利益は、総合エンジニアリング事業の国内外プロジェクトでの採算悪化により売上原価が増大したことで営業損失となりました。経常利益は、金利上昇の影響を受け、受取利息の増加があったものの、プロジェクト採算悪化による売上総利益減少の影響を吸収しきれず、前連結会計年度と比較して減益となりました。外国税額の増加に加え損益悪化した海外子会社の税負担増加により、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなりました。 当連結会計年度のセグメント別の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。 総合エンジニアリング事業(百万円)前年同期増減率(%)機能材製造事業(百万円)前年同期増減率(%)その他の事業(百万円)前年同期増減率(%)売上高773,10640.252,0128.97,475△0.5営業利益又は営業損失(△)△22,094-7,2511.12,01012.6 総合エンジニアリング事業総合エンジニアリング事業においては、海外では中東での製油所近代化プロジェクトや北米での大型LNGプロジェクト、国内ではライフサイエンス関連プロジェクトやバイオマス発電プロジェクトの進捗が順調に伸びたこと、また期末に向けて円安が進行したことにより、売上高は前連結会計年度と比較して増収となりましたが、国内外のプロジェクトで追加費用やリスク対応費用を見込んだことなどにより採算が悪化しセグメント損失となりました。 機能材製造事業触媒分野においては、FCC触媒、水素化処理触媒を中心に原燃材料高騰の影響を一部販売価格へ転嫁できたこと、海外顧客への販売量の増加及び円安の影響により増収となりました。ファインケミカル分野においては、半導体やエレクトロニクス市場における在庫調整が継続しており減収となりました。ファインセラミックス分野においては、半導体関連市場の需要の低迷が継続する一方で、電気自動車やハイブリッド車向け高熱伝導窒化ケイ素基板の需要は引き続き旺盛で増収となりました。セグメント利益は変動費の削減や生産性向上を積極的に進めたものの、半導体関連需要低迷の継続、生産設備増強に伴う減価償却費負担の増加等により、前連結会計年度からほぼ横ばいとなりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、金利上昇による受取利息の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローが110億90百万円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に土地やソフトウェア等の有形固定資産、無形固定資産の取得による支出により202億1百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により88億94百万円の減少となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末から82億48百万円減少し3,245億7百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。 (資金需要)総合エンジニアリング事業は、キャッシュ・フローや採算の変動が大きく、プロジェクトの安定的な遂行のために十分な運転資金を必要としております。機能材製造事業では、主として製造設備の拡張・更新のための設備投資を効率的かつ継続的に行っております。また、中期経営計画「BSP2025」において計画している戦略投資を進めてまいります。 (資金調達)当社グループは、資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローから得た資金及び手元資金に加え、状況に応じて有利子負債などによる調達資金を充当しております。有利子負債は、金融市場の環境等を鑑み、社債発行や金融機関からの借入など最適な手段によることとしております。当年度は、中期経営計画「BSP2025」における重点戦略である「高機能材製造事業の拡大」及び「将来の成長エンジンの確立」に係る新規の投資及びプロジェクトを推進するための資金調達手段として100億円のグリーンボンドを発行いたしました。なお、当社は株式会社日本格付研究所から信用格付を取得しており、報告書提出時点において長期発行体格付がA+、コマーシャルペーパー格付がJ-1となっております。 (財務戦略)当社グループは、顧客からの信頼獲得及び長期にわたる大型プロジェクトの円滑な遂行の観点から、短期的な市場動向に左右されない強固な財務基盤を維持するとともに、戦略投資に対する機動的な資金調達余力を確保するため、自己資本比率については50%以上を安定的に維持することを目標としております。また、市場混乱時にも事業を継続するために十分な流動性を常時確保する方針としており、手元資金に加え取引金融機関とのコミットメントライン契約未使用枠300億円を有しております。手元資金については、効率的な運用・配分を実現するため、グループ内のキャッシュ・マネジメントの最適化に取組んでおります。当社は、戦略投資に機動的に対応しつつ強固な財務基盤を維持するとともに株主還元を着実に実施し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。 (株主還元)当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題として位置付けております。具体的な株主還元方針の内容については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

※本記事は「日揮ホールディングス株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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