日本ハム株式会社の基本情報

会社名日本ハム株式会社
業種食料品
従業員数連718名 単1256名
従業員平均年齢41.4歳
従業員平均勤続年数17.3年
平均年収8223437円
1株当たりの純資産2385.7円
1株当たりの純利益212.26円
決算時期3月
配当金119円
配当性向56.1%
株価収益率(PER)23.97倍
自己資本利益率(ROE)9.14%
営業活動によるCF865億円
投資活動によるCF▲392億円
財務活動によるCF▲531億円
研究開発費※131.55億円
設備投資額※1179.61億円
販売費および一般管理費※11463.6億円
株主資本比率※240.1%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、「わが社は、「食べる喜び」を基本のテーマとし、時代を画する文化を創造し、社会に貢献する。」「わが社は、従業員が真の幸せと生き甲斐を求める場として存在する。」という2つの企業理念を掲げております。「食べる喜び」とは、「食」を通してもたらされる「おいしさの感動」と「健康の喜び」を表しており、このことは人々の幸せな生活の原点であると考えます。「食べる喜び」をお届けすることで、人々の楽しく健やかな暮らしに貢献することが私たちの使命です。また当社グループは従業員全てが生涯を託すに足る企業グループを目指しています。自分自身のため、会社のため、社会のために全力を尽くすことが、全ての従業員に幸福をもたらすとともに、ニッポンハムグループの経営の基盤となります。2021年4月に、企業理念を追求するうえでのマイルストーンとしてニッポンハムグループ「Vision2030」を策定しました。また、「Vision2030」の実現に向けて取り組むべき重要な社会課題を、ニッポンハムグループ「5つのマテリアリティ」として特定しました。企業理念に掲げている「食べる喜び」をお届けするために、当社グループは事業戦略とマテリアリティの実践を通したサステナビリティ戦略を両輪で進め、事業を通した社会課題の解決に努めていきます。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2024年4月1日から2027年3月31日の3年間を「中期経営計画2026」とし、事業計画を策定しました。「中期経営計画2026」最終年度となる2027年3月期において、売上高1兆3,800億円、事業利益610億円、事業利益率4.4%、ROE7.0~8.0%、ROIC5.0~6.0%を経営目標とし、達成を目指してまいります。また、「中期経営計画2026」の初年度にあたる次期の業績目標につきましては、連結売上高1兆3,400億円、事業利益480億円、事業利益率3.6%、ROE5.2%、ROIC4.4%の目標を掲げております。 (注) 1 事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRSへの調整及び非経常項目を除外して算出しております。 2 「中期経営計画2026」並びにその見直し・修正計画等(以下、「当中期経営計画」)は、現時点で入手可能な情報や、合理的と判断した一定の前提に基づいて策定した計画・目標であり、潜在的なリスクや不確実性等を含んでいることから、その達成や将来の業績を保証するものではありません。また実際の業績等も当中期経営計画とは大きく異なる結果となる可能性がありますので、当中期経営計画のみに依拠して投資判断を下すことはお控え下さい。なお、将来における情報・事象及びそれらに起因する結果にかかわらず、当社グループは当中期経営計画を見直すとは限らず、またその義務を負うものではありません。 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社グループは企業理念である「食べる喜び」をお届けし続けるために、2030年のありたい姿として定めた「Vision2030」“たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向け、新たな挑戦に取り組んでまいります。「中期経営計画2026」は、「たんぱく質の価値を共に創る企業へ」をテーマに掲げ、「Vision2030」で示した新たなステージへ到達するため、バックキャストで特定したビジネスモデル変革に向けた課題に対し、構造改革と成長戦略、風土改革を三位一体で進め、価値創造企業に進化する3年間と位置付けております。これまでの食のインフラを担う企業としてたんぱく質を安定的にお届けすることに加え、様々なパートナーと力を掛け合わせ、たんぱく質の新たな価値創造に取り組むことで、社会課題の解決に努めてまいります。加えて、資本コストを上回るリターンの追求と株主還元の強化等の資本最適化施策の推進により企業価値の向上に努めてまいります。 “たんぱく質を、もっと自由に。”ニッポンハムグループ「Vision2030」は、これまでの提供価値である「安全・安心」「おいしさ」に加え、常識にとらわれない「自由」な発想で「たんぱく質」の可能性を広げることで、社会環境や人々のライフスタイルの変化に対応する多様な食シーンを創出し、毎日の幸せな食生活を支え続けたいという当社グループの想いを「2030年におけるありたい姿」として表現しております。 <全社戦略>新たなステージに向け、挑戦と共創をキーワードに取り組む「中期経営計画2026」では、構造改革と成長戦略、風土改革を通し、環境変化への対応力を身に付け、より高い価値を生み出す力を獲得していきます。構造改革では、「最適生産体制」、「低収益事業見直し」、「商品ミックス改善」への取組みを通し、不透明な環境下を勝ち残る競争力を獲得します。成長戦略では、「ブランド強化」、「グローバル強化」、「営業横断」、「R&D強化」、「ボールパーク」への取組みを通し、価値の源泉となる無形資産の育成・強化を図ります。風土改革を通して、目指す「挑戦する組織風土の醸成」に向け、「変革型経営人財の育成・獲得」と「多様な人材の活躍推進」に取り組むことで、価値を生み出す基盤を構築してまいります。 ニッポンハムグループ 中期経営計画2026全体構想 <会社の対処すべき課題>近年、世界的な人口増加、気候変動等の地球環境問題の深刻化等に加え、ウクライナ危機等の地政学的リスクを要因とした原燃料や飼料価格の高騰、日米金利差等を要因とする円安の進行、国内外の人件費高騰等、かつてない事業環境に直面しております。そのような環境の中においても、当社の企業理念である「食べる喜びを基本のテーマとし、時代を画する文化を創造し、社会に貢献する」ため、これまでの食のインフラを担う企業としてたんぱく質を安定的にお届けすることに加え、様々なパートナーと力を掛け合わせることで、たんぱく質の新たな価値を創造することに取り組んでいきたいと強く考えております。 当社グループは事業活動を通じた社会課題解決によって、人々の楽しく健やかなくらしに貢献し、生命の恵みを育む地球環境との調和を目指してサステナビリティ戦略を策定しました。戦略の4つの柱として「地球環境の保全」、「レジリエントな事業基盤の強化」、「食べる喜びの提供」、「新たな価値の創出」を設定しております。さらに、ビジネス環境の変化及びステークホルダーからのサステナビリティに関する期待の変化を鑑みて、マテリアリティの見直しを実施しました。事業戦略とサステナビリティ戦略を両輪で進めることで、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。 ①たんぱく質の安定調達・供給畜産業が抱える課題に真摯に向きあい、人が生きる上で欠かせないたんぱく質を将来にわたり安定的に提供し続けます。課題施策目指す姿畜肉の安定調達・供給畜肉の安定した供給量の拡大国内産畜肉の販売数量伸長率2023年度比 104%(2026年度)疾病発生の未然防止への継続的取組み持続可能な畜産の実現農家への支援・共創・PIG LABOR、鶏生産事業における技  術指導・スマート畜産等の新たな技術の  開発と活用 ②食を通した豊かな生活への貢献世の中の変化を的確に捉えて、お客様の期待を超える商品やサービスを提供します。潜在的なニーズを掘り起こし、常識にとらわれない自由な発想で、新たな「食べる喜び」を創出します。課題施策目指す姿多様化するライフスタイルや価値観への対応多様なニーズに合わせた商品の開発、提供・ハムソーセージ、加工食品の主要コ ンシューマ商品のうち Mealin’Good対象製品を50% (2026年度)※・海外加工品事業売上伸長率 2023年度比 200%(2026年度)笑顔あふれる食体験の提供日本で培った知見を各国・地域に浸透食課題解決への貢献健やかなからだづくりに貢献する商品の開発、提供 ※「Mealin’Good」はフィーリングッドにミールを掛け合わせ「人も地球も心地よく、より良い毎日へ。」という想いを込めた当社のブランドです。様々な倫理観や価値観に対し選択肢を増やしていくこと、今までの取組みを大切にしながら、もっと人と地球によいものを提供することを目指しております。 ③持続可能な地域環境への貢献自然の恵みや生命の恵みに感謝するとともに、将来世代に豊かな地球環境をつないでいくために、サプライチェーンを通して環境課題の解決に向けて積極的に取り組みます。課題施策目指す姿気候変動への対応化石燃料由来のCO2削減(Scope1、Scope2)国内 2013年比△ 46%(2030年度)海外 2021年比△ 24%(2030年度)国内 2013年比△ 29%(2026年度)海外 2021年比△ 17%(2026年度)家畜由来GHGの抑制、削減、有効活用に関する研究開発-省資源の推進プラスチック使用量削減※2013年比△ 20%(2030年度)2013年比△ 17%(2026年度) ※対象範囲:容器包装リサイクル法対象製品のうち、化石燃料由来の包装資材 ④新たな価値の創出前例にとらわれず、様々なパートナーと共に、今までにない商品やサービス、体験等新たな価値を創出します。課題施策目指す姿食とスポーツによる新たな価値の提供北海道ボールパークFビレッジにおける、食品事業とスポーツ事業を核とした街づくりへの取組みFビレッジ内の施設・サービスの充実による来場者数及び定住人口の増加(2030年度)たんぱく質の可能性を広げる事業の創造R&D強化による価値創造・事業立ち上げと収益化(2030年度)・商品化に向けての技術確立(2030年 度)様々なたんぱく質の可能性の探索 ⑤挑戦する組織風土の醸成多様な従業員一人ひとりが主体性を持ち、変革に向かって挑戦し続けることのできる組織風土を醸成します。課題施策目指す姿変革型経営人財の育成、獲得役員評価項目見直し、経営者サクセッションプランの強化変革、挑戦、従業員エンゲージメントの取り組み進捗(2030年度)多様な人財の活躍推進一人ひとりの挑戦を促し認める仕組みの強化、浸透重点管理項目の進捗(2030年度)多様な個が尊重され、生き生きと活躍できる環境づくり
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概況は以下のとおりです。  ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における食品業界は、地政学的リスクを要因とした原燃料などの高騰、日米金利差などを要因とする円安の進行などを背景に、昨年に続き各種商品の値上げの動きが継続したことにより、消費者の節約志向・低価格帯へのシフトがより一層顕著となりました。足元では賃上げの動きは2023年よりも強まりを見せておりますが、実質賃金のマイナスは依然続いており、先行き不透明な状況が続いております。このような中、当期は「中期経営計画2023」 の最終年として、再成長への礎を築く一年と位置づけ、強みの強化と仕組みの変革を通し、収益力の早期回復に取り組んでまいりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、食肉事業における国産鶏肉の価格転嫁や加工事業での価格改定の浸透に加え、ボールパーク事業において来場者数が増加したことなどにより、対前年同期比3.5%増の1,303,432百万円となりました。事業利益は、食肉事業の牽引に加え、加工事業における収益性改善、海外事業において販売環境が好転したことなどから、対前年同期比75.6%増の44,939百万円、税引前当期利益は持分法による投資利益が減少したものの事業利益が大幅に増加したことなどから対前年同期比83.2%増の40,599百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は対前年同期比68.8%増の28,078百万円となりました。 (注) 事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRS会計基準への調整及び非経常項目を除外して算出しております。  セグメントの概況は以下のとおりです。海外事業本部には、非継続事業に区分したBPUに関連する牛肉事業を含めております。 〔加工事業本部〕売上高は、乳製品・エキス・一次加工品において価格改定が浸透したことや、ブランディング強化により主力商品である「シャウエッセン」の販売量が伸長したこと等から、対前年同期比3.2%増の431,233百万円となりました。事業利益は、商品ミックスの改善ならびに業務用商品や乳製品・エキス・一次加工品の販売伸長に加え、原材料価格の高騰に対する価格改定効果等により、対前年同期比93.9%増の9,730百万円となりました。 〔食肉事業本部〕売上高は、量販店向けの国産鶏肉・豚肉販売が好調に推移したことや、インバウンド需要の増加に伴い外食向けの牛肉販売が伸長したこと等から、対前年同期比4.1%増の780,596百万円となりました。事業利益は、輸入食肉において冷凍商品を中心とした在庫の適正化に伴い収益性が改善したことや、国産鶏肉・豚肉における相場・需要がいずれも堅調に推移し利益確保が進んだことから、対前年同期比17.0%増の34,026百万円となりました。 〔海外事業本部〕売上高は、BPUの株式譲渡や豪州産牛肉の販売単価が下落したこと等の影響で、対前年同期比9.8%減の289,964百万円となりました。事業利益は、豪州の牛肉事業における生体牛価格の下落、販売量増加による収益改善に加え、トルコの鶏肉事業において飼料高に対する価格転嫁の浸透が進んだことなどから、2,460百万円(前連結会計年度は5,036百万円の事業損失)となりました。 〔その他〕売上高は、ボールパーク事業において「北海道ボールパークFビレッジ」の開業に伴い、観客動員数が増加したことに加え、非試合日に季節に合わせた種々のイベントを実施したことにより来場者数が当初年間計画の300万人を超えたこと等から、対前年同期比40.0%増の23,866百万円となりました。事業利益は、ボールパーク事業における新たなビジネスモデルにより広告・チケット・飲食収入等の収益性が大幅に改善したこと等から、1,920百万円(前連結会計年度は483百万円の事業損失)となりました。 地域別売上高の状況は以下のとおりです。① 日本日本では、食肉及び加工食品の販売単価が上昇したことにより、売上高(外部顧客に対する売上高)は、対前年同期比4.0%増の1,144,565百万円となりました。② その他の地域その他の地域では、主に食肉の販売単価が下落したことにより、売上高(外部顧客に対する売上高)は、対前年同期比0.1%減の158,867百万円となりました。 当連結会計年度末の総資産は、前年同期末比2.2%増の958,237百万円となりました。流動資産は、当連結会計年度末が金融機関の休業日であった影響等により営業債権及びその他の債権が前年同期末比12.5%増の165,022百万円となりましたが、BPUの株式譲渡に伴い売却目的保有資産が前年同期末比99.5%減の65百万円、その他の流動資産が前年同期末比19.3%減の20,318百万円となったこと等から、前年同期末比1.1%減の423,430百万円となりました。非流動資産は、繰延税金資産が前年同期末比9.7%減の28,072百万円となりましたが、無形資産及びのれんが前年同期末比27.9%増の25,822百万円となったことで、前年同期末比5.0%増の534,807百万円となりました。負債につきましては、相場高と需要回復を受けた仕入の増加等により営業債務及びその他の債務が前年同期末比10.1%増の116,773百万円となりましたが、キャッシュ・マネジメント・システムの海外グループ会社への展開に伴う資金効率の向上等により有利子負債が前年同期末比11.2%減の214,852百万円となったこと等から、前年同期末比3.5%減の419,035百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分につきましては、現金配当11,275百万円等により減少しましたが、当期利益28,078百万円による増加、円安の進行による在外営業活動体の換算差額11,656百万円の増加等により、前年同期末比7.0%増の527,503百万円となりました。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は2.4ポイント増の55.0%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物残高は、前年同期末に比べ479百万円増加し、65,465百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 86,586百万円の純キャッシュ増 営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権及びその他の債権の増加17,559百万円等がありましたが、税引前当期利益40,599百万円、減価償却費及び償却費39,719百万円、営業債務及びその他の債務の増加9,953百万円等により、86,586百万円の純キャッシュ増となりました。(前期は、11,331百万円の純キャッシュ増) (投資活動によるキャッシュ・フロー) 39,224百万円の純キャッシュ減 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得48,479百万円等により、39,224百万円の純キャッシュ減となりました。(前期は、63,677百万円の純キャッシュ減) (財務活動によるキャッシュ・フロー) 53,189百万円の純キャッシュ減 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入債務による調達51,230百万円等がありましたが、短期借入金の減少30,798百万円、借入債務の返済62,898百万円等により、53,189百万円の純キャッシュ減となりました。(前期は、28,417百万円の純キャッシュ増) ③生産、受注及び販売の状況a. 生産実績(製造原価ベース)区分当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)前年同期比(%)ハム・ソーセージ(百万円)109,560103.0%加 工 食 品(百万円)206,767103.9% (注) 主に加工事業本部の生産実績であります。当社グループでは、生産飼育から処理・加工・販売までの全てを一貫して行っており、その生産・販売品目も主として食肉に関連した広範囲かつ多種多様なものとなっております。また、同種の品目についても容量、形態、包装等も一様でなく、食肉等については、販売用とハム・ソーセージ、加工食品等の原料用にも使用されており食肉等の生産実績を金額あるいは数量で示すことが困難であります。 b. 受注実績当社グループは、主に需要予測に基づく予定生産を行っております。一部、当社の子会社プレミアムキッチン㈱は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しているため、受注高並びに受注残高の記載を省略しております。 c. 販売実績   販売実績については、「(1)① 財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しております。したがって、当連結財務諸表の作成にあたっては、主としてわが国の会計慣行に準拠して作成された会計帳簿に記帳された数値に対していくつかの修正を加えております。IFRS会計基準に準拠した財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いております。実際の結果は、これらの見積り等と異なる場合があります。なお、重要性がある会計方針及び見積りの内容については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループが、2021年4月からスタートした「中期経営計画2023」は2024年3月期に最終年度を迎えました。「中期経営計画2023」では、経営理念の実現に向け、2030年における当社グループのありたい姿であるニッポンハムグループ「Vision2030」をマイルストーンとして位置付け、その達成に向け、既存事業の強化と構造改革、持続可能性の追求、成長領域における事業育成について中長期視点で取り組んでまいりました。また、ニッポンハムグループ「Vision2030」の実現に向けて取り組むべき重要な社会課題として特定したニッポンハムグループ「5つのマテリアリティ」の取り組みを「中期経営計画2023」における各施策とリンクさせ実行してまいりました。 当連結会計年度の取り組み成果としては、加工事業に関しては、ハム・ソーセージ及びデリ商品について、商品構成の見直しを進めたことや主力ブランドの販売に集中したことで収益性が改善しました。食肉事業に関しては、国産鶏肉・豚肉の需要増に伴う増収効果に加え、輸入食肉の在庫適正化に伴う収益性改善、食肉販売会社による外食向け販売の伸長などが寄与し増益となりました。海外事業に関しては、豪州牛肉事業の素牛仕入れ価格の低下と販売量増加による収益改善に加え、米州加工事業の販売数量増加などが寄与し増益となりました。 「中期経営計画2023」の策定時の目標とする経営指標としては、連結売上高1兆2,600億円、事業利益380億円、事業利益率3.0%、ROE4.6%、ROIC3.5%を掲げておりました。当連結会計年度の結果としては、連結売上高1兆3,034億円、事業利益449億円、事業利益率3.5%、ROE5.5%、ROIC4.1%となりましたが、新たなステージへ向け構造改革と成長戦略・風土改革に取り組み、更なる成長を目指してまいります。 当社グループは、2030年のありたい姿「Vision2030」 “たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向けて、2025年3月期から2027年3月期の3カ年の経営計画として「中期経営計画2026」を策定しました。「中期経営計画2026」は「たんぱく質の価値を共に創る企業へ」をテーマとして掲げ、たんぱく質を日本で最も供給する食品企業から、たんぱく質の価値を共に創る企業への変革を目指します。また、2021年からの当社ビジネス環境とサステナビリティに関するステークホルダーからの期待の変化を鑑み、マテリアリティの見直しを行いました。これまでの食のインフラを担う企業としてたんぱく質を安定的にお届けすることに加え、様々なパートナーと力を掛け合わせ、たんぱく質の新たな価値創造に取り組むことで、社会課題の解決に努めてまいります。「中期経営計画2026」最終年度となる2027年3月期において、売上高1兆3,800億円、事業利益610億円、事業利益率4.4%、ROE7.0~8.0%、ROIC5.0~6.0%を経営目標とし、達成を目指してまいります。 中期経営計画2026の取り組み<構造改革>商品ミックス改善ハムソーセージ、デリ商品の商品ミックス改善ブランド牛肉の販売強化による利益安定化最適生産体制ハムソーセージ、デリ商品の最適生産体制(拠点再編)国内豚事業の再構築低収益事業見直し水産/乳製品/エキス・一次加工事業内の低収益ライン見直し<成長戦略>ブランド強化主力ブランド伸長(シャウエッセン)主力ブランド伸長(桜姫)営業横断加工品販売拡大グローバル強化 北米・アセアンの加工事業拡大R&D強化新領域での事業創造実現に向けた取組みボールパークボールパークの更なる魅力度向上とチーム力強化 セグメントごとの見通しは、以下のとおりであります。 〔加工事業本部〕加工事業につきましては、戦略的な商品統廃合の影響により減収を見込むものの、主力商品の更なるブランディング強化に加え、「シャウエッセン」を中心とした収益性の高い商品に注力することで商品ミックスを改善し、利益確保を進めてまいります。<構造改革>商品ミックス改善利益の最大化に向けた商品ポートフォリオの構築・コンシューマ、PB向け商品の収益性改善の継続と、高収益のブランド商品販売伸長によるブランド比率の向上<構造改革>最適生産体制/低収益事業見直しハムソーセージ、デリ商品事業の最適生産体制(拠点再編)水産/乳製品/エキス・一次加工事業内の低収益ライン見直し・ライン削減により製造経費を圧縮<成長戦略>ブランド強化(シャウエッセン)若年購買層の拡大・ブランドエクステンションとプロモーション強化でブランド浸透を継続海外での販路拡大・テストマーケティングを継続し、海外でのブランド認知度向上(24年4月シンガポールへの輸出認可取得)生産性改善・高生産ラインへの投資を継続し、コスト競争力を向上 〔食肉事業本部〕食肉事業につきましては、収益基盤となる国産鶏肉及び外食向け豪州産牛肉の販売拡大を図るとともに、生産部門の生産性改善や、輸入牛肉を中心とした高付加価値商品の販売強化により、収益性向上に取り組みます。<成長戦略>営業横断お肉をもっとおいしく食べてもらうために加工品販売強化・加工品販売スキルの向上に向け、加工事業本部人財を配置・DXによる加工/食肉のシステム連携・業務支援<成長戦略>ブランド強化(桜姫)サプライヤー起点から、顧客・生活者視点に立った商品開発・加工事業本部のマーケティング人財や社外人財を採用し、BtoCビジネスのマーケティングを強化(産地パック開発等)・社外共創で自社生産能力拡大し、桜姫の生産比率を向上<構造改革>最適生産体制国内豚事業の再構築に向けて、社外共創を進展・生産・処理工場の再編効果最大化、販売戦略の見直し 〔海外事業本部〕海外事業につきましては、豪州牛肉事業において、処理頭数増加による生産性向上並びに付加価値の高いブランド商品の販売拡大を図りつつ、北米加工事業では、アイテム数増加によるトップライン拡大を進めるとともに、製造の安定化により収益性の向上に取り組んでまいります。 <成長戦略>グローバル強化(加工品事業拡大)日本で培った加工技術を海外に(Taste of Japan)北米 ・新たな販路拡大に向け、商品開発機能を強化・製造拠点拡充も視野に、数量拡大に向けた生産体制を構築アセアン・社外との共創を深化させ、販売力を強化・将来の基盤強化へ、国内商品の輸出販売強化<構造改革>商品ミックス改善豪州他・ブランドカテゴリー(グラスフェッド・グレインフェッド)の構成比UPによる利益の安定化・継続的な事業見直しによる利益安定化<構造改革>低収益事業の見直し 〔その他〕ボールパーク事業につきましては、チーム強化費用の増加を見込むものの、開業2年目となる次期においても来場者数300万人以上を目標とし、当連結会計年度と同水準の利益確保を目指してまいります。 b. 資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主な資金需要は、「中期経営計画2026」における「構造改革」「成長戦略」「風土改革」をテーマとした戦略実行に必要な設備投資、成長・R&D投資、株主還元の他、運転資金、借入金の返済及び利息の支払等であります。資金調達については、調達コストの適正化とリスク分散を意識し、直接金融と間接金融を組み合わせ、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。また、グループ全体の資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、日本国内及び海外においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。

※本記事は「日本ハム株式会社」の令和6年3月期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント