大和ハウス工業株式会社の基本情報

会社名大和ハウス工業株式会社
業種建設業
従業員数連50390名 単16192名
従業員平均年齢40.6歳
従業員平均勤続年数15.6年
平均年収9917586円
1株当たりの純資産4226.17円
1株当たりの純利益(連結)514円
決算時期3月
配当金150円
配当性向37.92%
株価収益率(PER)9.61倍
自己資本利益率(ROE)(連結)12.87%
営業活動によるCF4205億円
投資活動によるCF▲4933億円
財務活動によるCF▲446億円
研究開発費※1108.16億円
設備投資額※1487.09億円
販売費および一般管理費※1611.1億円
株主資本比率※241.1%
有利子負債残高(連結)※319487.89億円
※「▲」はマイナス(赤字)を示す記号です。
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 <CEOメッセージ> 代表取締役会長/CEO 芳井 敬一 創業100周年に売上高10兆円の実現に向けて新しい事業と次代を担う人財を育む 創業者精神のもと歩んできた70年 大和ハウスグループは、2025年4月5日に創業70周年を迎えました。ここまでの歩みは、協力会社や取引先・サプライヤーの皆さま、諸先輩方をはじめとした当社グループの従業員のおかげです。人に恵まれなければ、ここまでの成長は実現できなかったことでしょう。私たちを信頼し、ご支援、ご協力をいただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。ここまでの歩みは、創業者をはじめとする歴代経営者の時代に応じたスピード感のある大きな決断の繰り返しでしたが、当社グループが今なお成長し続けているのは、「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」という創業者精神のもと事業を推進しているからだと思います。私たちは常にこの原点に立ち返り、社会のニーズに応えるために挑戦し、新しい商品・サービスを提供してきました。そこには、時代の先の先を読み、経営を推進してきた先人たちの想いが息づいています。それらを積み重ねてきたことで、今では600社を超えるグループ会社を有し、グループ内で一気通貫のまちづくりができるようになりました。それを可能にしているのは、さまざまなステークホルダーの方々との強固な信頼関係があってこそです。全国各地で“まち”を創りながら、地域に根差した事業展開により、その地域の賑わいや文化の発展に貢献し続けてきたことは、間違いなく当社グループの魅力につながっているのではないかと思います。個人のお客さまや各企業さまとの関係を築いてきたその中心には、私たちが大切にしてきた「住宅の心」があります。当社グループが展開するすべての事業において、建物・商品をお渡ししたら終わりではなく、その後もお客さまやご入居者さま、利用者さまに寄り添い、お困りごとがあればお応えする姿勢を貫いてきました。また、創業者はマンネリ化を許しませんでした。「停滞は後退だ」というその言葉は、私たちの心に深く刻まれており、売上高5兆円を突破した今でも、ベンチャー精神が息づいていることも成長を続ける理由の1つであると思っております。一方、2022年12月に、創業者が育ててきたリゾートホテル事業の譲渡を決断しました。ホテルで働く方々や地域社会のため、我々がベストオーナーであるか、という観点から苦渋の決断に至りましたが、事業ポートフォリオの最適化に対して本気で取り組んでいることを、投資家や株主の皆さまにはお示しすることができたのではないかと考えています。 当社グループの強みである幅広い事業領域を活かし、地域密着型で事業を展開 今回、社長交代のタイミングで、私が海外事業を管掌することとなりました。海外事業の売上高は、2010年度は10億円程度でしたが、現在は1兆円を見通せるまでに成長しています。海外事業をさらに成長させるためにできることは、まだまだあります。創業理念である建築の工業化を軸に、これまで国内で培ってきた技術やノウハウを活かして、海外での事業領域を広げていきます。米国事業においては、2017年にグループ入りしたStanley Martin社をはじめ、Trumark社、CastleRock社という戸建住宅を提供している3社が、安定的な市場成長が見込める東部・南部・西部を結ぶスマイルゾーンを中心に事業拡大を進めています。米国戸建住宅事業の売上高は、2018年度の847億円から、2024年度は6,000億円を超えるほどに成長しました。3社がお互い切磋琢磨しながら順調に事業拡大していることから、私たちの方向性は間違っていなかったと確信しています。米国3社の経営陣には日本の自社工場や分譲地を見学してもらい、そのなかで良いと思ったアイデアを現地で採用してもらっています。加えて、3社のトップとは半年に1回程度、今後の経営に向けた議論を行っています。2024年11月には、米国の大手マルチファミリー(賃貸住宅)デベロッパーであるAlliance Residential社をグループに迎えました。今後は、複合開発での協業や戸建住宅事業3社のマルチファミリー事業への進出も見据えています。欧州は人口増加の継続に伴い慢性的に住宅が不足しているエリアが多いため、今後事業拡大を見込んでいますが、戦略の進捗は想定より遅れているため強化する必要があると考えています。Daiwa House Modular Europe社は現在オランダ、ドイツを中心にモジュラー建築で事業を推進していますが、いずれは国や地域によって異なる法律や習慣に合わせた体制を整えつつ、欧州全域さらには近隣諸国での事業拡大も加速させていきたいと考えています。そのほか中国マンション事業においては、日本で培った品質とサービスを提供し、好評をいただいています。ASEANについては、インドネシア、マレーシア、ベトナムを中心に冷凍冷蔵設備を備えた物流施設等を開発し、食の安全性に資するとともに、安定的な物流網の構築に向けて強化を図っています。次の注力エリアとして、アフリカも視野に入れていますが、いずれの地域においても、当社グループの強みである幅広い事業領域を活かし、地域密着型での事業展開を考えています。なお、海外事業の課題である人財確保に関しては、社内人財の育成と外部人財の登用の両面で考えています。今後経営の中心を担う、あるいは海外に携わる従業員には、積極的に英語を学んでほしいと思っています。 売上高10兆円の実現に向けて次代を担う人財を育成 創業100周年に売上高10兆円を実現するためには、役員には最低でも3年先を見据えて経営に参画するよう指導しています。企業が存続し続けるために、将来的に新たな柱となる事業は何か、その時に中心となる従業員は誰かを考え続ける必要があるからです。目標を実現するメンバーは徐々に育ってきています。多様な職種を経験させ、横のつながりも深くなっており、今後の活躍が期待されます。私は以前から従業員に対して我が子のように接し、従業員の成長を見続けてきました。近年では、全国の支店長が集まる会議などにおいて、私と同様に従業員の成長を喜びながら話をする支店長が増えてきたことを大変嬉しく感じています。全員の顔と名前を覚えるのはさすがに難しいですが、従業員からの質問には真摯に向き合い答えていくことで、育成の機会を作っていくことが大切だと考えています。社是に「事業を通じて人を育てること」「企業の前進は先ず従業員の生活環境の確立に直結すること」とあるように、何よりも人財育成を重んじてきたことが当社の最大の強みです。まずやらせてみる、やらせてできなかったらヒントを与えてみる、最後は一緒にやってみる。一人ひとりの可能性を見極めることが大切です。学歴や前職などの過去にとらわれず、一人一人の特性を活かし、未来の大和ハウスグループを担う人財を育てていきたいと思っています。 今年の一文字「心」に込めた想い 年初に掲げる一文字を、今年は「心」としました。従業員に「心」と「笑顔」を持っていてほしいという想いを込めています。社内外の方々と会話する時、想いをきちんと伝えるためには、言葉に「真心」が込められているか、相手に伝わっているかを考えてほしいと思います。上に「士」を作ると「心」は「志」になる。「愛」という字には真ん中に「心」がありますが、社内では上司や後輩と愛のある接し方をしたいと思いますし、何よりも、お客さまに満面の笑みを届けたい。自らが率先して、「大和ハウスグループは、いつも心を込めておそばにいます」と伝えていきたいと思います。 株主・投資家の皆さまへ 株価について申し上げると、2025年の5月に上場来高値を更新しました。日頃からのご支援に感謝申し上げます。しかしながら、私は現在の株価水準について決して満足していません。私は創業100周年に売上高10兆円の企業グループを見据えていますので、株主・投資家の皆さまにおかれましては、目の前の数字だけでなく、これからの成長投資についてもご理解いただきたいと思っています。目標達成に向かって歩み続ける大和ハウスグループを信じて見守っていただきますよう、引き続きよろしくお願い申し上げます。 <CEO×COO対談> 代表取締役会長/CEO 芳井 敬一代表取締役社長/COO 大友 浩嗣 創業100周年とその先の未来に向けて経営体制を新たに経営判断のスピードアップを図る 経営体制の変更にあたって芳井売上高5兆円を超える企業となっても、私たちは創業70年のベンチャー企業だと思っています。そうした会社において社長の在任が長く続くことは、必ずしも良いとは限らないだろうと考えていました。また、私自身、各種業界団体の代表を務めるなど、社外における責務の比重も大きくなってきているなかで、経営判断のスピードアップを図るために、社長としての役割を大友さんに担ってもらい、私と大友さんで海外事業と国内事業をそれぞれ担当することにしました。自らの領域に注力すると同時に、トップ2人が考える方向性を同じくして意見を交わしながら二人三脚で進めていきます。なお、このタイミングでの社長交代になった理由は、第7次中期経営計画を前倒しで終わらせる見込みになったためです。次期中計の検討については新社長の体制のもとで進めることがベストと考えていました。 新社長への期待、そして挑戦芳井大友さんは長年、住宅事業本部のトップを務め、数々の課題にも対応してきました。その姿をずっと見てきて、非常に実直な人物だと感じています。従業員を育てる気持ちがなければ事業を育むことは難しいということをよく理解し、周りにもそう接しています。私たちが立ち返る創業の精神とは、事業を通じて人を育て、事業で得た利益を従業員に返すことです。従業員を育てることなく事業をしてはいけないという思いは、私も同じです。大友さんには、これまでの経験を活かして、国内事業においても自分のやりたいことを貫いてほしいと思います。 大友私のミッションは、国内事業を更に成長させることだと捉えています。既存事業に加えて、経営戦略本部長を務めていた時に種を蒔いたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドやFuture100を通じた新規事業への挑戦、Future with Woodなど建築の木質化にも積極的に取り組んでいきます。そのためには、現場をもう一度回って従業員に光を当てたいと考えています。それは、現場の従業員との会話によって浮かび上がる課題について自分も一緒に考え、当社グループの全国展開の強化に向けた知恵を生み出していきたいと思っているからです。知恵とは、悩み苦しんで初めて生まれてくるもの。本を読んで知識を得るだけでなく、そのうえで考えを尽くしてようやく獲得できるものだと考えています。従業員やお客さま、サプライヤー、さまざまなステークホルダーとの関係性においてどこに課題があるかを追求し、その課題に対峙するなかで事業をどう成長させていくか、目標と言えば数字で表してしまいがちですが、数字だけではなく地域や社会への貢献をもう一度初めから考えていきたい。自分の強みである現場に立ち返りたいと思っています。 第7次中期経営計画から第8次中期経営計画に向けて、全社で取り組む芳井第7次中期経営計画は、概ね順調に進んでいます。最終年度の目標である売上高5兆5,000億円、営業利益5,000億円が届く範囲に入ってきました。従業員が頑張ってくれたことの成果にほかなりません。すべての従業員に大きな拍手を送りたいです。特に海外事業は、コロナ禍などさまざまな困難があったなかで、よく業績を伸ばしてくれたと思います。米国事業においては戸建住宅の土地の仕入れと拡大戦略が機能しており、海外事業の目標数値として掲げていた売上高1兆円、営業利益1,000億円の達成も見えてきました。国内においても新たな取り組みや、新たなアセットへの挑戦などが順調に進み、賃貸住宅、商業施設、事業施設を中心に、堅実に成長している状況です。 大友7次中計については、経営戦略本部長として、当初より計画の進捗状況をモニタリングして、海外やグループ会社を含めて成長の度合いを見てきました。2024年頃から、前倒し達成が見えてきたため、8次中計の概略は既に頭のなかで組み立てていました。今は、社長という立場で再度現状の検証をして、7次中計の振り返りをしたうえで、10年後の2035年を見据えて8次中計を検討していきたいと考えています。8次中計は当社グループにとって非常に重要な位置付けとなるでしょう。今年一年をかけてしっかりと練り上げていきます。 芳井8次中計については、議論を進めている段階ですが、データセンター事業は、4月の組織再編で新たに設けたデータセンター事業本部準備室を中心に成長させていきたいと考えています。海外事業では、米国で戸建住宅事業を展開する3社がそれぞれ大和ハウス工業のように積極的に事業領域を広げる動きをしていくことを期待していますし、欧州の事業拡大も期待していただきたいです。またグループ会社の更なる成長に向けては、給与体系の見直しも課題の1つと考えています。売上高の半分以上はグループの従業員の頑張りによる数字ですから、グループ全体の従業員もきちんと評価すべきと考えています。グループの結束を高めるためにも全体を俯瞰して評価をし、彼らの生活を変えていかなければなりません。 大友大和ハウス工業の従業員は約16,000人、グループ全体で約50,000人。つまりグループ全体では単体の倍以上の従業員がいるということです。だからこそ、真剣に考えていく必要がありますね。 7事業本部から2大本部への再編により、「稼ぐ力」を強化する芳井「稼ぐ力」を強化し、国内外で成長戦略を描いていくために、2025年4月1日から7事業本部制から2大本部制に移行しました。戸建住宅や賃貸住宅などの部門を統合したハウジング・ソリューション本部と、商業施設や物流施設などを統括するビジネス・ソリューション本部を新設して、傘下に事業本部を置きました。これは、各事業本部の機能集約・合理化を図りながら、横軸の連携強化を実現するものです。2つの事業本部にまとめて横軸をつくることで、顧客情報を共有し、事業本部を超えてお客さまとの接点を設けることで、たとえトップが変わっても機能する状態にしたい。組織再編により、今後はよりダイナミックに動ける体制へと進化していくと考えています。 大友成長を実現している他社はどのように改革したのかについても勉強し、当社グループに合わせて組織を再編しました。今回の最大のポイントは、二大本部長に一定の権限を移譲したことで意思決定や実行のスピードを上げられる点です。また、従業員が現場と向き合う時間をいかに増やすかが課題と捉えています。少子高齢化が進み、将来的に従業員がこれまでのように事業機会を獲得できなくなるリスクを鑑み、業績が好調な今、現場に人財を多く配置できるようにし、またリスキリングを進めることで社員の能力を向上させるなど、時代の変化に合わせた体制を今後も整備していきます。 創業100周年、そしてその先の未来に向けて臆せず挑戦する大友創業者が掲げた2055年の100周年に売上高10兆円という目標は、夢物語のようでしたが、5兆円を超えて現実味を帯びてきました。しかし現状のままでは、実現は難しいと思っています。社会の変化は非常に速く、我々の予測を超えています。“先の先”を読み、そこに生まれるビジネスチャンスを的確にとらえていくことで、その先に未来が見えてきます。また、目標実現に向けて海外事業の成長は欠かせません。国内で新規事業の種を育て、それを海外に移植していくことも考えています。大和ハウスグループはそれぞれの時代や事業環境にあわせて組織体系を変化させながら成長してきました。それぞれの事業が影響し合い、シナジーを生むことで変化を起こす土壌を残しつつ、そこから生まれたものが新たな種になり、柱になっていくという企業体に育つことを期待しています。多様な事業によるシナジーは、チャンスを掴むためにも必要です。今回の組織再編で、グループ会社も含めたバリューチェーンの拡大を実現できると思います。大きく変革していくためには、今後2~3年が勝負でしょう。世界に目を向ければ、開拓する場所はまだまだあります。 芳井今後、売上高10兆円を達成していくにあたっては、「技術力」もカギになります。今や、当社グループは数百億円規模のデータセンター、半導体関連工場を建設できる技術力があります。今後の成長に向けては技術力においてもトップを取ることが重要と考えています。デベロッパーに建設会社の機能が加われば、営業力に加えて難易度の高いニーズに応える技術力が備わります。そうすれば、扱うものも自ずと変わり、ビジネスチャンスも変わってくるはずです。大友さんの構想を裏打ちするものは技術力になります。技術的な裏打ちがあれば営業も案件を取りに行くことができます。さらにはそれに挑戦する従業員も増え、それが成功すれば国内にとどまらず海外に挑戦する従業員も出てくるかもしれません。未来の大和ハウスグループを担う人財には、臆せず挑戦することを期待したいですね。 <COOメッセージ> 代表取締役社長/COO 大友 浩嗣 創業70年のベンチャー企業として共創共生を原点に新たな夢に挑み続ける まちづくりで身に着けた「現場力」と「一隅を照らす」を信念に社会に貢献する今年の4月に代表取締役社長に就任しました。芳井会長の社長在任期間には良い時ばかりでなく厳しい時もありましたが、そうしたなかでも会長があらゆる問題に“正対”する姿を間近で見てきたことはかけがえのない経験であり、私自身の糧となっていると感じています。今後は芳井会長と共に、大和ハウスグループの持続的成長に向けて力を尽くしてまいります。学生時代から建設業界を志望しており、当時大和ハウス工業が新たに流通店舗事業部を作り、モータリゼーションの進展に合わせてロードサイドの店舗づくりに着手するというニュースを聞き、一般的な建築にとどまらないまちづくりに携わることができると考え、入社を希望しました。大学を卒業する前から営業職として入社し、卒業前にお客様から受注できたことは今でも忘れられません。新入社員にここまで任せる大和ハウス工業には、既成概念にとらわれず挑戦を後押しする企業風土があるのだと感じました。私の流通店舗事業部時代に、ファーストリテイリングの前身である小郡商事への提案を一担当者として手がけました。一度は提案を却下されたのですが、埼玉県から山口県宇部市まで駆けつけて出店会議でプレゼンの機会をいただき、最終的には現在ファーストリテイリングで代表取締役会長兼社長を務められている柳井さんから承諾をいただきました。当時のユニクロはまだ関東エリアに出店されていませんでしたが、いずれは世界を目指すと宣言する柳井さんのパッションに、他の経営者にはないものを感じました。柳井さんとの出会いは、最も印象深い出来事の一つです。また、これまで経験した事業のなかでも、つくば支店長時代に大型複合商業施設のプロジェクトマネージャーとして従業員の声を取り入れて成功に導いたことや、住宅事業本部長時代の「名もなき家事」を家族で共有する「家事シェアハウス」の事業化、そしてお客さまや協力会社さま、サプライヤーの方々との対話からニーズをつかみ、高級商品や木造商品など新たな住宅のラインアップをご提供できたことは心に残っています。このような経験の中で、今まで数々の現場でお客さまやテナントさま、行政、金融機関、不動産会社などの方々に教えていただいたことが知識として積み重なり、現場力が身に着きました。それが私自身の強みとなっているのではないかと考えています。現場を大切にして、現場から変えていくという考え方と行動は今でも変わりません。私は、常に「一隅を照らす」という言葉を信念として業務にあたることを心がけています。「一隅を照らす」とは、自分を磨くことです。自分を磨けばその光で周りが明るくなり、周りが明るくなれば会社が良くなり、自分が良くなり、そして社会も良くなる。当社グループの従業員にも、さまざまなことが起きる日々において「何のために仕事をするのか」を理解してもらいたいという思いを込めています。また、経営判断に迷う時には、会津藩の言葉「ならぬものはならぬ」を心に留めています。最初の判断を間違うと、大きな失敗につながるということ。何かを始める時には肝に銘じるようにしています。 社会課題があるところに事業機会を見出し、国内事業の成長を加速する 社長就任にあたり、私は国内事業を担当しますが、この国内事業にはまだ伸びしろがあると考えています。少子高齢化が進む中、これから新築物件の大きな増加は見込めないでしょう。しかし、現在さまざまな地域で起きているインフラの老朽化などの問題、あるいは自然環境やライフスタイルの変化による社会課題があるところにビジネスチャンスは必ずあります。そこに、創業来70年にわたって全国で事業を展開し、各地に営業所をもつ当社グループの強み、すなわち地域密着型の情報量が生きてくると考えています。今やインターネットでも情報を得ることはできますが、最も大切な情報は現場でしか知り得ないと確信しています。その最たるものは、お客さまの顔。顔が見えない仕事は信頼できません。地域に根差した情報を重視することで、当社グループの価値をさらに向上することができると考えています。 まず注力すべき分野として、ハウジング領域の請負・分譲事業、管理事業、リブネス事業の展開を強化していきます。ビジネス領域についても、土地情報力やテナント企業さまとのリレーションという当社グループの強みを活かして更なる成長を目指していきます。今後の成長分野の一つとなるデータセンターの強化に向けては、2025年4月1日にデータセンター事業本部準備室を設置しました。データセンターの一番の課題は、熱の問題を将来的にどのようにコントロールしていくか。そうしたハード面の課題もあり、データの量や質、施設の安全性、BPOなどソフト面の課題もあり、建物を建築したら終わりではなく、その後の対応策の検討が必要です。リブネス事業の強化も進めています。元々、リブネス事業を立ち上げたのは芳井会長と私です。名前、ロゴの色も自分たちで決めて大切に育ててきました。当社グループにはストック事業のブランドがなかったため認知度が低く、まずはブランディングをしました。そして個人向けの住まいの仲介、リフォーム、買取再販、賃貸管理に至るまでお客さまの課題を解決する部署を作り、システムを整え、ノウハウを積み重ねてきました。その後相続税対策に関連する集合住宅についてもソリューションを提供し、着実に伸長しています。更に、2024年には事業用施設を対象にしたBIZ Livnessを立ち上げました。工場、倉庫、商業施設、ビルなどの建物を壊さずに、耐震性能や環境対応などの付加価値をつけて再活用するためのコンバージョンやリフォームをする事業です。リブネス事業は2030年代には売上高1兆円規模を目指しています。一方、サプライチェーンにおいて国産材の活用を図ることを目的に私が名称を決めたFuture with Woodプロジェクトも進めています。非住宅の木造・木質化を推進しながら、約10年後には非住宅木造事業において業界トップの規模を目指していきます。 社内起業、他社との協働への投資により、新たな挑戦や働き方を後押しする※ CVCファンド投資先  「Oishii Farm Corporation」 2024年より新たな試みとしてスタートした社内起業制度「Daiwa Future100」については、初年度の2024年は896件の応募があり、最終選考では条件付きも含め5件が通過、2025年4月より4件の事業化検証を開始しています。この制度は当社グループにおける新たな挑戦や働き方を後押しする取り組みの一つであると同時に、社員のモチベーションアップにも貢献します。経営人財育成への投資として300億円を確保、失敗した場合にも戻れるよう帰りのチケットも用意して挑戦する土壌を整えています。また、2024年4月に、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドの運用を本格的に開始しました。この「大和ハウスグループ“将来の夢”ファンド」は、最大300億円の運用額を確保し、基本的に「ア(安全・安心)ス(スピード・ストック)フ(福祉)カ(環境)ケ(健康)ツ(通信)ノ(農業)」の領域において、既存事業を深化させる事業と将来の新規事業という観点で成長領域を探索しています。人的資本については人的資本ROIという明確な指標を定め、「人的資本 ROI=数理差異除く営業利益÷人的資本投資額」と定義づけました。今後は人的資本投資額を増やしながら、営業利益と比較して生産性の向上を目指していきます。女性の管理職比率などを含めた多様性に関する目標指標や、従業員エンゲージメントサーベイの結果など非財務の部分をしっかりモニタリングし、課題の把握とその解決に向き合いながら、人的資本の価値向上にも取り組んでいきます。 経済価値と環境・社会価値は両立するものとして、 事業を通じて私たちがお客さまにできることを考え、提案する サステナビリティ経営を推進するにあたり、財務価値と非財務価値とのつながりを、どのように社会と共有し、持続的成長につなげていくかを重視しています。社会にコミットすべき指標が数多くあるなかで、ZEH率、ZEB率などの環境指標の目標は、戦略の中心に必ず置き、その進捗をモニタリングしながら成果を挙げ、脱炭素社会に向けて貢献していきます。住宅分野だけ見れば他社との大きな差別化は難しいかもしれません。しかし、大和ハウスグループには幅広い事業領域があります。非住宅分野も含めた総合的なまちづくりに、ゼネコンとして、あるいはデベロッパーとして関わることができます。さらには、環境エネルギー事業という独立した事業もありますので、建物を引き渡した後の電力小売事業も含め、長きにわたってお客さまに寄り添いながら、共に環境課題に向き合うことができる点は、当社グループの強みだと考えています。また、当社では不動産開発投資のハードルレートとしてIRRを採用していますが、日本で初めてICP(インターナルカーボンプライシング)を導入しました。日本国内だけでなくヨーロッパの数字を見たりしながら社内で協議して、CO?1トン2万円と評価しました。挑戦的な数字ではありますが、投資を検討する際に環境価値も考慮してもらうという、現場サイドの意識付けにも重要な役割を果たすと考えています。環境対応にはコストがかかります。経済と環境を両軸で回すために、ICPの導入で社員が積極的にカーボンニュートラルに向けた投資に取り組み、財務価値の向上にもつなげていきます。一方で、お客さまの意識も変化しつつあり、流通、建築のZEB率、住宅のZEH率は向上しています。集合住宅もZEH-M標準対応商品のTORISIA(トリシア)などの発売が功を奏し、カーボンニュートラル戦略は順調に進捗しています。近年、夏場の異常気象など地球環境への対応は待ったなしの状態です。当社グループの事業規模や業界で注目される立場であることを鑑みると、率先して環境問題に対応していかねばなりません。東日本大震災の後、戸建住宅「xevo」の断熱性能を上げ、太陽光パネル、エネファーム、リチウムイオン蓄電池を搭載して、インフラの課題が起きた時も雨天でも約8日間自立できる住宅を商品化しました。災害発生時に、スマホの充電やテレビ、ラジオ、冷蔵庫、扇風機といった最低限の生活インフラを維持するレジリエンス機能のある家を最初に作ったのは当社グループです。自然災害などの問題があった時、まず人を守ることは我々のベースであるDNAに組み込まれています。経済価値と環境価値・社会価値は相反するのではなく、両立しなければなりません。これからも私たちの事業を通じて何ができるのかしっかり考え、お客さまに提案していきます。環境省が主催する「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の環境サステナブル企業部門においても、2023年度は銀賞、2024年度は金賞をいただきました。そういう部分でも我々の取り組みは一定の評価をいただいていると感じています。 創業100周年の2055年に向けて 社会から必要とされる会社として持続的成長を実現する 大和ハウスグループは、「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」という創業者精神を原点に、自社の利益だけを追求するのではなく、共創共生の精神のもと企業活動を推進してきました。現在、当社グループが売上高5兆円を超える企業に成長したのは、従業員やさまざまなステークホルダーの皆さまのおかげだと感じています。当社グループは他社にないもの、社会にないものを作り続けて成長してきました。この先も既成のポジションを守るのではなく、常にベンチャースピリットを抱いて歩み続けようとしています。今年で創業70周年を迎えましたが、70年目のベンチャー企業としてこれからも新しい芽を育て、社員を育むとともにスピード感をもって新規事業を創出し、事業を通じて社会から必要とされる会社として持続的成長を実現していきます。 マテリアリティと第7次中期経営計画大和ハウスグループでは、2030年頃のメガトレンドをふまえ、機会とリスクを認識し、“将来の夢”を実現するために取り組むべきマテリアリティ(最重要課題)を設定しています。マテリアリティをふまえ、第7次中期経営計画では、第8次中期経営計画以降の成長も見据えた企業価値の最大化に向けて、「収益モデルの進化」「経営効率の向上」「経営基盤の強化」の3つの経営方針に基づく8つの重点テーマに取り組み、持続的成長モデルの構築を目指します。        ※ 大和ハウスグループへの影響(リスクと機会)の詳細については、統合報告書2025(2025年8月発行予定)をご覧ください。
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 1.財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直し、好調なインバウンド需要により、緩やかな回復基調となりました。しかしながら、エネルギーや原材料価格の高騰、慢性的な人材不足に加え、不動産市場の停滞により景気の足踏みが続く中国経済や米国の政策動向等による海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクは継続しております。国内の住宅市場における、2024年4月から2025年3月の累計新設住宅着工戸数は、分譲住宅が前年比マイナスとなったものの、持家及び貸家が増加したことにより全体では前年比でプラスとなりました。一般建設市場では、建築着工床面積において、店舗が増加したものの事務所、工場及び倉庫が減少し全体で前年比マイナスとなりました。このような事業環境の中で当社グループは、2022年度よりスタートした5ヵ年計画「第7次中期経営計画」において、「収益モデルの進化」・「経営効率の向上」・「経営基盤の強化」の3つの経営方針を掲げ、持続的な成長モデルの実現に向け、海外事業とストック事業の拡大やDXによる顧客体験価値向上等、様々な高付加価値提案や施策を積極的に推進してまいりました。「収益モデルの進化」では、「再生と循環」をキーワードに、地域・お客様の視点で、「創る・育む・再生する」の循環型バリューチェーンの拡充に努めております。以上の結果、当連結会計年度における売上高は5,434,819百万円(前連結会計年度比4.5%増)、営業利益は546,279百万円(前連結会計年度比24.1%増)、経常利益は515,985百万円(前連結会計年度比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は325,058百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。なお、上記の営業利益には退職給付数理差異等償却益101,238百万円を含んでおり、数理差異等を除いた営業利益は445,041百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。 セグメント別の概況は次のとおりです。 戸建住宅事業では、住まいのあり方が多様化する中、省エネ性とレジリエンス性能に優れた良質な住宅を提供してまいりました。加えて、住まう方の人生や変化する価値観に寄り添い、暮らしを豊かにするライフスタイル提案も行ってまいりました。 国内の住宅事業では、新しい分譲住宅「Ready Made Housing.(レディ メイド ハウジング)」という考え方のもと、人件費や住宅建築資材等の物価高騰の中でも注文住宅と変わらない高い設計力と品質、安心の長期保証、そしてアフターサポートを叶え、価格以上の価値を目指した良質な分譲住宅を提供しております。 注文住宅では、「自由設計と規格住宅のいいとこどり」が可能な注文住宅「Smart Made Housing.(スマートメイドハウジング)」の考え方のもと、事業を推進しております。2025年1月に当社オリジナルの「内外ダブル断熱」と太陽光発電システムを標準搭載することで、軽量鉄骨造3階建ての戸建住宅商品では初めてZEHに標準対応となる「xevo M3(ジーヴォ・エムスリー)」を発売いたしました。また、ストック型社会の到来を見据え、既存建物の再生・循環にも注力しております。特に、かつて当社が開発した各地の住宅団地において、地域活性化や空き家問題等の社会課題に向き合い、まちを再生・再耕する「リブネスタウンプロジェクト」に取組んでおります。そこに暮らす人々と共に考え、まちと暮らしに寄り添い、未来に向かって輝き続けるまちの価値構築を進めております。 海外では、米国の東部・南部・西部を結ぶスマイルゾーンにおいて、東部のStanley Martin、南部のCastleRock、西部のTrumarkのグループ3社を軸とした事業拡大を進めております。2024年度は高止まりする住宅ローン金利の影響がある中、モーゲージバイダウン等のインセンティブ施策の活用による販売戸数の拡大や、工期短縮によるコスト削減等に取組みました。また各エリアにおいて、スプリングセールス期間に合わせた戦略的な販売中分譲地数の拡大により、足元の受注は堅調に推移しております。以上の結果、当事業の売上高は1,144,505百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は69,826百万円(前連結会計年度比98.6%増)となりました。 賃貸住宅事業では、ご入居者様、地球環境、街への3つの視点から持続的な価値を提供し、オーナー様の資産価値の最大化につながる賃貸住宅経営の提案とサポートを行ってまいりました。加えて、環境負荷を低減し、省エネ・創エネ対応のZEH-M物件の普及に努めております。2025年3月には、創業70周年を記念してZEH-M(※)に対応した重量鉄骨ラーメン構造3・4階建て賃貸住宅商品「THE STATELY(ザ ステイトリー)」の販売を全国(北海道、沖縄県、一部エリアを除く)で開始いたしました。耐震等級の中で最も高い耐震性能である耐震等級3を実現した重量鉄骨ラーメン構造3・4階建て賃貸住宅商品となっており、1階部分は物販店舗や事務所等の用途にも対応できるため、建設地エリアのニーズに合わせた提案を可能としております。今後もオーナー様への幅広い土地活用の提案と、ご入居者様から選ばれる賃貸住宅を提供してまいります。大和リビング株式会社では、多様なご入居者様に選ばれる、高品質で住み心地の良い賃貸住宅「D-ROOM」の提供に加え、管理物件の競争力ある部屋づくりも奏功し、管理戸数の増加及び高い入居率の維持につながっております。大和ハウス賃貸リフォーム株式会社では、当社施工の賃貸住宅における定期点検や診断を通じたリレーションの強化を図り、保証延長工事やリノベーション提案を推進してまいりました。海外では、賃貸住宅開発事業を展開している米国において、シアトル近郊で開発したエステラパーク・プロジェクトにおけるパークサイドを2024年11月に売却いたしました。また、同月には米国で賃貸住宅事業を行うAlliance Residential Companyを持分法適用関連会社といたしました。米国における当社グループのネットワークや提案力の強化により不動産開発プラットフォームの拡大を目指してまいります。以上の結果、当事業の売上高は1,376,089百万円(前連結会計年度比10.1%増)、営業利益は129,960百万円(前連結会計年度比12.2%増)となりました。※ ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンションの略称。断熱性・省エネ性能を高め、再生可能エネルギーなどにより、エネルギー収支ゼロを目指す集合住宅のこと。 マンション事業では、お住まいになる方々の多彩なライフスタイルに応えるため、ハウスメーカーとして培ってきたノウハウを駆使し、長寿命の住まいに欠かせない基本性能や快適性、安全性、管理体制の提供を追求してまいりました。2025年3月には、摂津市がJR東海道本線「千里丘駅」西側で進めている「千里丘駅西地区第一種市街地再開発事業」地内に、当社を含む4社共同企業体が開発する地上36階建て分譲マンション「プレミストタワー千里丘」(大阪府)が販売開始いたしました。駅直結の歩行者専用通路や隣接する商業施設等、再開発事業での整備による充実した周辺環境に加え、多彩な共用施設や設備による快適な住環境が評価され販売が順調に進捗しております。大和ライフネクスト株式会社では、2025年1月に株式会社Octa Robotics及び綜合警備保障株式会社と共同で、ロボットとセキュリティシステムの連携についての実証実験に成功いたしました。経済産業省による「令和6年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択された本実験では、無人環境下においてロボットがセキュリティシステムの稼動を維持しながら警備・清掃業務を自律的に遂行できることを確認いたしました。これにより、ロボットが単独で建物内を自由に動くことができる環境を実現することが可能となりました。今後はロボット運用における各種セキュリティの強化や、複数のロボットの同時稼働を実現するためのシステム開発をパートナー会社と共に進め、管理品質の向上につながる新たな建物管理サービスの開発・販売に向けた取組みを加速させてまいります。海外では、米国及び英国ロンドンにおける分譲マンション開発は順調に進捗しております。しかしながら、前連結会計年度において株式会社コスモスイニシアが連結子会社から持分法適用関連会社となったことなどにより、当事業の売上高は269,427百万円(前連結会計年度比39.0%減)、営業利益は10,908百万円(前連結会計年度比70.8%減)となりました。 商業施設事業では、テナント企業様の事業戦略やエリアの特性を活かし、ニーズに応じた多様な企画提案を行ってまいりました。特に、大型物件への取組みの強化や、当社で土地を取得し、開発企画・テナントリーシング・設計施工まで行った物件を投資家様に販売する分譲事業、及び事業用施設の売買仲介・買取再販事業等にも注力してまいりました。ホームセンター事業では、ロイヤルホームセンター株式会社において、2025年3月末の総店舗数は64店舗となっております。同年2月には、「ロイヤルホームセンター戸田公園」(埼玉県)で改装工事を実施し、ペットや通常店舗では取扱いのない高品質なペットフード等を展開することで、ペット売場の強化を実施いたしました。都市型ホテル事業では、大和ハウスリアルティマネジメント株式会社にて運営しておりますダイワロイネットホテルズにおいて、インバウンド需要も好調に推移しており、当期累計平均稼働率は88.5%となっております。また、2025年2月に「ダイワロイネットホテル秋田駅前」、同年3月に同社初のリゾート型ホテル「BATON SUITE 沖縄古宇利島」が開業いたしました。スポーツ施設事業では、スポーツクラブNAS株式会社において、販促強化を実施した結果、当連結会計年度のクラブ入会者数が前年比約150%を達成いたしました。引き続きセールス担当者への研修を強化し、更なる売上の向上を図ります。大和リース株式会社では、2025年1月に東京都江戸川区で「総合レクリエーション公園」、「新左近川親水公園」をリニューアルオープンいたしました。当施設は、江戸川区南部の葛西地区にある公園をリニューアルするもので、区が公募を行い、当社を代表とするグループが事業協力者に選定されました。遊具や園路・ベンチ・トイレなどの公園施設の整備、カフェやレストラン・バーベキュー場等の運営等を行い、多くの利用者に親しまれる施設を目指してまいります。海外では、台湾・高雄市において、2020年1月より開発を進めておりましたホテル・分譲マンションからなる複合開発プロジェクト「台湾高雄プロジェクト」(※)のホテル棟が完成し、2024年11月に「ホテル・ニッコー高雄」が開業いたしました。以上の結果、当事業の売上高は1,227,145百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は145,928百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。※ 台湾の大手不動産開発会社である大陸建設株式会社が設立した汎陸建設實業(はんりくけんせつじつぎょう)株式会社に、当社が出資し当プロジェクトに参画。 事業施設事業では、法人のお客様の様々なニーズに応じた施設建設のプロデュースや不動産の有効活用を総合的にサポートし、業容の拡大を図ってまいりました。物流施設関連では、2025年1月から3月の3ヶ月間において、需要が堅調な九州地区での大型賃貸施設「DPL福岡東」を着工いたしました。リーシングも堅調に進んでおり、「DPL札幌南Ⅲ・Ⅳ」、「DPL沖縄豊見城Ⅰ」、「DPL岩手花巻」、「DPL小田原」(神奈川県)で賃貸借契約を締結いたしました。リブネス事業では、2025年1月から3月の3ヶ月間において、「リブネスひたちなか市山崎」、「沼津市西島町介護施設」、「Dプロリブネス名古屋市昭和区御器所」、「古河市茶屋新田リブネス計画」の4物件の買取販売を行いました。食品関連事業では、中食の需要増加に伴い、冷凍食品の製造工場及び保管用の冷凍冷蔵倉庫の引合いが増えております。また、医薬品や健康食品の分野では高品質な物流センターの需要も増加しております。主に当社が開発した物流施設を管理・運営する大和ハウスプロパティマネジメント株式会社では、2025年1月からの3ヶ月間において「DPL小牧」(愛知県)をはじめとする物流施設等6棟について新規プロパティマネジメント契約を締結し、2025年3月末時点の管理棟数は258棟、管理面積は約1,070万㎡となりました。ロジスティクスサービス業を展開するダイワロジテックグループでは、IT事業において顧客企業のDX推進における投資拡大が続く中、受注も堅調に推移しIT事業における業績は計画を達成いたしました。引き続き物流業務の省人化・自動化案件を中心に取組み、更なる新規顧客獲得へつなげてまいります。一方、物流事業においては、主要顧客との契約見直しの影響もあり収益が伸び悩んでおりますが、全拠点における原価改善に取組むと同時に新規顧客獲得による未利用スペースの充足等により業績改善を進めてまいります。株式会社フジタでは、大型建築工事として集合住宅や工場等、土木事業として区画整理事業の造成工事や風力発電所の建設工事等を受注し、業績は堅調に推移いたしました。海外事業では、当社がベトナム北部で初めて開発したマルチテナント型物流施設「DPL Vietnam Minh Quang(ベトナムミンクアン)」が2025年2月に開所しました。当施設はタイ王国で物流施設や工場の開発等を展開する最大手のWHA Corporation PCLとの共同事業で進めていたものです。今後も米国及びASEAN等において事業施設の開発を加速してまいります。以上の結果、当事業の売上高は1,369,730百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益は159,655百万円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。 環境エネルギー事業では、脱炭素への流れが加速し、再生可能エネルギー導入のニーズが高まる中、EPC事業(再生可能エネルギー発電所の設計・施工)、PPS事業(電力小売事業)、IPP事業(発電事業)の3つの事業を推進してまいりました。EPC事業では、太陽光発電所から離れた需要家に供給する「オフサイトPPA(※)」、屋根上や隣接地に設置した太陽光発電所から直接電力を供給する「オンサイトPPA」の2つのPPA事業の拡大に取組んでまいりました。再生可能エネルギーの需要は着実に増加しております。今後も当社が創業以来積み重ねてまいりました用地開発のノウハウを活かした太陽光発電所用地の確保と、大手エネルギー会社との協業による需要家の開拓を行い、主力事業として引き続き注力してまいります。PPS事業では、電源調達調整費(独自燃調)の導入等の取組みとともに、電力卸売市場のスポット価格が安定したことにより、過去最高の収益となりました。電力業界における事業環境動向の予見は困難なため、今後も事業リスクの対策を継続しPPS事業の安定化に取組んでまいります。IPP事業では、太陽光発電を中心に、風力発電、水力発電を全国677ヶ所で運営しており、発電量は894MWとなります。また、蓄電池事業を開始するほか、海外での事業展開に向けた取組みとして、タイ王国において、物流施設や工場の開発等を展開するWHA Corporation PCLと合弁契約を締結し、当事業海外初となる「PPAモデル自家消費型太陽光発電設備(オンサイトPPA)」の展開を2025年2月より開始いたしました。これまでの事業で培ったノウハウを活かし、更なる再生可能エネルギーの普及拡大を目指してまいります。以上の結果、当事業の売上高は131,180百万円(前連結会計年度比5.9%減)、営業利益は12,420百万円(前連結会計年度比36.0%増)となりました。※ Power Purchase Agreement(パワー・パーチェス・アグリーメント)の略。電力購入契約。 (注) 各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものです。(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」を参照。) 2.キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加420,561百万円、投資活動による資金の減少493,370百万円、財務活動による資金の減少44,682百万円等により、あわせて112,617百万円減少いたしました。この結果、当連結会計年度末には326,954百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動による資金の増加は420,561百万円(前連結会計年度比39.1%増)となりました。これは、主に法人税等の支払いや販売用不動産の取得を行ったものの、税金等調整前当期純利益を488,783百万円計上したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動による資金の減少は493,370百万円(前連結会計年度は310,419百万円の減少)となりました。これは、主に大規模物流施設や商業施設等の有形固定資産の取得を行ったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動による資金の減少は44,682百万円(前連結会計年度は97,399百万円の増加)となりました。これは、主に借入による資金調達を行ったものの、自己株式の取得や社債の償還、株主配当金の支払いなどを行ったことによるものです。 3.生産、受注及び販売の実績① 生産実績当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前期増減率 (%)受注残高(百万円)前期増減率 (%)戸建住宅1,129,33022.0295,55143.2賃貸住宅1,391,77410.3205,5859.5マンション260,026△33.783,922△0.9商業施設1,268,50810.0255,03922.6事業施設1,135,968△14.2834,038△19.0環境エネルギー83,444△8.01,011△71.3その他25,191△37.20△89.8合計5,294,2442.01,675,150△2.6 (注) 各セグメントの金額は外部顧客への受注高・受注残高を表示しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額 (百万円)前期増減率 (%)戸建住宅1,135,30620.2賃貸住宅1,373,97010.0マンション260,791△39.8商業施設1,221,4173.9事業施設1,332,1755.8環境エネルギー85,958△15.5その他25,200△37.2合計5,434,8194.5 (注) 1.各セグメントの金額は外部顧客への売上高を表示しております。(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」を参照。)2.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。 (参考)提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。受注高、売上高及び繰越高期別部門別前期繰越高(百万円)当期受注高(百万円)計(百万円)当期売上高(百万円)次期繰越高(百万円)第85期自 2023年4月1日至 2024年3月31日建築請負部門482,3971,184,3561,666,7531,144,087522,666不動産事業部門172,434917,6971,090,131929,249160,882その他事業部門-76,37776,37776,377-計654,8312,178,4312,833,2622,149,713683,548第86期自 2024年4月1日至 2025年3月31日建築請負部門522,6661,043,7011,566,3671,056,628509,739不動産事業部門160,8821,041,0301,201,9121,015,938185,974その他事業部門-77,40777,40777,407-計683,5482,162,1382,845,6872,149,973695,713 (注) 1.損益計算書においては、建築請負部門は「完成工事高」、不動産事業部門は「不動産事業売上高」、その他事業部門は「その他の売上高」として表示しております。2.前期以前に受注したもので契約の更改により金額に変更あるものについては、当期受注高及び当期売上高にその増減を含めております。3.次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)です。 4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。  <CFOメッセージ> 持続的な成長と企業価値の向上を追求する企業として、事業環境やビジネスモデルの変革に応じた最適な資本戦略を追究する 代表取締役副社長/CFO 香曽我部 武 大和ハウスグループは、時代に応じてビジネスモデルを進化させながら成長してきました。創業当初は請負事業が中心でしたが、その後、分譲事業へも事業を拡大してきました。そして事業用定期借地権制度ができたことによる土地所有者の「土地を売らずに貸して収益を得たい」というニーズに応えるための事業を手掛けるようになり、さらには、当社が購入した土地に商業施設や物流施設などを開発する不動産開発事業も展開するなど、私たちは多くの土地情報と様々なテナントさまのニーズをつなぐ事業を拡大してきました。特別なことをしてきたわけではなく、「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」という創業者精神のもと、お客様のニーズに真摯に向き合い、事業を行ってきた結果であり、当社グループらしい進化の形として、これからも変革は続くと考えています。持続的な成長と企業価値の向上を追求する企業として、足元では、金利の変動をはじめとした多岐にわたる事業環境の変化や課題に直面しながら、ビジネスモデルを変革し、状況に応じて資本戦略の見直しを行っています。 変動する世界経済・金利のある世界への対応日本では、長らく低金利の時代が続いていましたが、徐々に「金利のある世界」へと移行が進みつつあります。足元では、大きな影響を受けている状況ではありませんが、金利上昇が事業に及ぼす影響は決して軽微なものではないと考えています。例えば、多くの方が住宅を購入する際には住宅ローンを利用されますが、住宅ローン金利が上昇すると、お客さまが負担するコスト(支払総額)は増加するので、購買意欲の減退に繋がり、住宅販売に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産開発事業における収益性も金利の影響を受けます。建物が完成し、安定稼働した後に、物件を売却することで、利益を得るわけですが、売却の際のキャップレート(投資家の期待利回り)が上昇すれば、売却が予定通りに進まなくなる可能性があります。さらには、有利子負債に対する支払利息が増加することで費用が増えます。当社では金利上昇のリスク等を鑑み固定金利と変動金利のバランスをとりながら資金調達をしていますが、変動金利の部分はもちろんのこと、将来的には固定金利による調達コストにも影響が出ることが想定されます。これらのリスクを鑑み、今後の事業展開に向けた対応策を講じています。 変動する金利への打ち手2023年2月に将来の金利上昇を見越して、不動産開発におけるハードルレートであるIRR(内部収益率)の基準を引き上げました。ハードルレートの引き上げについては、当初、積極的に投資を行いたい現場からネガティブな反応もありましたが、不動産開発の規模が拡大していく中、金利上昇へのリスク対応は重要であり、実施しました。今後想定される利上げの範囲であれば現在のハードルレートの水準で対応は可能だと見ています。直近では、従業員に対して「金利が発生する世界への対応」という内容のメッセージを発信しました。私自身が大和ハウス工業に入社した1980年代の高金利時代の経験を踏まえながら、業績に与える影響額や、創業者の「金利は眠っている間にも働く」といった言葉を用いて、変革に対する意識の醸成を行っています。長らく低金利の環境が続いてきましたが、従業員一人ひとりが金利上昇のリスクを認識し、今後の営業活動、投資判断ができるようマインドチェンジすることが大切であると考えています。また当社では、現場への意識づけ、資産の回転率向上につなげることを目的に「社内金利制度」を設けています。管理会計の仕組みの1つですが、各セグメント、各事業所で保有する資産に対して金利を賦課させることで、現場に金利を認識させる制度です。この制度があることで、現場はよりキャッシュフローを意識し棚卸資産を回転させること、お客さまとの契約の回収条件の改善に動かなければならなくなります。金利への意識は現場にも浸透していると感じています。今後も、現場の金利への意識、資産回転率向上への意識が薄れないように、効果的な策を検討していきたいと考えています。 変わりゆくビジネスモデルと今後の成長戦略私が総資産回転率の改善は不可欠であると考えている背景には、以前は0.95倍から1.05倍の範囲内に収まっていた総資産回転率が、2020年のコロナ禍を経て、現在は0.8倍程度にまで下がっているからです。これは、投資が回収を上回っているということを意味しています。事業拡大に伴い、成長投資が回収より先行している部分はありますが、仮にこの状態が続くと、環境が変化した際の財務運営の舵取りが難しくなるリスクがあると認識しています。CFOとしては、当初第7次中期経営計画の最終年度としていた2026年度までに、万難を排して改善していきたい思いです。 海外事業における成長の方向性現在、海外事業の構成比が徐々に高まり、なかでも米国事業への投資(M&Aや不動産投資)が増えています。海外への投資については、国内での投資と比較してリスク管理がより重要であると考え、海外でのプロジェクトについては、日本国内における投資ハードルレートより投資エリアのリスクに応じた高い水準を設定しています。またモニタリング機能の強化や現地子会社との連携の機会を増やすなど、慎重に海外事業を推進しています。米国政府が導入を進めている関税については、米国の戸建住宅3社がカナダから輸入する木材が影響を受ける可能性がありますが、2025年4月にカナダ産木材は追加関税の対象外との発表もあり、現状は業績への影響は限定的であると見ています。米国の経済全体が急激な物価上昇やスタグフレーションに直面するリスクは考えられますが、人口が増加するエリアでの住宅需要は依然として強く、事業機会は多いと見ています。当社グループの成長において米国市場は引き続き重要な位置付けであり、今後も注力していきます。 国内事業の課題と対応策日本国内では、人口減少に伴う世帯数の減少などによる住宅市場の縮小や建設業界における従事者の激減は大きな課題です。当社では初任給の改定などの人財確保に向けた施策や、現場の業務効率化と生産性の向上を目指す「建設DX」の取り組みを進めています。また、事業機会としては、老朽化した建物の建替え需要などのニーズはまだまだあると考えており、中でもBIZ Livness(事業施設・商業施設など非住宅分野の売買仲介、リノベーション・リフォームなどの不動産ストック事業)をより伸ばしていく必要性があります。財務面では、戸建住宅のみならず、賃貸住宅、商業施設、事業施設でも積極的に展開している分譲事業により棚卸資産は増加傾向にあります。計画通りに進んでいない土地などに対しては、各事業部門に対応を任せるのではなく、コーポレート部門も一緒になって、全体最適を考えながら積極的に資金化を進めています。 資本戦略とROE13.0%へのストーリー資本効率としてROE13%以上と財務規律としてD/Eレシオ0.6倍程度は優先順位をつけず両立したいと考えています。ROEは株主さまやエクイティ投資家の皆さまにお約束している指標ですが、一方でD/Eレシオは、金融機関や債券保有者をはじめとするデッド投資家の皆さまに対しての責務であると考えています。ROE目標を達成するために自己資本を抑えると共に、D/Eレシオの水準も見なければならないため、そのバランスは非常に難しいと考えています。持続的な成長のための資金調達が必要な当社にとって、現在AA格である信用格付の維持は重要です。昨今の金利上昇や、特に2008年のリーマンショックの際にAA格以上でなければ社債発行ができなかったという経験などを踏まえると、今が重要な局面だと認識しております。D/Eレシオ0.6倍程度に向け資産の回転率向上、グループ内資金融通なども活用した有利子負債の圧縮を着実に進めていきます。投資が先行しているということはいずれ回収をしなければならないため、不動産売却による資金の回収、売却益の計上等、中期経営計画の期間中に様々な手を尽くしてROEとD/Eレシオの目標に向けて努力したいと考えています。 次期中期経営計画においては、どれだけの成長資金が必要であるか、また利益の積み上げによる自己資本の状況を鑑み、改めてD/Eレシオの水準を検討していきます。当社グループの成長のためには、アクセルとブレーキのバランスを考えながら、ビジネスチャンスをつかんでいくことが重要ですので、格付会社の方々を含めたステークホルダーと、丁寧なコミュニケーションをとっていく必要があると認識しています。また、2027年度からは新しいリース会計基準が適用となり、従来オペレーティング・リースとして扱われていた取引がバランスシートにも影響を与えることが想定されます。既存のD/Eレシオについても、基準が変更された時に見え方が大きく変わりますが、キャッシュフローは変わらない為、影響はないと考えています。システム変更などの社内準備は進めていますが、会計監査人とも綿密なコミュニケーションを取りながら、会計基準変更により影響を受ける取引について、より詳細な検証を行っていきます。 株主還元等により自己資本をコントロール当社グループは成長投資、株主還元ともに重要だと捉え、第7次中期経営計画では配当性向を35%以上、配当下限額も設定し、その基準を守りつつ成長投資を進めています。株価や投資案件の状況を鑑み、自社株買いについても機動的に実行することで、自己資本をコントロールし、ROE目標の達成を目指していきます。また、当社株式への投資魅力をさらに高めるとともに、当社グループのサービスをご利用いただくことによって事業内容をより深く知っていただくことを目的として、2025年3月より株主優待制度を拡充しました。株主構成を見ると、個人株主の比率は約12%に留まっており、東京証券取引所平均と比べると低い水準です。当社グループの売上高の半分は戸建住宅やマンション、賃貸住宅など、個人のお客さま向けの事業ですから、より多くの方に当社の株式を保有していただくきっかけになればと考えています。個人株主の比率が増えることで、資本コストの低減にもつながると考えています。 資本コストと株価を意識した経営の推進企業価値のさらなる向上への取り組み2025年5月に、上場来高値を更新したことを大変嬉しく思います。2025年2月に発表した第3四半期決算発表の内容が良かったことに加えて、同日にリリースした株主優待の拡充も影響したのではないかと考えています。しかし、私たちは現在の株価水準に満足していません。PERは11~12倍程度ですが、これはプライム市場上場企業の平均(16.5倍)や建設・不動産セクターの平均(建設:14.9倍、不動産:14.0倍)よりも下回っています。将来に向けた成長ストーリーをしっかりと投資家にお伝えし、最適な資本政策を追求することでさらなる株価の向上を目指していきます。※PERの数値は日本取引所グループ公開の2025年4月末時点加重平均を参照。 資本コストの改善に向けて当社グループの資本コストは約7%(CAPM理論より算出)であると認識していますが、十分なエクイティスプレッドも意識しながらROEの目標値を設定しています。成長戦略の推進の途中経過をしっかりとお見せするなどの適時適切な情報開示に加え、サステナビリティ経営の推進や強固なガバナンス体制の構築など、資本コストの低減に向けて取り組んでいきます。また、これまでの実績も含めて、当社の今後の成長性についての理解を更に深めていただけるよう、持続的な成長と企業価値の向上を追求する企業として、多様な投資家の皆さまとの建設的な対話を今後も継続していきます。 Ⅰ.財政状態 財務の状況 2024年度末の総資産は、2023年度末比で5,156億円増加し、7兆493億円となりました。その主な要因は、各事業で分譲事業を推進するため販売用不動産の仕入れを強化し、特に戸建住宅事業及び商業施設事業において棚卸資産が増加したことによるものです。負債合計については、2023年度末比で3,226億円の増加となり、4兆3,325億円となりました。その主な要因は、販売用不動産や投資用不動産の取得等のために借入金による資金調達を行ったことによるものです。純資産合計については、2023年度末比で1,929億円増加し、2兆7,167億円となりました。その主な要因は、株主配当金956億円の支払いや自己株式1,000億円の取得を行ったものの、3,250億円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものです。リース債務等を除く有利子負債残高は、2023年度末比で2,212億円増加し、2兆3,090億円となりました。D/Eレシオについては、0.80倍(※1)となり、0.6倍程度としている財務規律を上回っておりますが、これは成長のための積極的な投資を進めたことによるものであり、当初第7次中期経営計画の最終年度としていた2026年度(※2)において掲げた財務規律を遵守すべく、資本政策を検討してまいります。資産内訳については、棚卸資産の残高が2兆5,716億円となり、大きな割合を占める状況となっております。今後も棚卸資産や投資用不動産の取得等により、資産が増加することが見込まれますが、最適資本構成の検証により財務の健全性維持に努めてまいります。※1.公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)及びハイブリッドローン(劣後特約付ローン)のうち合計2,500億円について、格付上の資本性50%を考慮して算出しております。 ※2.第7次中期経営計画は、当初2026年度を最終年度とした5ヶ年計画としておりましたが、1年前倒しで終了し、2026年度を初年度とする第8次中期経営計画の公表を2026年5月に予定しております。 [ 図1 ] 第5次中期経営計画の最終年度(2018年度)との比較を行っております。 ①流動比率は137%から212%へと上昇②固定比率は151%から121%へと低下③固定長期適合率は84%から62%へと低下④自己資本は1兆5,959億円から2兆6,142億円へと成長 [ 図2 ] ①棚卸資産は9,556億円から2兆5,716億円へ増加(図3参照)②賃貸等不動産は1兆560億円から1兆3,902億円へ増加③リース債務等を除く有利子負債は7,785億円から2兆3,090億円へ増加、また自己資本に対する比率(D/Eレシオ)も0.49倍から0.80倍へ上昇(ハイブリッドファイナンスの資本性考慮後) 資産増加の分析 2024年度末の棚卸資産は2兆5,716億円となり、2018年度対比で169%の増加となりました。主な増加要因は、各事業で当社の強みの一つである「土地を起点とした複合的な事業提案力」の強化を図り、投資不動産の購入を検討されているお客様に向けた販売用不動産の仕入を増加させたことにより、特に賃貸住宅や商業施設事業において残高が増加したものです。また米国戸建住宅3社(Stanley Martin社、Trumark社、CastleRock社)において、米国住宅市場の進出エリアが順調に拡大していることも棚卸資産の増加につながっております。投資不動産は1兆5,720億円となり、2018年度対比で46%の増加となっております。内訳としては流動化不動産(※3)が1兆2,200億円で66%の増加、収益不動産(※4)が3,520億円で3%の増加となっており、流動化不動産の増加が投資不動産の増加につながっております。主な増加要因は収益ドライバーの一つである物流施設の開発投資を拡大してきたことによるものです。資産の増加は棚卸資産や投資不動産の増加によるところが大きくなっていますが、これは成長のための投資を積極的に行っていることによるものです。投資に際しては、IRRを重要な指標として意思決定しており、売却時には資金回収及び収益獲得に寄与するものと考えております。今後も、市場の環境等を踏まえながら最適なタイミングで売却を実施し、資本効率の向上に努めてまいります。※3.流動化不動産:値上がり益を得る目的で投資後、早期に売却可能な不動産。※4.収益不動産:賃貸収益を得る目的で投資・開発した不動産。 [ 図3 ] [ 図4 ] Ⅱ.キャッシュ・フロー(CF) 基本的な考え方 キャッシュ・マネジメントについては、事業活動によるキャッシュ創出額を基準として投資を行うことを基本的な考え方としております。第7次中期経営計画において、財務規律としてD/Eレシオを0.6倍程度に設定しておりますが、優良な投資機会に対しては、積極的な投資を行う必要があり、成長のための投資が先行し一時的に規律を上回ることがあります。中長期的には、0.6倍程度に有利子負債の水準をコントロールするため、社内の投資判断基準を設定、厳格に運用し、成長投資と財務健全性の維持の均衡を図っております。 キャッシュ・フローの状況 2024年度における営業活動CF(休日調整後)は4,300億円となり、2023年度に比べ1,372億円増加し、自己資本を1とした場合の営業活動CF比率は、2023年度の0.12から0.04ポイント上昇し0.16となりました。その主な要因は、法人税等の支払いや販売用不動産の取得を行ったものの、4,887億円の税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。投資活動CFについては、第7次中期経営計画における投資計画に基づき、賃貸等不動産等の取得や、不動産開発事業への投資を3,117億円実行したことなどにより、△4,933億円となりました。その結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動CF+投資活動CF)は△633億円となりました。財務活動CFについては、主に借入による資金調達を行ったものの、自己株式の取得や社債の償還、株主配当金の支払いなどを行ったことにより△446億円となりました。これらの結果、現金及び現金同等物の2024年度末残高は2023年度末から1,126億円減少し、3,269億円となりました。 [ 図5 ] [ 図6 ] Ⅲ.損益の状況 自己資本利益率(ROE) 当期の自己資本利益率(ROE)は12.9%となりました。当社は、当初第7次中期経営計画の最終年度としていた2026年度(※2)において、ROE13%以上を経営目標に掲げております。収益性の改善を図りながら業績を拡大することが重要であると考えており、事業ポートフォリオの最適化による成長分野への投資や、非効率資産の圧縮等、さまざまな観点から資本効率の改善に向けて取組んでまいります。また、自己株式の取得についても機動的に実行し、ROEの目標達成を目指してまいります。 [ 図7 ] ※2.第7次中期経営計画は、当初2026年度を最終年度とした5ヶ年計画としておりましたが、1年前倒しで終了し、2026年度を初年度とする第8次中期経営計画の公表を2026年5月に予定しております。 (ROE分解)売上高当期純利益率 親会社株主に帰属する当期純利益は3,250億円となり、2018年度からの7年間の年平均成長率は5.4%となりました。退職給付会計における数理計算上の差異の影響もありますが、当期純利益率については6.0%となりました。依然として資材価格や労務費の高騰による影響を受けておりますが、各事業において価格転嫁等の取組みを進めており利益率の改善につながっております。 [ 図8 ] (ROE分解)総資産回転率 売上高は5兆4,348億円となり、2018年度からの7年間の年平均成長率は4.6%となりました。総資産回転率(※5)については、前期の0.82回より0.02回低下し0.80回となりました。当社グループの事業は、投資が不要な建設請負事業から、不動産開発事業のように先行投資が必要な事業の割合が増加してきており、売上高に占める開発物件売却の割合も増加してきております(図10参照)。さらに土地建物を販売する分譲事業を強化しており、このビジネスモデルの変革により回転率は低下することが見込まれますが、ストックとフローのバランスを取りながら棚卸資産の販売促進や投資不動産の売却、政策保有株式の売却等、資産の効率的な活用の徹底に引き続き取組み、改善を図ってまいります。※5.総資産は期中平均で算出。 [ 図9 ] [ 図10 ] (ROE分解)財務レバレッジ 自己資本は2兆6,142億円となり、2018年度からの7年間の年平均成長率は8.6%となりました。財務レバレッジ(※6)は、前期と比べて0.5ポイント上昇し、268.9%となりました。D/Eレシオを財務規律として設定することで、財務レバレッジをコントロールしながら、成長投資への資金を確保し、財務基盤の強化に努めます。※6.総資産及び自己資本は期中平均で算出。 [ 図11 ] 投下資本利益率(ROIC) 税引後営業利益(NOPAT)(※7)は、3,792億円となり、投下資本(自己資本+有利子負債)(※8)4兆7,245億円に対する利益率(ROIC)は8.0%となりました。株主資本コストを上回る資本効率でリターンに結び付けるために、現場においては図13に示すような通常業務の改善に「凡事徹底」で取組み、ROICの向上に努めてまいります。※7.税引後営業利益(NOPAT):営業利益×(1-実効法人税率)※8.投下資本は期中平均で算出。 [ 図12 ] [ 図13 ] 海外業績 海外事業における売上高は9,050億円、営業利益は517億円となり、2018年度からの7年間における年平均成長率は売上高21.7%、営業利益26.0%となりました。当社業績に占める海外事業の割合も上昇傾向にあり、売上高については2024年度では16.7%と、2018年度より10ポイント上昇しております。当社は米国の住宅会社のM&Aや海外での不動産開発等、海外事業に積極的に取組んでおります。第7次中期経営計画においては、地域密着型の海外事業による成長の加速を重点テーマの一つとしており、当初最終年度としていた2026年度(※2)には、海外売上高1兆円・営業利益1,000億円を目指しております。※2.第7次中期経営計画は、当初2026年度を最終年度とした5ヶ年計画としておりましたが、1年前倒しで終了し、2026年度を初年度とする第8次中期経営計画の公表を2026年5月に予定しております。 [ 図14 ] [ 図15 ] Ⅳ.事業別経営成績 収益性分析 営業利益においては、賃貸住宅、商業施設、事業施設事業の3つのセグメントで全体の約80%近くを占めております。戸建住宅事業においては、米国で引渡戸数が堅調に増加、収益性も改善しております。国内では新設住宅着工戸数の減少が見込まれるものの、請負住宅と分譲住宅それぞれの特性を活かした販売を進め、利益率の改善を図っております。 [ 図16 ] セグメント資産に対する営業利益率 セグメント資産に対する営業利益率については、分譲事業の推進により棚卸資産残高は増えているものの、請負事業や賃貸管理事業の利益貢献度の高い賃貸住宅事業が特に高い数値を示しております。事業施設事業については、物流施設やデータセンター等の市場の成長に対応し、長期大型開発へ積極的な投資を行っております。現在は取得済みの土地に係る建設投資を進めていることから、現時点における資産利益率は低い水準となっておりますが、今後の投資回収期にはキャッシュ・フローに大きく寄与してくることを見込んでおります。 [ 図17 ] 事業投資の状況 事業投資の状況としては、持続的成長を見据え積極投資を維持し、収益ドライバーである物流施設を中心とした事業施設事業と地域ポテンシャルを引き出し雇用創出や賑わいに貢献する商業施設事業への開発投資を拡大しております。また、これらの事業によって創出された資金を活用し、新たな収益の柱として育成すべく新規事業や海外事業等への投資も併せて実施しております。 [ 図18 ] Ⅴ.株主還元及び株価の状況 株主還元 当社は、第7次中期経営計画においては、配当性向を35%以上として業績に連動した利益還元を行うこととしております。2024年度は、年間配当金額150円、配当性向29.2%とし、15期連続の増配を実現いたしました。配当性向は29.2%となりましたが、退職給付会計における数理計算上の差異の影響を除くと37.1%となります。また、21百万株(取得価額1,000億円)の自己株式の取得を行いました。加えて2025年2月には株主優待制度の拡充として、株主優待券の贈呈枚数増加と、長期保有インセンティブの新設を決定しております。今後も安定的な配当の維持に努めるとともに、機動的な自己株式の取得を検討してまいります。 [ 図19 ] 注 退職給付会計の数理計算上の差異の影響を除いて配当金額を決定しております。 株価純資産倍率(PBR) 1株当たり純資産(BPS)は4,226.17円となり、2018年度からの7年間の年平均成長率は9.9%、また株価純資産倍率(PBR)は、1.17倍となりました。現状の株価には満足せず、継続してROEの向上と事業ポートフォリオの最適化による資本効率の向上への取組みを進め、加えて財務健全性やガバナンスの強化、IR活動を通じた投資家の皆様との対話により、今後も企業価値の最大化を図ってまいります。 [ 図20 ] [ 図21 ] 2015201620172018201920202021202220232024時価総額(億円)21,01621,20627,25423,35917,77921,20320,98720,51728,97130,545最高株価(円)3,6543,3674,5944,2933,8193,5523,9003,3204,7185,175最低株価(円)2,326.02,500.53,0963,1192,230.52,332.03,0372,907.53,0803,633 注 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。なお、時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)としております。 Ⅵ.中期経営計画進捗 当社は、2022年度を初年度とする5ヵ年計画「第7次中期経営計画(※2)」を推進しております。3年目となる2024年度は、売上高は5兆4,348億円と4期連続の増収、退職給付会計における数理計算上の差異等の影響を除く営業利益は4,450億円と4期連続の増益となっており、ともに過去最高を更新することができました。原材料・エネルギー価格の高騰や金融資本市場の変動等の影響により厳しい事業環境が続きますが、計画達成に向けて、「収益モデルの進化」「経営効率の向上」「経営基盤の強化」の3つの経営方針を掲げ、持続的な成長モデルの実現に向け、海外事業の更なる進展や、地域を活性化させる複合再開発の推進、カーボンニュートラルの実現に向けた取組み等、各施策を実施してまいります。※2.第7次中期経営計画は、当初2026年度を最終年度とした5ヶ年計画としておりましたが、1年前倒しで終了し、2026年度を初年度とする第8次中期経営計画の公表を2026年5月に予定しております。 財務目標 [ 図22 ]注 営業利益・当期純利益・配当性向は退職給付会計における数理計算上の差異等の影響を除く。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。D/Eレシオは、ハイブリッドファイナンスの資本性考慮後。 事業別業績目標 [ 図23 ]注 営業利益は退職給付会計における数理計算上の差異等の影響を除く。

※本記事は「大和ハウス工業株式会社」の令和7年3月期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)

※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。

※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100

※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー

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連結財務指標と単体財務指標の違いについて

連結財務指標とは

連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。

単体財務指標とは

単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。

本記事での扱い

本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。

この記事についてのご注意

本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。

報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)

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