日本電気硝子株式会社の基本情報

会社名日本電気硝子株式会社
業種ガラス・土石製品
従業員数連5578名 単1713名
従業員平均年齢44.5歳
従業員平均勤続年数22.2年
平均年収7516000円
1株当たりの純資産5463.53円
1株当たりの純利益-282.9円
決算時期12月
配当金120円
配当性向447.9%
株価収益率(PER)7.7倍
自己資本利益率(ROE)-5.2%
営業活動によるCF▲13億円
投資活動によるCF▲207億円
財務活動によるCF▲115億円
研究開発費※180.94億円
設備投資額※1680.24億円
販売費および一般管理費※1436.31億円
株主資本比率※271.4%
有利子負債残高(連結)※31183.43億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針    当社グループは、《日本電気硝子 企業理念体系》の下、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し、材料設計、溶   融、成形、加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発、生産し、市場に潤沢に供給するこ   とにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本においています。    同時に、事業活動を行うにあたり重要と認識するCSR(企業の社会的責任)の重点課題を設定し活動を推進す   ることにより、企業の社会的責務を果たしていきたいと考えています。これらの取り組みを通して、社会の発展に   貢献するとともに企業アイデンティティの発信にも努め、企業価値の向上と持続的成長を図ってまいります。    《日本電気硝子 企業理念体系》    わたくしたちは、“文明の産物”の創造を通して社会に貢献するという創業の精神を、企業理念の底流をなすも    のと位置付けています。    (企業理念)「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」スローガン:  GLASS FOR FUTURE    (目指すべき企業像)    「世界一の特殊ガラスメーカー」 (大切にしている価値観)・お得意先第一お得意先のご要望を理解し、そのご要望にどこまでもお応えすること。・達成への執念執念をもって、課題を為し遂げること。・自由闊達前例にとらわれない自由な発想と、部門や世代にとらわれない自由な発言を尊重すること。・高い倫理観いかなる局面においても、常に高い倫理観を持って誠実に行動すること。・自然との共生自然と共存することを常に意識し、環境負荷の低減に努めること。 (2) 目標とする経営指標 将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と成長投資並びにこれらの活動を支える売 上と利益が不可欠であると考えています。また、企業価値を高めるためには、効率的な事業運営や資本の効率的 な活用が重要になります。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利 益率)を重要な経営指標と位置付け、中期経営計画において目標値を設定しています。 (3) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 <経営環境> ○事業内容   当社グループは、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の  製造、販売を行っています。「電子・情報」の分野ではディスプレイ事業、電子デバイス事業などのビジネス  を、また、「機能材料」の分野では複合材事業、医療事業、耐熱事業、建築事業などのビジネスを展開  し、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築しています。  (主要製品)区 分製 品 分 類主 要 製 品 名電子・情報 ディスプレイ 液晶ディスプレイ用ガラス有機ELディスプレイ用ガラス化学強化専用硝子<Dinorex>電子デバイス 半導体プロセス用ガラスLTCC製品機能性粉末ガラスイメージセンサ用板ガラス小型電子部品用管ガラス光エレクトロニクス用ガラス蛍光体ガラス<ルミファス>機能材料 複合材 機能樹脂強化用チョップドストランド建築材料用ウェットチョップドストランド樹脂強化用ロービング自動車用チョップドストランドマットセメント強化用耐アルカリ性ガラスファイバ医療 医薬用管ガラス放射線遮へい用ガラス<LXプレミアム>耐熱 超耐熱結晶化ガラス<ネオセラム>調理器トッププレート用超耐熱結晶化ガラス<StellaShine>建築 防火設備用ガラス<ファイアライト>ガラスブロック結晶化ガラス建材<ネオパリエ>その他 照明用ガラスガラス製造機械 ○当連結会計年度の経営環境    世界経済は、長期化する不安定な国際情勢や各国の金融政策等を背景に、インフレーションと景気悪化の同   時進行など先行き不透明な状況が続きました。国内においても円安の進行とも相まって物価上昇が続きまし   た。    このような中、当連結会計年度においては、売上高は前連結会計年度を下回りました。損益面においては、   営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上する結果となりました。 <当社グループの経営戦略> ○ビジネスモデル  ガラスは、元素の組み合わせや製造方法により多種多様な機能と形状を可能にする素材です。長年育んでき た広範なガラスの技術と独自の発想を掛け合わせ、社会が求める様々な高機能ガラス製品を提供しています。 この「モノづくり」(※)のための「創造力」、「技術力」、「人材力・組織力」こそが当社グループの強み です。 創造力「板」、「管」、「球」、「繊維」、「粉末」、「成形品」、薄膜・樹脂・金属等との「ハイブリッド製品」といった多種多様な形状と機能を持つガラスで新しい価値を創出しています。技術力材料設計・プロセス開発・製品開発の一体的な開発体制を構築し、製品開発と事業化のスピードアップを図っています。これらの開発には、計算科学(ICTやAI等を活用したデータ解析を含む)を用いています。人材力・組織力多角的なスキルアップを推進するための人材育成プログラムにより、“あらゆるステージで世界一のパフォーマンスを発揮できる人材”を育成しています。また、研究開発部門、プロセス技術部門、事業本部の一体的な開発体制と企業戦略、マーケティング部門の支援により、シーズ・ニーズにスピーディに対応しています。  ※当社グループが目指す「モノづくり」 社会のニーズに応えるべく、最先端の技術をベースに研究開発を推進し、優れた製品を生み出し、最高 水準の品質と高効率の生産により、潤沢に市場に製品を供給する。再び、市場からの声を研究開発に活か す。こうした循環を当社グループが目指すべき「モノづくり」と考えています。 ○展開する市場分野自動車:軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器エネルギー:二次電池、再生可能エネルギーシステム医療:先進医薬容器、先端医療機器・設備半導体:次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセスディスプレイ:高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル)情報通信:光通信デバイス(次世代高速通信対応)社会インフラ:高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量)家電・住設:高機能家電・住設材料、多機能壁材 <中期経営計画「EGP2028」>   当社グループは、2024年度から2028年度までの5か年を対象期間とする中期経営計画「EGP2028」を 策定しました。 (スローガン) “STRONG GROWTH” (基本方針) 既存事業の収益基盤強化と成長分野への積極的なリソース投入を推進し、持続的成長と企業価値向上を実現 する。 (期間) 2024年1月1日~2028年12月31日(5か年) (経営目標) 売上高          4,000億円(電子・情報1,900億円、機能材料1,600億円、新規事業500億円) 営業利益         500億円 営業利益率       12.5% ROE         8% 目標達成年度       2028年度 (事業戦略) ①既存事業の強化(競争力向上による収益基盤強化) ・高付加価値製品の開発、事業化を強化する。 ・全電気溶融技術を活用し、生産性・品質の向上を図る。 ・強固な事業基盤を構築する(リソースの効率的な運用、DXの活用、調達の見直し、業務/製造プロセ      ス改革等)。 ・事業収益性の分析を徹底し、投資や縮小、撤退を判断する。 ②戦略事業の拡大(成長分野へのリソース拡充) ・自社の強みを活かし、成長が期待できる分野へリソースを積極的に投入し戦略事業を拡大する。 ・ガラスの付加価値を高めるデバイス事業を拡大する。 ・エネルギー、医療、環境、食料分野を中心に、研究開発のリソースを拡充するとともに、大学や研究機      関、ベンチャー企業等との連携を積極的に活用する。 ・戦略的投資枠(5年間で500億円)を設定し、M&Aや戦略的提携、事業投資等を積極的に行う。 ③調達リスクマネジメント ・経済情勢や物流の混乱等による調達リスクへ対応する(調達先・物流ルートの複数化、取引先との戦略      的提携等)。 (財務戦略) ①政策保有株式の縮減 事業環境の変化等を考慮し、資本コストを踏まえた定量面と経営戦略等の定性面から保有の適否を検証し 一層の縮減を進める。 ②資産の圧縮 EGP2028や事業改革等の過程で生じたノンコア資産については、適宜、処分し資産効率の向上を図 る。 ③バランスシートの管理と株主還元の充実 財務の安定性と資本効率性を考慮してバランスシートを管理するとともに、将来の成長に期した内部留保 を確保しながら、株主還元の充実を図る。 – 自己株式の取得 資本効率向上に向けて、2023年11月から2028年12月末までの間(約5年間)、総額1,000億円の自己 株式の取得を計画 – 継続的な配当の拡大:目標DOE3% 安定配当を基本とし、業績、財務状況、成長投資等を踏まえ配当を拡充 (サステナビリティ戦略) ①カーボンニュートラルの推進 全電気溶融技術をはじめとする技術開発等を推進し、地球温暖化防止に貢献するとともに、持続的な成長 と企業価値の向上を図る。 全プロセスの電化を進める 再生可能エネルギーへの投資と調達 CO?フリーエネルギー(水素等)の技術開発 ②人材戦略 経営の基盤となる人材への投資を拡大するとともに、多様な人材が十分に能力を発揮できる職場環境を確 保し、競争力の向上を図る。 高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成 多様な人材の登用 多様な人材が働きやすく、働きがいを感じる職場の整備 ③サプライチェーンマネジメント サプライチェーン全体で、環境、生物多様性、人権等に関して社会的責任を果たす取り組みを推進し、持 続的な成長と企業価値の向上を図る。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】  (1)経営成績等の状況の概要   当連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状   態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態 当連結会計年度末(2023年12月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2022年12月31日)と比較して439億90百万円減少し、7,039億17百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して52億8百万円減少し、2,137億86百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して387億82百万円減少し、4,901億30百万円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高2,799億74百万円(前連結会計年度比13.8%減)、営業損失104億20百万円(前連結会計年度:営業利益261億84百万円)、経常損失94億80百万円(同:経常利益340億58百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失261億88百万円(同:親会社株主に帰属する当期純利益281億67百万円)となりました。 部門別の経営成績は次のとおりです。 「電子・情報」の分野は、売上高1,332億9百万円(前連結会計年度比10.5%減)となりました。「機能材料」の分野は、売上高1,467億65百万円(同16.5%減)となりました。 なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて317億79百万円減少し、750億83百万円となりました。 営業活動に使用した資金は13億60百万円(前連結会計年度比329億24百万円の収入減)となりました。 投資活動に使用した資金は207億77百万円(同363億77百万円の支出減)となりました。 財務活動に使用した資金は115億72百万円(同56億98百万円の支出増)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績  当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)における生産実績をセグメントごとに示す と、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)ガラス事業290,30083.7合計290,30083.7 (注)生産金額は、平均販売価額により算出したものです。 b.受注実績 基本的に見込み生産を行っています。なお、当連結会計年度において特記すべき事項はありません。 c.販売実績  当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)における販売実績をセグメントごとに示す と、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)ガラス事業279,97486.2合計279,97486.2 (注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、    いずれの相手先も当該割合が100分の10未満のため記載を省略しています。   (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(2024年3月29日)において判断したものです。 ①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態 前連結会計年度末(百万円)当連結会計年度末(百万円)増減(百万円)総資産747,907703,917△43,990負債218,995213,786△5,208純資産528,912490,130△38,782 (総資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して439億90百万円減少し、7,039億17百万円 となりました。流動資産では、設備に係る支払い等が進んだことや自己株式の取得を行ったこと等により、現金 及び預金が減少しました。また、販売が減少したこと等により、商品及び製品が増加しました。固定資産では、 ディスプレイ事業及び複合材事業の構造改革等により有形固定資産が減少しました。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して52億8百万円減少し、2,137億86百万円と なりました。流動負債では、主に原料の仕入に係る支払いにより支払手形及び買掛金が減少しました。また、借 入金を返済したことにより短期借入金が減少しました。固定負債では、新たに借入を行ったこと等から、長期借 入金が増加しました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して387億82百万円減少し、4,901億30百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと及び配当金の支払い並びに自己株式の取得をしたこと等により利益剰余金が減少しました。また、主要な通貨において円安に振れたこと等から、為替換算調整勘定が増加しました。 b.経営成績  (当連結会計年度の経営成績) 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(%)売上高324,634279,974△13.8営業利益又は営業損失(△)26,184△10,420-(営業利益率)(8.1%)(△3.7%)-経常利益又は経常損失(△)34,058△9,480-親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)28,167△26,188-   (部門別の経営成績)区分前連結会計年度当連結会計年度増減金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)比率(%)電子・情報148,76445.8133,20947.6△15,555△10.5機能材料175,87054.2146,76552.4△29,104△16.5合計324,634100.0279,974100.0△44,660△13.8 「電子・情報」分野では、ディスプレイ事業は、最終製品の需要が芳しくない中、得意先の生産調整の影響を 受け、売上高は前連結会計年度を下回りました。電子デバイス事業は、半導体向け製品の需要が好調に推移しま したが、光エレクトロニクス向けの需要が低迷し、売上高は前連結会計年度を下回りました。 これらの結果、電子・情報分野の売上は前連結会計年度比で減少しました。 「機能材料」分野では、複合材事業は、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に製品需要が低調なことに加 え、競争環境が激化したことから、売上高は前連結会計年度を下回りました。医療や耐熱事業は製品需要が軟調 で、売上高は前連結会計年度を下回りました。一方、建築事業は安定した製品需要が継続し、売上高は前連結会 計年度を上回りました。これらの結果、機能材料分野の売上は前連結会計年度比で減少しました。 これらにより、売上高は2,799億74百万円(前連結会計年度比13.8%減)となりました。 損益面では、原燃料価格の高騰等によりコスト上昇が続く中、需要が低調であったことから、製品価格の改定 等によるコスト回収が想定を下回りました。こうした中、稼働率低下により原価高となっていたディスプレイ事 業や複合材事業において事業構造改革を断行し損益を改善してきましたが、一部の原材料において急激な価格下 落に伴う評価損を計上したことなどから、104億20百万円の営業損失(前連結会計年度:営業利益261億84百万 円)を計上しました。この結果、売上高営業利益率は△3.7%と前連結会計年度と比べ、11.8ポイント下がりま した。 営業外収益において海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替差益等がありましたが、営業損失 を補うには至らず、94億80百万円の経常損失(前連結会計年度:経常利益340億58百万円)を計上しました。 特別損益については、特別修繕引当金戻入額、受取保険金、投資有価証券売却益等を特別利益に計上する一 方、事業構造改善費用、固定資産の減損損失等を特別損失に計上したことにより、191億31百万円の損失となり ました。 これらの結果、税金等調整前当期純損失は286億12百万円(前連結会計年度:税金等調整前当期純利益395億17 百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は261億88百万円(前連結会計年度:親会社株主に帰属する当期純 利益281億67百万円)となりました。 なお、1株当たり当期純損失は282円90銭(前連結会計年度:1株当たり当期純利益302円76銭)となりまし た。 (2024年2月5日公表の2024年度の業績予想) 第2四半期(累計)通期EGP2028目標値売上高1,500億円3,100億円4,000億円営業利益40億円160億円500億円(営業利益率)(2.7%)(5.2%)(12.5%)経常利益40億円160億円-親会社株主に帰属する当期純利益180億円270億円- 2024年度については、世界経済は、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学リスクに加え、原燃料価格の高止 まり、中国など諸外国の景気減速懸念等を背景に、引き続き不透明な状況が続くものと予想されます。 このような中、当社グループでは、新中期経営計画「EGP2028」を着実に実行していくことで収益の改 善、自己資本利益率(ROE)8%の実現、及び企業価値の向上に努めてまいります。「EGP2028」につ いては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境、中長期的な会社 の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 <中期経営計画「EGP2028」>」をご覧くだ さい。 「電子・情報」分野においては、ディスプレイ事業は、得意先の生産調整の影響が残るものの、中国市場を中 心に回復を見込んでいます。電子デバイス事業は、半導体用サポートガラスを中心に半導体向け製品の販売が拡 大することから、生産能力の増強を進めてまいります。 「機能材料」分野においては、複合材事業は、自動車関連市場向けを含め需要回復には時間を要するものと予 想しています。医療、耐熱及び建築事業は、当連結会計年度と同程度の製品需要が継続する見通しです。 損益面では、原燃料価格の上昇はやや軟化し、当連結会計年度に実施した事業構造改革の効果が利益に寄与す るものと見込んでいます。また、半導体向け製品の販売拡大が利益を牽引する見込みです。なお、2024年1月26 日に公表しました投資有価証券売却益及び同月29日に公表しました固定資産売却益を特別利益として第1四半期 連結会計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)に計上します。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載し ています。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー31,563△1,360△32,924投資活動によるキャッシュ・フロー△57,155△20,77736,377財務活動によるキャッシュ・フロー△5,874△11,572△5,698現金及び現金同等物の期末残高106,86275,083△31,779 (営業活動によるキャッシュ・フロー)   当連結会計年度は、税金等調整前当期純損失を計上しました。また、原材料等の仕入れに係る支払いが増加し たことに加え、販売が減少したこと等により棚卸資産が増加しました。一方、減価償却費及び減損損失を計上し ました。これらの結果、営業活動に使用した資金は13億60百万円(前連結会計年度比329億24百万円の収入減) となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)   主としてディスプレイ事業及び医療事業の設備を取得した一方で、事業構造改革に伴い不要となった設備や投 資有価証券を売却したことにより、投資活動に使用した資金は207億77百万円(同363億77百万円の支出減)とな りました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)  新たに資金調達を行った一方で、株主への配当金の支払い及び自己株式の取得があったことから、財務活動に 使用した資金は115億72百万円(同56億98百万円の支出増)となりました。  上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額21億8百万円等を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等 物の残高は、前連結会計年度末と比べ317億79百万円減少し、750億83百万円となりました。 b.資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業環境の変化に耐えうる強固な財務基盤を目指すとともに、経営全般のさらなる効率化を 追求するべく、キャッシュ・フロー重視、資産効率重視(金融資産・棚卸資産の圧縮、設備の生産性向上と集 約)、財務の健全性を財務方針に掲げています。 設備投資に関しては、設備の更新やガラス溶融炉の定期修繕のほか、マーケットの成長やカスタマーニーズに 応じた投資を行うとともに、工場の強健化やカーボンニュートラルの実現に向けた投資を実行してまいります。 研究開発に関しては、会社の成長基盤となる基礎的研究開発を継続的に行うとともに、成長分野への事業展開を 見据えた製品開発を進めてまいります。 当社グループの所要資金は、設備資金及び運転資金であり、これらを自己資金、借入金等で賄っています。ま た、グループファイナンスを活用することで手許資金の活用を図っています。なお、当社グループは機動的な資 金調達を行うため、国内金融機関と総額250億円のコミットメントライン契約を締結しています。当社としまして は、主要な取引先金融機関と良好な取引関係を維持していることに加えて、日本格付研究所の格付は「シングル Aプラス」となっていることから、安定的に資金調達ができるものと認識しています。 今後も、健全な財務基盤の下、事業環境の変化する中においても安定した事業運営が行えるよう努めてまいり ます。 ③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「EGP2028」においては、売上高、営業利益、営業利益率、ROEを重要な指標と位置付けて経営目標に掲げています。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針や、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益費用の報告金額に影響を及ぼす見積りのうち、下記のものが特に重要なものと判断しています。 ・固定資産の減損 当社グループでは、減損損失の認識及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しています。減損損失の認識及び測定にあたっては、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っていますが、事業計画や市場環境等の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

※本記事は「日本電気硝子株式会社」の令和5年12期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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