会社名 | ダイキン工業株式会社 |
業種 | 機械 |
従業員数 | 連103544名 単7866名 |
従業員平均年齢 | 41歳 |
従業員平均勤続年数 | 16.5年 |
平均年収 | 8547704円 |
1株当たりの純資産 | 9567.14円 |
1株当たりの純利益(連結) | 904.27円 |
決算時期 | 年3 |
配当金 | 330円 |
配当性向 | 57.3% |
株価収益率(PER) | 17.8倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 9.7% |
営業活動によるCF | 5144億円 |
投資活動によるCF | ▲3374億円 |
財務活動によるCF | ▲1534億円 |
研究開発費※1 | 37.35億円 |
設備投資額※1 | 3246.48億円 |
販売費および一般管理費※1 | 4276.14億円 |
株主資本比率※2 | 64% |
有利子負債残高(連結)※3 | 7391.17億円 |
経営方針
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの使命・責任は、世界中の人に快適と安心を提供し続けることであり、経営の基本となる考え方を示す「グループ経営理念」の下、さまざまな社会課題の解決・地球環境への対応に積極的に取り組むとともに、高品質のプロダクト、素材、サービス、ソリューション、独自の技術革新の追求を通じて、お客様や社会に新たな価値を提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。また、高い倫理性と公正な競争をベースとした企業活動を推進し、タイムリーで透明性のある情報開示と説明責任の遂行、地域社会への積極的貢献、ビジネスパートナーとの相互成長などをグループ共通の行動指針として徹底して実行するとともに、働く人の意欲と納得性を引き出し、一人ひとりの力を組織の力へと高めていくという「人を基軸におく経営」の実践、侃々諤々の議論をベースにした「フラット&スピードの組織運営」の徹底、一人ひとりの個性を活かす「ダイバーシティ経営」の推進など、当社の良き伝統に一層の磨きをかけることで、グローバルグループとして進化し続け、持続可能で豊かな未来を切り拓いてまいります。 (2)目標とする経営指標企業価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、FCF(フリーキャッシュフロー)、ROIC(投下資本利益率)、ROA(総資本利益率)、ROE(株主資本利益率)など「率の経営」指標を経営管理の重要指標として、積極的な事業展開と経営体質の強化を推進しております。特に企業価値の源泉であり、同時に全ての管理指標を向上させる総合指標としてFCFを最重視し、収益の増加、投資効率向上策にあわせて、売上債権及び在庫の徹底圧縮など運転資本面からもキャッシュフローを創出すべく取り組んでまいります。 (3)中期的な会社の経営戦略当社グループでは、2023年に、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)を策定し、実行を開始しました。成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめ、「FUSION25」策定当初から掲げる重点戦略9テーマに「インドの一大拠点化」「高機能・環境材料事業」を新たに加え、重点戦略11テーマの施策展開を進めることで、経済価値・環境価値・社会価値の創出に取り組んでおります。 (4)企業集団の対処すべき課題昨年の主要国での政権交代に加えて、米国新政権による大幅な政策変更により、マクロ経済環境は先行き不透明な状況にあります。特に、関税引き上げや貿易摩擦など、サプライチェーンを寸断する動きが世界経済の下振れリスクを高めており、世界経済の不確実性が高まっています。こうした中、当社グループは本年のグループ年頭方針を「独自の強みと実行力で、変化の波を乗り越えよう」と定めました。激しい事業環境変化が続く中、「FUSION25」の最終年度である2025年度は、後半3ヵ年計画で掲げた重点戦略11テーマの成果創出を加速させるとともに、収益力・競争力の強化、さらには将来を見据えた事業体質課題・事業構造課題の克服に取り組むことで、最大限の成果創出に邁進してまいります。2025年度の具体的なテーマは以下のとおりです。 ・販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立・米国新政権の関税政策に向けた対応策の構築と、状況変化に応じた迅速な実行・新商品・差別化商品投入の加速・グループトータルでのコスト力・調達力の抜本的強化・グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用ソリュー ション事業の収益拡大・既存固定費の抜本的効率化と、システム投資等の投資効果極大化・全社最適でのグローバル生産拠点の最大活用、実行してきた買収案件の成果創出 |
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況当期の世界経済は、欧米を中心に厳しい局面が続きました。米国経済は、個人消費が堅調だったものの、住宅ローン金利高止まりの影響により住宅投資は低迷しました。欧州経済は、インフレ鎮静化と賃金上昇でサービス需要を中心に回復の動きが見られましたが、高金利と外需不振が経済の重石となりました。中国経済は、輸出産業が堅調だったものの、内需が伸び悩みました。日本経済は、物価高が経済を下押しする中、デジタル関連を中心に設備投資が拡大しました。アジア経済は、個人消費やインフラ投資、輸出の回復が経済を支えました。このような事業環境のもと、当社グループは、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)の完遂に向けて、成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめとした重点戦略11テーマの施策展開を加速させ、経済価値・環境価値・社会価値の創出に取り組みました。また、当期は、全社収益構造及び利益率の改善・向上と、グループ総合力を結集したグローバル横断での成果創出に向けて、以下のテーマに取り組みました。 (全社収益構造と利益率の改善・向上に向けたテーマ)・ 販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立・ 限界利益率の向上に向けた、グローバル横断でのコスト力強化・ 強靭なサプライチェーンの構築に向けた、グローバルでの生産・調達・物流改革の実行・ 既存固定費の削減と、先行投資・戦略投資の優先順位付け・ 実行してきた買収案件・生産能力増強投資・研究開発投資の成果創出(グローバル横断、グループトータルの総合力で大きな成果創出をめざすテーマ)・ グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用空調ソリュ ーション事業の収益拡大・ 差別化商品の投入、サービス力の強化、工事の省施工・省人化対応 各地域で需要が低迷するなど厳しい事業環境が続く中、これらの取り組みを徹底実行し、それぞれの地域・事業の進捗状況をきめ細かくフォローしながら、事業環境の変化に対して臨機応変に先手を打つことで、当社事業へのマイナス影響を極小化するとともに、インド・日本など堅調な地域やアプライド空調事業・業務用空調ソリューション事業など好調な事業でのさらなる販売拡大やDXを活用した業務効率化などによる収益力向上に努めました。また、収益力強化につながる生産能力増強投資や研究開発投資、販売網・サービス網の拡充に向けた投資、今後の事業展開の加速に向けた人材育成・確保等の人的投資など、中長期の成長を見据えた投資も継続しました。当期の経営成績については、売上高は4兆7,523億35百万円(前期比8.1%増)となりました。利益面では、営業利益は4,016億69百万円(前期比2.4%増)、経常利益は3,664億46百万円(前期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,647億57百万円(前期比1.7%増)となりました。 セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。 ① 空調・冷凍機事業空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比8.8%増の4兆3,845億48百万円となりました。営業利益は、前期比5.3%増の3,509億87百万円となりました。国内空調では、業務用市場の需要は、大型再開発やオフィスビル、商業施設の新設や改修など、設備投資が増加し、前期を上回りました。また、住宅用市場の需要は、4月から平均気温が平年を上回り、記録的な猛暑と残暑による需要の拡大もあり、前期を上回りました。当社グループは、このような状況下で、業務用空調機器市場においては、高い省エネ性能の「FIVE STAR ZEAS」、個別運転ニーズに応える「machi(マチ)マルチ」、既設の冷媒配管を利用しスムーズな空調機器更新が可能な更新用ビル用マルチエアコン「VRV Q」シリーズなど、高付加価値商品を拡販し、売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器市場においては、電気代高騰による省エネニーズの高まりと夏季シーズンでの空調機器の使用時間が大幅に増えたことを背景に、高い省エネ性の『うるさらX』を中心に省エネ提案により高付加価値商品を拡販し、売上高は前期を上回りました。米州では、住宅用空調機器については、冷媒規制による製品切り替えにおいて価格上昇や供給懸念から現行冷媒機(R410A機)に対する駆け込み需要が増加しました。当社グループは、R410A機の増産に努めたことに加え、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32の新モデル機の販売加速・増産、省エネ性能の高い環境プレミアム商品『Fit(フィット)』の拡販を実行しましたが、R410A機の需要を取り込みきれず、独立系のディストリビューター(卸)への出荷が進まなかったため販売は減少しました。為替のプラス効果により、円貨換算後の売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器については、メキシコでの新工場立ち上げ、既存工場やカスタムエアハンドリングユニットメーカーでの生産能力増強により、成長するデータセンター及び製造業市場の需要を取り込み、販売は伸長しました。また、ソリューション事業の拡大と新規買収も寄与し、売上高は前期を大きく上回りました。中国では、不動産不況の影響により需要が大きく減速し、地域全体の売上高は前期を下回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、コストダウン等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ショールームを活用したライブ放送・Web戦略・SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動を強化しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房・空気質センサーなどのシステム商品の販売に加え、IoTやデータ分析を活用し、顧客ごとに最適な空気質やライフスタイルに応じた提案を行うホームソリューションを強化しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場の伸びを受け、省エネを切り口とした提案を強化しました。アプライド空調機器市場では、インフラ・半導体・医療関連など底堅い需要がある分野に資源を投入したことに加え、保守・メンテナンス事業を強化しました。アジア・オセアニアでは、好調な経済を背景にインドでの販売が大きく伸長し、地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器については、販売店や消費者への販促施策の展開に加え、需要が拡大しているインドにおいて地方都市の販売店網を強化し、売上高は前期を上回りました。業務用空調機器については、景気の先行き不透明感の高まりもありプロジェクトの遅延や投資の見直しが発生する中、販売店の開発・育成により販売を拡大し、売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器については、工場・データセンター向けの販売を拡大し、売上高は前期を上回りました。欧州では、前年度より続いている住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器の需要の落ち込みはあるものの、業務用空調機器の拡販により地域全体の売上高は前期を上回りました。住宅用空調機器では、需要減少に伴う流通在庫の高止まりにより販売が一時減速しましたが、イタリアや中欧等での拡販により、売上高は前期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器については、主要市場(イタリア・ドイツ・フランス等)での各国政府の補助金制度の縮小による需要減に底打ちの兆しが見られますが、いまだエンドユーザーの間では買い控えが継続しています。このような状況に対し当社グループでは、商品ラインナップ拡充に加え、販売店開発や補助金申請支援などの販売力強化に継続して取り組みましたが、売上高は前期を下回りました。一方、業務用空調機器では、好調な観光セクターを追い風に拡大するホテル・レストラン向けの需要や、オフィス・店舗の省エネニーズを着実に取り込み、売上高は前期を上回りました。アプライド空調機器では、データセンター向けの販売が拡大したこと等により、売上高は前期を上回りました。中近東・アフリカでは、売上高は前期を大きく上回りました。サウジアラビアの政府系物件やUAEのデータセンター向けなどの業務用物件の受注増加が販売を牽引しました。トルコでは、住宅用空調機器において猛暑による需要増加や販売店支援等により販売が増加しました。フィルタ事業では、欧州の景気減速による販売低迷、半導体市場の回復遅れを受けた中国・東南アジアでの価格競争の激化等のマイナス影響がありましたが、需要が堅調に推移したことに加え、為替のプラス効果もあり、フィルタ事業全体の売上高は前期を上回りました。米国では、自前の販売店展開による高粗利商材の拡販などにより、業務用販売が伸長したことで、販売は増加しました。欧州では、北欧地域を中心に販売が伸長したものの、自動車産業を中心に不況の影響を受け、欧州全域での販売は前期並みとなりました。アジア・中東では、東南アジアにおいて安価な製品との競争が激化し、半導体市場での販売が減速したことに加え、中国では不動産不況の長期化による需要の停滞が続いていることもあり、中東・インドを含むアジア地域全体の販売は減少しました。また、国内では、建設業界の人手不足による工期延期、半導体製造装置向けでの在庫調整が続いておりますが、拡販施策の徹底により販売は増加しました。ガスタービン・集塵機事業は、油田向け特殊フィルタの販売地域を拡大し、販売は堅調に推移しました。舶用事業では、海上コンテナ冷凍装置、舶用エアコン・冷凍機の販売を伸ばし、売上高は前期を上回りました。 ② 化学事業化学事業セグメント合計の売上高は、前期比0.3%減の2,630億28百万円となりました。営業利益は、前期比10.4%減の461億19百万円となりました。フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を中心にした広範囲での需要低迷、それに伴う流通在庫調整の動きなどがありましたが、為替のプラス効果により売上高は前期並みとなりました。フッ素樹脂は、LAN電線分野での需要低迷や半導体装置向け材料分野での需要悪化により販売が落ち込んだものの、為替のプラス効果により売上高は前期並みとなりました。一方、フッ素ゴムについては、自動車分野等での流通在庫調整の影響により、売上高は前期を下回りました。化成品は、表面防汚コーティング剤や半導体プロセス向けエッチング剤の需要が回復したものの、撥水撥油剤や中間機能材分野での需要悪化により、売上高は前期並みとなりました。フルオロカーボンガスについては、需要の落ち込みと市況軟化による厳しい環境の中で、拡販と価格維持に努めた結果、売上高は前期を上回りました。 ③ その他事業その他事業セグメント合計の売上高は、前期比2.1%増の1,047億57百万円となりました。営業利益は、前期比38.1%減の45億43百万円となりました。油機事業では、産業機械用油圧機器は、米国向けの販売が高水準を維持したものの、国内市場及び欧州市場向けの販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。建機・車両用油圧機器は、国内市場及び米国市場向けの販売が減少したことにより、売上高は前期を下回りました。特機事業では、防衛省向けの受注が増加したことに加え、酸素濃縮装置及び低酸素システム(酸素濃度をコントロールすることで、短時間で高い運動効果が得られる高地空間を再現する機器)の販売が堅調に推移したことにより、売上高は前期を上回りました。電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』と『Smart Innovator(スマートイノベーター)』の拡販に取り組みましたが、大口案件の減少などにより、売上高は前期を下回りました。 総資産は、5兆1,334億16百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,531億86百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,270億56百万円増加し、2兆8,536億54百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,261億30百万円増加し、2兆2,797億61百万円となりました。負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて737億95百万円増加し、2兆2,667億23百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて1,793億90百万円増加し、2兆8,666億93百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.0%から54.6%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の9,009.19円から9,567.14円となりました。また、有利子負債については、長期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べて186億61百万円増加し、9,869億円となりましたが、総資産の増加により有利子負債比率(有利子負債/総資産)は、19.8%から19.2%となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、仕入債務の増加等により、前連結会計年度に比べて1,148億82百万円収入が増加し、5,144億50百万円の収入となりました。投資活動では、投資有価証券の売却による収入の減少等により、前連結会計年度に比べて1,102億17百万円支出が増加し、3,374億6百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べて238億45百万円支出が増加し、1,534億68百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて598億99百万円減少し、256億8百万円のキャッシュの増加となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)空調・冷凍機事業3,022,3055.9化学事業258,85910.7その他事業97,6433.3合計3,378,8086.1 (注) 1 金額は販売価格によっております。 (2) 受注状況当社グループの製品は、大部分見込み生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)空調・冷凍機事業4,384,5488.8化学事業263,028△0.3その他事業104,7572.1合計4,752,3358.1 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)以下に記載の内容については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。なお、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 財政状態①資産総資産は、5兆1,334億16百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,531億86百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,270億56百万円増加し、2兆8,536億54百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,261億30百万円増加し、2兆2,797億61百万円となりました。 ②負債及び純資産負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて737億95百万円増加し、2兆2,667億23百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べて1,793億90百万円増加し、2兆8,666億93百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.0%から54.6%になり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の9,009.19円から9,567.14円となりました。 (3) 経営成績①売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比8.1%増の4兆7,523億35百万円となりました。空調・冷凍機事業では、米州で住宅用空調の販売低迷や、欧州でヒートポンプ暖房の需要減少の影響を受けましたが、アプライド空調、業務用空調など需要が好調な事業や、インド・日本など好調な地域で販売を拡大したことにより、売上高は前連結会計年度比8.8%増の4兆3,845億48百万円となりました。化学事業では、化成品の販売拡大に努めましたが、半導体向けの需要減速や自動車・LAN電線向けの需要回復遅れの影響を受け、売上高は前連結会計年度比0.3%減の2,630億28百万円となりました。その他事業全体では、防衛省向けの受注増加や、酸素濃縮装置及び低酸素システムの販売拡大等により、売上高は前連結会計年度比2.1%増の1,047億57百万円となりました。 ②営業費用、営業利益売上原価は、前連結会計年度比8.3%増加し、3兆1,256億46百万円となりました。販売費及び一般管理費については、前連結会計年度比9.6%増加し、1兆2,250億19百万円となりました。人件費の増加が主な要因であります。以上の結果、営業利益は前連結会計年度比2.4%増の4,016億69百万円となりました。なお、セグメントの営業損益については、空調・冷凍機事業では、前連結会計年度比5.3%増の3,509億87百万円の営業利益となり、化学事業では、前連結会計年度比10.4%減の461億19百万円の営業利益となり、その他事業は前連結会計年度比38.1%減の45億43百万円の営業利益となりました。 ③営業外損益、経常利益営業外損益は、受取利息が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて24億22百万円増加し、352億23百万円のマイナスとなりました。経常利益は、前連結会計年度比3.4%増の3,664億46百万円となりました。 ④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益特別損益は、投資有価証券売却益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて211億53百万円減少し、96億48百万円のプラスとなりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1.7%増の2,647億57百万円となりました。 (4) キャッシュ・フロー営業活動では、仕入債務の増加等により、前連結会計年度に比べて1,148億82百万円収入が増加し、5,144億50百万円の収入となりました。投資活動では、投資有価証券の売却による収入の減少等により、前連結会計年度に比べて1,102億17百万円支出が増加し、3,374億6百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べて238億45百万円支出が増加し、1,534億68百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べ598億99百万円減少し、256億8百万円のキャッシュの増加となりました。 当社グループでは、投資は成長の基盤と考えており、投資によって事業拡大を図るとともに、財務体質の強化、企業価値の一層の向上と株主への利益還元の向上を図ってまいります。具体的には、新製品に対応した設備投資、生産性向上・生産能力拡大のための投資などに加え、各戦略的投資を実行し、グローバルでの事業拡大及び競争力強化を図ってまいります。これらの投資に必要な資金は内部留保の蓄積を基本とした自己資金に加え、必要に応じ、金融機関からの借入や社債等で調達します。当連結会計年度では、投資活動によるキャッシュ・フロー(3,374億6百万円の支出)は、営業活動によるキャッシュ・フロー(5,144億50百万円の収入)を下回りました。株主への配当は、安定的かつ継続的に実施していくことを基本に、連結純資産配当率(DOE)3.0%を維持するように努めるとともに、連結配当性向についてもさらに高い水準を目指していくことで、株主への還元の一層の拡充に取り組んでまいります。 キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)51.451.551.954.054.6時価ベースの自己資本比率(%)201.6171.6160.9123.692.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年)2.03.45.62.41.9インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)39.327.77.89.011.9 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い ※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。 |
※本記事は「ダイキン工業株式会社」の令和7年年3期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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