会社名 | 中外製薬株式会社 |
業種 | 医薬品 |
従業員数 | 連7778名 単5026名 |
従業員平均年齢 | 42歳 |
従業員平均勤続年数 | 15年 |
平均年収 | 12073828円 |
1株当たりの純資産 | 1060.75円 |
1株当たりの純利益(連結) | 235.39円 |
決算時期 | 12月 |
配当金 | 98円 |
配当性向 | 41.7% |
株価収益率(PER) | 29.79倍 |
自己資本利益率(ROE)(連結) | 9.9% |
営業活動によるCF | 4476億円 |
投資活動によるCF | ▲2273億円 |
財務活動によるCF | ▲1410億円 |
研究開発費※1 | 1769億円 |
設備投資額※1 | 527億円 |
販売費および一般管理費※1 | 1276.13億円 |
株主資本比率※2 | 87.5% |
有利子負債残高(連結)※3※4 | 0円 |
経営方針
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、世界有数の製薬企業であるロシュとの戦略的アライアンスのもと、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」ことをMission(存在意義)とし、「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーター」となることをEnvisioned Future(目指す姿)に掲げています。社会との共有価値を創造し、社会とともに発展することを経営の基本方針として、患者中心の高度で持続可能な医療の実現に向けた価値創造の枠組みを価値創造モデルとして整理しています。当社グループは経営の基本方針のもと、共有価値創造の源泉となる要素を整理した上で、重点的に取り組むべき事項を重要課題(マテリアリティ)として策定しています。2024年には総合的な見直しを実施した上で、重点的に取り組むべき16項目を特定しました。重要度の評価においては、「環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)」と、「企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)」のダブルマテリアリティの観点で精査しています。ロシュとの戦略的アライアンスに加え、独自のサイエンス力と技術力に基づき、革新的な創薬を柱とするイノベーションに集中することで、Envisioned Future(目指す姿)でも掲げる「持続可能な医療」を始め、ESGやSDGsに代表される社会課題解決をリードする、世界のロールモデルになることを目指しています。その実践にあたっては、当社グループのCore Values(価値観)である、「患者中心」、「フロンティア精神」、「誠実」に沿った事業活動を行っています。こうした活動は、社会全体の持続性向上に寄与するとともに、当社グループの長期的な発展を支える基盤になると確信しています。 (2)目標とする経営指標当社グループはイノベーションの創出による企業価値の向上を重視し、革新的な新薬の創出に優先的に経営資源の配分を行っています。長期にわたる投資効率の指標としてCore ROICを重点的に管理するとともに、短中期的にも安定的な利益成長を達成できるよう、機動的で柔軟な事業運営に努めています。そして、個別の開発テーマ等の投資判断におきましては、資本コストを踏まえた投資価値評価を行い、収益性と効率性を重視した意思決定を行っています。当社は、2021年に成長戦略「TOP I 2030」(後述)を策定し、「R&Dアウトプット倍増」「自社グローバル品毎年上市」という目標の達成を目指して取り組んでいます。「TOP I 2030」の推進にあたり、中期(3年)経営計画を廃止し、長期目標からバックキャストして現状とのギャップを埋めるための中間(3~5年後)目標を中期マイルストンとして設定・管理しています。これにより、計画の進捗や環境変化に応じてアジャイルかつ柔軟に軌道修正を図りながら、長期的な目標達成を目指しています。中期マイルストンの進捗や研究開発パイプラインの見通しの説明を通じて中長期的な事業活動の進捗の状況を開示し、その達成に向けた道筋を示すとともに、引き続き、単年度業績予想の公表や各説明会等の場で経営状況を説明し、当社の掲げる経営戦略の進捗を適時報告してまいります。 (3)環境認識と対処すべき課題世界には、未だ治療法のない疾患が数多くあります。加えて、世界人口の増加と各国における高齢化進展に伴い、医薬品への期待・ニーズは一層高まっています。また、ライフサイエンスや生成AI等のデジタル技術の飛躍的な進歩によって、異業種も含めた医療課題解決に向けたイノベーション創出機会が拡大しています。一方、各国において医療費等の社会保障費増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策はますます厳しくなり、持続可能な医療の実現が世界共通の課題となっています。限られた資源のもとで高度かつ持続可能な医療を実現するため、「真に価値あるソリューションだけが選ばれる」VBHC(Value Based Healthcare)の流れは着実に加速しています。また、デジタルをはじめとする多様なプレーヤーがヘルスケア領域に参入することで、既存業界の枠を超えた競争もこれまで以上に熾烈化してきています。加えて、地政学リスクやエネルギー価格、インフレ等による事業運営の不確実性の高まりとともに、地球環境保全や情報セキュリティ対策等、事業運営にあたり取り組むべき課題自体も広範になっております。 そのような中、革新的な医薬品の提供を使命とする私たちの最重要課題は、「イノベーションの追求」であると考えています。患者さん一人ひとりにとって最適な医療の実現に向けて、新たな治療ターゲットの探索や創薬技術のさらなる革新により、アンメットメディカルニーズに応える新薬の創出が求められます。さらに、ビッグデータやAIなどのデジタル技術の進化を柔軟に取り入れ、従来の創薬力にとどまらない能力を獲得・強化することが競争優位性を確保する鍵となります。また、グローバル規模での財政圧力の増加によって製薬企業の経営環境が厳しさを増す中、限られた資源をイノベーションに集中投資できる体制への変革が一層求められています。当社グループは、独自のサイエンス力と技術力、ロシュとの戦略的アライアンスを基盤として、国内トップクラスの成長を実現してまいりました。ロシュの充実したパイプラインにより日本市場における安定した収益基盤を確保しながら、自社創製品の後期開発や販売ではロシュのグローバル・プラットフォームを活用する、高い生産性を実現するビジネスモデルにより、自社創薬に資源を集中し、革新的な研究開発プロジェクトを連続的に創出しています。その結果、これまで6品目/9つのプロジェクトで当社創製医薬品(アクテムラ、アレセンサ、ヘムライブラ、エンスプリング、ネモリズマブなど)が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)*」に指定されるなど、当社グループの創薬力は世界的に高い評価を受けています。今後も、革新的新薬をいち早く創出・患者さんにお届けすることで、当社の企業価値向上と社会課題解決を目指してまいります。 * 画期的治療薬(Breakthrough Therapy):重篤または致命的な疾患や症状に対し、既存治療を上回る改善が期待される治療薬候補 (4)2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」当社グループは、ミッションステートメントに掲げたEnvisioned Future(目指す姿)の実現を目指し、2030年に到達すべきトップイノベーター像を具現化するとともに、その実現に向けた成長戦略「TOP I 2030」を策定し、2021年から展開しています。2024年7月にはこれまでの進捗と成果について振り返り、戦略を精緻化しました。 2030年トップイノベーター像 1)「世界の患者さんが期待する」世界最高水準の創薬力を有し、世界中の患者さんが「中外なら必ず新たな治療法を生み出してくれる」と期待する会社2)「世界の人財とプレーヤーを惹きつける」世界中の情熱ある人財を惹きつけ、ヘルスケアにかかわる世界中のプレーヤーが「中外と組めば新しい何かを生み出せる」と想起する会社3)「世界のロールモデル」サステナビリティを事業活動の中心に据え、社会課題解決をリードする企業として世界のロールモデルである会社 「TOP I 2030」の二つの柱は、「世界最高水準の創薬の実現」と「先進的事業モデルの構築」です。独自のサイエンス力と技術力を駆使して数々の革新的新薬を生み出してきた当社は、今後10年間でさらに創薬力を大きく向上させ、世界のアンメットメディカルニーズに応えるソリューションを継続的に世に送り出せる体制構築・強化を目指します。具体的には、現在のR&Dアウトプットを10年間で2倍に拡大し、革新的な自社開発グローバル品を毎年上市できる会社を目指します。そして、環境変化や技術進化を踏まえた先進的事業モデルの構築にも取り組んでまいります。特にデジタルを活用したプロセスや価値創出モデルの抜本的な再構築によって、バリューチェーン全体にわたる生産性の飛躍的向上と、一人ひとりの患者さんにとっての価値・製品価値の拡大を目指してまいります。 「TOP I 2030」では、戦略の二本柱を実現するための具体策として、「創薬」「開発」「製薬」「Value Delivery」の各バリューチェーンとそれを支える「成長基盤」を合わせた「5つの改革」を掲げています。 ①創薬改革 創薬においてはR&Dプリンシプルに基づき、低分子・抗体など既存技術の革新に加え、中分子など新たなモダリティへの挑戦を通じて、従来は困難とされてきた標的へのアプローチや、現状の技術では対応困難な作用機序の実現を目指しています。また、有効性・安全性・DMPK*1・物性などあらゆる面で妥協のない高品質な開発候補分子の創出に取り組むことで、臨床開発における高い成功確率の実現に繋げてまいります。私たちには国内アカデミアとのコラボレーションによって多くの医薬品を創製してきた歴史があり、現在は国内外のアカデミアやスタートアップとの連携にも積極的に取組んでいます。2024年1月からは米国を拠点とするコーポレートベンチャーキャピタルとして中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーも活動を開始し、自社単独での創薬にこだわるのではなく、外部の技術や標的をより積極的に探索し、自社の強みと融合させることで、創薬機会の拡大を目指します。未解決の医療ニーズに応え、治癒・早期介入・予防につながる革新的な創薬を追求し、患者さんのQOL向上に引き続き貢献してまいります。 *1:生体内における薬剤の挙動のこと(薬物代謝/薬物動態) ②開発改革 「TOP I 2030」の取り組みが進むにつれ、臨床へ移行するプロジェクトが増加していきます。臨床開発力とヒト予測力*2の融合による適切・迅速なGo/No-Go判断を行い、医薬品として実用化できる可能性が高いと判断された時点で、複数の適応症で同時開発を進め、プロジェクト全体の価値の早期最大化を目指します。また、より早期の段階からTrue endpoint*3の実証に取り組み、後期開発に繋げることで患者さんへの提供価値を最大化します。後期開発においてはデジタル技術やリアルワールドデータ(RWD)を活用し、臨床試験のあり方そのものを見つめ直すことで、業界をリードする新規価値の創出と更なるオペレーションモデルの変革を図っています。さらにはロシュとの協働を通じて、開発戦略や試験計画への提言を行うことで成功確率の向上に寄与し、グローバルでの製品価値最大化にも貢献していきます。これらの取り組みにより、プロジェクトの価値最大化と生産性向上を追求してまいります。 *2:ヒトの身体の中での薬の動態や生体反応をモデリング&シミュレーションすること*3:患者さんのQOL向上に寄与する真の価値 ③製薬改革 「R&Dアウトプット倍増」の目標に合わせて、中分子を始めとする新たな創薬アイディアを医薬品として患者さんへ届けるために、世界水準の製薬技術を追求します。創薬・早期開発~製薬の機能間連携を今まで以上に強化し、高活性かつ薬剤化することの難易度が極めて高い化合物の原薬・製造・分析技術を確立することで、生産体制を整えていきます。抗体分野においてもさらなる技術振興に取り組むことで、臨床開発品の選定から治験申請までの期間を短縮し、開発のスピードアップを実現します。生産においては、デジタルやロボティクス活用を含めた生産技術力の強化によって効率化を図ると同時に、災害や地政学リスクに備え、頑健で競争力のある供給体制の構築に注力しています。スマートファクトリーの実現に向けた各種取り組みと、上市後CMO*4など外部パートナーとの協働を通じたデュアルサイト戦略を基本とし、必要な設備投資にも積極的に取り組むことで、安定供給とグローバル水準の品質実現を目指してまいります。 *4:医薬品製造受託機関(Contract Manufacturing Organization:CMO) ④Value Delivery改革 Value Delivery機能においては、これまで以上に「患者さん中心の最適な治療選択に貢献する迅速なエビデンス創出」と「革新的な顧客エンゲージメントモデル確立による高度な価値提供」を追求します。具体的には、ロシュやアカデミアとの協働を通じて質の高い臨床研究と製造販売後調査を実施し、市販後早期に価値の高いエビデンスを提供することを目指しています。また、非臨床・トランスレーショナルリサーチの知見を活用し、副作用リスクの予測や重篤化回避に取り組むなど、個々の患者さんに寄り添った適正使用の取組みを推進しています。新たな顧客エンゲージメントモデルの確立においては、顧客との接点に劇的な変化が起こっている環境を踏まえ、リアル・リモート・デジタルを組み合わせたマルチチャネル戦略を展開しています。今後さらに多様化する顧客のニーズに合わせ、柔軟なアプローチを選択できる体制を構築し、価値提供の最適化を図ってまいります。組織の効率化に向けては、優先的に資源投入すべき業務の洗い出しと、成長・新規領域への資源シフトを進めており、それを実現するために、成熟品を中心とした第三者への譲渡など、スリム化も継続して検討していきます。また、デジタル活用やアウトソーシング・業務集約など、これまでの慣習・プロセスに捉われない抜本的な変革を進めてまいります。 ⑤成長基盤改革 各バリューチェーンにおける改革と並行して、イノベーションの創出と成長戦略の実現を支える「全社基盤」として、特に下記5つの領域を重点分野として継続強化に取り組んでまいります。 「人・組織」:経営戦略に基づいた人財マネジメント方針の徹底を通じて、人的資本の強化を進めていきます。年齢・属性に拘わらずチャレンジを後押しする人事制度の運用を徹底するとともに、社員一人ひとりのキャリア開発を含めた自律的な学び/成長の支援、デジタル人財やサイエンス人財など、戦略遂行上の要となる高度専門人財の獲得や育成に注力します。また、イノベーションを生み出す組織風土構築に向けたD&Iの推進や、全従業員の健康を促進する施策などについてもより高いレベルを目指していきます。 「デジタル」:CHUGAI DIGITAL VISION2030で掲げた「デジタル技術によって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになる」に、継続して取り組みます。具体的には、デジタルを活用した革新的な新薬創出と全てのバリューチェーンの生産性向上に向け、各機能における最重要課題の解決に向けた共創の取組みを開始しています。また、デジタル人財育成の強化及びビジネス価値向上に繋がるIT基盤の強化などを継続して推進し、イノベーション創出を支える全社基盤の構築を目指してまいります。 「サステナビリティ・環境」:サステナビリティを事業活動の中心に据えた上で、高い目標である中期環境目標2030の達成を目指して努力を継続する事により、社会への環境負荷軽減を目指します。具体的には、CO2排出量やエネルギー消費量、フロン類使用量などの削減による「気候変動対策」、廃棄物排出量や水消費量の削減による「循環型資源利用」、有害廃棄物排出量の削減を通じた「生物多様性保全」などに継続して取り組んでいきます。また、環境に加えて、ガバナンス向上やそのための情報開示の充実なども進めてまいります。 「クオリティ」:製品、情報、プロセスの質とそれを実現する人財により世界をリードし、中外クオリティを社外に対しても訴求・浸透させていきます。そのために、患者さんの期待に応える製品・サービスを確実に提供するとともに、質と効率を両立する先進的手法の獲得、パートナーとの協働を推し進めます。また、それら全てのベースとなる「クオリティカルチャー」を全てのバリューチェーンにおいて浸透させていきます。 「PHCソリュ―ション」:患者さんのニーズは多様かつ高度化しており、革新的医薬品の創出と提供においては、その価値証明や治療効果を最大化するために、病態や治療効果を精緻に診断・測定することで、個々の患者さんに最適な治療を可能とする試みが今後ますます重要となっていきます。インサイトビジネスの取り組みを通じて得られた知見を基に、PHCソリューションでは、医薬品価値証明の高度化及び最大化のためのグローバル提供体制の確立を目指しています。 |
経営者による財政状態の説明
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況(単位:億円) 2024年12月期実績2023年12月期実績前年同期比連結損益(Core実績)売上収益11,70611,114+5.3%製商品売上高9,9799,745+2.4%その他の売上収益1,7271,369+26.2%売上原価△3,381△4,120△17.9%売上総利益8,3256,994+19.0%研究開発費△1,769△1,628+8.7%販売費及び一般管理費△1,022△1,020+0.2%その他の営業収益(費用)27161△83.2%営業利益5,5614,507+23.4%当期利益3,9713,336+19.0% 連結損益(IFRS実績)売上収益11,70611,114+5.3%営業利益5,4204,392+23.4%当期利益3,8733,255+19.0% Core EPS(円)241.31202.71+19.0%Core 配当性向(%)40.639.5 - <連結損益の概要(IFRSベース)>当連結会計年度の売上収益は1兆1,706億円(前年同期比5.3%増)、営業利益は5,420億円(同23.4%増)、当期利益は3,873億円(同19.0%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費16億円、無形資産の減損損失41億円、事業再構築費用79億円及び事業所再編費用5億円が含まれています。 <連結損益の概要(Coreベース)>当連結会計年度の売上収益は、製商品売上高及びその他の売上収益が伸長し、1兆1,706億円(前年同期比5.3%増)となりました。売上収益のうち、製商品売上高は9,979億円(同2.4%増)となりました。国内製商品売上高は、新製品のフェスゴ、バビースモが伸長するとともに、主力品のヘムライブラ、アクテムラ等が好調に推移した一方、前年同期に計上されたロナプリーブの政府納入や、薬価改定及び後発品浸透の影響を受けたことにより、前年同期比で減少しました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ輸出の大幅な増加等により、前年同期を大きく上回りました。その他の売上収益は、ヘムライブラに関する収入の増加に加え、一時金収入の増加等により1,727億円(同26.2%増)となりました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により33.9%と前年同期比で8.4ポイント改善しました。結果、売上総利益は8,325億円(同19.0%増)となりました。 研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により1,769億円(同8.7%増)、販売費及び一般管理費は前年同期並みの1,022億円(同0.2%増)となりました。その他の営業収益(費用)は製品譲渡に係る収益等で、27億円の収益(前年同期は製品譲渡に係る収益や有形固定資産の売却益等が発生し161億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は5,561億円(同23.4%増)、Core当期利益は8期連続の増益を達成し、3,971億円(同19.0%増)となりました。 ※Core実績について当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。株主還元を行う際の指標には、Core EPS及びCore配当性向を指標として使用しております。Core EPSは、Core実績をもとに算出された、当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であり、Core配当性向は、Core EPS対比の配当性向です。 <製商品売上高の内訳>(単位:億円) 2024年12月期実績2023年12月期実績前年同期比製商品売上高9,9799,745+2.4%国内製商品売上高4,6115,580△17.4%オンコロジー領域2,4772,602△4.8%スペシャリティ領域2,1342,978△28.3%海外製商品売上高5,3684,165+28.9% [国内製商品売上高]国内製商品売上高は、新製品及び主力品が伸長したものの、前年同期に計上されたロナプリーブの政府納入や、薬価改定及び後発品浸透の影響により、4,611億円(前年同期比17.4%減)となりました。 オンコロジー領域の売上高は、2,477億円(同4.8%減)となりました。新製品の抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」の売上が好調に推移したものの、薬価改定及び後発品浸透の影響により、主力品の抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」などの売上が減少しました。また、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」は、同剤を含む配合皮下注製剤である「フェスゴ」の市場浸透影響を主因に前年同期を下回りました。スペシャリティ領域の売上高は、2,134億円(同28.3%減)となりました。新製品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」の伸長や、2024年5月に発売したpH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「ピアスカイ」の好調な市場浸透に加え、主力品の血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」やヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」が好調に推移しました。一方で、前年同期に計上された抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ」の政府納入(812億円)や、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」行政備蓄の売上減少による影響を大きく受け、前年同期を下回りました。 [海外製商品売上高]海外製商品売上高は5,368億円(前年同期比28.9%増)となりました。ロシュ向け輸出については、「ヘムライブラ」が前年同期比で大幅に増加しました。 ② 財政状態の状況(単位:億円) 2024年期末実績2023年期末実績前期末比純営業資産(NOA)及び純資産純運転資本4,4874,226261長期純営業資産4,9894,783206純営業資産(NOA)9,4769,009467ネット現金9,9637,3902,573その他の営業外純資産△425△143△282純資産合計19,01516,2562,759 連結財政状態計算書(IFRS実績)資産合計22,08419,3252,759負債合計△3,069△3,0701純資産合計19,01516,2562,759 当連結会計年度末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ467億円増加し、9,476億円となりました。うち、純運転資本は、主に営業債務の減少により前連結会計年度末に比べ261億円増加し、4,487億円となりました。また、長期純営業資産は主に宇都宮工場におけるバイオ原薬製造棟(UT3)及び藤枝工場における合成原薬製造棟(FJ3)への投資により前連結会計年度末から206億円増加し、4,989億円となりました。次項「③ キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ2,573億円増加し、9,963億円となりました。その他の営業外純資産は、主に未払法人所得税の増加により前連結会計年度末から282億円減少し、△425億円となりました。これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ2,759億円増加し、1兆9,015億円となりました。 ※純営業資産(NOA)及び純資産について連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。 ※純営業資産(NOA)について純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。 ③ キャッシュ・フローの状況(単位:億円) 2024年12月期実績2023年12月期実績前年同期比フリー・キャッシュ・フロー営業利益5,4204,392+23.4%調整後営業利益5,8484,915+19.0%営業フリー・キャッシュ・フロー4,9345,401△8.6%フリー・キャッシュ・フロー3,8683,638+6.3%ネット現金の純増減2,5732,359+9.1% 連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績)営業活動によるキャッシュ・フロー4,4764,099+9.2%投資活動によるキャッシュ・フロー△2,274△373+509.7%財務活動によるキャッシュ・フロー△1,410△1,393+1.2%現金及び現金同等物の増減額8152,365△65.5%現金及び現金同等物の期末残高5,4024,587+17.8% 営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、5,848億円(前年同期比19.0%増)となりました。調整後営業利益から有形固定資産の取得による支出504億円や純運転資本等の増加288億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは4,934億円(同8.6%減)の収入となりました。純運転資本等の増加要因は前項「② 財政状態の状況」に記載したとおりです。営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税1,005億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは3,868億円(同6.3%増)の収入となりました。フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払1,332億円等を調整したネット現金の純増減は2,573億円の増加となりました。また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は815億円増加し、当連結会計年度末残高は5,402億円となりました。 ※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。 ④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産の状況当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,285,80914.0合計1,285,80914.0 (注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は売価換算(仕切単価ベース)であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。 b. 商品仕入実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業2,446△31.2合計2,446△31.2 (注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は実際仕入高であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。 c. 受注の状況当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 d. 販売の状況当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,170,6115.3合計1,170,6115.3 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先当連結会計年度前連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド652,72555.8511,88146.1アルフレッサ株式会社72,7226.285,5427.7 2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。3.販売高は売上収益(製商品売上高とその他の売上収益)であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、これまで、運転資金並びに設備投資及び研究開発活動を自己資金で充当しております。2021年度に始動しましたTOP I 2030 は「R&Dアウトプットの持続的な創出」に代表されるイノベーションへの継続的な経営資源の配分を掲げています。引き続き資金流動性の確保と事業活動から創出されるキャッシュ・インフローの最大化に努めるとともに、継続的なイノベーション投資に必要な財務健全性を維持していく方針です。また、計画外の急な資金需要が生じた場合の財源につきましては、金融機関からの借入や短期社債等を利用するなどの体制を整えており、既存の手許資金も含めて十分な流動性を確保しております。今後についても資本財源は事業活動を通じて獲得した資金を基盤とする方針であり、継続的なイノベーションへの投資を通じ、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。なお、資本配分としての配当につきましては、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案した上で、Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標としております。 ③ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度においては、昨年10月25日に公表した修正予想に対して、Core売上収益は、ロシュ向け輸出や国内における新製品・主力品の市場浸透が好調だったことから、1兆1,706億円(修正予想比1.8%増)となり、3年連続で1兆円を超えました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により33.9%(同0.1%ポイント改善)、研究開発費・販売費及び一般管理費・その他の営業収益(費用)の合計は2,764億円(同0.5%増)となりました。この結果、Core営業利益は5,561億円(同3.0%増)となりました。また、長期にわたる投資効率の指標として重点的に管理しているCore ROIC*の実績は、ロナプリーブ政府納入に伴う純運転資本の変動が収束したことと、税引後営業利益の増加により42.9%(前年比8.3%ポイント増)となりました。 2021年に開始した成長戦略「TOP I 2030」の4年目となる2024年は、創薬、開発、製薬、Value Delivery、成長基盤という5つの改革分野において、概ね順調な進展が見られました。創薬においては、R&Dアウトプット倍増という非常にチャレンジングな目標達成に向け、様々な取り組みを行っております。現在、抗体、低分子に続く第3のモダリティとして中分子医薬品開発に取り組んでおり、今期は新たに1プロジェクトが前臨床開発段階に進みました。ポートフォリオの拡充は順調に進展しており、中分子創薬のプラットフォーム化に向けた取り組みも加速させています。また、強みとする抗体医薬品においても、次世代抗体技術の開発とプロジェクトの創出が進んでおります。このような自社での創薬研究を加速すべく、ロボティクスによるラボオートメーション化や、AI等のデジタル基盤活用など、創薬力を最大限に発揮する体制を整備しました。加えて、オープンイノベーションにも注力しています。創薬スタートアップ企業等への投資を目的としたコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として米国に設立した中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーは、活動初年度においてすでに複数の投資実績を有しており、今後の成果が期待されます。このように種々の進捗が見られておりますが、先に述べたチャレンジングな目標達成のためには更なる強化の余地があると考えており、取り組みを加速していきます。 開発については、2024年は合計10プロジェクトが承認され、新薬・適応拡大を含め6プロジェクトが承認申請に移行しました。また、ロシュ品・自社品含めて計2プロジェクトの第Ⅲ相国際共同治験、2プロジェクトの第Ⅰ相臨床試験を開始しました。非臨床段階から最適な開発ルートを見定め、精度の高いGo/No-Go判断と効果的な開発計画の策定によって開発を加速させることで、毎年上市の達成に向けて取り組んでおります。製薬では、R&Dアウトプット倍増に対応する頑健かつ競争力のある供給体制の実現を目指しています。中分子プラットフォーム技術構築においては、多くの関連技術において着実な進展が見られました。また、それらの技術をプロジェクトに適用し、GMP原薬・治験薬の製造を完遂するなど、技術確立が進みました。各生産拠点における新規建築プロジェクトも計画通りに進展し、藤枝工場の新たな低中分子治験薬・商用生産棟である「FJ3」が竣工となりました。浮間工場で稼働を開始した「UK4」は、国際製薬技術協会(ISPE : International Society for Pharmaceutical Engineering)のFacility of the Year AwardsにおけるSocial Impact賞を前年の「FJ2」に続き2年連続で受賞するなど、最新の生産設備が社外からも高く評価されています。また、当社が掲げる中期環境目標2030の達成に向けて、サステナブルな生産体制構築にも引き続き取り組んでいきます。Value Deliveryにおいては、多様化する顧客ニーズに対応し、患者さんや医療関係者が求める情報を的確かつ迅速に提供すべく、人・デジタルを融合したエンゲージメントモデルの進化と組織体制の変革が進んでおり、顧客満足度調査においても昨年に続き高い評価をいただいております。また、個別化医療に資する独自エビデンスの創出、患者さんや医療現場に価値をもたらすエビデンスの創出を目指し、社内外データの統合的な活用にも継続して取り組んでいます。今後も効率化を進めることで、高い生産性を維持していきます。成長基盤の「人・組織」については、2025年から導入する新人事制度においてジョブポスティングへの移行や雇用上限年齢の撤廃を掲げ、適所適財を加速するとともに、社員の挑戦と自律的なキャリア形成を後押ししていきます。創薬力の高度化や全バリューチェーン効率化の柱である「デジタル」については、生成AI技術の活用促進を目的としたMicrosoft Copilotの導入や、複数のモデル使い分け機能、全社データの高度な検索・回答機能を有するChugai AI Assistantの内製と活用推進を通じて複数のユースケースが現場から創出されており、業務への実装と効率化が進展しました。世界水準でのサステナブル基盤としての「環境」については、2030年の環境目標を設定し、種々の取り組みを行っており、概ね順調に進捗しておりますが、廃棄物の削減目標については達成に向けた課題があり、検討を継続しております。なお、サステナビリティにおいて重要な指標である「Dow Jones Sustainability World Index」に5年連続で選定され、医薬品セクターで世界第2位の評価をいただきました。プロダクトスチュワードシップや人的資本マネジメント、税務戦略に関する評価が昨年を上回り、特に社会面の項目を中心に全体として高い評価を受けました。その他、質と効率を両立した次世代クオリティマネジメントを目指す「クオリティ」にも着実に対応するとともに、「PHCソリューション**」では、2024年4月にPHCソリューションユニットを新設し、ソリューション開発から実用化までの戦略立案を推進しています。社会が求めるヘルスケアの提供価値への期待が高度化・多様化する中、医薬品と患者さんの間を繋ぎ、個別に最適化された提供価値を最大化することで、ヘルスケアシステム全体における創出価値の最大化へ貢献していきます。 *ROICについて投下資本利益率(ROIC:Return On Invested Capital)は事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。**PHCソリューションについて医薬品以外のソリューション(製品・サービス)(プログラム医療機器、体外診断用医薬品、コンパニオン診断、デジタルバイオマーカーなど) ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループはIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 1.重要な会計方針等 (2)重要な会計上の判断、見積り及び前提」に記載のとおりです。 |
※本記事は「中外製薬株式会社」の令和6年12期の有価証券報告書を参考に作成しています。(データが欠損した場合は最新の有価証券報告書より以前に提出された前年度等の有価証券報告書の値を使用することがあります)
※1.値が「ー」の場合は、XBRLから該当項目のタグが検出されなかったものを示しています。 一部企業では当該費用が他の費用区分(販管費・原価など)に含まれている場合や、報告書には記載されていてもXBRLタグ未設定のため抽出できていない可能性があります。
※2. 株主資本比率の計算式:株主資本比率 = 株主資本 ÷ (株主資本 + 負債) × 100
※3. 有利子負債残高の計算式:有利子負債残高 = 短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + リース債務(流動+固定) + コマーシャル・ペーパー
※4. この企業は、連結財務諸表ベースで見ると有利子負債がゼロ。つまり、グループ全体としては外部借入に頼らず資金運営していることがうかがえます。なお、個別財務諸表では親会社に借入が存在しているため、連結上のゼロはグループ内での相殺消去の影響とも考えられます。
連結財務指標と単体財務指標の違いについて
連結財務指標とは
連結財務指標は、親会社とその子会社・関連会社を含めた企業グループ全体の経営成績や財務状況を示すものです。グループ内の取引は相殺され、外部との取引のみが反映されます。
単体財務指標とは
単体財務指標は、親会社単独の経営成績や財務状況を示すものです。子会社との取引も含まれるため、企業グループ全体の実態とは異なる場合があります。
本記事での扱い
本ブログでは、可能な限り連結財務指標を掲載しています。これは企業グループ全体の実力をより正確に反映するためです。ただし、企業によっては連結情報が開示されていない場合もあるため、その際は単体財務指標を代替として使用しています。
この記事についてのご注意
本記事のデータは、EDINETに提出された有価証券報告書より、機械的に情報を抽出・整理して掲載しています。 数値や記述に誤りを発見された場合は、恐れ入りますが「お問い合わせ」よりご指摘いただけますと幸いです。 内容の修正にはお時間をいただく場合がございますので、予めご了承ください。
報告書の全文はこちら:EDINET(金融庁)
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