株式会社INPEXの基本情報

会社名株式会社INPEX
業種鉱業
従業員数連3531名 単1384名
従業員平均年齢39.7歳
従業員平均勤続年数13.1年
平均年収11175846円
1株当たりの純資産2879.68円
1株当たりの純利益337.37円
決算時期12月
配当金62円
配当性向36.6%
株価収益率(PER)4.1倍
自己資本利益率(ROE)13.5%
営業活動によるCF7512億円
投資活動によるCF▲5255億円
財務活動によるCF▲2419億円
研究開発費※135.64億円
設備投資額※13351億円
販売費および一般管理費※110187.3億円
株主資本比率※272.4%
有利子負債残高(連結)※3※40円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】① 経営環境 2023年は、前年のロシアによるウクライナ侵攻を契機とした安全保障環境の緊迫化、国際関係における資源・エネルギーの戦略的利用、大幅な円安、物価の高騰等の環境が継続し、国際社会経済は引き続き不透明な状況です。さらに本年10月以降、イスラエル・パレスチナ紛争の激化が新たな不安定要素として加わり、世界経済の回復・成長は足元において見通しが困難な状況が続いています。 しかし、中長期的には世界の人口の拡大、新興国を中心とした経済成長等により、エネルギー需要は持続的に増加する基調は変わらないものと想定しています。このうちエネルギーの過半を占める石油・天然ガス需要については、世界経済の回復・成長に伴い、増加基調となるものと考えられ、中長期的にも、基調としてはアジアを中心とする堅調な需要が見込まれると考えています。また、石油・天然ガスは平時のみならず緊急時の燃料供給に貢献する点で、国民生活・経済活動に不可欠なエネルギー源と認識しています。 日本では、安定的なエネルギー供給確保のための石油・天然ガスの自主開発比率の向上が継続的な課題となっています。日本政府は、2021年に決定した第6次エネルギー基本計画において、石油・天然ガスの開発・生産・輸送はエネルギー安全保障上引き続き非常に重要な位置を占めるとの認識のもと、自主開発比率(2022年度の実績:33.4%)目標を、2030年に50%以上、2040年には60%以上に引き上げました。 他方、2021年、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)以来、気候変動対応のため、産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑え、さらに1.5℃に抑える努力をする長期目標の実現に向けた取組みの強化が進められています。また、EU、英国、日本等の主要国をはじめ、各国で2050年に向けて温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする、いわゆる「ネットゼロ目標」が表明されています。2023年のCOP28の合意文書では、2030年までに世界で再エネ電源容量を3倍に、エネルギー効率を2倍に改善することが盛り込まれました。新型コロナウイルス感染症の影響からの経済回復、エネルギー安全保障、気候変動対応を同時に進める政策や、社会構造の省エネルギー化・クリーン化に向けた政策が展開されています。こうしたネットゼロカーボン社会に向けた議論の進展により、カーボンニュートラルへの対応の緊要性が増すものと考えています。日本政府も「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、温室効果ガス削減目標を掲げている中、水素・アンモニア・CCUS等の石油・天然ガス上流事業のクリーン化及び再生可能エネルギーの導入促進等、カーボンニュートラルを見据えた取組みが大きく加速しているとの認識です。 ② 経営方針 当社は、2022年2月に「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」(以下「INPEX Vision @2022」という。)を発表しました。「INPEX Vision @2022」では、経営環境の変化を踏まえつつ、2030年及び2050年に向けた当社の長期戦略を示すとともに、2022年から2024年までの3年間の中期経営計画を策定し、当面の具体的な取組みと目標を示しています。 ネットゼロカーボン社会に向けた国内外における様々な変化は、当社にとって新たな挑戦であると同時に、更なる飛躍の機会と捉えています。今後、当社はこの「INPEX Vision @2022」に基づき、以下の経営方針のもと、我が国及び世界のエネルギー需要に応えつつ、2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向けたエネルギー構造の変革に積極的に取り組んでまいります。 また、当社は2023年8月9日発表の「企業価値の持続的向上に向けて」において、資本効率の長期的向上を強く意識し、企業価値の持続的向上を目指すことを示しています。 まず、ポートフォリオの強化による着実な利益成長とコスト削減を進め、ROEと株主資本コストを意識しつつWACCを上回るROICの安定的確保を実現しさらなる高みを目指すとともに、ネットD/Eレシオが概ね30%~50%の範囲内で推移するよう適切な財務のレバレッジのコントロールを通じて、資本効率の向上を目指します。 また、石油・天然ガス分野(イクシスLNG、アバディLNG)の成長、再生可能エネルギーの安定収益化、CCSによる石油・天然ガス分野の座礁資産化リスク低減、水素・アンモニア事業等の推進による将来の成長機会等を通じ、当社の将来事業成長への市場の信認を得るための具体的な取組みを推進します。 さらに、将来事業成長へのコンフィデンスに基づき、資本効率の向上に向けてのアクションとして引き続き株主還元を強化します。 1.石油・天然ガス分野 石油・天然ガス分野を引き続き基盤事業と位置づけ、コアエリアへの選択と集中、天然ガスシフト、事業の強靭化とクリーン化の3点を基本戦略として、それらを一体で進めることで、エネルギーの安定供給と気候変動への責任ある対応という二つの社会的責任を果たします。当社は、従来、石油・天然ガス分野を対象としてコアエリアを選定していましたが、「INPEX Vision @2022」にて、各地域に当社が持つアセット、ネットワーク、技術力等を基盤として、石油・天然ガスとネットゼロ5分野全体のコアエリアとして再設定を行い、両者のシナジーを追求していきます。 第一に、豪州・アブダビ・東南アジア・日本・欧州という5つのコアエリアに対して資金・人材等のリソースを集中させ、事業効率の向上とシナジーの発揮を目指します。コアエリア以外については、バランスの取れたポートフォリオ構築の観点から、収益性や将来性を踏まえて売却も含めて検討します。 第二に、当社はエネルギートランジションが進展する中にあっても天然ガスの重要性は引き続き高いものと見ており、当社ポートフォリオにおけるガスの比率の向上を目指したいと考えています。そのため、天然ガスへの投資比率を現在の50%程度から将来的に70%程度に引き上げ、アジア、オセアニアを中心に規模の拡大を図ります。また、将来の水素やアンモニアプロジェクトへの事業参画の転換や拡大についても検討します。油田開発については、早期生産、早期コスト回収、低CO2排出を重視し、厳選していきます。 第三に、強靭化については、需要減少や低油価環境下においても収益を確保できる競争力あるプロジェクトポートフォリオとしていくことを目指し、徹底的なコスト削減を図るとともに、デジタル技術の活用等による生産性向上を推進します。また、クリーン化については、CCS・CCUSの導入、ゼロフレア実現、再エネ電力の活用、森林クレジットの活用などによりプロジェクトの低炭素化を徹底して進めます。 コアエリア現在、及び今後推進する取組み豪州オペレータープロジェクトであるイクシスLNGプロジェクトにおいて、当初の想定より早いペースで、ほぼ所期の生産量を継続できる状態になりました。現在の年間LNG生産能力890万トンを930万トンに引き上げた上で安定生産を継続できる体制を2024年までに構築できるよう生産プロセスの改善を実施します。また、長期的な生産量維持を確実にするため、周辺鉱区における探鉱及び既発見アセットへの参入を通して追加開発を行い、イクシス既存生産設備へ繋ぎこみを今後加速します。その進捗も踏まえつつ、長期的には2030年頃からのさらなる生産能力拡張も検討しています。アブダビ2030年に原油生産能力として、日量500万バレルの達成を目標とする全体の増産計画を踏まえ、当社グループがアブダビで参画する油田群の生産能力増強の早期実現を目指します。新規探鉱事業であるOnshore Block4では、複数の油ガス層の評価作業を進め、早期の生産開始に取り組みます。また、増産計画と併せて、生産コストの更なる削減を目指し、デジタル・トランスフォーメーションの導入等を推進するとともに、GHG排出原単位の削減に向け、CO2EOR能力の強化をADNOC(アブダビ国営石油会社)とともに進めてまいります。東南アジアアバディLNGプロジェクトについては、2023年10月、従来のジョイントベンチャーパートナーであったShell社からPertamina社及びPetronas社に鉱区権益が譲渡され、両社を新パートナーとして迎えました。2023年12月には、経済性強靭化とクリーン化を主たる修正内容とした改定開発計画がインドネシア政府当局より承認されました。これに伴い、現地でのプロジェクト活動を順次再開し、基本設計作業(FEED)の準備を進め、マーケティングやファイナンス等その他必要な作業も経た上で、早期の最終投資決定(FID)と生産開始を目標としてプロジェクトを推進していきます。アジアにおけるエネルギートランジション促進を目的にさらなる天然ガス資源を獲得すべく、ベトナム・マレーシア等において、探鉱・M&Aを推進します。日本南関原における天然ガス探鉱を実施し、その結果を踏まえて早期の天然ガス資源の開発を目指します。ガス供給インフラに関しては、新東京ラインの延伸等を行い、約1,500kmのパイプラインによる供給体制の強靭化を図ります。また、直江津LNG基地においては、ガスシフトの推進による需要増加への対応のほか、水素やアンモニアのプロジェクトの推進に合わせて、設備拡張を検討します。欧州2022年に取得したスノーレ油田などの生産鉱区を含むノルウェーのアセットをプラットフォームとして、保有鉱区における既発見未開発油ガス田の開発及び周辺探鉱機会の追求により事業を拡大し、さらなる価値向上を目指します。ノルウェーは石油・天然ガス事業における低炭素化の取組みにおいて先進地域であり、スノーレ油田における浮体式洋上風力発電施設の建設を進めるなど、プラントにおいて再生可能エネルギーによる電力を使用することで天然ガスなどの操業に必要な燃料の使用を減らし、操業の低炭素化を推進します。 2.ネットゼロ5分野 ネットゼロカーボン社会に向け、気候変動対応目標を定めるとともに、5つの事業を強力に推進します。 <気候変動対応目標及びその進捗> 気候変動に関するパリ協定目標の実現に貢献すべく、2050年自社排出ネットゼロカーボン等を目指す気候変動対応目標を定めます。具体的な目標は、「2050年絶対量ネットゼロ(Scope1+Scope2)」「2030年原単位30%以上低減(Scope1+Scope2、2019年比)」「Scope3の低減」です※1。目標達成に向け、CO2地下貯留・活用(CCUS)や森林保全によるCO2吸収等に取り組み、石油・天然ガス分野全体のCO2低減を強力に推進していきます。 「中期経営計画 2022‐2024」においても、排出原単位をさらに4.1kg-CO2e/boe以上低減することを事業目標として立てています。2023年排出原単位は、29kg-CO2e/boe(暫定値)となり、2019年比で約30%低減しており、継続して各種低減策の実行に取り組みます。※1 Scope1~3の定義は以下のとおり。Scope1:報告企業が所有又は管理する発生源からの直接排出量Scope2:報告企業が購入し消費する電力、蒸気、熱及び冷却からの間接排出量Scope3:報告企業のバリューチェーンで発生するその他すべての間接排出量 <5つの事業>1.水素事業の展開 2030年頃までに3件以上の事業化の実現、及び年間10万トン以上の生産・供給を目標として設定し、その実現に向けた取組みを進めます。・国内においては、新潟県柏崎市でのブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証を推進し、2025年中の運転開始を目指すとともに、この実証での成果を元に、2030年頃までに、新潟県における商業規模のブルー水素製造を目指します。・海外においては、米国における大規模低炭素アンモニア事業における年間110万トン以上の商業生産を目指し推進するとともに、豪州における国際液化水素サプライチェーンの構築に向け、日豪間での実証事業を推進し、将来的な商用化を目指します。・その他、豪州・アブダビ・米国等において、事業性検討や他社との協業による事業拡大を推進し、さらなるクリーン水素プロジェクトの立ち上げ・参画を目指します。 2.石油・天然ガス分野のCO2低減(CCUS推進) 2030年頃にCO2圧入量年間250万トン以上という目標を設定し、その実現に向けた技術開発・事業化を推進することで、CCUS分野におけるリーディングカンパニーとなることを目指します。・国内では、2023年に実施した南阿賀油田におけるCO2-EORの実証試験を元に、開発中のEOR効率改善技術の確立を図り、CCUS技術の拡大と、海外油田でのEOR技術の展開を推進します。また、2023年8月には独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構による令和5年度「先進的CCS事業の実施に係る調査」委託事業において、当社が関与する「首都圏CCS事業」と「日本海側東北地方CCS事業」が採択され、事業可能性調査を実施しています。引き続き両案件を推進し、2030年までの日本国内でのCCS事業化を目指します。・海外では、豪州イクシスLNGプロジェクトにおいて2020年代後半にCCSを導入し、第一段階として年間200万トン以上のCO2圧入開始を目指すとともに、ダーウィン地域でのCCSハブ事業に主導的役割を果たしていきます。また、アブダビにおいて、ADNOCとともに、アブダビ陸上鉱区の現状年間80万トンのCCUS能力の増強を目指します。 3.再生可能エネルギーの強化と重点化 洋上風力・地熱発電事業を中心に、1-2GW規模の設備容量確保を目標に、M&A等により取得したアセットをプラットフォームとして事業を加速的に拡大し、主要なプレイヤーとなることを目指します。・コアエリアでの事業拡大2021年から2022年にかけて、当社コアエリアである欧州のロンドンや、同じくコアエリアのASEAN地域のジャカルタに再生可能エネルギー事業の統括拠点を設立し、それぞれの地域において再生可能エネルギー事業を推進する体制を構築しました。これらに加えて、2023年7月、当社は、再生可能エネルギー世界最大手のEnel Green Powerと豪州における戦略的な協業に合意しました。当協業では、再生可能エネルギー電源の開発に留まらず、再生可能エネルギー電力供給のバリューチェーンの構築を推進します。・他のネットゼロ事業とのシナジー追求石油・天然ガス事業を低炭素化、脱炭素化するために再生可能エネルギーを活用する取り組みを強化していきます。また、再生可能エネルギーによる発電とグリーン水素等の製造や販売を統合的に行うビジネスモデルの構築も、欧州を中心に追求していきます。 4.カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓 メタネーション※2の社会実装を推進し、2030年を目途に年間6万トン程度の合成メタンを当社パイプラインで供給することを目指すとともに、さらなる発展を追求します。・メタネーションについては、新潟県長岡市において、2023年6月に世界最大級のメタネーション試験設備の建設を開始し、2026年2月頃に当社ガスパイプライン経由で需要家への供給開始を予定しています。さらに、7月にはアブダビにてMasdarとe-methane製造事業の実現に向けた共同調査契約を締結しています。同プロジェクトには東京ガス・大阪ガスも参画し、日本へのe-methane輸出を目指してアブダビでのメタネーション事業全体の事業性評価に取り組みます。・人工光合成技術※3について、「ARPChem(アープケム:人工光合成化学プロセス技術研究組合)」の一員として、ソーラー水素と呼ばれる太陽光による水の直接分解技術の技術開発を担当しており、豪州ダーウィンの実験サイトにてテストプラントを設置し、2021年に約12か月の実験運転を実施しました。これは、日照量が多いサンベルト地域に設置された世界で初めてのソーラー水素生成プラントであり、今後、より高効率化、長寿命化による実用化を目指します。・また、新分野事業として、メタン直接分解やドローン技術の活用に注目して取り組んでいるほか、次世代型蓄電池、CO2回収技術、核融合関連技術、グリーンギ酸生産技術等を開発するスタートアップ企業との出資協業を進めています。※2 再エネ電力を用いて、水を電気分解し水素を生産する。これと石炭火力発電所等から排出される高濃度CO2や、当社の天然ガス生産時の随伴CO2を、CO2-メタネーションシステム(メタネーション触媒)によってメタンに変換する。※3 人工光合成パネルの表面に設置された光触媒を用いて、太陽光により水を酸素と水素に分解し、発生した水素を燃料・原料などに利用する。 5.森林保全の推進 森林保全によるCO2吸収を目的とした事業を支援から事業参画へ強化・拡充していきます。・顧客向けカーボンニュートラルLNG(生産から消費までのCO2排出を実質ゼロとしたLNG)等の販売を進めています。・優良なREDD+等の事業を支援してクレジットを確保することに加えて、事業自体にパートナーとして参画していくことを目指します。・2022年3月より、オーストラリア・ニュージーランド銀行及びカンタス航空とのカーボンファーミング及びバイオマス燃料事業協力に係る協業を開始し、2023年8月から豪州Wheatbeltプロジェクトにて植林を開始しています。  以上の取組みにより、エネルギーの安定供給とネットゼロカーボン社会への対応を推し進め、経済・社会の発展に貢献します。  なお、本項の記載中、将来に関する事項については、別途記載する場合を除いて本書提出日現在での当社グループの判断であり、今後の社会経済情勢等の諸状況により変更されることがあります。
経営者による財政状態の説明
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 また、当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績の状況の概要及び分析 (単位:百万円) 前期当期増減増減率(%)売上収益2,316,0862,164,516△151,569△6.5(うち、原油売上収益)1,772,0801,607,968△164,111△9.3(うち、天然ガス売上収益)523,427535,83412,4062.4営業利益1,503,6671,114,189△389,477△25.9税引前利益1,445,3821,253,384△191,998△13.3親会社の所有者に帰属する当期利益498,452321,708△176,744△35.5 前期当期増減増減率(%)原油販売量(千bbl)138,118138,024△94△0.1売上平均油価(米ドル/bbl)97.6482.83△14.81△15.2天然ガス販売量(百万cf)442,389479,81437,4258.5海外ガス販売量(百万cf)351,122387,97436,85210.5海外ガス単価(米ドル/千cf)6.875.62△1.25△18.2国内ガス販売量(百万?)2,4362,452160.6国内ガス売上平均単価(円/?)81.9890.088.109.9売上平均為替レート(円/米ドル)131.37140.539.167.0(注)1 天然ガス販売量、海外ガス販売量及び国内ガス販売量はLPG販売量を除いております。2 海外ガス単価及び国内ガス売上平均単価はLPGを除いて計算しております。  当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から緩やかに回復しました。雇用・所得環境が改善する下で、さらなる回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、ロシア・ウクライナ情勢及びイスラエル・パレスチナ紛争、金融資本市場の変動等の影響は引き続き懸念されております。 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格は、代表的指標の一つであるブレント原油(期近物終値ベース)で当期は1バレル当たり82.10米ドルから始まり、1月は中国のゼロコロナ政策の終了による原油需要の回復への期待等を背景に原油価格は続伸しました。その後は、春先にかけて米欧の複数の金融機関の経営難が世界経済を下押しするリスク懸念から概ね70~75米ドル程度で推移しましたが、原油価格は上昇トレンドを描き、9月後半には一時的に95米ドル超の値をつけました。10月に入るとイスラエル・パレスチナ紛争を背景に原油価格が一時的に乱高下する不安定な局面もありました。12月のOPEC+の会合にて、産油国による原油生産目標の引き下げ(減産強化)が見送られた結果、当該減産規模に関する不透明感が市場で強まったこと等から原油価格は軟調に推移し、年度末で77.04米ドルとなりました。これらを反映して、当期における当社グループの原油の平均販売価格は、前期に比べ、1バレル当たり14.81米ドル下落し、82.83米ドルとなりました。 一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当期は1米ドル131円台で始まりました。年前半は、日銀による政策修正観測の高まりから日米金利差の縮小が意識され、一時127円台まで円高が進みましたが、日銀の政策金利据置の決定や好調な米経済指標の影響を受けて米ドルが買われ、ほぼ一貫して円安が進行しました。年後半は米国のインフレ鈍化観測や日銀金融政策の是正観測により、一時138円台まで米ドル安が進行しましたが、その後は堅調な米国経済指標や日銀による金融緩和の長期化観測を踏まえ再び円安が進行し11月には151円台後半まで値を上げました。期末にかけては米連邦準備理事会(FRB)による利下げ示唆や米経済指標の下振れなどを受けやや円高が進行し、期末公示仲値(TTM)は前期末から9円12銭円安の141円82銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前期に比べ、9円16銭円安の1米ドル140円53銭となりました。 このような事業環境の中、当社グループの当期連結業績につきましては、原油の販売価格の下落により、売上収益は前期比1,515億円、6.5%減の2兆1,645億円となりました。このうち、原油売上収益は前期比1,641億円、9.3%減の1兆6,079億円、天然ガス売上収益は前期比124億円、2.4%増の5,358億円となりました。当連結会計年度の販売数量は、原油が前期比94千バレル、0.1%減の138,024千バレルとなり、天然ガスは前期比37,425百万立方フィート、8.5%増の479,814百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは、前期比36,852百万立方フィート、10.5%増の387,974百万立方フィート、国内天然ガスは、前期比16百万立方メートル、0.6%増の2,452百万立方メートル、立方フィート換算では91,502百万立方フィートとなりました。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり82.83米ドルとなり、前期比14.81米ドル、15.2%下落、海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり5.62米ドルとなり、前期比1.25米ドル、18.2%下落、また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり90円08銭となり、前期比8円10銭、9.9%上昇しております。売上収益の平均為替レートは1米ドル140円53銭となり、前期比9円16銭、7.0%の円安となりました。 売上収益の減少額1,515億円を要因別に分析しますと、販売数量の増加により365億円の増収、平均単価の下落により3,167億円の減収、売上の平均為替レートが円安となったことにより1,284億円の増収、その他の売上収益が1億円の増収となりました。 一方、売上原価は前期比299億円、3.7%増の8,480億円、探鉱費は前期比131億円、103.9%増の259億円、販売費及び一般管理費は前期比37億円、4.1%増の957億円、その他の営業収益は前期比708億円、73.9%減の250億円、その他の営業費用は前期比277億円、18.3%減の1,240億円、持分法による投資損益は前期比1,478億円、88.9%減の183億円となりました。以上の結果、営業利益は前期比3,894億円、25.9%減の1兆1,141億円となりました。 金融収益は前期比1,434億円、194.4%増の2,173億円、金融費用は前期比539億円、40.9%減の781億円となりました。以上の結果、税引前利益は前期比1,919億円、13.3%減の1兆2,533億円となりました。 法人所得税費用は前期比386億円、4.0%減の9,208億円、非支配持分に帰属する当期利益は108億円(前期は非支配持分に帰属する当期損失124億円)となりました。以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比1,767億円、35.5%減の3,217億円となりました。  セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。 ① 国内石油・天然ガス事業(国内O&G) ガス価の上昇により、売上収益は前期比182億円、8.5%増の2,328億円となりましたが、売上原価及び探鉱費の増加等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比31億円、7.0%減の420億円となりました。 ② 海外石油・天然ガス事業(海外O&G)- イクシスプロジェクト 販売数量の増加により、売上収益は前期比46億円、1.3%増の3,731億円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比215億円、7.5%増の3,098億円となりました。 ③ 海外石油・天然ガス事業(海外O&G)- その他のプロジェクト 油価の下落により、売上収益は前期比1,844億円、10.8%減の1兆5,282億円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比1,170億円、99.4%減の7億円となりました。 (2)財政状態の状況の概要及び分析 当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末比2,910億円増の6兆7,394億円となりました。このうち、流動資産はその他の金融資産の増加等により、前連結会計年度末比798億円増の8,384億円、非流動資産は持分法で会計処理されている投資及び石油・ガス資産の増加等により、前連結会計年度末比2,112億円増の5兆9,010億円となりました。 一方、負債合計は前連結会計年度末比1,394億円減の2兆2,404億円となりました。このうち、流動負債は前連結会計年度末比314億円増の5,722億円、非流動負債は前連結会計年度末比1,708億円減の1兆6,682億円となりました。 資本合計は前連結会計年度末比4,304億円増の4兆4,990億円となりました。このうち、親会社の所有者に帰属する持分は前連結会計年度末比4,017億円増の4兆2,091億円、非支配持分は前連結会計年度末比287億円増の2,899億円となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の概要及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況の概要及び分析 当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の2,082億円から当連結会計年度中に減少した資金192億円を除き、換算差額121億円を加えた結果、当連結会計年度末において2,011億円となりました。 当連結会計年度における営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 原油の販売価格の下落による税引前利益の減少や非資金項目である金融収益の増加があったものの、営業債権及びその他の債権の減少や非資金項目である持分法による投資損益の減少等により、営業活動の結果得られた資金は前期比58億円増の7,881億円となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資の取得による支出が増加したものの、投資の売却及び償還による収入の増加や長期貸付けによる支出の減少等により、投資活動の結果使用した資金は前期比2,150億円減の3,201億円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 長期借入金の返済による支出の増加等により、財務活動の結果使用した資金は前期比2,406億円増の4,872億円となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 石油・天然ガス・再生可能エネルギー等のプロジェクト取得、探鉱・開発活動及び天然ガス供給インフラ施設等の建設においては多額の資金を必要とするため、内部留保による手許資金のほかに、外部からも資金を調達しております。探鉱資金については手許資金及び外部からの出資により、また、プロジェクト取得、開発資金及び天然ガス供給インフラ施設等の建設資金については手許資金、銀行借入及び社債発行により調達することを基本方針としております。現在、プロジェクト取得及び開発資金については株式会社国際協力銀行及び市中銀行等から融資を受けており、これら融資に関しては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の保証制度を活用しております。また、国内の天然ガス供給インフラ施設等の建設資金借入については、株式会社日本政策投資銀行及び市中銀行からの融資を受けているほか、再生可能エネルギープロジェクトの取得及び開発資金については、プロジェクトファイナンスやグリーンファイナンスでの調達も実施しております。なお、イクシスLNGプロジェクトでは、当期も共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)を借入人として、国内外の輸出信用機関及び市中銀行からプロジェクトファイナンスの借入等を行っております。 当期は、開発投資等を目的とした資金調達を実施しつつ、当社中期経営計画に沿って有利子負債の削減に努めております。このほか、開発投資・探鉱投資等に向けて、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の出資を受けております。 資金の流動性については、短期の運転資金のほかに油価の急な下落等に備え、一定の手許資金を保有することを基本方針としており、また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、資金調達枠を確保しております。 ③ 資金の配分方法 資金の配分方法については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 (5)生産、受注及び販売の状況① 生産実績 セグメントごとの生産実績は以下のとおりであります。 セグメントの名称 区分 当連結会計年度(自 2023年1月1日  至 2023年12月31日) 前年同期比 (%)国内O&G原油0.9百万バレル△6.9(日量2.5千バレル)天然ガス34.4十億CF△6.5(日量94.3百万CF)小計7.2百万BOE△6.6(日量19.7千BOE)ヨード541.4t△3.2発電183.8百万kWh△5.1海外O&Gイクシスプロジェクト原油12.3百万バレル△0.9(日量33.7千バレル)天然ガス354.2十億CF9.8(日量970.5百万CF)小計80.4百万BOE7.0(日量220.2千BOE)その他のプロジェクト原油126.5百万バレル△2.0(日量346.6千バレル)天然ガス87.4十億CF5.6(日量239.4百万CF)小計142.5百万BOE△1.2(日量390.4千BOE)硫黄153.1千t150.5その他発電1,542.6百万kWh107.3合計原油139.7百万バレル△1.9(日量382.8千バレル)天然ガス476.1十億CF7.7(日量1,304.3百万CF)小計230.1百万BOE1.3(日量630.3千BOE)ヨード541.4t△3.2硫黄153.1千t150.5発電1,726.4百万kWh84.1(注)1 海外で生産されたLPGは原油に含みます。2 原油及び天然ガス生産量の一部は、発電燃料として使用しております。3 上記の生産量は関連会社等の持分を含みます。4 当社グループが締結している生産分与契約にかかる当社グループの原油及び天然ガスの生産量は、正味経済的取分に相当する数値を示しております。なお、当社グループの権益比率ベースの生産量は、原油147.1百万バレル(日量403.1千バレル)、天然ガス486.0十億CF(日量1,331.4百万CF)、合計239.5百万BOE(日量656.0千BOE)となります。5 BOE(Barrels of Oil Equivalent)原油換算量6 ヨードは、他社への委託精製によるものであります。7 数量は小数点第2位を四捨五入しております。 ② 受注実績 当社グループの販売実績のうち、受注高が占める割合は僅少であるため受注実績の記載は省略しております。 ③ 販売実績 セグメントごとの販売実績は以下のとおりであります。 セグメントの名称 区分 当連結会計年度(自 2023年1月1日  至 2023年12月31日) 前年同期比 (%)販売量売上収益(百万円)販売量売上収益国内O&G原油412千バレル4,539△12.1△24.2天然ガス(LPGを除く)91,502百万CF220,8550.610.6その他 7,502 △15.6小計 232,897 8.5海外O&Gイクシスプロジェクト原油12,526千バレル144,8595.4△7.2天然ガス(LPGを除く)327,735百万CF228,31313.77.5小計 373,173 1.3その他のプロジェクト原油125,086千バレル1,448,005△0.5△9.8天然ガス(LPGを除く)60,239百万CF77,040△4.4△27.2LPG452千バレル2,968317.4224.7その他 250 △83.5小計 1,528,264 △10.8その他原油-10,564-93.1天然ガス(LPGを除く)338百万CF1,677△3.3△12.9LPG-4,978-87.3その他 12,961 27.4小計 30,181 49.2合計原油138,024千バレル1,607,968△0.1△9.3天然ガス(LPGを除く)479,814百万CF527,8878.51.5LPG452千バレル7,947315.2122.1その他 20,713 0.7合計 2,164,516 △6.5(注)1 販売量は、単位未満を四捨五入しております。 2 主要相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)相手先金額(百万円)割合(%)Ichthys LNG Pty Ltd212,3649.2 当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)相手先金額(百万円)割合(%)Ichthys LNG Pty Ltd228,31310.5 (6)並行開示情報 日本基準により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。 ① 要約連結貸借対照表(日本基準) (単位:百万円) 前連結会計年度(2022年12月31日)当連結会計年度(2023年12月31日)資産の部 流動資産729,401818,256固定資産 有形固定資産2,473,1182,466,534無形固定資産482,704481,473投資その他の資産2,574,6292,756,918固定資産合計5,530,4525,704,926資産合計6,259,8536,523,182 負債の部 流動負債526,740565,821固定負債1,710,7421,538,179負債合計2,237,4832,104,000 純資産の部 株主資本2,908,2933,098,386その他の包括利益累計額852,5581,040,966非支配株主持分261,517279,829純資産合計4,022,3704,419,182負債純資産合計6,259,8536,523,182 ② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)要約連結損益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)売上高2,324,6602,165,702売上原価943,414893,934売上総利益1,381,2451,271,768探鉱費29,20241,467販売費及び一般管理費105,634108,456営業利益1,246,4081,121,844営業外収益335,638311,031営業外費用140,05182,427経常利益1,441,9951,350,448特別損失25,79989,048税金等調整前当期純利益1,416,1961,261,400法人税等合計951,506880,064当期純利益464,689381,335非支配株主に帰属する当期純利益3,6209,804親会社株主に帰属する当期純利益461,069371,531 要約連結包括利益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)当期純利益464,689381,335その他の包括利益合計416,081193,933包括利益880,770575,268(内訳) 親会社株主に係る包括利益870,186559,939非支配株主に係る包括利益10,58415,329 ③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額非支配株主持分純資産合計当期首残高2,680,624443,441222,3443,346,409会計方針の変更による累積的影響額△33,776--△33,776会計方針の変更を反映した当期首残高2,646,848443,441222,3443,312,633当期変動額合計261,445409,11739,173709,736当期末残高2,908,293852,558261,5174,022,370 当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額非支配株主持分純資産合計当期首残高2,908,293852,558261,5174,022,370当期変動額合計190,092188,40818,311396,811当期末残高3,098,3861,040,966279,8294,419,182 ④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準) (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー751,284786,324投資活動によるキャッシュ・フロー△525,574△324,347財務活動によるキャッシュ・フロー△241,928△480,339現金及び現金同等物に係る換算差額36,6627,585現金及び現金同等物の増減額(△は減少)20,443△10,777現金及び現金同等物の期首残高191,213211,656現金及び現金同等物の期末残高211,656200,879 ⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)(連結の範囲の変更) 新規株式取得等により9社を連結の範囲に含め、清算結了により1社を連結の範囲より除外しております。 (持分法適用の範囲の変更) 新規株式取得により7社を持分法適用の範囲に含め、清算結了等により5社を持分法適用の範囲より除外しております。 (会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。 収益認識会計基準等の適用による主な変更点は以下のとおりであります。1.交換取引 同様の性質及び価値を持つ石油製品等を同業他社間で融通する取引(交換取引)については、純額での計上に変更しております。2.軽油引取税 軽油引取税については、第三者のために回収する額に該当するため、取引価格から控除し収益を認識する方法に変更しております。 収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。 この結果、当連結会計年度の売上高が1,657百万円、売上原価が1,657百万円それぞれ減少しておりますが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響はありません。また、利益剰余金の当期首残高に与える影響はありません。 (時価の算定に関する会計基準等の適用) 「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取り扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することとしています。なお、連結財務諸表に与える影響はありません。 当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)(連結の範囲の変更) 新規設立等により8社を連結の範囲に含め、清算結了等により6社を連結の範囲より除外しております。 (持分法適用の範囲の変更) 新規株式取得により3社を持分法適用の範囲に含め、清算結了により1社を持分法適用の範囲より除外しております。 (会計方針の変更)(IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)) 当社グループの一部の在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社は、当連結会計年度より、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用しております。 本改訂により、リース及び廃棄義務のように、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異が生じる場合、企業はそれにより生じる繰延税金負債及び繰延税金資産を認識することが明確になりました。本改訂は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。 この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表においては、遡及適用を行う前と比べて投資有価証券が2,451百万円減少、繰延税金負債が13,540百万円増加、利益剰余金が10,983百万円減少、為替換算調整勘定が5,008百万円減少しております。また、前連結会計年度の連結損益計算書においては、遡及適用を行う前と比べて持分法による投資利益が3,752百万円増加、法人税等調整額が19,040百万円減少しております。なお、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、前連結会計年度の連結株主資本等変動計算書においては、利益剰余金の期首残高が33,776百万円減少しております。 (7)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。 前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」に記載のとおりであります。 当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)(表示組替) 日本基準では「無形固定資産」、「生産物回収勘定」及び「生産物回収勘定引当金」として表示していた石油及び天然ガスの探鉱、評価、開発及び生産活動に係る資産については、IFRSでは「石油・ガス資産」に振替えております。 また、日本基準では「有形固定資産」に含めていた石油およびガスに関わる資産以外の有形固定資産については、IFRSでは「その他の有形固定資産」に振替えております。 (リース資産及びリース負債) 日本基準では借手によるオペレーティング・リース取引は賃貸借取引として費用処理しておりましたが、IFRSでは原則として借手によるすべてのリース取引についてリース資産(使用権資産)及びリース負債を認識しております。リース資産(使用権資産)は「石油・ガス資産」及び「その他の有形固定資産」、リース負債は「その他の金融負債(流動)」及び「その他の金融負債(非流動)」に含めております。 上記等の影響により、IFRSでは日本基準に比べて連結財政状態計算書におけるリース資産(使用権資産)及びリース負債がそれぞれ59,897百万円及び59,731百万円増加しております。 (石油・ガス資産) 日本基準では契約形態に応じて異なる会計処理を行っておりましたが、IFRSでは、石油及び天然ガスの探査及び評価に係る支出は成功成果法を用いて会計処理し、支出の一部を石油・ガス資産(探鉱・評価資産)として認識しており、また、石油及び天然ガスの開発井及び関連する生産設備に係る支出及び資産除去債務に対応する資産除去債務資産は石油・ガス資産(開発・生産資産)として認識し、生産開始後、確認埋蔵量及び推定埋蔵量の合計数量に基づいて、生産高比例法により減価償却しております。 上記等の影響により、IFRSでは日本基準に比べて連結損益計算書における「売上原価」及び「探鉱費」がそれぞれ45,853百万円及び15,566百万円減少しております。 (子会社の機能通貨) 日本基準では子会社の所在国通貨に基づき財務諸表を作成しておりましたが、IFRSでは機能通貨の判定を行い、各社の機能通貨に基づき財務諸表を作成しております。連結上、当社グループの連結財務諸表の表示通貨である日本円への換算に際して生じる換算差額をその他の包括利益に計上しております。 上記等の影響により、IFRSでは日本基準に比べて連結包括利益計算書における「為替換算調整勘定」(「在外営業活動体の換算差額」)が97,417百万円増加しております。

※本記事は「株式会社INPEX」の令和5年12期 有価証券報告書を参考に作成しています。

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

コメント