株式会社フジクラの基本情報

会社名株式会社フジクラ
業種非鉄金属
従業員数連51262名 単2149名
従業員平均年齢43.1歳
従業員平均勤続年数16.1年
平均年収8670000円
1株当たりの純資産1476.96円
1株当たりの純利益(連結)330.32円
決算時期3月
配当金100円
配当性向75.8%
株価収益率(PER)16.34倍
自己資本利益率(ROE)(連結)24.35%
営業活動によるCF1159億円
投資活動によるCF▲209億円
財務活動によるCF▲573億円
研究開発費※122億円
設備投資額※1307億円
販売費および一般管理費※14276.14億円
株主資本比率※238.4%
有利子負債残高(連結)※31471.36億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、グループ経営理念である「ミッション・ビジョン・基本的価値」を指針とし、“つなぐ”テクノロジーを通じて「顧客価値創造型」事業へ積極的に展開し、収益性重視のスピード感ある積極経営で豊かな社会づくりに貢献してまいります。 (2) 経営環境 2025年度の当社グループを取り巻く環境は、米国のトランプ政権が打ち出した世界各国・地域に対する相互関税をめぐる動きにより、景気後退懸念や為替変動リスク等、先行きの不確実性が高まっております。 このような中、当社グループでは、外部環境の変化に迅速かつ柔軟に対応するべくサプライチェーンの見直しを図るとともに、生産性向上等のコスト競争力の強化に努めてまいります。 情報通信事業部門では、2023年度後半からの生成AIの普及・拡大を背景としたデータセンタの投資が、2025年度も加速すると見込まれます。また、データトラフィックの増加に加え、英国での補助金政策等により、欧米通信事業者の設備投資が回復傾向にあり、当社の光ファイバケーブルの需要が増加すると期待されます。また中東・アジア等の新規市場における顧客開拓も進捗する等、データセンタ市場及び通信インフラ市場での需要増加を見据えて、生産体制の整備や拡販活動を推進してまいります。 エレクトロニクス事業部門では、FPC(フレキシブルプリント配線板)やコネクタが多く使用されている主要顧客のスマートフォンの需要は堅調に推移すると見られます。しかし、主要顧客向けの製品におけるサプライチェーン上でのリスクの顕在化や、産業機械市場の回復の遅れ等には注視が必要です。 自動車事業部門では、自動車の世界生産台数が2024年度比で増加することが見込まれているものの、米国政府による自動車への追加関税の発動の影響や、EV市場の成長鈍化には注視が必要です。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題・2025年中期経営計画 当社は、当社グループの持続的な成長を図り、更なる企業価値の向上を実現するために、25中期を策定し、2023年5月に公表いたしました。 25中期では、当社が培ってきた“つなぐ”テクノロジーを軸に、基盤技術やコア技術を存分に活かせる「情報インフラ」「情報ストレージ」「情報端末」の3つを核心的事業領域として位置づけ、経営資源を集中的に投入し、高収益な企業グループを目指すことを基本戦略といたしました。 また、SDGs(持続可能な開発目標)に示された社会課題の一つである「カーボンニュートラルの実現」は、当社グループの新たなビジネス創出の好機であると捉え、2025年度より先も見据え、核融合発電への利用が見込まれている高温超電導線材を始め、ファイバレーザ、EV(電気自動車)の3つの分野を「Beyond2025」として、当社の技術力を活かし技術開発・製品開発を進めております。 25中期の定量目標としては、最終年度(2025年度)の売上高8,250億円、営業利益850億円、営業利益率10.3%、ROE(株主資本利益率)16.5%、ROIC(投下資本利益率)12.8%、自己資本比率51.7% を設定いたしました。 ・2025年度経営方針 当期は売上高9,794億円、営業利益1,355億円となり、25中期の定量目標を1年前倒しで概ね達成することができました。2025年度につきましては、25中期における事業の方向性を基本としつつ、新たな中期経営計画の開始となる次年度以降において更なる飛躍を期すための成長投資等の施策を実行してまいります。 ①資本政策 2024年度の業績は急峻に拡大し、2025年度も外部環境の変化には注視が必要なものの、引き続き堅調な事業環境が期待され、総じてキャッシュ・フローの創出力が向上しております。その結果、3か年累計の営業キャッシュ・フローは、25中期を超過する見込みとなることから、超過したキャッシュの使途について検討した結果、成長投資と株主還元に充当することといたしました。株主還元につきましては、2026年3月期の連結配当性向を40%といたします。 ②事業上の重点課題1.インフラ向けビジネスの拡大 光ファイバケーブルのビジネス基盤の強化と市場拡大に取り組んでまいります。 国内では、通信インフラ市場における新たな市場の創出を目指し、光ファイバケーブルの施工効率向上のための空気圧送工法に対応した光ファイバケーブル(AB-WTC?)の普及促進に注力します。 海外では、欧州通信事業者向けの需要回復や、中東・アフリカ地域の通信事業者向けビジネスの拡大を見据えて当社の戦略商品である「Spider Web RibbonR/Wrapping Tube CableR」(以下、「SWRR/WTCR」という。)の供給体制を強化します。具体的には、欧州・中東・アフリカ地域の顧客に対して、迅速な光ファイバケーブルの供給を可能とすべく当社の自動車事業部門のモロッコ拠点にWTCRの生産ラインを構築します。さらに、東南アジアや南米等、次期有望市場における事業展開を視野に入れた取り組みも積極的に進める等により、中長期的にはWTCRの海外生産比率を5割超まで引き上げ、グローバル生産体制の構築を図ります。 さらに、生産能力の増強と生産性向上のための新たな光ファイバやSWRR工場の建設の検討を開始するとともに、光ファイバの革新的製造技術の開発を推進いたします。 2.データセンタ向けビジネスの拡大 米国のハイパースケールデータセンタ向けビジネスでの更なるシェア拡大を目指し、次世代小型多心コネクタの生産能力を拡大するとともに、省スペース化及び施工時間の短縮に貢献する製品の開発を進めてまいります。 米国以外の地域においてもデータセンタ需要の拡大が見込まれることから、日本や欧州、東南アジア等での需要獲得に向け、ソリューション提案力の強化や販売チャネルの構築に注力してまいります。 また、データセンタ向けの旺盛な需要にこたえるため、ハードディスクドライブ用アクチュエータの増産投資を実行いたします。 3.Beyond2025 a.超電導 核融合発電のR&D案件の取り込みによる売上拡大を目指します。また、増産投資に加えて、コストダウンの施策を進め、超電導線材のサプライチェーンの構築を推進いたします。 b.ファイバレーザ 半導体の高集積化を実現する半導体加工市場の開拓に注力いたします。また、核融合を始めレーザーの幅広い運用を研究している株式会社EX-Fusionとの協業によるCFRP切断ビジネスの確立を目指すとともに、レーザー核融合ビジネスの展開に注力してまいります。 c.EV(電気自動車) EV普及の課題の一つとなっている急速充電向け事業として、2025年度中のCHAdeMO規格の適合を目指し、細径・軽量かつ超急速充電を実現する急速充電コネクタ付き液冷ケーブルの開発を推進します。
経営者による財政状態の説明
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況①経営成績 当社グループの当連結会計年度の売上高は9,794億円(前年度比22.5%増)、営業利益は1,355億円(同95.0%増)、経常利益は1,372億円(同96.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は911億円(同78.6%増)となりました。  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 [情報通信事業部門] 生成AIの普及・拡大を背景としたデータセンタ向けの需要が引き続き伸長したこと、及び為替の影響により、売上高は前年度比51.8%増の4,513億円、営業利益は同135.2%増の922億円となりました。 [エレクトロニクス事業部門] データセンタ向けHDD需要増、高採算製品の選択受注による品種構成の良化、及び為替の影響により、売上高は前年度比12.9%増の1,859億円、営業利益は同37.7%増の229億円となりました。 [自動車事業部門] 売上高は前連結会計年度並みの1,771億円となり、生産性の改善、受注変動によるコストアップ分の顧客転嫁の推進等により、営業利益は前年度比395.6%増の58億円となりました。 [エネルギー事業部門] 国内の再開発や新工場建設等の需要が引き続き堅調に推移し、売上高は前年度比4.4%増の1,452億円、営業利益は同37.2%増の119億円となりました。 [不動産事業部門] 当社旧深川工場跡地再開発事業である「深川ギャザリア」の賃貸収入等により、売上高は前年度比2.9%増の108億円、営業利益は前連結会計年度並みの49億円となりました。  2026年3月期の当社連結の業績予想につきましては、売上高は9,570億円(前年度比2.3%減)、営業利益は1,220億円(同10.0%減)、経常利益は1,260億円(同8.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は900億円(同1.2%減)を予想しております。為替や米国関税政策の影響を受けるものの、情報通信事業部門ではデータセンタ向けの需要が引き続き伸長する見通しであります。 ②財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較し、1,064億円増加の8,303億円となりました。これは主に、情報通信事業部門における需要増を背景に、売上債権及び棚卸資産等の流動資産が増加したことによるものです。 負債の部は、前連結会計年度末と比較し、377億円増加の3,950億円となりました。これは主に、情報通信事業部門における需要増を背景に、支払債務が増加したことによるものです。 純資産の部は、前連結会計年度末と比較し、687億円増加の4,353億円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。 (2) キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,214億円等を源泉とした収入により、1,159億円の収入(前年度比215億円の収入増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資を中心に209億円の支出(前年度比6億円の支出減少)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済や配当金の支払による支出を中心に574億円の支出(前年度比214億円の支出増加)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は1,842億円(前年度比372億円の増加)となりました。  当連結会計年度については、業績好調及び資本効率改善等により、ネットD/Eレシオは-10:110(前連結会計年度は8:92)と、現預金残高が有利子負債残高を上回る結果となりました。 2023年度から2025年度の3か年累計の営業キャッシュ・フローは、25中期を超過する見込みとなることから、超過したキャッシュは成長投資と株主還元に充当することといたしました。2025年度につきましては、25中期における事業の方向性を基本としつつ、新たな中期経営計画の開始となる次年度以降において更なる飛躍を期すための成長投資等の施策を実行してまいります。 (3) 生産、受注及び販売の実績 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額又は、数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、「(1)財政状態及び経営成績の状況」における各セグメント経営成績に関連付けて示しています。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

※本記事は「株式会社フジクラ」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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